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20.叔父を探して Side.カノン王子
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今日から叔父に積極的にアピールだと思ったのも束の間。
放課後早々に追い返されそうになって、傍に居たいとアピールしてみた。
叔父はお仕置きが好きそうだし、ちょっと我儘を言ってお仕置きしてもらおうと思ったのに失敗した!
服を脱がされ適度な締め付けで縛り上げられ、見たこともない貞操帯?とかいうものをつけられたんだ。
(は、恥ずかしい…!)
これじゃあ湯あみがいつも通りできない!
侍女達に見られたら変態認定されてしまうから着替えだって全部自分でやらないといけないし、凄く大変だ。
「は、早く叔父上に許してもらわないとっ」
そう思った時には既に叔父の姿は学校になくて、泣きながら城に帰ったけど、歩くたびに微妙に縄が擦れるから悲惨だった。
「ふ…うぅ…。や、ヤバい…。段々気持ちよくなってきた」
なんだこの絶妙な縛り加減は?!
叔父の手慣れている感が半端ない。
でもどんなに気持ちが良くても決定的な刺激は与えられない。
自慰をしようにも貞操帯があるせいでできない。
本当に泣きそうなくらいのもどかしさに息がハフハフ上がってしまう。
そんな状態で歩いていたら、やけに視線を感じた。
なんだろう?
(騎士…か?)
チラチラ向けられる視線はどうやら警備中の騎士達らしい。
どうしてそんなに見てくるんだろう?
(も、もしかして…。服の下で縛られているのがわかる…とか?)
そう思い至ってカアァッと頬に朱が上る。
(は、恥ずかしい…!)
できれば自室にダッシュで向かって、そのまま閉じこもってしまいたい。
でも叔父を探さないといけないし、早く許してもらわないと自慰もできない。
「うぅ…叔父上…。一体どこに?」
そうして頑張って城にある叔父の部屋へとやってはきたものの、そこに叔父の姿はなかった。
もしかして用というのは学園内での用事だったのだろうか?
それならそれで学園に戻らないといけなくなる。
「そうだ…っ。ち、父上のところかも…」
もし違っても父の近衛騎士ならあのメイナードという騎士のように転移魔法が使える者もいるはず。
そう思って父の執務室へと向かう。
途中俺の具合が悪そうに見えたのか、親切な騎士が声を掛けてくれた。
「カノン王子。顔色がお悪いですが、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫だ」
「ですがとてもお辛そうに見えます。どうぞ遠慮なくおつかまり下さい」
しかもそう言って俺の身体を支えてくれる。
そのことにホッとしつつ、歩いていたのだけど……。
「はぁ…んっ…」
尻を撫でられている気がするのは気のせいだろうか?
でもさり気なく顔を見ても心底心配そうに俺を見ているようにしか見えない。
(やっぱり気のせいだな)
そう判断し、微妙な心境で俺は父の元へと向かう。
「ん…んんぅ…」
「…カノン王子。やはり体調が心配です。こちらの空き部屋でご休憩なさってはいかがでしょう?」
けれど余程俺の具合が悪そうに見えたんだろう。
そこまで気遣ってくれるのならちょっとだけ休憩していこうかなと思い、促されるままそちらへと歩いていると…。
「こ~の、バカ弟がぁ!」
いきなり怒気を込めた声がその場に響いて、スッパーンと後ろから思い切り頭を叩かれた。
「あ、兄上?!」
いきなり何をと振り返ると、そのままムニッと頬を摘まれてしまう。
「叔父上に言われて探して正解だったな。連れ込まれる一歩手前だっただろう?!」
「……え?」
「全く油断も隙もあったもんじゃない。掘られたいなら俺が掘ってやるから、行くぞ!」
そう言っていきなり現れた兄は親切な騎士をギロッと睨んで、俺の手を取りグイグイ歩き出した。
それから兄の部屋に連れ込まれて壁ドンされてるんだけど、俺は一体どうしたらいいんだろう?
「えっと…兄上?俺は叔父上に抱かれたいんですけど?」
「諦めろ。メイナードを敵に回すより俺とくっつく方が安全だ」
「意味がわかりません!」
そこで兄は深々と溜息をつくと、あの叔父上の恋人メイナードについて色々教えてくれた。
それによるとあの男はものすっごく腹黒なんだそうだ。
叔父上に近づく輩は気づけば罠にかけられているらしい。
「俺が嫌なら身近な誰かとくっつけ。でないと悲惨な目に合うぞ」
「例えば?」
「そうだな…。どこかの変態貴族に手籠めにされて、後戻りできない状況に陥れられて城に戻ってこられなくなるとか…」
「えっ?!」
「他国に留学に出されて、そこで仕組まれた相手に知らず知らず引き合わされてそのまま…とか」
「ええっ?!」
「後学の為に辺境の地を見てきてはと送り出されて、そこでエンドレスで騎士達に犯されるとか?」
「ひっ?!嫌です嫌です!助けてください!」
「よし!じゃあ抱いてやろう」
「…え?」
「大丈夫!俺は上手いからな!」
(爽やか笑顔で言われても、兄上は絶対無理!俺は叔父上がいいんだ────!)
そして俺は涙目になりながらダッシュで逃げ出した。
「はぁ…。叔父上は本当に罪作りだな」
そんな俺を兄がクスリと笑いながら楽しげに見送っていたとは気づかずに。
放課後早々に追い返されそうになって、傍に居たいとアピールしてみた。
叔父はお仕置きが好きそうだし、ちょっと我儘を言ってお仕置きしてもらおうと思ったのに失敗した!
服を脱がされ適度な締め付けで縛り上げられ、見たこともない貞操帯?とかいうものをつけられたんだ。
(は、恥ずかしい…!)
これじゃあ湯あみがいつも通りできない!
侍女達に見られたら変態認定されてしまうから着替えだって全部自分でやらないといけないし、凄く大変だ。
「は、早く叔父上に許してもらわないとっ」
そう思った時には既に叔父の姿は学校になくて、泣きながら城に帰ったけど、歩くたびに微妙に縄が擦れるから悲惨だった。
「ふ…うぅ…。や、ヤバい…。段々気持ちよくなってきた」
なんだこの絶妙な縛り加減は?!
叔父の手慣れている感が半端ない。
でもどんなに気持ちが良くても決定的な刺激は与えられない。
自慰をしようにも貞操帯があるせいでできない。
本当に泣きそうなくらいのもどかしさに息がハフハフ上がってしまう。
そんな状態で歩いていたら、やけに視線を感じた。
なんだろう?
(騎士…か?)
チラチラ向けられる視線はどうやら警備中の騎士達らしい。
どうしてそんなに見てくるんだろう?
(も、もしかして…。服の下で縛られているのがわかる…とか?)
そう思い至ってカアァッと頬に朱が上る。
(は、恥ずかしい…!)
できれば自室にダッシュで向かって、そのまま閉じこもってしまいたい。
でも叔父を探さないといけないし、早く許してもらわないと自慰もできない。
「うぅ…叔父上…。一体どこに?」
そうして頑張って城にある叔父の部屋へとやってはきたものの、そこに叔父の姿はなかった。
もしかして用というのは学園内での用事だったのだろうか?
それならそれで学園に戻らないといけなくなる。
「そうだ…っ。ち、父上のところかも…」
もし違っても父の近衛騎士ならあのメイナードという騎士のように転移魔法が使える者もいるはず。
そう思って父の執務室へと向かう。
途中俺の具合が悪そうに見えたのか、親切な騎士が声を掛けてくれた。
「カノン王子。顔色がお悪いですが、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫だ」
「ですがとてもお辛そうに見えます。どうぞ遠慮なくおつかまり下さい」
しかもそう言って俺の身体を支えてくれる。
そのことにホッとしつつ、歩いていたのだけど……。
「はぁ…んっ…」
尻を撫でられている気がするのは気のせいだろうか?
でもさり気なく顔を見ても心底心配そうに俺を見ているようにしか見えない。
(やっぱり気のせいだな)
そう判断し、微妙な心境で俺は父の元へと向かう。
「ん…んんぅ…」
「…カノン王子。やはり体調が心配です。こちらの空き部屋でご休憩なさってはいかがでしょう?」
けれど余程俺の具合が悪そうに見えたんだろう。
そこまで気遣ってくれるのならちょっとだけ休憩していこうかなと思い、促されるままそちらへと歩いていると…。
「こ~の、バカ弟がぁ!」
いきなり怒気を込めた声がその場に響いて、スッパーンと後ろから思い切り頭を叩かれた。
「あ、兄上?!」
いきなり何をと振り返ると、そのままムニッと頬を摘まれてしまう。
「叔父上に言われて探して正解だったな。連れ込まれる一歩手前だっただろう?!」
「……え?」
「全く油断も隙もあったもんじゃない。掘られたいなら俺が掘ってやるから、行くぞ!」
そう言っていきなり現れた兄は親切な騎士をギロッと睨んで、俺の手を取りグイグイ歩き出した。
それから兄の部屋に連れ込まれて壁ドンされてるんだけど、俺は一体どうしたらいいんだろう?
「えっと…兄上?俺は叔父上に抱かれたいんですけど?」
「諦めろ。メイナードを敵に回すより俺とくっつく方が安全だ」
「意味がわかりません!」
そこで兄は深々と溜息をつくと、あの叔父上の恋人メイナードについて色々教えてくれた。
それによるとあの男はものすっごく腹黒なんだそうだ。
叔父上に近づく輩は気づけば罠にかけられているらしい。
「俺が嫌なら身近な誰かとくっつけ。でないと悲惨な目に合うぞ」
「例えば?」
「そうだな…。どこかの変態貴族に手籠めにされて、後戻りできない状況に陥れられて城に戻ってこられなくなるとか…」
「えっ?!」
「他国に留学に出されて、そこで仕組まれた相手に知らず知らず引き合わされてそのまま…とか」
「ええっ?!」
「後学の為に辺境の地を見てきてはと送り出されて、そこでエンドレスで騎士達に犯されるとか?」
「ひっ?!嫌です嫌です!助けてください!」
「よし!じゃあ抱いてやろう」
「…え?」
「大丈夫!俺は上手いからな!」
(爽やか笑顔で言われても、兄上は絶対無理!俺は叔父上がいいんだ────!)
そして俺は涙目になりながらダッシュで逃げ出した。
「はぁ…。叔父上は本当に罪作りだな」
そんな俺を兄がクスリと笑いながら楽しげに見送っていたとは気づかずに。
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