28 / 100
第二章 冒険者活動
2-14 初めての魔物討伐依頼
しおりを挟む
青銅の槍を借りた俺は、いつもの薬草採取に加えジャイアントラビットの皮10匹ぶん、という依頼を受けた。
依頼ランクはF。
初の魔物討伐依頼だ。
余談だけど、魔物の単位は全部《匹》ね。
この依頼を達成すれば、ランクアップ確定なんだよな、へっへっへ。
いつもどおり採取キットも借り、俺はジャイアントラビットの生息地に向かった。
生息地に向かう道すがら、ちょこちょこと薬草採取もやっておく。
《収納》のおかけで、いっぱいになった袋を収納できるから、すっげー楽ちんだわー。
ちなみに槍も、収納庫に入れてある。
あれ、結構かさばるんだよね。
採取キットは、出したり入れたりでMP消費すんのもアレなんで、そっちは出しっぱだけど。
なんやかんやで、すでに50Gぶんは採取できた。
**********
ジャイアントラビットの生息地に近づいた。
すでに短槍は用意してある。
〈気配察知〉に、ビンビンひっかかってるね。
魔物の生態ってのは不思議なもんで、活動範囲が限られてるうえに、一定以上増えることは、あまりないらしい。
じゃあ活動範囲から一歩も外に出ないかというと、そんなこともないんだけど、一時的に範囲外に出ても、最終的には戻る、みたいな感じで、基本的にはその活動範囲を守るんだと。
生息数も、不思議と一定に保たれる。
数が減ったらすげー勢いで増えるんだが、ある程度の数に達すると、急に増えなくなるんだと。
ただ、ここ数十年は全体的に増加傾向にある、とかなんとかって話は、チラホラ聞いたな。
魔物ってのは、完全に狩り尽くしたと思っても、数日でどこからともなく現れ、増え始める。
活動範囲から魔物を完全に排除するには、その場所の環境を、大幅に変える必要がある。
たとえば、森に棲む魔物がいるなら大規模な伐採を行うとか、池に棲む魔物がいるなら池を埋め立てるとか、そんな感じで。
魔物は乱獲しても絶滅するということがないので、素材はいい感じに安定供給できるから、魔物素材を元にした産業も発達してる。
つまり、魔物狩りを生業にすれば、生活もそこそこ安定するってわけで、魔物狩りをメインに活動する冒険者がたくさんいるんだ。
そんなたくさんの冒険者が、生活のために狩りまくってにもかかわらず、生息地にくれば獲物に困るってことはほとんどない。
「おー、いっぱいいるなー」
〈気配察知〉に引っかかっている数は5匹。
とはいえ、そこそこ広い範囲を察知できるようになっているので、群れってほどじゃない。
ジャイアントラビットは、群れで獲物を襲うということがないので、初心者向けの魔物として、見習い冒険者から好まれているんだな。
だから、この依頼を受けたんだけどさ。
あと、ジャイアントラビットは草食じゃなく、雑食なんだよね。
だから人間も襲います。
念のため《下級自己身体強化》を使って能力を上げ、〈気配察知〉全開で、こちらに気づいてなさそうな奴に、こっそり近づく。
草むらの向こう、死角になっているが、そこに1匹いるのは間違いない。
もう少しで槍の間合いに入ろうかというとき、草むらの向こうからガササという音が聞こえた。
(気づかれた……!)
お互い姿は見えていないが、なんとなく、向こうがこっちに気づいたのは感じ取れた。
腰を落とし、いつでも突きを繰り出せるよう槍を構え、ゆっくりと一歩踏み出す。
――この距離なら届く……!
草の陰にいるであろう、ジャイアントラビットに向けて、思いっきり槍を繰り出した。
だが、槍の穂先が届く直前、ソイツは横に飛び、初撃はあっさりとかわされしまう。
そしてソイツは着地と同時に、草むらから飛び出すように、俺へと飛びかかってきた。
おもいっきり突きを繰り出して、スキだらけになっていたところに、体当たりを受けてしまう。
「ってぇ!」
結構な衝撃を受けたが、装備と魔術のおかげで、思ったほど傷みはない。
「――っく……そぃやっ!」
なんとか踏ん張って体勢を立て直し、敵が着地した瞬間を狙って、槍を繰り出した。
柄を持つ手に、確かな手応えを感じる。
槍の穂先が、ジャイアントラビットの脇腹あたりに刺さったが、致命傷じゃないのか、暴れまくっている。
「クソっ! おい、じっとしてろ!!」
という俺の希望なんぞ、聞き入れてくれるはずもなし。
ジャイアントラビットはひと暴れしたあげく、俺の槍から逃れた。
相当な深手を与えているが、まだそこそこ動き回れるらしく、俺から逃げるように駆けだす。
「待ちやがれぃっ!」
さすが『脱兎のごとく』という言葉があるだけあって、逃げ足速ぇなウサ公め!
