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第二章 冒険者活動
2-16 不意打ちの練習
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狩りの途中で、ふと意識が途絶えたと思ったら、門の前にいた。
たぶんあれだな、MP切れの気絶だな。
解体やら収納やらで生活魔術使ったところに、あれだけガンガンスキルレベルがあがる勢いで〈魔力感知〉使ってたから、相当消費したんだろう。
いくら弱いとはいえ、ジャイアントラビットも魔物だし、その生息地で気絶なんかしちゃあ死ぬわな。
んで、久々の死に戻り、っと。
ああー、せっかく採取した薬草や獲物が、無駄になったー!!
……いや、ここは〈魔力感知〉のスキルレベルが上がったってことを喜ぼう!
**********
そしてふたたび、ジャイアントラビットの生息地。
今回は、途中の薬草採取をすっ飛ばして、ここに来た。
こうなりゃ、不意打ちが成功するまでとことんやったるぜ!
途中で気絶したら、そのときは諦めて死のう!!
……でも、極力死なないように、気をつけよう。
気配と魔力に注意を払いつつ、獲物に近づく。
この、微妙に漏れ出てる魔力をなんとかしないと、これ以上は近づけない。
弓や攻撃魔術だと、仕留められそうなんだけどな。
なんか武器の選択を誤った感がなくもないが、町を出たところでスタート地点も更新されてるので、死に戻りでキャンセルはできない。
いや、いくら弓が有効だといっても、消耗品の矢をポンポン使うから、やっぱナシだわ。
攻撃魔術だって、覚えるだけのお金ないしね。
よし、やっぱこの漏れてる魔力を、なんとかできるように努力しよう!!
集中だ集中!!
魔力が漏れ出ないよう……細心の注意を払って……まだだ……まだ出てる……うーん……。
おっと、また死んだみたいだな。
あれだな、気絶したあとに死ぬのは、あんま怖くないから平気だな。
よし、とことんやろう!!
**********
俺はいま、獲物を前に息を潜めています。
なんやかんやで、都合5回死んだよ。
あ、何回もMP切れおこすくらい魔力消費してるから、死に戻る度にMPがガンガン増えてるわ。
んで、1回1回の、死ぬまでの時間は長くなってたりする。
さて、もうちょいで掴めそうなんだよな。
身を潜め……息を潜め……気配を潜め……魔力を潜め……。
《スキル習得》
〈気配隠匿〉
キター!!
おお、なんか魔力の漏れが、一気に減ったような気がする。
完全にゼロではないけど、漏れ出て伝わる範囲は、確実に狭くなってるわ。
よし、じゃあこの状態で一歩……まだ気付かない……もう一歩……まだ大丈夫……あと一歩……よし、気づいてないな。
敵とのあいだには草があって、お互いに姿は見えないけど、俺のほうはいままでよりもはっきりと、相手を認識できている。
で、向こうは気づいていない。
俺はゆっくりと槍を引き、一気に繰り出した。
「よしっ!!」
柄に伝わる、確かな手応え!
草をかき分けると、獲物の首を横から捉えるかたちで、槍の穂が半ばまで入っている。
ジャイアントラビットは槍先で痙攣しているが、流石に逃れるだけの生命力はなさそうだ。
よし、心臓が止まる前に槍を抜かないとな。
返り血を浴びないよう注意しながら槍を抜くと、勢い良よく血が吹き出した。
そのあとも、心臓の鼓動に合わせてドクドクと血が流れ出し、ジャイアントラビットは完全に動きを止めた。
こうやって心臓が止まる前に出血させておくと、あとあと血抜きが楽なんだよな。
手慣れた人だと、脊髄だけをうまく傷つけて、生きてるけど動けないようにしてから、ダーっと血を抜くらしいけど、俺には無理。
生活魔術の『血抜き』を覚えれば、死んだあとでも無理やり血抜きができるらしいから、そっちを覚えたほうが早いかな。
MP残量に気を使いながら、解体から収納までを済ませる。
まだいけそうだなってんで、次の獲物を仕留めようと〈気配隠匿〉全開で近づいたんだが、“カサッ”て音鳴らしてしまって逃げられたよ。
油断しちゃダメだね。
いくら気配殺してても、音出しゃそりゃ逃げられるわ。
ウサギだし、耳はいいに決まってる。
でも、〈気配隠匿〉覚えてからは、潜んだ時のMP消費量が一気に減った。
やっぱスキルってすげーな。
そのあとも、俺は慎重に獲物を狙い、さらに2匹、都合3匹のジャイアントラビットを仕留めた。
その時点でMP残量がやばくなってきたんで、ちょっと早い時間だったけど狩りは切り上げた。
頭フラフラだったんで、薬草採取もせず街に戻った。
**********
「へええ。初日で3匹、しかも全部一撃とは、なかなかやるねぇ」
受付には、まだフェデーレさんがいた。
収納庫から素材を取り出し、買い取りカウンターに並べている。
「いやぁ、もうフラフラっすよぉ」
あのあと、街に戻るまでがマジでキツかった。
HPに余裕はあっても、MPが枯渇寸前だったたら、すげーしんどいのな。
体はまぁ普通に動くんだけど、頭がクラクラする感じ?
魔力酔いが長時間続いてるっつーか、あれだ、宿酔いに近いな。
「はい、じゃあレンタル料引いて37Gね。カードに入れといたよ」
こんだけ頑張って37G……。
薬草採取のほうが、断然効率いいな……。
でも、新しいスキルも覚えられたし、修行と思ってあと7匹、がんばろう。
たぶんあれだな、MP切れの気絶だな。
解体やら収納やらで生活魔術使ったところに、あれだけガンガンスキルレベルがあがる勢いで〈魔力感知〉使ってたから、相当消費したんだろう。
いくら弱いとはいえ、ジャイアントラビットも魔物だし、その生息地で気絶なんかしちゃあ死ぬわな。
んで、久々の死に戻り、っと。
ああー、せっかく採取した薬草や獲物が、無駄になったー!!
……いや、ここは〈魔力感知〉のスキルレベルが上がったってことを喜ぼう!
**********
そしてふたたび、ジャイアントラビットの生息地。
今回は、途中の薬草採取をすっ飛ばして、ここに来た。
こうなりゃ、不意打ちが成功するまでとことんやったるぜ!
途中で気絶したら、そのときは諦めて死のう!!
……でも、極力死なないように、気をつけよう。
気配と魔力に注意を払いつつ、獲物に近づく。
この、微妙に漏れ出てる魔力をなんとかしないと、これ以上は近づけない。
弓や攻撃魔術だと、仕留められそうなんだけどな。
なんか武器の選択を誤った感がなくもないが、町を出たところでスタート地点も更新されてるので、死に戻りでキャンセルはできない。
いや、いくら弓が有効だといっても、消耗品の矢をポンポン使うから、やっぱナシだわ。
攻撃魔術だって、覚えるだけのお金ないしね。
よし、やっぱこの漏れてる魔力を、なんとかできるように努力しよう!!
集中だ集中!!
魔力が漏れ出ないよう……細心の注意を払って……まだだ……まだ出てる……うーん……。
おっと、また死んだみたいだな。
あれだな、気絶したあとに死ぬのは、あんま怖くないから平気だな。
よし、とことんやろう!!
**********
俺はいま、獲物を前に息を潜めています。
なんやかんやで、都合5回死んだよ。
あ、何回もMP切れおこすくらい魔力消費してるから、死に戻る度にMPがガンガン増えてるわ。
んで、1回1回の、死ぬまでの時間は長くなってたりする。
さて、もうちょいで掴めそうなんだよな。
身を潜め……息を潜め……気配を潜め……魔力を潜め……。
《スキル習得》
〈気配隠匿〉
キター!!
おお、なんか魔力の漏れが、一気に減ったような気がする。
完全にゼロではないけど、漏れ出て伝わる範囲は、確実に狭くなってるわ。
よし、じゃあこの状態で一歩……まだ気付かない……もう一歩……まだ大丈夫……あと一歩……よし、気づいてないな。
敵とのあいだには草があって、お互いに姿は見えないけど、俺のほうはいままでよりもはっきりと、相手を認識できている。
で、向こうは気づいていない。
俺はゆっくりと槍を引き、一気に繰り出した。
「よしっ!!」
柄に伝わる、確かな手応え!
草をかき分けると、獲物の首を横から捉えるかたちで、槍の穂が半ばまで入っている。
ジャイアントラビットは槍先で痙攣しているが、流石に逃れるだけの生命力はなさそうだ。
よし、心臓が止まる前に槍を抜かないとな。
返り血を浴びないよう注意しながら槍を抜くと、勢い良よく血が吹き出した。
そのあとも、心臓の鼓動に合わせてドクドクと血が流れ出し、ジャイアントラビットは完全に動きを止めた。
こうやって心臓が止まる前に出血させておくと、あとあと血抜きが楽なんだよな。
手慣れた人だと、脊髄だけをうまく傷つけて、生きてるけど動けないようにしてから、ダーっと血を抜くらしいけど、俺には無理。
生活魔術の『血抜き』を覚えれば、死んだあとでも無理やり血抜きができるらしいから、そっちを覚えたほうが早いかな。
MP残量に気を使いながら、解体から収納までを済ませる。
まだいけそうだなってんで、次の獲物を仕留めようと〈気配隠匿〉全開で近づいたんだが、“カサッ”て音鳴らしてしまって逃げられたよ。
油断しちゃダメだね。
いくら気配殺してても、音出しゃそりゃ逃げられるわ。
ウサギだし、耳はいいに決まってる。
でも、〈気配隠匿〉覚えてからは、潜んだ時のMP消費量が一気に減った。
やっぱスキルってすげーな。
そのあとも、俺は慎重に獲物を狙い、さらに2匹、都合3匹のジャイアントラビットを仕留めた。
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新作始めました!
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よろしくお願いします!!
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