上 下
305 / 333
幕間

閑話 アサーヴ・イシャン・グルバルガ・キル・バンガロールの怖気

しおりを挟む
 
 あ――。

 が止める間もなく、第8王子カレヴィが手にした槍で第4王妃チャタリの首をねた。

 自分の母親を――。

 チャタリッ!!

 驚きが先に立ち、悲しみで喉が詰まり、声が出ぬ!

 腹を痛め、慈しみ、体が弱いからと甲斐甲斐しく世話していた己の母に何を!?

 思えば、病弱であったカレヴィの素行が可怪しくなったと聞いたのは最近のことであったか?

 何があった!?

 虫をも殺せぬひ弱な其方そなたが何故槍を振るっておるのだ!?

 声も出せず、倒れて行くチャタリに手を伸ばそうとした瞬間、カレヴィの槍がチャタリの胸に穴を開けた!



 な、なに、何をしておるのだ――。



 「――――!」

 「気を抜くな!」

 そう考えていたせいで、雪毛の兎人を先頭に謁見の間へ入って来た一団に気付かず、兎人の声で正気に戻る。エルフ語以外の言葉を聞いたのはいつ振りであろうか。

 300年?

 カレヴィが生まれる前の話か……。とは言っても、余はエルフ語しか話せぬからな。何を言っておるのかサッパリ分からぬ。

 「――――――!?」

 「雌鬼オグレスが討たれて終わりかと思ったか!?」

 どうやら兎人の男の言葉をスルバラン家の娘が訳しているようだ。確か、奴隷にされたと聞いたが……。

 「――――――」

 「王の横で槍を持っている王子様気取りの奴も――」

 「――――――!」

 「エルフの皮を被った雄鬼オルグだぞ!」

 耳を疑った。余だけではない。一同が弾かれたようにギョッとした表情を片腕のない第8王子カレヴィを見る。あの男は何を言っているのだ?

 ガン!

 不意にカレヴィが右手に持った槍の石突いしづきを床に落として、音を出したせいで驚いてしまった。皆の体がビクッと跳ねたのを見るに、驚いたのは余だけではないらしい。

 「クックックックック」

 肩を揺らしながら、気弱かったとは思えぬ笑みを浮かべる息子の顔に目を凝らす。

 「なかなか楽しませてくれるではないか。なあ、父上?」

 「き、貴様は、な、何者だ!? カレヴィではないのか!?」

 「いえいえ。正真正銘、カレヴィですよ、父上?」

 その言葉に堪忍袋かんにんぶくろが切れた。

 「莫迦ばかを申すでない! カレヴィならば、母が殺せるはずがないであろうっ!? そもそも! そもそも、あれは体が弱く草木や小鳥をでていたのだ! こんな、こんな、血腥ちなまぐさい――」

 「「「「陛下!?」」」」

 久し振りに声を荒げたせいか、急に眩暈めまいに襲われ、ガクンと膝から力が抜けてしまう。そのまま背凭せもたれへ背中を投げ出すように腰を下ろすと、皆が余の周りに集まるのが見えた。

 だが、カレヴィ息子は違った。

 余の喉元に、槍の三日月型の刃を突き付けたのだ。矢張やはり、姿形はカレヴィでも、中身が違うという事か?

 「父上、動けば母上同様、首をねる。大臣どもが動いても父上の首を刎ねる。近衛や侍従どもが動いても父上の首を刎ねる」

 「御乱心!?」「王子! お気を確かに!」「ご自分が何をなさっておられるのか、理解しておられるのですか!?」「おやめください!」

 「ふん。ならば、貴様らが首を差し出すのと言うのか?」

 ザワリ……。

 その一言に周りの大臣たちを含め近衛騎士らも水を打ったように静かになった。何と言う事だ。妻だけでなく息子の変容に気付かぬとは……。



 何が父親か――。何が夫か――。



 そこから周りの者が何か交渉のようなことをしているのが見えてはいたが、何一つ頭の中に入って来なかった。余は夢を見てるのではないか……?

