16 / 333
第1章 深淵の湖
第13話 えっ!? これが骨法!?
しおりを挟むピルルルル
何処かに避難してたスピカが肩に戻ってきた。
「お前さんが話せたら色々聞けるんだろうにな」
ついぼやいてしまう。
ピルルルル
レベルが上がっても何言ってるのかまだ分からん。
ピーッ ピッ
「あたたっ! 悪い悪い、スピカを責めてるんじゃないって。これは勘だが、俺の方がどうにかならんと無理だと思うぞ。まあ、気長に付き合ってくれんかね、スピカさんや」
ピルルルル
ザクザクッと頬を嘴で刺してくるので、早々と両手を挙げて降参ポーズを取る。それで機嫌が治ったのか、肩の上で歌い始めた。うん、可愛いな。
肉は幾ら有っても困らないから、森鰐の方から無限収納へ放り込む。
猪蛇の方は、森鰐が口を付けてないところを切り取れば食べれるはず。
と言っても内臓を食べてたようだから、背骨や肋周りの肉は大量に取れるはずなんだよな。
そう思いながら死骸を見るが……。
「でけえな……」
そう言いたくもなる。
頭の先から尾の先まで、20m近くあるんだぞ?
これをどう捌けと……。
そう言えば【骨法】のレベルが上がってたことを思い出し、何か役立つものが無いものかと【骨法】に眼を凝らしてみることにした。
◆骨法◆
Lv1:骨抜き(熟練度2)
Lv2:骨飛礫(熟練度1)
Lv3:骨接ぎ(熟練度1)
Lv4:骨形成(熟練度1)
Lv5:骨錬成(熟練度1)
Lv6:骨融合(熟練度1)
Lv7:骨爪(熟練度1)
Lv8:骨譲渡(熟練度1)
Lv9:骨人形(熟練度1)
Lv10:粉骨砕身(熟練度1)
ゴシゴシ
俺は眼を擦っていた。
再度確認する。
「え!? これが骨法!? 嘘だろ!?」
眩暈がした。
あり得ん。
出鱈目にも程がある。
【骨法】って言えば古武術だぞ!?
何だこりゃ!?
形成!? 錬成!? 融合!? 譲渡!?
粉骨砕身に至っては四文字熟語だろうが!!
俺の聞き間違いじゃなければ、【骨法】の名のもとに並んだ項目は魔法だ。どう使えってんだよ……。
ピルルルルー
肩を落とす、俺の方の上で元気付けてくれるかのようにスピカが囀ってる。ああ、可愛いなぁ。
「はあ。落ち込んでもどうにもならん。一個ずつ確認するか。いや、その前にコイツを仕舞うか?」
画面を出したまま猪蛇の牙を持って少しだけ引っ張ると、急に眼の前に無限収納の口が開き、ズルリと呑み込んでしまった。
「Oh……。凄えなーー」
改めて無限収納の凄さに驚く。
度肝を抜かれる、とはこのことだろう。
【骨法】とは違った意味で衝撃的だった。
気を取り直して、血の匂いのない場所に移動することにする。
このままここに居座って安全な訳がない。
何かに使えるかもと、抜き取った2個の頭蓋骨も拾って行く。
レベルアップの恩恵と言うべきか、体が軽い。
ゲームじゃこんな感覚はないだろうから、やっぱり現実なんだなと改めて思う。
なんせ異世界に来てから丸1日経ってないんだ。
これでも順応してる方だと思うぞ。
5分位離れた場所にあった太くてどっしりとた大樹の枝を見付けたので、枝目掛けて飛んだら難なく飛び上がれたーー。
「おおっ!? 一飛びかよ」
兎の脚力嘗めてたな。
ピルルルルー
スピカも近くの枝に止まって機嫌よく歌い始めてる。こういうBGMも良いもんだ。
「ふぅ。どれどれ」
再度ステータス画面を呼び出して、詳しく見てみることにした。
眼を凝らせば【鑑定眼】が働くらしい。便利なもんだ。
◆骨法◆
骨抜き・・・骨に対象物自身の肉などがこびり付くが抜き取れる(消費魔力1)
骨飛礫・・・ゴルフボール大の骨の弾を1つ作り出し、撃つ ※周囲に骨がなければ、自分の骨から飛礫を作り出す(消費魔力10)
骨接ぎ・・・骨折した箇所正しい位置に戻し接ぐことが出来る(消費魔力20)
骨形成・・・入手した骨を粘土のようにして任意に加工できる ※生きてるものの骨は加工できない(消費魔力30)
骨錬成・・・自身や、任意の相手の骨密度を上げれる(消費魔力50)
骨融合・・・骨を自分の中に取り込んで一体化する ※1:熟練度が上がれば自分が加工した物も骨として取り込めるが、取り込む前の形で排出は出来ない ※2:熟練度が上がれば、任意の相手にも行える(消費魔力80)
骨爪・・・両手の指先から骨の爪が伸びる(消費魔力90)
骨譲渡・・・取り込んだ骨を他人へ譲渡できるが、使用には【骨錬成】と【骨融合】の練度が必要(消費魔力100)
骨人形・・・操りたい骨に触れば操れる ※1:死霊魔術ではないので、操る骨はアンデッドではない ※2:操れるのは熟練度1つき1体(消費魔力500)
粉骨砕身・・・この技を使うと熟練度1につき使用限界時間10分の制限下で、限界以上の力を引き出し動けるものの、効果が切れた直後に全身の骨が砕けて動けなくなる(消費魔力1000)
「ーーーーなんて言うか、呆れて物が言えねえ……」
ぐしゃぐしゃっと後頭部を左手で掻き回すと、空を見上げた俺は『ふぅ』と大きく溜息を吐いたーー。
0
お気に入りに追加
574
あなたにおすすめの小説
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
スマートシステムで異世界革命
小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 ///
★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★
新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。
それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。
異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。
スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします!
序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです
第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練
第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い
第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚
第4章(全17話)ダンジョン探索
第5章(執筆中)公的ギルド?
※第3章以降は少し内容が過激になってきます。
上記はあくまで予定です。
カクヨムでも投稿しています。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる