25 / 30
第一章 黄巾の乱
鄒靖への意見具申
しおりを挟む
初戦闘を終えた日の夕刻、野営の準備を終えた俺たちのもとに、他の義勇兵たちが集まってきた。
集まったのは、再編成された各隊のまとめ役となった数名と、その取り巻き連中で、あわせて二十名ほどか。
「俺たちゃあ死にかけの連中に石投げるために集まったんじゃねぇぞ!」
「こんな調子で手柄ぁ上げれんのかよ……」
「なぁ、玄徳さんよぉ。あんたから官軍の腰抜けどもにいっちょガツンと言ってくんねぇか?」
どうやらみんな、投石だけで敵を打ち倒すような戦闘を快く思っていないらしく、それについて抗議すべきだ、と訴えに来たのだ。
彼らがここに来たのは、俺たちを含む劉備の精力がもっとも人数が多いからだろう。
劉備が賛同してくれれば、官軍にも意見が通りやすいと思ってのことだ。
「しかし、我々はあくまで官軍主導で動くのが前提の義勇兵です。その指示を無視するわけにはいきません」
その言葉に、不満の声が各所で上がり始める。
腰抜けだなんだと罵声まがいのものが混じり始めたところで、関羽が一歩前に出た。
「静まれぃ!」
長柄刀の石突きで地面を叩きながらの一喝により、義勇兵たちは全員が口をつぐんだ。
「先ほどから好き放題言いおって、無礼ではないか!」
「まったくだぜぇ。文句があるってんならおれが聞いてやろうか?」
関羽に続いて張飛も一歩前に踏み出し、手にした棒をブンッとひと振りした。
「ヒィッ……!」
短い悲鳴が各所で上がり、仰け反る者や、恐怖にしゃがみ込む者が続出する。
「雲長、益徳、待つんだ」
義勇兵たちを威嚇していたふたりの弟分に、劉備は待ったをかけた。
関羽と張飛が劉備を振り返ったことで、その場にいた者たちから、安堵の息が漏れる。
「私たちは志を同じくした義勇兵だから、そこに身分の上下はないはずだ。なら、言いたいことがあるのなら、言い合うべきだろう」
そこで劉備は、例のアルカイックスマイルを浮かべた。
「雲長、益徳、お前たちも言いたいことがあるのなら、私と異なる意見であっても正直に言ってほしい」
関羽と張飛は一度互いに見合い、すぐに俯くと、各々を考えるそぶりを見せた。
先に、関羽が口を開く。
「兄者には悪いが、オレ先の官軍の戦い方に納得はいかない。できればもっと堂々と戦いたい」
「そうだなぁ。おれも関兄ぃの意見に賛成かな。遠くから石ぶつけるなんざ、卑怯もんのやることぜぇ」
ふたりの意見に同意するように、他の者たちも頷いている。
「そうか……。私としてはできれば官軍に逆らうようなことはしたくないのだけど、みんながそう言うなら仕方がない。実際、私もあの戦闘には納得のいかない部分はあるのでね」
神妙な面持ちでそう言い終えると、劉備は再び微笑を浮かべ、全員を見回した。
「では、みなさんの代表として鄒校尉に意見を述べるということで、よろしいですね?」
ちゃっかり“みなさんの代表”という言質をとりつつ、その場にいた全員の同意を得た劉備は、意見具申の許可を得て、鄒靖の幕舎に通されるた。
ちなみ随行しているのは俺ひとりだけ。
関羽や張飛を連れていくと威圧的になりすぎるだろう、との判断からで、未成年の田豫はそもそも最初から対象外だ。
「鄒校尉《こうい》、あれはいったいなんなのですか?」
幕舎に入るなり、劉備は唐突にそう問いかけた。
「あぁん? あれってのは……?」
義勇兵のまとめ役風情が官軍のそこそこ偉い人に対して、いきなり質問をぶつけるなんてのは、失礼極まりのない話だが、鄒靖は特に気分を害していないようだった。
劉備としてはここで鄒靖を感情的にさせ、文句を言うようなら義勇兵の離脱をネタに揺さぶるつもりでしかけたみたいだが、少しアテが外れたな。
突然の問いかけに対し、軽く首を傾げ鄒靖は、なにかに思い至ったように軽く頷いたあと、懐から先ほどの戦闘で使った投石紐を取り出し、自慢げに掲げた。
「こいつのことか!」
得意げな鄒靖とは裏腹に、劉備は嫌な光景でも思い出したのか、ほんの少し仰け反った。
俺もあんまりいい気分じゃない。
「こいつは烏桓の連中に教えてもらったもんでな。あいつらは鮮卑のやつらと違って、ちぃとばかし臆病なんだが、そのぶんこういう便利な道具なんかをだな――」
「そうではありません! 先ほどの戦いについて聞きたいのです!」
得意げにぺらぺらと喋り始めた鄒靖の言葉を、劉備は少し乱暴に遮った。
ちなみに烏桓と鮮卑ってのは、北の方にいる遊牧民族のことだ。
いわゆる異民族ってやつだな。
「……投石だけで敵を倒したことか?」
「え、ええ。そうです」
どうやら鄒靖は、最初から劉備が訪ねてきた理由をわかったうえで、話をはぐらしていたようだ。
真顔で問い返され劉備は、少したじろいだ。
「犠牲を出さず、成果を出したわけだが、なにか問題でもあるか?」
「いえ、その……効率的な戦法ではあると思いますが……」
「黄巾の連中に同情でもしたか?」
「そういうわけではないのですが……」
「おおかた、他の連中にせっつかれてここにきたんだろう?」
どうやら鄒靖にはすべてお見通しのようだ。
というか、こうなることは最初から想定していたのかもしれないな。
「言っておくが、俺は官軍を預かる身として、兵士も物資も無駄に損なうことはしない。直接刃を交えれば、いくら弱い敵が相手だろうと犠牲は出るからな」
「それならば、弓矢を使ってはいかがでしょう? そのほうがより安全ではないかと思うのですが」
投石と弓矢なら、圧倒的に弓矢のほうが射程は長い。
なにより、石を投げるよりはマシな気がするのだ。
殺すことに変わりはないんだけどな。
「矢も立派な物資だ。だが、石ならタダで拾える」
「それは、そうかもしれませんが……」
にしても、さっきから劉備の弁舌に冴えがない。
平然としてはいたが、やはり先の戦闘でそれなりにショックを受けているのだろう。
最初にペースを掴まれたのもまずかったかもな。
「とはいえ、だ」
言葉を詰まらせる劉備を見かねてか、鄒靖は軽くため息をついて表情を緩めた。
「前に出て戦いたいってんなら、止めはしねぇぜ?」
「……いいのですか?」
「ああ。最初だからすべて俺のやりかたに従ってもらったが、そこに不満があるってんなら、それを押してまで行動を強制するつもりはない」
そこで鄒靖は、ふっと苦笑を漏らす。
「お前ら義勇兵は、俺たち官軍と違って俸給を受けているわけじゃあないからな」
「鄒校尉……」
鄒靖の言葉に劉備は安堵したような表情を浮かべた。
それに対して、鄒靖の表情が少し真剣なものになる。
「ただし、なんでもかんでも好き勝手にやっていいってわけじゃあねぇぜ? いくら義勇兵だからって、いたずらに死人を出すのも気分が悪いからな」
そこで条件として出されたのが、最大勢力を率いる劉備が、義勇兵全体をとりまとめ、義勇軍の総大将になること、鄒靖が許可を出すまでは、勝手に動かないこと、その他こまかい取り決めがされた。
「これで少しは動きやすくなるな」
鄒靖の幕舎を出たあと、劉備はなかば独り言のようにつぶやいた。
あらかじめ隊長格の連中に認められていることもあり、名実ともにこの義勇軍の総大将となった劉備は、誇らしげだった。
集まったのは、再編成された各隊のまとめ役となった数名と、その取り巻き連中で、あわせて二十名ほどか。
「俺たちゃあ死にかけの連中に石投げるために集まったんじゃねぇぞ!」
「こんな調子で手柄ぁ上げれんのかよ……」
「なぁ、玄徳さんよぉ。あんたから官軍の腰抜けどもにいっちょガツンと言ってくんねぇか?」
どうやらみんな、投石だけで敵を打ち倒すような戦闘を快く思っていないらしく、それについて抗議すべきだ、と訴えに来たのだ。
彼らがここに来たのは、俺たちを含む劉備の精力がもっとも人数が多いからだろう。
劉備が賛同してくれれば、官軍にも意見が通りやすいと思ってのことだ。
「しかし、我々はあくまで官軍主導で動くのが前提の義勇兵です。その指示を無視するわけにはいきません」
その言葉に、不満の声が各所で上がり始める。
腰抜けだなんだと罵声まがいのものが混じり始めたところで、関羽が一歩前に出た。
「静まれぃ!」
長柄刀の石突きで地面を叩きながらの一喝により、義勇兵たちは全員が口をつぐんだ。
「先ほどから好き放題言いおって、無礼ではないか!」
「まったくだぜぇ。文句があるってんならおれが聞いてやろうか?」
関羽に続いて張飛も一歩前に踏み出し、手にした棒をブンッとひと振りした。
「ヒィッ……!」
短い悲鳴が各所で上がり、仰け反る者や、恐怖にしゃがみ込む者が続出する。
「雲長、益徳、待つんだ」
義勇兵たちを威嚇していたふたりの弟分に、劉備は待ったをかけた。
関羽と張飛が劉備を振り返ったことで、その場にいた者たちから、安堵の息が漏れる。
「私たちは志を同じくした義勇兵だから、そこに身分の上下はないはずだ。なら、言いたいことがあるのなら、言い合うべきだろう」
そこで劉備は、例のアルカイックスマイルを浮かべた。
「雲長、益徳、お前たちも言いたいことがあるのなら、私と異なる意見であっても正直に言ってほしい」
関羽と張飛は一度互いに見合い、すぐに俯くと、各々を考えるそぶりを見せた。
先に、関羽が口を開く。
「兄者には悪いが、オレ先の官軍の戦い方に納得はいかない。できればもっと堂々と戦いたい」
「そうだなぁ。おれも関兄ぃの意見に賛成かな。遠くから石ぶつけるなんざ、卑怯もんのやることぜぇ」
ふたりの意見に同意するように、他の者たちも頷いている。
「そうか……。私としてはできれば官軍に逆らうようなことはしたくないのだけど、みんながそう言うなら仕方がない。実際、私もあの戦闘には納得のいかない部分はあるのでね」
神妙な面持ちでそう言い終えると、劉備は再び微笑を浮かべ、全員を見回した。
「では、みなさんの代表として鄒校尉に意見を述べるということで、よろしいですね?」
ちゃっかり“みなさんの代表”という言質をとりつつ、その場にいた全員の同意を得た劉備は、意見具申の許可を得て、鄒靖の幕舎に通されるた。
ちなみ随行しているのは俺ひとりだけ。
関羽や張飛を連れていくと威圧的になりすぎるだろう、との判断からで、未成年の田豫はそもそも最初から対象外だ。
「鄒校尉《こうい》、あれはいったいなんなのですか?」
幕舎に入るなり、劉備は唐突にそう問いかけた。
「あぁん? あれってのは……?」
義勇兵のまとめ役風情が官軍のそこそこ偉い人に対して、いきなり質問をぶつけるなんてのは、失礼極まりのない話だが、鄒靖は特に気分を害していないようだった。
劉備としてはここで鄒靖を感情的にさせ、文句を言うようなら義勇兵の離脱をネタに揺さぶるつもりでしかけたみたいだが、少しアテが外れたな。
突然の問いかけに対し、軽く首を傾げ鄒靖は、なにかに思い至ったように軽く頷いたあと、懐から先ほどの戦闘で使った投石紐を取り出し、自慢げに掲げた。
「こいつのことか!」
得意げな鄒靖とは裏腹に、劉備は嫌な光景でも思い出したのか、ほんの少し仰け反った。
俺もあんまりいい気分じゃない。
「こいつは烏桓の連中に教えてもらったもんでな。あいつらは鮮卑のやつらと違って、ちぃとばかし臆病なんだが、そのぶんこういう便利な道具なんかをだな――」
「そうではありません! 先ほどの戦いについて聞きたいのです!」
得意げにぺらぺらと喋り始めた鄒靖の言葉を、劉備は少し乱暴に遮った。
ちなみに烏桓と鮮卑ってのは、北の方にいる遊牧民族のことだ。
