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第三章 ダンジョンへ行こう
3-20 初めてのダンジョン探索
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《スタート地点を更新》
ダンジョンの入り口手前でスタート地点が更新された。
つまり、ダンジョンで死んでもここからやり直せるってことだな。
スタート地点の新たな仕様を確認した俺は、石造りの砦のような建物に入った。
10人くらいは並んで歩けるような広い通路がしばらく続く。
通路を進むと奥に中庭みたいなものがあり、そこに大きな魔法陣がふたつあった。
たぶんこの魔方陣を囲う形で、この砦みたいなのがあとから建てられたんだろうな。
ふたつの魔法陣はそれぞれダンジョン内に通じる転移陣で、一方は1階層へ、もう一方は階層を指定して転移できる。
1度でも攻略すれば、その階層へ一気に飛べるようになっているのだ。
俺はもちろん1階層行きの転移陣に乗る。
そして乗った瞬間景色が変わった。
そこは薄暗い森の中。
シェリジュの森に雰囲気が似ているかも。
見上げれば空はあるし、太陽も見える。
ダンジョンは小さな異世界といったけど、つまりはこういうことだ。
エムゼタシンテ・ダンジョンは30階層からなり、1~10階層まではここみたいな森林エリアになっている。
転移陣から飛ばされる先は各階層ごとに10箇所ほどあり、どこに飛ばされるかは完全にランダムだ。
「えーっと、正面に頂上が平らな山を見つつ左手に巨木がある場合は……第2ポイントだな」
ちなみにいま目印にした山は、あくまで景色として存在しているだけで、たどり着くことはできないらしい。
没入型VRとかが存在するなら、こんな感じなのかも知れないなぁ。
とりあえず俺はマップを頼りに、階層の中心を目指した。
2分ほど歩いたところで、さっそく初めてのダンジョンモンスターを発見。
といってもジャイアントラビットなんだけどね。
姿形は同じだけど、ダンジョンモンスターのほうが少し強いらしい。
死角から不意打ち食らわせたかったが、気付かれたようだ。
ジャイアントラビットはこちらを見つつ、逃げるべきか襲うべきか迷っているように見える。
レイピアは鞘に収めているが、いつでも魔術を撃てるよう、杖は左手に持ったまま歩いていた。
「くらえっ!」
というわけで、優柔不断なラビット君に向けて《魔矢》発射。
杖から放たれた魔力の矢はジャイアントラビットの眉間を正確に捉え、撃ちぬくと同時にそいつは光の粒子となって消えた。
「おお、ホントに消えるんだな」
その様子にちょっとだけ感動しつつ、ジャイアントラビットがいたあたりを探すと、小指の先程度の大きさの、いびつな形をした黒い塊を見つけた。
「これが魔石か……」
重さは同じ大きさの小石ほど。
これを10kg集めるとなると、ジャイアントラビットレベルの魔物倒してたんじゃあ、いつまでたっても終わらんな。
拾った魔石は即《収納》。
収納庫の中には『いっぱいになるとだいたい魔石10kg分』という魔術士ギルド推奨の木箱を事前に設置しており、その中に入れていく。
その後しばらくはジャイアントラビットが続いたので《魔矢》で倒して魔石を拾っていった。
1階層は中心へ向かうにつれ森が深くなっていく。
木の上になんとなく不穏な気配を察知した俺は、少し離れた位置から狙いをつけて《魔弾》を撃つ。
すると、上からドサッとなにかが落ちてきた。
多分コイツは、序盤に俺を毒殺した蛇だな。
たしかシンマスネークとかいったか。
地面に落ちたシンマスネークは、ほどなく光の粒子となった。
「リベンジ完了っと」
親指の先ほどの魔石を拾って《収納》する。
さらに中央へ向かうと、ホーンラビットやジャイアントボア、単体のグレイウルフなど、お馴染みの連中が現れた。
向かってくるものはレイピアで、逃げるものは魔術で、順調に仕留めていく。
ホーンラビットが落とす魔石は、シンマスネークと同程度。
ジャイアントボアとグレイウルフが落とす魔石は赤ん坊の拳くらいかな。
しかし教官からもらったこのレイピア、すげー切れ味だわ。
たとえばジャイアントボアってのは、かなり皮膚が頑丈なんだ。
体毛もガッチガッチに硬くて、角度が悪ければ斬撃なんかは簡単にはじかれてしまう。
で、いま俺の目の前に、その頑丈な毛皮を持ったジャイアントボアがいたりする。
いまにも突進しようと前足で大地を何度もかいているそいつの正面で、俺はレイピアを構えて軽く腰を落とした。
準備完了とばかりに「フンス!」と勢い良く鼻息を吹き出したジャイアントボアが、その巨体からは想像できないような速度で俺に向かって突進してくる。
「ほいっと!」
しかしいくら速かろうとこちらにまっすぐ突き進むだけなので、タイミングよく身を翻して横によけた。
そしてガラ空きの首を、横から突くわけだが……、これが驚くほどあっさり通るんだわ。
走り抜けるジャイアントボアの首に剣をサクッと刺してスッと抜くだけで致命傷を与えることができる。
突進をかわされたと悟ったジャイアントボアが急停止し、反転してこちらに向き直る。
「ブルルッ……!」
怒りを露わに俺を見つつまたも前足で大地をかきはじめるが、首からはドバドバと血が流れ落ち、ひとかきごとに前足の動きは弱まっていく。
やがて自身の体重を支える力を失い、ジャイアントボアは、どすんと大地に倒れた。
恨めしそうな視線を向ける目からも徐々に生気が抜けていき、やがて光の粒子となって消えた。
剣に絡みついてたジャイアントボアの血液も、それと同時に消滅する。
「それでも血振りはやめられない、ってね」
綺麗に血の跡が消えたにも関わらず、俺はレイピアをヒュッとひと振りして鞘に納める。
別に格好をつけているわけではなく、例えダンジョンモンスター相手で必要がなくとも、血振りのクセは抜けないようにしておけ、とカーリー教官から教えられていたのだ。
そのあとさらに雑魚モンスターを倒しつつ進んでいくと、何度目かに倒したホーンラビットが、魔石以外の物を残した。
「お、ホーンラビットの角」
原則ダンジョンモンスターは倒せば魔石だけを残して消えるが、時々素材を残していくことがある。
それはドロップアイテムと呼ばれ、解体無しで手に入るうえ、野生の魔物から取れるものより上質な素材となるのだ。
ただドロップ率はそれほど高くないので、単純な素材集めであれば野生の魔物を狩ったほうが早いんだけどね。
ドロップアイテムはあくまでオマケみたいなもんだな。
ダンジョンの入り口手前でスタート地点が更新された。
つまり、ダンジョンで死んでもここからやり直せるってことだな。
スタート地点の新たな仕様を確認した俺は、石造りの砦のような建物に入った。
10人くらいは並んで歩けるような広い通路がしばらく続く。
通路を進むと奥に中庭みたいなものがあり、そこに大きな魔法陣がふたつあった。
たぶんこの魔方陣を囲う形で、この砦みたいなのがあとから建てられたんだろうな。
ふたつの魔法陣はそれぞれダンジョン内に通じる転移陣で、一方は1階層へ、もう一方は階層を指定して転移できる。
1度でも攻略すれば、その階層へ一気に飛べるようになっているのだ。
俺はもちろん1階層行きの転移陣に乗る。
そして乗った瞬間景色が変わった。
そこは薄暗い森の中。
シェリジュの森に雰囲気が似ているかも。
見上げれば空はあるし、太陽も見える。
ダンジョンは小さな異世界といったけど、つまりはこういうことだ。
エムゼタシンテ・ダンジョンは30階層からなり、1~10階層まではここみたいな森林エリアになっている。
転移陣から飛ばされる先は各階層ごとに10箇所ほどあり、どこに飛ばされるかは完全にランダムだ。
「えーっと、正面に頂上が平らな山を見つつ左手に巨木がある場合は……第2ポイントだな」
ちなみにいま目印にした山は、あくまで景色として存在しているだけで、たどり着くことはできないらしい。
没入型VRとかが存在するなら、こんな感じなのかも知れないなぁ。
とりあえず俺はマップを頼りに、階層の中心を目指した。
2分ほど歩いたところで、さっそく初めてのダンジョンモンスターを発見。
といってもジャイアントラビットなんだけどね。
姿形は同じだけど、ダンジョンモンスターのほうが少し強いらしい。
死角から不意打ち食らわせたかったが、気付かれたようだ。
ジャイアントラビットはこちらを見つつ、逃げるべきか襲うべきか迷っているように見える。
レイピアは鞘に収めているが、いつでも魔術を撃てるよう、杖は左手に持ったまま歩いていた。
「くらえっ!」
というわけで、優柔不断なラビット君に向けて《魔矢》発射。
杖から放たれた魔力の矢はジャイアントラビットの眉間を正確に捉え、撃ちぬくと同時にそいつは光の粒子となって消えた。
「おお、ホントに消えるんだな」
その様子にちょっとだけ感動しつつ、ジャイアントラビットがいたあたりを探すと、小指の先程度の大きさの、いびつな形をした黒い塊を見つけた。
