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3.想定外 Side.アリスト
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俺には愛しい恋人がいる。
エディアス=ジルフィール。公爵家の次男だ。
幼い頃から悩み事から些細な出来事までなんでも話してきた、俺の大事な幼馴染。
そんな彼と恋人同士になったのは一年ほど前の話だ。
俺には兄が一人いるんだが、これがまた出来が悪いくせに王太子だからと周囲が持ち上げすぎて、自分は優秀なのだと思い込んでるどうしようもない兄だった。
そんな兄のフォローに回るのは大抵俺か兄の従者で、その日は兄のしでかした失態に気づいていなくて全くフォローができておらず、後から父に散々叱られたのだ。
曰く、兄である王太子に恥をかかせるなんて何事だと。
そんなの俺のせいじゃないし、四六時中見張ってるわけにもいかないんだから理不尽極まりないと思うのに、王である父に口ごたえなど許されるはずもなく、ただひたすら罵倒に耐え続けた。
何故俺がこんな理不尽に罵られないといけないんだ?
悪いのは兄だろう?
兄からの理不尽にはある程度耐性ができているものの、父からの罵倒は流石にこたえた。
辛い、辛いと心が悲鳴をあげる。
そんな心境で部屋に戻るとたまたまエディアスが遊びに来ていて、事情を話すと精一杯慰めてくれた。
それでも落ち込む俺に、何を思ったのかエディアスはその桜色の唇を寄せ、そっと触れるだけのキスをした。
(……え?)
最初は何が起こったのかわからなかった。
でも、それがキスだと理解したところで俺は心臓が壊れるんじゃないかというほどドキドキするのを感じたんだ。
エディアスが、自分から俺にキスをしてくれた。
それは俺のことが好きだからだろう。
それ以外考えられない。
俺はもちろんエディアスが好きだ。
いつからかなんて確かなことは言えないけど、気づけばエディアスを好きになっていた。
でも立場は俺の方が上だから、俺がエディアスに告白したらエディアスは断れない。
だから言えないと、ずっと気持ちに蓋をしてきた。
でも────エディアスが俺を好きでいてくれるのなら、もう遠慮なんてしなくていい。そう思った。
そこからなし崩し的にエディアスの唇を奪い、衝動のまま押し倒した。
俺も初めてだったけど、エディアスも初めてだった。
それが俺には嬉しすぎてたまらなかった。
初めては辛いと聞くが、エディアスはそれでも一生懸命俺のために頑張ってくれて、大丈夫だって涙を滲ませながら俺を受け入れてくれた。
しかも全部挿れた後で余裕のない俺にそっと手を伸ばして、ふわっと笑ったんだ。
その表情がまたたまらなく愛おしくて、俺はそこでやっと少し余裕を取り戻すことができた。
『エディ…初めてを俺にくれてありがとう』
幸せな気分で思わずそう口にした俺に、エディアスも笑顔で応えてくれる。
『アリストが喜んでくれたなら嬉しい』
その言葉にどれだけ救われたか知れない。
あの日俺は、エディアスをずっとずっと大事にしよう。そう心に誓ったんだ。
それからはずっと恋人として大事にしてきたつもりだ。
公私を分けたいのか、外ではあくまでも友人としての態度を崩さないエディアスに合わせてこれまで通りの態度を貫いてきた。
その代わり二人きりの夜はこれでもかと愛を囁き、愛を育んできたんだ。
ベッドの上で俺を愛おしそうに見つめてくるエディアスを愛する時間はたまらなく幸せだった。
愛しい愛しい俺のエディアス。
お前がずっと嫌っていた兄のジオラルドは今日俺の兄の手によって国外追放される。
理由は本当にどうしようもないほど馬鹿な兄らしいものだったけど、俺は敢えて止めなかった。
だってこれでやっとエディアスは自由になれると思ったから。
俺が兄に苦労しているように、エディアスの憂いは常にジオラルドに直結している。
なら平和的に遠ざけたかった。
早くエディアスの笑顔が見たい。
これからはずっと俺の隣で笑っていて欲しい。
そう思っていたのに────。
「…………どういうことだ?」
思わず俺は低い声でそう尋ねていた。
「ど、どういうこと、とは?」
「エディアスがいないとはどういうことだと訊いている!」
「ひっ?!」
「エ、エディアスはジオラルドが国外追放になったので、自分もついて行くと…」
「どうせジオラルドが無理矢理連れて行ったんだろう?!何故止めなかった!」
「い、いいえ!あの子は自分からジオについて行ったんです!ジオだけだと心配だからと!」
「そ、そうですわ!せめて残ってくれればこの家の跡継ぎとして嫁でも取らせて、私達も隠居できましたのに…。……ひぃっ?!」
「…………なるほど?」
つまり、エディアスは厄介事を押し付けられることと、兄と一緒に国外に逃げるのとを天秤にかけて、後者を選んだというわけか。
結果的に俺以外の誰かと結婚したくなかったということだな?
それならまあいい。
でも────。
「手紙の一つくらい書いていけ。エディ」
いくら急で仕方がなかったとはいえ、恋人である俺に一言もなく国外に飛び出すなんて酷いと思う。
再会したらどれだけ俺がエディアスを愛しているか思い知らせてやらないと。
(さてどうしたものか…)
エディアスの兄ジオラルドにはエディアスをさっさと解放しろと言ってやりたいが、問題はエディアスをこの先どう守るか。それに尽きる。
このまま連れ戻してもあの公爵夫妻のことだ。先程言っていたように全ての面倒事をエディアスに押し付けて自分達は逃げに走るはず。
ジオラルドが国外追放になった件は貴族達の間にあっという間に広まるだろうし、このまま何もしなければ公爵家は没落するだけだ。
エディアスに苦労はさせたくない。
エディアスのことだから落ち着いたらきっと連絡はくれるだろうし、それまでに何か対策を考えておく必要がある。
どうするのがベストだろうか?
ついでに言うと、問題はもう一つある。
王太子である兄はジオラルドがいなくなった今、周囲にとって扱いやすい駒の一つになったと言っても過言ではない。
このままいけば大臣達の傀儡になるか、バカなことをしでかして失脚するかのどちらかだろう。
そうなると俺を王にと考える輩は出てくるはず。
(まずはそれを確実に避けたいな)
何故なら俺はエディアス以外を嫁に迎える気が一切ないからだ。
できる限り父に長生きしてもらって、兄の子を王に据えるのがベストだと思う。
ここは慎重に動こう。
それから城へと帰り、エディアスの扱いについてあれこれと考え、王位継承権を俺が放棄する代わりに公爵位と領地を貰い、そこでエディアスを養子縁組で迎えて、合法的に嫁にもらう算段を立てた。
それなら俺を王にと考える輩も諦めてくれるはず。
そう結論付けた後で父へと相談に行き、無事に父からの了承も得られホッと安堵の息を吐いた。
後はエディアスが連絡をくれればそれを手紙に書いて、本人の了承が得られ次第迎えに行けば済む。
これでエディアスとずっと一緒にいられるし、結婚式は生活が落ち着いてからこっそり二人きりですればいい。
隣国へは馬車で約ひと月。
国外追放になった事を考えるとエディアスは急いで隣国へと向かうだろう。
グズグズする理由なんて何もないから到着はもっと早まるはず。
早くて三週間で隣国に着いて、そこから手紙のやり取りをして迎えに行って…。
(いや。エディだけ帰ってくれば済む話だから、転移魔法で日を指定したらいいのか)
上手くやれば手紙のやり取り後、すぐにでも結婚できるかもしれない。
(楽しみだな)
そう考えながら連絡が来る日を待っていたのだが、待てど暮らせどエディアスからの連絡はなかった。
転移魔法で会いに来てくれることも期待したが、そちらも一切ない。
「まさか何かあったのか?」
ジオラルドが一緒だから大丈夫だとは思うが、もしや国外に向かう最中盗賊にでも狙われたのではないだろうか?
それともあまりにも見目が良過ぎるから奴隷商に目をつけられたか?
それともどこかの誰かに騙されて、何か危ない目にあわされているんじゃないだろうか?
そこまで考えてサッと血の気が引くのを感じた。
どうして俺はそこに考えが至らなかったんだろう?
考えてみれば高位貴族である公爵家の子息が二人で隣国に向かったのだ。
言ってみれば世間知らずの二人旅。
何か想定外のことが起こって危ない目に合っていても全くおかしくはない。
(俺のミスだ…!)
もっと早く、それこそあの時公爵家に行ったその足で追えばよかった。
そう考えた俺はすぐさま学園に休学届を提出し、急いで自分の仕事の段取りをつけると、部下を引き連れエディアスの後を追った。
兄の仕事の補佐?
そんなものは周囲の者が勝手にすればいい。
普段から俺のことを馬鹿にしてる奴らが何とでもしてくれるだろう。
今はそれよりも何よりもエディアスだ。
こうして俺は焦燥感に駆られながらエディアスの後を追いかけたのだった。
エディアス=ジルフィール。公爵家の次男だ。
幼い頃から悩み事から些細な出来事までなんでも話してきた、俺の大事な幼馴染。
そんな彼と恋人同士になったのは一年ほど前の話だ。
俺には兄が一人いるんだが、これがまた出来が悪いくせに王太子だからと周囲が持ち上げすぎて、自分は優秀なのだと思い込んでるどうしようもない兄だった。
そんな兄のフォローに回るのは大抵俺か兄の従者で、その日は兄のしでかした失態に気づいていなくて全くフォローができておらず、後から父に散々叱られたのだ。
曰く、兄である王太子に恥をかかせるなんて何事だと。
そんなの俺のせいじゃないし、四六時中見張ってるわけにもいかないんだから理不尽極まりないと思うのに、王である父に口ごたえなど許されるはずもなく、ただひたすら罵倒に耐え続けた。
何故俺がこんな理不尽に罵られないといけないんだ?
悪いのは兄だろう?
兄からの理不尽にはある程度耐性ができているものの、父からの罵倒は流石にこたえた。
辛い、辛いと心が悲鳴をあげる。
そんな心境で部屋に戻るとたまたまエディアスが遊びに来ていて、事情を話すと精一杯慰めてくれた。
それでも落ち込む俺に、何を思ったのかエディアスはその桜色の唇を寄せ、そっと触れるだけのキスをした。
(……え?)
最初は何が起こったのかわからなかった。
でも、それがキスだと理解したところで俺は心臓が壊れるんじゃないかというほどドキドキするのを感じたんだ。
エディアスが、自分から俺にキスをしてくれた。
それは俺のことが好きだからだろう。
それ以外考えられない。
俺はもちろんエディアスが好きだ。
いつからかなんて確かなことは言えないけど、気づけばエディアスを好きになっていた。
でも立場は俺の方が上だから、俺がエディアスに告白したらエディアスは断れない。
だから言えないと、ずっと気持ちに蓋をしてきた。
でも────エディアスが俺を好きでいてくれるのなら、もう遠慮なんてしなくていい。そう思った。
そこからなし崩し的にエディアスの唇を奪い、衝動のまま押し倒した。
俺も初めてだったけど、エディアスも初めてだった。
それが俺には嬉しすぎてたまらなかった。
初めては辛いと聞くが、エディアスはそれでも一生懸命俺のために頑張ってくれて、大丈夫だって涙を滲ませながら俺を受け入れてくれた。
しかも全部挿れた後で余裕のない俺にそっと手を伸ばして、ふわっと笑ったんだ。
その表情がまたたまらなく愛おしくて、俺はそこでやっと少し余裕を取り戻すことができた。
『エディ…初めてを俺にくれてありがとう』
幸せな気分で思わずそう口にした俺に、エディアスも笑顔で応えてくれる。
『アリストが喜んでくれたなら嬉しい』
その言葉にどれだけ救われたか知れない。
あの日俺は、エディアスをずっとずっと大事にしよう。そう心に誓ったんだ。
それからはずっと恋人として大事にしてきたつもりだ。
公私を分けたいのか、外ではあくまでも友人としての態度を崩さないエディアスに合わせてこれまで通りの態度を貫いてきた。
その代わり二人きりの夜はこれでもかと愛を囁き、愛を育んできたんだ。
ベッドの上で俺を愛おしそうに見つめてくるエディアスを愛する時間はたまらなく幸せだった。
愛しい愛しい俺のエディアス。
お前がずっと嫌っていた兄のジオラルドは今日俺の兄の手によって国外追放される。
理由は本当にどうしようもないほど馬鹿な兄らしいものだったけど、俺は敢えて止めなかった。
だってこれでやっとエディアスは自由になれると思ったから。
俺が兄に苦労しているように、エディアスの憂いは常にジオラルドに直結している。
なら平和的に遠ざけたかった。
早くエディアスの笑顔が見たい。
これからはずっと俺の隣で笑っていて欲しい。
そう思っていたのに────。
「…………どういうことだ?」
思わず俺は低い声でそう尋ねていた。
「ど、どういうこと、とは?」
「エディアスがいないとはどういうことだと訊いている!」
「ひっ?!」
「エ、エディアスはジオラルドが国外追放になったので、自分もついて行くと…」
「どうせジオラルドが無理矢理連れて行ったんだろう?!何故止めなかった!」
「い、いいえ!あの子は自分からジオについて行ったんです!ジオだけだと心配だからと!」
「そ、そうですわ!せめて残ってくれればこの家の跡継ぎとして嫁でも取らせて、私達も隠居できましたのに…。……ひぃっ?!」
「…………なるほど?」
つまり、エディアスは厄介事を押し付けられることと、兄と一緒に国外に逃げるのとを天秤にかけて、後者を選んだというわけか。
結果的に俺以外の誰かと結婚したくなかったということだな?
それならまあいい。
でも────。
「手紙の一つくらい書いていけ。エディ」
いくら急で仕方がなかったとはいえ、恋人である俺に一言もなく国外に飛び出すなんて酷いと思う。
再会したらどれだけ俺がエディアスを愛しているか思い知らせてやらないと。
(さてどうしたものか…)
エディアスの兄ジオラルドにはエディアスをさっさと解放しろと言ってやりたいが、問題はエディアスをこの先どう守るか。それに尽きる。
このまま連れ戻してもあの公爵夫妻のことだ。先程言っていたように全ての面倒事をエディアスに押し付けて自分達は逃げに走るはず。
ジオラルドが国外追放になった件は貴族達の間にあっという間に広まるだろうし、このまま何もしなければ公爵家は没落するだけだ。
エディアスに苦労はさせたくない。
エディアスのことだから落ち着いたらきっと連絡はくれるだろうし、それまでに何か対策を考えておく必要がある。
どうするのがベストだろうか?
ついでに言うと、問題はもう一つある。
王太子である兄はジオラルドがいなくなった今、周囲にとって扱いやすい駒の一つになったと言っても過言ではない。
このままいけば大臣達の傀儡になるか、バカなことをしでかして失脚するかのどちらかだろう。
そうなると俺を王にと考える輩は出てくるはず。
(まずはそれを確実に避けたいな)
何故なら俺はエディアス以外を嫁に迎える気が一切ないからだ。
できる限り父に長生きしてもらって、兄の子を王に据えるのがベストだと思う。
ここは慎重に動こう。
それから城へと帰り、エディアスの扱いについてあれこれと考え、王位継承権を俺が放棄する代わりに公爵位と領地を貰い、そこでエディアスを養子縁組で迎えて、合法的に嫁にもらう算段を立てた。
それなら俺を王にと考える輩も諦めてくれるはず。
そう結論付けた後で父へと相談に行き、無事に父からの了承も得られホッと安堵の息を吐いた。
後はエディアスが連絡をくれればそれを手紙に書いて、本人の了承が得られ次第迎えに行けば済む。
これでエディアスとずっと一緒にいられるし、結婚式は生活が落ち着いてからこっそり二人きりですればいい。
隣国へは馬車で約ひと月。
国外追放になった事を考えるとエディアスは急いで隣国へと向かうだろう。
グズグズする理由なんて何もないから到着はもっと早まるはず。
早くて三週間で隣国に着いて、そこから手紙のやり取りをして迎えに行って…。
(いや。エディだけ帰ってくれば済む話だから、転移魔法で日を指定したらいいのか)
上手くやれば手紙のやり取り後、すぐにでも結婚できるかもしれない。
(楽しみだな)
そう考えながら連絡が来る日を待っていたのだが、待てど暮らせどエディアスからの連絡はなかった。
転移魔法で会いに来てくれることも期待したが、そちらも一切ない。
「まさか何かあったのか?」
ジオラルドが一緒だから大丈夫だとは思うが、もしや国外に向かう最中盗賊にでも狙われたのではないだろうか?
それともあまりにも見目が良過ぎるから奴隷商に目をつけられたか?
それともどこかの誰かに騙されて、何か危ない目にあわされているんじゃないだろうか?
そこまで考えてサッと血の気が引くのを感じた。
どうして俺はそこに考えが至らなかったんだろう?
考えてみれば高位貴族である公爵家の子息が二人で隣国に向かったのだ。
言ってみれば世間知らずの二人旅。
何か想定外のことが起こって危ない目に合っていても全くおかしくはない。
(俺のミスだ…!)
もっと早く、それこそあの時公爵家に行ったその足で追えばよかった。
そう考えた俺はすぐさま学園に休学届を提出し、急いで自分の仕事の段取りをつけると、部下を引き連れエディアスの後を追った。
兄の仕事の補佐?
そんなものは周囲の者が勝手にすればいい。
普段から俺のことを馬鹿にしてる奴らが何とでもしてくれるだろう。
今はそれよりも何よりもエディアスだ。
こうして俺は焦燥感に駆られながらエディアスの後を追いかけたのだった。
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