いわゆる異民族ってやつだな。
「……投石だけで敵を倒したことか?」
「え、ええ。そうです」
どうやら鄒靖は、最初から劉備が訪ねてきた理由をわかったうえで、話をはぐらしていたようだ。
真顔で問い返され劉備は、少したじろいだ。
「犠牲を出さず、成果を出したわけだが、なにか問題でもあるか?」
「いえ、その……効率的な戦法ではあると思いますが……」
「黄巾の連中に同情でもしたか?」
「そういうわけではないのですが……」
「おおかた、他の連中にせっつかれてここにきたんだろう?」
どうやら鄒靖にはすべてお見通しのようだ。
というか、こうなることは最初から想定していたのかもしれないな。
「言っておくが、俺は官軍を預かる身として、兵士も物資も無駄に損なうことはしない。直接刃を交えれば、いくら弱い敵が相手だろうと犠牲は出るからな」
「それならば、弓矢を使ってはいかがでしょう? そのほうがより安全ではないかと思うのですが」
投石と弓矢なら、圧倒的に弓矢のほうが射程は長い。
なにより、石を投げるよりはマシな気がするのだ。
殺すことに変わりはないんだけどな。
「矢も立派な物資だ。だが、石ならタダで拾える」
「それは、そうかもしれませんが……」
にしても、さっきから劉備の弁舌に冴えがない。
平然としてはいたが、やはり先の戦闘でそれなりにショックを受けているのだろう。
最初にペースを掴まれたのもまずかったかもな。
「とはいえ、だ」
言葉を詰まらせる劉備を見かねてか、鄒靖は軽くため息をついて表情を緩めた。
「前に出て戦いたいってんなら、止めはしねぇぜ?」
「……いいのですか?」
「ああ。最初だからすべて俺のやりかたに従ってもらったが、そこに不満があるってんなら、それを押してまで行動を強制するつもりはない」
そこで鄒靖は、ふっと苦笑を漏らす。
「お前ら義勇兵は、俺たち官軍と違って俸給を受けているわけじゃあないからな」
「鄒校尉……」
鄒靖の言葉に劉備は安堵したような表情を浮かべた。
それに対して、鄒靖の表情が少し真剣なものになる。
「ただし、なんでもかんでも好き勝手にやっていいってわけじゃあねぇぜ? いくら義勇兵だからって、いたずらに死人を出すのも気分が悪いからな」
そこで条件として出されたのが、最大勢力を率いる劉備が、義勇兵全体をとりまとめ、義勇軍の総大将になること、鄒靖が許可を出すまでは、勝手に動かないこと、その他こまかい取り決めがされた。
「これで少しは動きやすくなるな」
鄒靖の幕舎を出たあと、劉備はなかば独り言のようにつぶやいた。
あらかじめ隊長格の連中に認められていることもあり、名実ともにこの義勇軍の総大将となった劉備は、誇らしげだった。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
幕末☆妖狐戦争 ~九尾の能力がはた迷惑な件について~
カホ
ファンタジー
御影 雫は、都内の薬学部に通う、手軽な薬を作るのが好きな、ごく普通の女子大生である。
そんな彼女は、ある日突然、なんの前触れもなく見知らぬ森に飛ばされてしまう。
「こいつを今宵の生贄にしよう」
現れた男たちによって、九尾の狐の生贄とされてしまった雫は、その力の代償として五感と心を失う。
大坂、そして京へと流れて行き、成り行きで新選組に身を寄せた雫は、襲いくる時代の波と、生涯に一度の切ない恋に翻弄されることとなる。
幾度となく出会いと別れを繰り返し、それでも終点にたどり着いた雫が、時代の終わりに掴み取ったのは………。
注)あまり真面目じゃなさそうなタイトルの話はたいてい主人公パートです
徐々に真面目でシリアスになって行く予定。
歴史改変がお嫌いな方は、小説家になろうに投稿中の <史実運命> 幕末☆(以下略)の方をご覧ください!
要塞少女
水城洋臣
歴史・時代
蛮族に包囲され孤立した城を守り抜いた指揮官は、十四歳の少女であった。
三国時代を統一によって終わらせた西晋王朝の末期。
かつて南中と呼ばれた寧州で、蛮族の反乱によって孤立した州城。今は国中が内紛の只中にあり援軍も望めない。絶体絶命と思われた城を救ったのは、名将である父から兵法・武芸を学んだ弱冠十四歳の少女・李秀であった……。
かの『三國志』で、劉備たちが治めた蜀の地。そんな蜀漢が滅びた後、蜀がどんな歴史を辿ったのか。
東晋時代に編纂された史書『華陽國志』(巴蜀の地方史)に記された史実を元にした伝奇フィクションです。
夢の終わり ~蜀漢の滅亡~
久保カズヤ
歴史・時代
「───────あの空の極みは、何処であろうや」
三国志と呼ばれる、戦国時代を彩った最後の英雄、諸葛亮は五丈原に沈んだ。
蜀漢の皇帝にして、英雄「劉備」の血を継ぐ「劉禅」
最後の英雄「諸葛亮」の志を継いだ「姜維」
── 天下統一
それを志すには、蜀漢はあまりに小さく、弱き国である。
国を、民を背負い、後の世で暗君と呼ばれることになる劉禅。
そして、若き天才として国の期待を一身に受ける事になった姜維。
二人は、沈みゆく祖国の中で、何を思い、何を目指し、何に生きたのか。
志は同じであっても、やがてすれ違い、二人は、離れていく。
これは、そんな、覚めゆく夢を描いた、寂しい、物語。
【 毎日更新 】
【 表紙は hidepp(@JohnnyHidepp) 様に描いていただきました 】
三国志「街亭の戦い」
久保カズヤ
歴史・時代
後世にまでその名が轟く英傑「諸葛亮」
その英雄に見込まれ、後継者と選ばれていた男の名前を「馬謖(ばしょく)」といった。
彼が命を懸けて挑んだ戦が「街亭の戦い」と呼ばれる。
泣いて馬謖を斬る。
孔明の涙には、どのような意味が込められていたのだろうか。
三国志「魏延」伝
久保カズヤ
歴史・時代
裏切者「魏延」
三国志演技において彼はそう呼ばれる。
しかし、正史三国志を記した陳寿は彼をこう評した。
「魏延の真意を察するに、北の魏へ向かわず、南へ帰ったのは、単に楊儀を除こうとしただけである。謀反を起こそうとしたものではない」と。
劉備に抜擢され、その武勇を愛された魏延の真意とは。それを書き記した短編です。
浪漫的女英雄三国志
はぎわら歓
歴史・時代
女性の身でありながら天下泰平を志す劉備玄徳は、関羽、張飛、趙雲、諸葛亮を得て、宿敵の女王、曹操孟徳と戦う。
184年黄巾の乱がおこり、義勇軍として劉備玄徳は立ち上がる。宦官の孫である曹操孟徳も挙兵し、名を上げる。
二人の英雄は火花を散らしながら、それぞれの国を建国していく。その二国の均衡を保つのが孫権の呉である。
222年に三国が鼎立し、曹操孟徳、劉備玄徳がなくなった後、呉の孫権仲謀の妹、孫仁尚香が三国の行く末を見守る。
玄徳と曹操は女性です。
他は三国志演義と性別は一緒の予定です。
三國志 on 世説新語
ヘツポツ斎
歴史・時代
三國志のオリジンと言えば「三国志演義」? あるいは正史の「三國志」?
確かに、その辺りが重要です。けど、他の所にもネタが転がっています。
それが「世説新語」。三國志のちょっと後の時代に書かれた人物エピソード集です。当作はそこに載る1130エピソードの中から、三國志に関わる人物(西晋の統一まで)をピックアップ。それらを原文と、その超訳とでお送りします!
※当作はカクヨムさんの「世説新語 on the Web」を起点に、小説家になろうさん、ノベルアッププラスさん、エブリスタさんにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる