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序章

続々・ヘラ様の結婚相談所(条件すり合わせ)

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やっと序章が終わった……


~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・


「いいでしょう。
あなたはわたくしの選んだはじまりの娘。つまりテストケースです。
はじめでは不足もわからないということで、ある程度の条件の譲歩もいたします。
ただし、適齢期を過ぎたら結婚。これは譲りません」

「はい、それはわかりました」

それは大前提ですからね。女子力チートをもらったので、そこはがんばりますから。


「では、いったいなんでしょう?」

「いただいたヘラ様の祝福に含まれていれば、私はもう何も言いませんが……ないのならぜひいただきたい能力がございます」

ひれ伏してお願いの体勢になると、ヘラ様は鷹揚に頷いた。


「そう……そうね。わかりました」

さすが筒抜け状態。
あっさりお許しが出た。


「結婚したらわたくしの加護があるのですもの。必ず子宝に恵まれます。
ましてあなたは……庇護下に入る幼子もいましょう」

「え?」

なんか、触れたら大事になる予感がする含みを神さまから感じた。

ヤバい、これ、言って自分の首締めたら……?


「いえ、これからあなたが転生する世界での、わたくしの加護の効果を失念していたので、ちょうどよかったわ。てんぷれを知る娘を選んで正解でした」

眩い笑顔のヘラ様は、虚空に手を差しのべた。
そこに、玉虫色のオーラの中から現れた孔雀さまが、ふわっと乗った。

ああ、このオーラ、玉虫色じゃなくて孔雀の羽の光か……。


「玉虫扱いされて、この子少し機嫌を損ねていたのですが、現れたとき孔雀さまと呼ばれたのでなおりました。おかげでこの子の力も行き渡るでしょう」

神々しい神さまと、神々しい孔雀さまが更に光輝いた。

ただ、眩しいとは感じるものの、目に刺さるような痛みは一切与えない。

さすが神さまの後光だなと私はそのときは感じていたが、後から考えれば、そんな光を発したご加護が自分に与えられていたのだ。

しかしこれは後の祭り。生まれてから効果を知り、滝のような汗をかくのはまだ先のこと。


「さあ、これであなたの願いは聞き届けました。
子どもを守るための防御力は、これで十分なはず。
それでは美香。わたくしの落とし子よ」


孔雀の羽の色の輝きに包まれながら、美香には母性の化身のような微笑みを浮かべたいる女神が遠退いていくのがわかった。

名残惜しくて手を伸ばすと、そこにふんわりと美しい孔雀の羽根が収まった。


「良く生きなさい」

女神さまの、それがはなむけだった。



~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

次回、第一章

美香、異世界に爆誕します

です。
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