 ふわふわと思いを彷徨さまよわせていた時、チャタリとカレヴィのことを話している声に気付く。

 「――、―――――。――――――」

 「言っておきますが、その男は王子と同化したオーガです。王妃の皮を被っていたオーガと同じです」

 どれくらい時間が経っていたのか分からぬ。ただ、妻と息子の事だ、と気が引かれたのだ。スルバラン家の娘がカレヴィを指差す。何とも凛々りりしいものだ。

 王国法で、奴隷落ちしたことのある者は貴族にはとつげぬ。スルバラン家も惜しいことをしたものよ。

 「――、――――」

 「だから、情に訴えても無駄です」

 スルバラン家の娘に強く言われたせいかは知らぬが、大臣たちも動揺しておるようだな。いや、それを言えば余もそうだ。現実に起きたことだと何処かで思いたくない気持ちが、余の頭の中にかすみを掛けているのであろう。

 「――、――――? ―――――――。――――」

 「私としては、あなた方が断るのも仕方ないと思っています。次の王を選んで下さい。私は仲間と共に都を出ます」

 「――、―――――――?」

 「どちらにしても、世界樹に認められた私たちか王族でなければ聖域には入れません。どうされますか?」

 "聖域"か。

 そう言えば彼此かれこれ何十年も足を運んでおらなんだな。この騒ぎが終われば余も行ってみたものだ。

 ……ん?

 スルバラン家の娘と目が合う。良い目をしておる。そうか。行ってくれるか。

 ならば、余が出来ることは1つ。

 「許可する」

 「「「「「陛下っ!?」」」」」

 これで良いと思い、背凭せもたれに体を預け目をつむる。喉を刃にさらす形だが、今更だ。

 ここで死ねば、余の人生はここまでであったということだ。

 「ま、待て! 貴様らがここに返って来ると言う保証があるのか!?」

 「そうだ! 毛虫の言う事がこの場を逃れるための口実やもしれぬ」

 「陛下! だまされてはなりませぬ! 所詮はけもの――」

 耳障りな大臣たちの言い分が飛び交う。どの道、カレヴィがあの雪毛ゆきげの兎人の言う通りオーガであるのならば、余を含めこの場で誰も生き残れぬであろうよ。

 兎人を獣と笑う其方そのほうらこそ、醜い……。

 いや、それを思うても詮無せんなきことか。

 ならば、余が恥をさらせば良い。

 「済まぬが、スルバラン家の娘よ。皆の不安もうなずける。このような姿でが言えたことではないかもしれぬが、助けてくれまいか」

 兎人の怒気に身がすくむが、右手を上げ静まらせる。喉元にまだ三日月型の刃が突き付けられてるが、些細な事よ。

 「陛下。それは、私にこの場に残れと、そう言われてるのでしょうか」

 「うむ。其方そなたが国の外へ連れ去られた経緯は"影"から聞き及んでおる」

 「っ!?」

 スルバラン家の娘の問いに答えると、息をむのが判った。まあその反応が妥当であろう。"影"の存在を知るのは王族でも一部の者らだけであるからな。

 「今其方そなたが置かれた状況を知った上で頼む。最初で最後で構わぬ。貴族の責・・・・・・を果たしてくれまいか。済まぬが、他にもう一人ここに戻って来るくさびを頼む」

 喉元に刃があっては然程さほど頭は下げれぬが、小さく頭を動かして目礼する。王がすることではないと宰相クリシュナ辺りに後でしかられるやもしれぬが、いつもの通り笑ってり過ごせばよかろう。

 余がすべきことは、この場に居る者らを殺させぬことだ――。



                 ◆◇◆



 しかし、その願いもむなしく、余とスルバラン家の娘、それに赤髮の美しい人族の娘以外、カレヴィの凶刃きょうじんに倒れてしまった――。

 長年にわたり余に仕えてくれたクリシュナも目の前でった。

 ……許せ。

 力のない余を許してくれ。

 すぐには行けぬだろうが、幾星霜いくせいそうの後"涅槃ニルヴァーナ"でまたおうぞ。

 老害だとわらいながら忠臣を斬り伏せて行く、そんな鬼畜の所業しょぎょうを平然として行う者がいるとは、到底思いもよらないことだったわ。

 それが我が息子だとは……。

 夢ならば覚めて欲しいと幾度となく願ったか。

 口の中がカラカラに乾き、幾度喉を鳴らしてつばを飲もうとしても何も出ぬ。

 妻や友を亡くしたのに、涙も出ぬ……。

 いつしか、余は何も考えず、何にも感じず、夢現ゆめうつつのまま時が過ぎていた――。



                 ◆◇◆



 余が正気を取り戻したのは、焼け付くような火柱がすぐそばで噴き上がったからだ。

 この国で【火魔法】を使うことははばかられる。王国法で火事を厳しく罰しているからだ。特に森を焼くことは一族郎党に死罪をもたらす。

 それを知っている国民は国内で【火魔法】は使わぬ。

 それを堂々と謁見の間ここで使うという事は、国民ではないのだろう。気が付けばスルバラン家の娘と赤髮の美しい人族の娘の姿がない。

 殺されてしまったか?



 ――いや、謁見の間の入り口付近に2人の顔がある。



 自然と胸をで下ろしていた。

 あれらの横に、若くして伎芸ぎげい神殿の司教に任じられた者の顔が見える。任せておけばよいか。

 同時に余は目を疑った。

 余が目で追えぬカレヴィの動きを超えて、カレヴィを翻弄ほんろうする雪毛ゆきげの兎人が居たからだ。

 確か、"聖域"に行ったのではなかったか……?

 どうやら、余が感じている以上に時が過ぎたらしい。

 余も多少は剣を習ったが、今は老いてまともに剣も振れぬ。せいぜい剣を杖代りに体を支えるだけよ。

 その点、目の前の兎人の動きは目をみはるものがある。獣人族は身体能力に優れると耳にしたことがあったが、ここまでとはな。

 血と糞尿の混ざった臭いが立ち込め、しかばねが散乱する謁見の間であるはずなのに、この2人の戦いから目が離せずにいた。

 長引くかとと思った戦いも、カレヴィの槍が一度も兎人に触れることなく終わってしまったではないか。



 余は何を見ておるのだ?



 何故、胸の骨を持っておる・・・・・・・・・・・

 最後、カレヴィが消える寸前に胸に触れているようにも見えた……。まさか。まさかカレヴィのものだと言うのか?

 その答えに行きついた途端、余の体はガタガタと震え始めた。血飛沫ちしぶきを浴びて体が赤くなっている兎人から目が離せなくなったのだ。

 一体どうしたというのか。

 そう思いながら兎人の赤目と目が合った瞬間、事もあろうに足元へ今抜き出したばかり胸の骨を投げて来おったのだ。

 「ひいいいぃっ!?」

 もう息子ではないと頭では解ってはいても、未だに心が付いて来ぬ。そこへカレヴィから抜き取られたのであろう、生々しい胸の骨が足元で跳ねたのだ。

 き上がって来た怖気おぞけに負けて、び上がるように椅子の上で器用にねてしまったではないか。



 あ――。



 余の姿を笑いもせず、くるりと背を向けて出て行こうとする兎人を呼び止めようと思ったが、声が出なかった。

 いな

 呼び止めようと持った矢先やさき、兎人の左手首に巻かれた、枝の飾り巻きの腕輪に気が付いたからだ。腰を浮かしたまま、手首に目を凝らす。



 見紛みまがうはずがない!



 あの枝は"世界樹の若枝わかえ"。

 国王戴冠式で用いる王冠の装飾に使われているものではないか!? だとすると、あの兎人は"世界樹"に認められたという事……。



 莫迦ばか、な――。



 エルフでも無い者が、それも獣人族が……だと?

 いや、待て。宰相クリシュナが斬られる前に何を言っていた?

 思い出せ。



 ――九柱の使徒!



 「何と言う事だ……」

 浮かした腰を落とした勢いで背凭せもたれに背中を預ける。

 事の大きさに、自然と右手で顔を覆った隙間から乾いた笑いを漏らしてしまう。

 妻を亡くし、友を失い、我が子すら鬼に取られ、廷臣ていしんたちのむくろが散らばる中、我が国の"護り樹"にすら愛想を尽かされたことに気付かされるとは……。

 「父上――っ!」「「「「陛下――っ!!」」」」

 息子たちの声が聞こえる。

 皆殺しにされていると思ったが、無事だったか――。

 オーガに体を奪われたとは言え、カレヴィの心は残っていたのかもしれぬ。余の勝手な思い込みだが、今はそれを喜ぼう。

 幸い、この惨劇を目撃したのは余だけだ。あの司教と侍従2人には口止めをしておけば良かろう。使徒とその眷属には国から圧力をかけてはならぬ。

 それがせめてもの手向たむけだ。

 スルバラン家の娘も居るのだ、上手く言い含めてくれることを期待しよう。あれには最初で最後の願いを口にしているのだ。反故ほごにする訳にもいくまい。

 「ふ――っ」

 そう、心に決めて大きく息を吐き出した時、涙がほほを伝っている事に気付く。

 「ふぐっ。ぐっ……。ぐふっ……」

 止まっていた時が動き出したという事か……。

 せきが切れたようにあふれ出す感情に流されながら、謁見の間に雪崩込なだれこんで来た息子たちの目もはばからず、余はただむせび泣いた――。





しおりを挟む
感想 138

あなたにおすすめの小説

虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~

すなる
ファンタジー
追記《イラストを追加しました。主要キャラのイラストも可能であれば徐々に追加していきます》 猫を庇って死んでしまった男は、ある願いをしたことで何もない世界に転生してしまうことに。 不憫に思った神が特例で加護の力を授けた。実はそれはとてつもない力を秘めた創造神の加護だった。 何もない異世界で暮らし始めた男はその力使って第二の人生を歩み出す。 ある日、偶然にも生前助けた猫を加護の力で召喚してしまう。 人が居ない寂しさから猫に話しかけていると、その猫は加護の力で人に進化してしまった。 そんな猫との共同生活からはじまり徐々に動き出す異世界生活。 男は様々な異世界で沢山の人と出会いと加護の力ですべてを解決しながら第二の人生を謳歌していく。 そんな男の人柄に惹かれ沢山の者が集まり、いつしか男が作った街は伝説の都市と語られる存在になってく。 (

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

スマートシステムで異世界革命

小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 /// ★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★ 新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。 それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。 異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。 スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします! 序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです 第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練 第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い 第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚 第4章(全17話)ダンジョン探索 第5章(執筆中)公的ギルド? ※第3章以降は少し内容が過激になってきます。 上記はあくまで予定です。 カクヨムでも投稿しています。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

聖なる幼女のお仕事、それは…

咲狛洋々
ファンタジー
とある聖皇国の聖女が、第二皇子と姿を消した。国王と皇太子達が国中を探したが見つからないまま、五年の歳月が過ぎた。魔人が現れ村を襲ったという報告を受けた王宮は、聖騎士団を差し向けるが、すでにその村は魔人に襲われ廃墟と化していた。  村の状況を調べていた聖騎士達はそこである亡骸を見つける事となる。それこそが皇子と聖女であった。長年探していた2人を連れ戻す事は叶わなかったが、そこである者を見つける。  それは皇子と聖女、二人の子供であった。聖女の力を受け継ぎ、高い魔力を持つその子供は、二人を襲った魔人の魔力に当てられ半魔になりかけている。聖魔力の高い師団長アルバートと副団長のハリィは2人で内密に魔力浄化をする事に。しかし、救出したその子の中には別の世界の人間の魂が宿りその肉体を生かしていた。  この世界とは全く異なる考え方に、常識に振り回される聖騎士達。そして次第に広がる魔神の脅威に国は脅かされて行く。

異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。 まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。 ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。 転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。 それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...

元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜

ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。 社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。 せめて「男」になって死にたかった…… そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった! もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!

処理中です...