「これが魔石か……」
重さは同じ大きさの小石ほど。
これを10kg集めるとなると、ジャイアントラビットレベルの魔物倒してたんじゃあ、いつまでたっても終わらんな。
拾った魔石は即《収納》。
収納庫の中には『いっぱいになるとだいたい魔石10kg分』という魔術士ギルド推奨の木箱を事前に設置しており、その中に入れていく。
その後しばらくはジャイアントラビットが続いたので《魔矢》で倒して魔石を拾っていった。
1階層は中心へ向かうにつれ森が深くなっていく。
木の上になんとなく不穏な気配を察知した俺は、少し離れた位置から狙いをつけて《魔弾》を撃つ。
すると、上からドサッとなにかが落ちてきた。
多分コイツは、序盤に俺を毒殺した蛇だな。
たしかシンマスネークとかいったか。
地面に落ちたシンマスネークは、ほどなく光の粒子となった。
「リベンジ完了っと」
親指の先ほどの魔石を拾って《収納》する。
さらに中央へ向かうと、ホーンラビットやジャイアントボア、単体のグレイウルフなど、お馴染みの連中が現れた。
向かってくるものはレイピアで、逃げるものは魔術で、順調に仕留めていく。
ホーンラビットが落とす魔石は、シンマスネークと同程度。
ジャイアントボアとグレイウルフが落とす魔石は赤ん坊の拳くらいかな。
しかし教官からもらったこのレイピア、すげー切れ味だわ。
たとえばジャイアントボアってのは、かなり皮膚が頑丈なんだ。
体毛もガッチガッチに硬くて、角度が悪ければ斬撃なんかは簡単にはじかれてしまう。
で、いま俺の目の前に、その頑丈な毛皮を持ったジャイアントボアがいたりする。
いまにも突進しようと前足で大地を何度もかいているそいつの正面で、俺はレイピアを構えて軽く腰を落とした。
準備完了とばかりに「フンス!」と勢い良く鼻息を吹き出したジャイアントボアが、その巨体からは想像できないような速度で俺に向かって突進してくる。
「ほいっと!」
しかしいくら速かろうとこちらにまっすぐ突き進むだけなので、タイミングよく身を翻して横によけた。
そしてガラ空きの首を、横から突くわけだが……、これが驚くほどあっさり通るんだわ。
走り抜けるジャイアントボアの首に剣をサクッと刺してスッと抜くだけで致命傷を与えることができる。
突進をかわされたと悟ったジャイアントボアが急停止し、反転してこちらに向き直る。
「ブルルッ……!」
怒りを露わに俺を見つつまたも前足で大地をかきはじめるが、首からはドバドバと血が流れ落ち、ひとかきごとに前足の動きは弱まっていく。
やがて自身の体重を支える力を失い、ジャイアントボアは、どすんと大地に倒れた。
恨めしそうな視線を向ける目からも徐々に生気が抜けていき、やがて光の粒子となって消えた。
剣に絡みついてたジャイアントボアの血液も、それと同時に消滅する。
「それでも血振りはやめられない、ってね」
綺麗に血の跡が消えたにも関わらず、俺はレイピアをヒュッとひと振りして鞘に納める。
別に格好をつけているわけではなく、例えダンジョンモンスター相手で必要がなくとも、血振りのクセは抜けないようにしておけ、とカーリー教官から教えられていたのだ。
そのあとさらに雑魚モンスターを倒しつつ進んでいくと、何度目かに倒したホーンラビットが、魔石以外の物を残した。
「お、ホーンラビットの角」
原則ダンジョンモンスターは倒せば魔石だけを残して消えるが、時々素材を残していくことがある。
それはドロップアイテムと呼ばれ、解体無しで手に入るうえ、野生の魔物から取れるものより上質な素材となるのだ。
ただドロップ率はそれほど高くないので、単純な素材集めであれば野生の魔物を狩ったほうが早いんだけどね。
ドロップアイテムはあくまでオマケみたいなもんだな。
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新作始めました!
【ハズレ職】【追放】【覚醒】【賢者】【無双】【ダンジョン攻略】に【成り上がり】【ざまぁ】そして【ハーレム】!
【男の欲望】【全部入り】の【本格】【エロティック】【ハイファンタジー】!!
ハズレ赤魔道士は賢者タイムに無双する
よろしくお願いします!!
【ハズレ職】【追放】【覚醒】【賢者】【無双】【ダンジョン攻略】に【成り上がり】【ざまぁ】そして【ハーレム】!
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