誰にでもできる異世界救済 ~【トライ&エラー】と【ステータス】でニートの君も今日から勇者だ!~

平尾正和/ほーち

文字の大きさ
上 下
11 / 100
第一章 バチ当たり転送

1-10 朝食からのステータス確認

しおりを挟む
 俺が歯を磨いているあいだに、客の多くは食事を終えたのか、1階に降りると食堂は半分以上空席になっていた。
 みたところセルフサービスみたいなので、奥に調理場のあるカウンターっぽいところに行ってみる。

「すいません、食事をいただきたいのですが?」
「あいよー。もう日替わりランチしかないけどねー」

 調理場のほうから背の低い、まるっとしたおっちゃんが出てきた。
 なんかの獣人かと思ったけど、こりゃ普通のヒトだね。

「いくらですか?」
「5Gだよー」
「じゃそれで」
「あいよー」

 おっちゃんが手際よく、区切りのあるプレートに盛りつけていく。
 小さくて黒いパンふたつと、サラダ、ハンバーグみたいなのが盛りつけられ、空いたスペースにスープが入った器と水がのせられた。
 トレイを持って、空いたテーブルに座る。

(これが噂の黒パンかぁ)

 異世界もののラノベなんかに出てくる、黒っぽいパン。通称黒パン。

(……やっぱ硬ぇー!)

 試しにかじってみたけど、噂通り相当硬いな。
 でも大丈夫。
 これはスープに浸して食べるんだよねー。

(うん、いけるな!)

 スープに浸せばちゃんと柔らかくなるし、スープの旨味を吸っていい感じだ。
 試しにスープもすすってみたけど、野菜の旨味がしっかり出てるし、塩味も結構効いてるわ。
 異世界モノでよくあるのが、塩とかの調味料が結構な高級品で、食事が味気ないってのが多いんだが、ここのメシは普通に美味い。
 サラダには油と塩となにかの果汁っぽいのを混ぜた、ドレッシング的なものがかかってたけど、これもすげー美味しかった。

(さて、これはハンバーグだよな、どうみても)

 メインディッシュはひき肉を固めて焼いたもので、形も匂いもハンバーグそのものだった。
 ただ、ソースはかかってなかったけど。
 ナイフで切ってみると、中から肉汁が出てきたよ、ちゃんと。

(お、うめー! ソースはかかってないけど、ちゃんと味付いてるね。胡椒の味がしっかりしてるわ)

 料理については当たりの世界に来たみたいだ。
 もともと食に関してはこだわるほうじゃないけど、不味いのは勘弁して欲しいからな。
 メシが美味いってだけでも、モチベーションは上がるってもんよ。
 さて、食事も終えたし、一応ステータス確認しとくか。

――――――――――
名前:山岡勝介
職業:見習い冒険者
レベル:4

HP:127
MP:23

物攻:G+(G+)
魔攻:G-
物防:G+(G+)
魔防:G-(G-)
体力:F-
精神力:G+
魔力:G-
賢さ:F+
素早さ:G
器用さ:G
運:G+

【所持金】
現金:0G
カード:15G

【装備】
麻の服:物防G- /魔防G-
革の靴:物防G-


【所持アイテム】
歯ブラシ
洗口液
革の巾着

【スキル】SP:104
稲荷の加護
言語理解
恐怖耐性:Lv2
毒耐性:Lv1
気配察知:Lv1
空腹耐性:Lv1

【称号】
Gランク冒険者

【スタート地点】
トセマの街 西門
572/06/22
09:048:32
――――――――――

 おお! 念願のニート脱却!!
 さらば昔の俺! そしてこんにちは新しい俺!!
 見習い冒険者か……、いいね!!

 ……お、なんか強くなってね?
 HPとMPは回復しと考えればおかしくはないけど、他の能力値がぼちぼち上がってんだよなぁ。
 あれかな、疲労困憊からの超回復ってやつかな?
 とりあえずレベルアップなしでも、能力がは上がるみたいだな。
 まあ、トレーニングで強くなれないとか、ちょっと考えたらおかしいもんな。
 あと、【所持金】【所持アイテム】【称号】ってのが増えてんな。
 なんとなくわかるけど、一応〈稲荷の加護〉の『能力把握』で確認しとくか。

――――――――――
【所持金】→現在の所持金
――――――――――

 現金とカードで別々に表示されるのはありがたいね。
 現金0だけど……。

――――――――――
【所持アイテム】→現在所持しているアイテム。
――――――――――

 せっかくだし、新たに買ったアイテムも確認しとこう。

――――――――――
歯ブラシ→オークの体毛を束ねた歯磨き用ブラシ。
――――――――――

 オークって、ブタ人間みたいな奴か? やっぱいるんだな、この世界には。そういや昔はブタの毛で歯ブラシ作ってたっていうし、理にかなってんのか?

――――――――――
洗口液→ミドゥークダの葉の煮汁を主原料とした浄化液。飲み過ぎると毒。一口分の水に対して2~3滴垂らすのが適量。
――――――――――

 まあ元の世界の洗口液だって飲み過ぎたら毒だもんな。しかし、アルコール原料じゃないのな。

――――――――――
革の巾着→ゴブリンの皮の端切れで作られた巾着。
――――――――――

 おう……今度はゴブリンか。やっぱいんのね、そのへんの定番モンスターは。

――――――――――
【称号】→行動や功績に応じて付与される。ステータスやスキルに影響する場合も。
――――――――――

 照合も見ればわかるけど、効果があるかもしれないから、一応確認だ。

――――――――――
Gランク冒険者→冒険者ギルドに登録したことで取得。効果:なし
――――――――――

 残念、冒険者ランクは持ってても特典はなし、と。


  あと、やっぱスタート地点変わってんな
  この街はトセマの街っていうのね、覚えとこう。


 ステータスの確認はこんなもんでいいか。

 つーかさ、〈鑑定〉スキルはないけど、装備したり所持したりでアイテムの詳細は見れんのね。
 これもまたチートだな。
 お稲荷さん、ありがとう!!

 よし! そろそろ行くか!!

「ごちそうさん。美味しかったよ!」
「まいどー! また来てねー!」

 食器を返した後、俺は再び2階へもどる。
 食後も歯磨きをしないと、気が済まないタチなので。
しおりを挟む
新作始めました!
【ハズレ職】【追放】【覚醒】【賢者】【無双】【ダンジョン攻略】に【成り上がり】【ざまぁ】そして【ハーレム】!
【男の欲望】【全部入り】の【本格】【エロティック】【ハイファンタジー】!!
ハズレ赤魔道士は賢者タイムに無双する
よろしくお願いします!!
感想 31

あなたにおすすめの小説

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

いずれ殺される悪役モブに転生した俺、死ぬのが嫌で努力したら規格外の強さを手に入れたので、下克上してラスボスを葬ってやります!

果 一
ファンタジー
二人の勇者を主人公に、ブルガス王国のアリクレース公国の大戦を描いた超大作ノベルゲーム『国家大戦・クライシス』。ブラック企業に勤務する久我哲也は、日々の疲労が溜まっている中、そのゲームをやり込んだことにより過労死してしまう。 次に目が覚めたとき、彼はゲーム世界のカイム=ローウェンという名の少年に生まれ変わっていた。ところが、彼が生まれ変わったのは、勇者でもラスボスでもなく、本編に名前すら登場しない悪役サイドのモブキャラだった! しかも、本編で配下達はラスボスに利用されたあげく、見限られて殺されるという運命で……? 「ちくしょう! 死んでたまるか!」 カイムは、殺されないために努力することを決める。 そんな努力の甲斐あってか、カイムは規格外の魔力と実力を手にすることとなり、さらには原作知識で次々と殺される運命だった者達を助け出して、一大勢力の頭へと駆け上る! これは、死ぬ運命だった悪役モブが、最凶へと成り上がる物語だ。    本作は小説家になろう、カクヨムでも公開しています 他サイトでのタイトルは、『いずれ殺される悪役モブに転生した俺、死ぬのが嫌で努力したら規格外の強さを手に入れたので、下克上してラスボスを葬ってやります!~チート魔法で無双してたら、一大勢力を築き上げてしまったんだが~』となります

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜

むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。 幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。 そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。 故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。 自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。 だが、エアルは知らない。 ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。 遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。 これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。

大国に囲まれた小国の「魔素無し第四王子」戦記(最強部隊を率いて新王国樹立へ)

たぬころまんじゅう
ファンタジー
 小国の第四王子アルス。魔素による身体強化が当たり前の時代に、王族で唯一魔素が無い王子として生まれた彼は、蔑まれる毎日だった。  しかしある日、ひょんなことから無限に湧き出る魔素を身体に取り込んでしまった。その日を境に彼の人生は劇的に変わっていく。  士官学校に入り「戦略」「戦術」「武術」を学び、仲間を集めたアルスは隊を結成。アルス隊が功績を挙げ、軍の中で大きな存在になっていくと様々なことに巻き込まれていく。  領地経営、隣国との戦争、反乱、策略、ガーネット教や3大ギルドによる陰謀にちらつく大国の影。様々な経験を経て「最強部隊」と呼ばれたアルス隊は遂に新王国樹立へ。 異能バトル×神算鬼謀の戦略・戦術バトル! ☆史実に基づいた戦史、宗教史、過去から現代の政治や思想、経済を取り入れて書いた大河ドラマをお楽しみください☆

転移術士の成り上がり

名無し
ファンタジー
 ベテランの転移術士であるシギルは、自分のパーティーをダンジョンから地上に無事帰還させる日々に至上の喜びを得ていた。ところが、あることがきっかけでメンバーから無能の烙印を押され、脱退を迫られる形になる。それがのちに陰謀だと知ったシギルは激怒し、パーティーに対する復讐計画を練って実行に移すことになるのだった。

処理中です...