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22.※仕事に行けない!
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「んんッ…あ…あぁ……っ」
じっくり時間をかけて慣らされた俺の後孔が、ゆっくりとクレールの雄を飲み込んでいく。
初めての繋がりは、正直思っていた以上に衝撃的だった。
いつもは出すところでしかないのに、今はそこにクレールを受け入れているんだから当然だ。
でも……それがクレールのものだからなのか、拒絶するような感覚は全く覚えなかった。
優しく俺の様子を伺いながら挿れてくれているから余計に安心できているのかもしれない。
「は…ぁ…っ」
火照った体に少しひんやりとしたクレールの肌が気持ち良く感じられ、つい甘えるように身を寄せてしまう。
「バン、大丈夫か?」
全部納めた後も宥めるように優しく声を掛け、負担が少ないようにと動かず待ってくれるクレールに俺は小さく頷く。
優しいクレールの腕の中はどこまでも居心地がいい。
そこには恐怖も、焦燥も、憂いも何一つとしてなかった。
「クレール……」
だから俺はそっと笑みを浮かべてチュッと軽くクレールの頬へと口づけを贈る。
「俺…初めてがお前でよかった」
それは本当に思う。
初めてが父親や夜這い男だったりしたら俺は心が病んで壊れていただろう。
下手をすれば人間不信に陥って大変なことになっていたに違いない。
だからこそ、クレールには感謝の気持ちしかなかった。
「メルシィ、クレール。俺…お前の恋人になれて幸せだ」
そう言うとクレールは顔を真っ赤にしながら『そんな顔を絶対に他の奴に見せるなよ?』と言い放った。
(そんな顔ってどんな顔だ?)
思わず首を傾げたら、あんまり煽るなって言われて、そこから突き上げられて喘がされる羽目になった。
「やっ!あっあっ…!クレールっ!」
基本は優しいけれど、弱いところを探り、集中的に責め立てるのは反則だと涙目で睨んだら、そんな顔も可愛いから逆効果だと言われてしまう。
(クソっ!ヤリチンめ!)
絶対こいつ童貞じゃないだろ?!
でも……。
「バン。好き、好きだ!」
クレールが俺への気持ちを言葉にして伝えてくる。
それがなんだかすごく胸にきた。
クレールから本当に愛おしそうに見つめられて、合間合間に俺を求めるように激しく口づけられると怒りも持続しなくて、気づけば溺れるようにクレールに抱きつきながら爪を立てていた。
「あぁっ、ひぁ…んッ!」
苦しいのに気持ちよくて気持ちよくてたまらないのはどうしてだろう?
ゆさゆさと揺さぶられているのに、屈辱的な気持ちではなくジワジワと愛しさが込み上げてくるのは?
「クレール…クレール…ッ!」
誰かの名前がこんなに大切に思える日が来るなんて思ってもみなかった。
「バン…ッ」
好きな相手に名を呼ばれるのがこんなに嬉しいなんて知らなかった。
自分だけを見て、ただ自分だけを求めてくれる存在に心が囚われて逃げるに逃げられない。
「クレール……ッ、あ…好き……!」
好き────そう。俺はクレールが好きなんだ。
それから先は正直あまり覚えていない。
クレールに滅茶苦茶キスを落とされまくったのだけは覚えているけど、後はスコンと記憶が飛んでいる。
起きたら身綺麗になってクレールの腕の中で眠っていたというのが現状だ。
何はともあれこれで俺達は晴れてどこからどう見ても立派な恋人同士となった訳で……。
そこまで考えたところで思いっきり飛び起きた。
ガツンとクレールの顎に頭が当たってグフッとか聞こえた気がするけど、今はそんなことより仕事のことで頭がいっぱいだった。
昨日はやめる気でいたから気にしてなかったが、そう言えば今は何時なんだろうか?
寝坊していたらシャレにならない。
慌てて身を起こしてベッドから降りようとしたけれど、下半身が腰が抜けたようになっていて動いてくれず、焦った上半身だけがベッドから落っこちそうになった。
「うわっ…!」
けれどそこでさっと腰に腕が回って思い切り後ろに引き寄せられた。
「バン、危ないだろ?!」
びっくりさせるなと耳元で囁かれて思わず赤面してしまう。
どうして朝からこんな甘ったるい声が出せるのだろうか?
妙に意識してしまうから本気でやめて欲しい。
「動けないんだろう?無理はしなくていい」
優しく労わってクレールは俺をベッドに丁寧に戻すと、これは自分のせいだから仕事は気にせず寝ていろと言われてしまった。
でもそんなこと言われても無理に決まってる。
「行く!」
「無理だって」
「大丈夫!」
「いや、無理だ」
そしてクレールが呆れたように手を貸してくれて、試しに立ってみろと言われたから挑戦してみたけど……。
「立てない……」
「ほら見ろ」
腰が砕けてどう頑張っても俺は立つことができなかった。
これじゃあ仕事なんてできっこない。
「体調不良ってことにしておくから、今日は気にせず寝ててくれ」
「……わかった」
本当は行きたいけど、この状態では無理だってわかったから渋々諦める。
「うぅ…」
「そんなに気にするな。な?」
どこまでも優しいクレールについ甘えてしまいたくなるのは俺の心が弱っている証拠だろうか?
でも取り敢えず動けないものは動けないので今日はおとなしく寝ておくことにした。
「じゃあバン。いい子に待ってろよ」
「……わかった」
子供扱いはやめて欲しいけど、愛おしいと言わんばかりの目でそんなことを言われたらこっちとしても何も言えない。
俺は気恥ずかしい気持ちを隠すように、いってらっしゃいと言って布団に潜り込んだ。
じっくり時間をかけて慣らされた俺の後孔が、ゆっくりとクレールの雄を飲み込んでいく。
初めての繋がりは、正直思っていた以上に衝撃的だった。
いつもは出すところでしかないのに、今はそこにクレールを受け入れているんだから当然だ。
でも……それがクレールのものだからなのか、拒絶するような感覚は全く覚えなかった。
優しく俺の様子を伺いながら挿れてくれているから余計に安心できているのかもしれない。
「は…ぁ…っ」
火照った体に少しひんやりとしたクレールの肌が気持ち良く感じられ、つい甘えるように身を寄せてしまう。
「バン、大丈夫か?」
全部納めた後も宥めるように優しく声を掛け、負担が少ないようにと動かず待ってくれるクレールに俺は小さく頷く。
優しいクレールの腕の中はどこまでも居心地がいい。
そこには恐怖も、焦燥も、憂いも何一つとしてなかった。
「クレール……」
だから俺はそっと笑みを浮かべてチュッと軽くクレールの頬へと口づけを贈る。
「俺…初めてがお前でよかった」
それは本当に思う。
初めてが父親や夜這い男だったりしたら俺は心が病んで壊れていただろう。
下手をすれば人間不信に陥って大変なことになっていたに違いない。
だからこそ、クレールには感謝の気持ちしかなかった。
「メルシィ、クレール。俺…お前の恋人になれて幸せだ」
そう言うとクレールは顔を真っ赤にしながら『そんな顔を絶対に他の奴に見せるなよ?』と言い放った。
(そんな顔ってどんな顔だ?)
思わず首を傾げたら、あんまり煽るなって言われて、そこから突き上げられて喘がされる羽目になった。
「やっ!あっあっ…!クレールっ!」
基本は優しいけれど、弱いところを探り、集中的に責め立てるのは反則だと涙目で睨んだら、そんな顔も可愛いから逆効果だと言われてしまう。
(クソっ!ヤリチンめ!)
絶対こいつ童貞じゃないだろ?!
でも……。
「バン。好き、好きだ!」
クレールが俺への気持ちを言葉にして伝えてくる。
それがなんだかすごく胸にきた。
クレールから本当に愛おしそうに見つめられて、合間合間に俺を求めるように激しく口づけられると怒りも持続しなくて、気づけば溺れるようにクレールに抱きつきながら爪を立てていた。
「あぁっ、ひぁ…んッ!」
苦しいのに気持ちよくて気持ちよくてたまらないのはどうしてだろう?
ゆさゆさと揺さぶられているのに、屈辱的な気持ちではなくジワジワと愛しさが込み上げてくるのは?
「クレール…クレール…ッ!」
誰かの名前がこんなに大切に思える日が来るなんて思ってもみなかった。
「バン…ッ」
好きな相手に名を呼ばれるのがこんなに嬉しいなんて知らなかった。
自分だけを見て、ただ自分だけを求めてくれる存在に心が囚われて逃げるに逃げられない。
「クレール……ッ、あ…好き……!」
好き────そう。俺はクレールが好きなんだ。
それから先は正直あまり覚えていない。
クレールに滅茶苦茶キスを落とされまくったのだけは覚えているけど、後はスコンと記憶が飛んでいる。
起きたら身綺麗になってクレールの腕の中で眠っていたというのが現状だ。
何はともあれこれで俺達は晴れてどこからどう見ても立派な恋人同士となった訳で……。
そこまで考えたところで思いっきり飛び起きた。
ガツンとクレールの顎に頭が当たってグフッとか聞こえた気がするけど、今はそんなことより仕事のことで頭がいっぱいだった。
昨日はやめる気でいたから気にしてなかったが、そう言えば今は何時なんだろうか?
寝坊していたらシャレにならない。
慌てて身を起こしてベッドから降りようとしたけれど、下半身が腰が抜けたようになっていて動いてくれず、焦った上半身だけがベッドから落っこちそうになった。
「うわっ…!」
けれどそこでさっと腰に腕が回って思い切り後ろに引き寄せられた。
「バン、危ないだろ?!」
びっくりさせるなと耳元で囁かれて思わず赤面してしまう。
どうして朝からこんな甘ったるい声が出せるのだろうか?
妙に意識してしまうから本気でやめて欲しい。
「動けないんだろう?無理はしなくていい」
優しく労わってクレールは俺をベッドに丁寧に戻すと、これは自分のせいだから仕事は気にせず寝ていろと言われてしまった。
でもそんなこと言われても無理に決まってる。
「行く!」
「無理だって」
「大丈夫!」
「いや、無理だ」
そしてクレールが呆れたように手を貸してくれて、試しに立ってみろと言われたから挑戦してみたけど……。
「立てない……」
「ほら見ろ」
腰が砕けてどう頑張っても俺は立つことができなかった。
これじゃあ仕事なんてできっこない。
「体調不良ってことにしておくから、今日は気にせず寝ててくれ」
「……わかった」
本当は行きたいけど、この状態では無理だってわかったから渋々諦める。
「うぅ…」
「そんなに気にするな。な?」
どこまでも優しいクレールについ甘えてしまいたくなるのは俺の心が弱っている証拠だろうか?
でも取り敢えず動けないものは動けないので今日はおとなしく寝ておくことにした。
「じゃあバン。いい子に待ってろよ」
「……わかった」
子供扱いはやめて欲しいけど、愛おしいと言わんばかりの目でそんなことを言われたらこっちとしても何も言えない。
俺は気恥ずかしい気持ちを隠すように、いってらっしゃいと言って布団に潜り込んだ。
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