〈気配察知〉と、草むらを走る音を頼りに、全力でジャイアントラビットを追いかける。
この世界に飛ばされた日以来の全力疾走だが、いろいろステータスが上がってるおかげで、確実に足も速くなってるし、持久力もついてるな。
万全の状態のウサ公相手なら、逃げられたかもしれないが、相手はそれなりに深手を負っているため、動きは鈍い。
しばらく追い回した結果、俺はなんとかウサ公を間合いに捉える。
「そりゃっ!!」
槍を繰り出して首の裏を槍で貫き、ようやく1匹目を仕留めることができた。
依頼ランクはF。
初の魔物討伐依頼だ。
余談だけど、魔物の単位は全部《匹》ね。
この依頼を達成すれば、ランクアップ確定なんだよな、へっへっへ。
いつもどおり採取キットも借り、俺はジャイアントラビットの生息地に向かった。
生息地に向かう道すがら、ちょこちょこと薬草採取もやっておく。
《収納》のおかけで、いっぱいになった袋を収納できるから、すっげー楽ちんだわー。
ちなみに槍も、収納庫に入れてある。
あれ、結構かさばるんだよね。
採取キットは、出したり入れたりでMP消費すんのもアレなんで、そっちは出しっぱだけど。
なんやかんやで、すでに50Gぶんは採取できた。
**********
ジャイアントラビットの生息地に近づいた。
すでに短槍は用意してある。
〈気配察知〉に、ビンビンひっかかってるね。
魔物の生態ってのは不思議なもんで、活動範囲が限られてるうえに、一定以上増えることは、あまりないらしい。
じゃあ活動範囲から一歩も外に出ないかというと、そんなこともないんだけど、一時的に範囲外に出ても、最終的には戻る、みたいな感じで、基本的にはその活動範囲を守るんだと。
生息数も、不思議と一定に保たれる。
数が減ったらすげー勢いで増えるんだが、ある程度の数に達すると、急に増えなくなるんだと。
ただ、ここ数十年は全体的に増加傾向にある、とかなんとかって話は、チラホラ聞いたな。
魔物ってのは、完全に狩り尽くしたと思っても、数日でどこからともなく現れ、増え始める。
活動範囲から魔物を完全に排除するには、その場所の環境を、大幅に変える必要がある。
たとえば、森に棲む魔物がいるなら大規模な伐採を行うとか、池に棲む魔物がいるなら池を埋め立てるとか、そんな感じで。
魔物は乱獲しても絶滅するということがないので、素材はいい感じに安定供給できるから、魔物素材を元にした産業も発達してる。
つまり、魔物狩りを生業にすれば、生活もそこそこ安定するってわけで、魔物狩りをメインに活動する冒険者がたくさんいるんだ。
そんなたくさんの冒険者が、生活のために狩りまくってにもかかわらず、生息地にくれば獲物に困るってことはほとんどない。
「おー、いっぱいいるなー」
〈気配察知〉に引っかかっている数は5匹。
とはいえ、そこそこ広い範囲を察知できるようになっているので、群れってほどじゃない。
ジャイアントラビットは、群れで獲物を襲うということがないので、初心者向けの魔物として、見習い冒険者から好まれているんだな。
だから、この依頼を受けたんだけどさ。
あと、ジャイアントラビットは草食じゃなく、雑食なんだよね。
だから人間も襲います。
念のため《下級自己身体強化》を使って能力を上げ、〈気配察知〉全開で、こちらに気づいてなさそうな奴に、こっそり近づく。
草むらの向こう、死角になっているが、そこに1匹いるのは間違いない。
もう少しで槍の間合いに入ろうかというとき、草むらの向こうからガササという音が聞こえた。
(気づかれた……!)
お互い姿は見えていないが、なんとなく、向こうがこっちに気づいたのは感じ取れた。
腰を落とし、いつでも突きを繰り出せるよう槍を構え、ゆっくりと一歩踏み出す。
――この距離なら届く……!
草の陰にいるであろう、ジャイアントラビットに向けて、思いっきり槍を繰り出した。
だが、槍の穂先が届く直前、ソイツは横に飛び、初撃はあっさりとかわされしまう。
そしてソイツは着地と同時に、草むらから飛び出すように、俺へと飛びかかってきた。
おもいっきり突きを繰り出して、スキだらけになっていたところに、体当たりを受けてしまう。
「ってぇ!」
結構な衝撃を受けたが、装備と魔術のおかげで、思ったほど傷みはない。
「――っく……そぃやっ!」
なんとか踏ん張って体勢を立て直し、敵が着地した瞬間を狙って、槍を繰り出した。
柄を持つ手に、確かな手応えを感じる。
槍の穂先が、ジャイアントラビットの脇腹あたりに刺さったが、致命傷じゃないのか、暴れまくっている。
「クソっ! おい、じっとしてろ!!」
という俺の希望なんぞ、聞き入れてくれるはずもなし。
ジャイアントラビットはひと暴れしたあげく、俺の槍から逃れた。
相当な深手を与えているが、まだそこそこ動き回れるらしく、俺から逃げるように駆けだす。
「待ちやがれぃっ!」
さすが『脱兎のごとく』という言葉があるだけあって、逃げ足速ぇなウサ公め!
〈気配察知〉と、草むらを走る音を頼りに、全力でジャイアントラビットを追いかける。
この世界に飛ばされた日以来の全力疾走だが、いろいろステータスが上がってるおかげで、確実に足も速くなってるし、持久力もついてるな。
万全の状態のウサ公相手なら、逃げられたかもしれないが、相手はそれなりに深手を負っているため、動きは鈍い。
しばらく追い回した結果、俺はなんとかウサ公を間合いに捉える。
「そりゃっ!!」
槍を繰り出して首の裏を槍で貫き、ようやく1匹目を仕留めることができた。
0
新作始めました!
【ハズレ職】【追放】【覚醒】【賢者】【無双】【ダンジョン攻略】に【成り上がり】【ざまぁ】そして【ハーレム】!
【男の欲望】【全部入り】の【本格】【エロティック】【ハイファンタジー】!!
ハズレ赤魔道士は賢者タイムに無双する
よろしくお願いします!!
【ハズレ職】【追放】【覚醒】【賢者】【無双】【ダンジョン攻略】に【成り上がり】【ざまぁ】そして【ハーレム】!
【男の欲望】【全部入り】の【本格】【エロティック】【ハイファンタジー】!!
ハズレ赤魔道士は賢者タイムに無双する
よろしくお願いします!!
お気に入りに追加
306
あなたにおすすめの小説

世界樹を巡る旅
ゴロヒロ
ファンタジー
偶然にも事故に巻き込まれたハルトはその事故で勇者として転生をする者たちと共に異世界に向かう事になった
そこで会った女神から頼まれ世界樹の迷宮を攻略する事にするのだった
カクヨムでも投稿してます
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。

大国に囲まれた小国の「魔素無し第四王子」戦記(最強部隊を率いて新王国樹立へ)
たぬころまんじゅう
ファンタジー
小国の第四王子アルス。魔素による身体強化が当たり前の時代に、王族で唯一魔素が無い王子として生まれた彼は、蔑まれる毎日だった。
しかしある日、ひょんなことから無限に湧き出る魔素を身体に取り込んでしまった。その日を境に彼の人生は劇的に変わっていく。
士官学校に入り「戦略」「戦術」「武術」を学び、仲間を集めたアルスは隊を結成。アルス隊が功績を挙げ、軍の中で大きな存在になっていくと様々なことに巻き込まれていく。
領地経営、隣国との戦争、反乱、策略、ガーネット教や3大ギルドによる陰謀にちらつく大国の影。様々な経験を経て「最強部隊」と呼ばれたアルス隊は遂に新王国樹立へ。
異能バトル×神算鬼謀の戦略・戦術バトル!
☆史実に基づいた戦史、宗教史、過去から現代の政治や思想、経済を取り入れて書いた大河ドラマをお楽しみください☆

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜
むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。
幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。
そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。
故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。
自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。
だが、エアルは知らない。
ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。
遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。
これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。

伯爵家の三男は冒険者を目指す!
おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました!
佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。
彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった...
(...伶奈、ごめん...)
異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。
初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。
誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。
1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる