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20.それは反則だと思う!
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なんで…こんなことになってるんだろう?
クレールの腕の中で俺は服をはだけさせながら唇を貪られていた。
でもそれはどう考えても怒っているような荒々しいものじゃなくて、なんて言うか…思いをぶつけてくるような甘くてどうしようもなく気持ちのいいものでしかなかった。
こちらの反応を敏感に感じ取りながら気持ちのいいところばっかりを重点的に押さえてくる…みたいな?
「ん…クレ…ール…」
クリクリと胸の尖りをいじられて俺の口からはどこか甘い声しか出てこない。
思考はすっかり溶かされて気持ちよさに目が眩み涙が滲むけど、それさえも時折宥めるように唇が瞼へと落とされて、思わずポロリと零れた雫もチュッチュッと吸い取られていく。
なんで俺…こんなに甘やかされてるんだろう?
お仕置きなんじゃなかったのか?
それともこれがお仕置きなのか?
(この────甘い甘い行為が?)
こんなの…どこからどう見てもお仕置きなんかじゃなくて、恋人達の睦み合いじゃないか。
そんなことくらい俺にだってわかる。
クレールとのこんなキスは久しぶりだけどやっぱり気持ちが良くて、触れられるのだって全く拒否感はない。
こんな風に上に乗られていても鳥肌だって立たないし、恐怖感もない。寧ろもっと触れて欲しい────。
クレールはあの夜這い男や父親とは全然違うのだと改めて実感してしまう。
「バン…勝手に俺から離れるなんて、許さないからな」
キスと手淫で翻弄されながら酔ったように身を任せていると、クレールが俺を真剣なまなざしで見つめながらそんな言葉を口にした。
それは────俺が勝手に別れの言葉を口にしたせいなのか?
「クレール……」
「そんな可愛い顔で見つめてきても、これだけは譲れない」
可愛い顔ってどんな顔だ?
自分では情けない顔になってる自覚はちゃんとあるし、それは可愛いって言うのとは違う気がする。
こいつは目がおかしいんだろうか?
まあいい。そんなことよりも俺は聞きたいことがあるんだ。
「俺、お前に嘘ついてたのに……。なんで?」
怒っていないのか聞きたくて尋ねたのに、クレールの答えは何ともあっさりしたものだった。
「バンはバンだろう?」
そしてまた優しく口づけながら俺を甘やかし始める始末。
どうしてこいつは全然酷いことをしてこないんだろう?
「お仕置きだって…言ったくせに……」
けれどそんな言葉にクレールはこれがお仕置きだと言い切った。
「お前が俺から離れられないように身動きが取れない状況でじっくり俺の気持ちをわからせてるだろ?だからこれがお仕置きだ。間違ってない」
「そんなの……お仕置きでも何でもないじゃないか」
こんなのただただ気持ちがいいだけだ。
悦ばせてどうする。
でもクレール的には至って真面目なことだったらしく、不満げに言い張った。
「俺だって本当はこんな風に無理強いするみたいに押し倒したくはなかったんだ。お前が怖くないように恋人としてちゃんとゆっくり段階を踏もうと思ってたのに、お前があんな風にいきなり俺から離れていこうとするから……!」
怒っているとしたらその点だけだと言うクレールを、ついマジマジと見遣ってしまう。
それは本当だろうか?
「俺はお前が夜這い男に震えていたのも知ってるし、父親が怖いって言ってたのだってちゃんと聞いてた。だから…まずはデートして、キスして、様子を見ながら少しずつ恋人同士になっていこうって思ってたのに……!」
「…………」
「今日のデートでお前が父親に怯えたのだって仕方がないことだってちゃんとわかってるし、お前の名前が偽名だなんて配属前からとっくに知ってたことだ!知ってて…知ってて、それでも俺はお前と同じ部隊を希望してお前を追いかけたんだ…!」
だからそれに関しては全く怒ることもないし、それについてとやかく言う気もないとクレールは告白してくる。
その言葉に俺は正直驚くしかない。
まさかクレールが前から知っていたなんて思ってもみなかったからだ。
けれど軍の正規雇用というのはもしかしたらそういうものなのかもしれない。
守秘義務的なものだって当然あるし、スパイ対策とでも考えれば何もしていない方が問題だろう。
恐らく自分のことも詳細に調べられていて、結果問題がないと判断されたからこそ魔法飛空士として配属が許されたのだと思う。
それなら…それなら俺はクレールを諦めなくてもいいんだろうか?
あの大空を飛ぶ自由を……諦めなくてもいいのだろうか?
もし…もしもそうだと言うのなら────。
「ふ…うぅ……」
気づけば俺は柄にもなくボロボロとまた派手に涙を流していた。
もう今日は散々だ。
俺の涙腺は壊れっぱなしで、とても簡単に止められそうにない。
「バン…泣くな」
こんな情けない姿ばかり見せてしまっているのに、クレールは心配そうに顔を覗き込んでくるし、その瞳はどこまでも優しい。
宥めるように抱き寄せてくれる腕の中が心地よくて、つい甘えてしまいたくなる。
だからついポロッと本音を溢してしまったんだと思う。
「俺…お前のこと、怖いなんて思ったことない」
「……え?」
それはクレールには予想外の言葉だったらしく、何を言われたのかわからないとばかりにハトが豆鉄砲を食らったように目を丸くしていた。
でも、そんなクレールにもう一度わからせるようにゆっくりと言葉を紡ぐ。
「だから……前にも言ったけど、俺はお前に触られるのは平気なんだ!怖いなんて思ったことは一度もない!」
「……でも、前に言ってただろう?」
それはいつだったかこいつの腕の中から逃げ出した日のことだろうか?
確かにあの時はまだこいつのことが嫌いだったし、何とか上手く言って逃げようとそんなことを言ったような気はする。
でもあの時だって本気で怖かったわけじゃない。
それなのに────どれだけこいつは俺に甘いんだろう?
それほど大切にしたいとでも言うのか?
でもこれは間違ってるだろう?
俺達は対等な関係のはずで、こんな風に女みたいに気遣ってもらうなんて絶対にごめんだった。
「なんで俺達の間でそんなに気をつかうんだよ!恋人なんだから気にせずもっとガンガン攻めたらいいだろ?!俺がお前と付き合うって返事したのはこういうことも含めて全部大丈夫って意味、わかってんのか?!このヘタレ!」
もうこれ以上涙を見られたくなくて怒ったようにそう言うと、俺はゴシゴシと涙を袖で拭って思いっきりクレールを押しのけた。
言い逃げ上等だ。
最後の言葉は余計だったとは思うが、悪態を吐いた方が逃げやすいだろう。
今日はもう勢いに任せてこのまま撤退してやるとそのままソファから脱出したまでは良かったものの、思考停止状態になっていたクレールがハッと我に返ったと同時に捕まえられて、そのまま俺は抱き上げられてしまう。
「ちょっ…!放せよ!」
まさかの脱走失敗────。
ジタバタと暴れるがクレールは全く揺るぎない態で勝手に俺をベッドまで連れ去っていく。
しかもそのままベッドまで運ぶと、また逃がすものかと上にのしかかってきた。
「クレール!やめろよ!どけ、この馬鹿!今日は帰る!」
慌てる俺にクレールはどことなく艶っぽい顔で嬉しそうに笑いながら言ってくる。
「帰さない」
「……?!」
そしてどこまでも優しいキスがチュッチュッと降り注ぐようにあちこちに落とされていく。
その瞳はまるで俺が大好きとでも言わんばかりに煌めいて見えて、ドキッと胸が弾んだ。
「もう絶対逃がさないし、お仕置きだって言っただろう?お前が俺を怖くないって言ってくれるなら、もっと積極的に攻めていいって言ってくれるなら、望み通りもう遠慮なんてしない。バン───お前のすべてが欲しい」
真っ直ぐに俺に向けられたストレートな言葉に俺は不覚にも胸を撃ち抜かれたような気がした。
クレールってこんな目が離せなくなるほど男らしい奴だったっけ?
胸が早鐘を打って仕方がないし、異様に頬が火照って落ち着かないじゃないか。
「嫌か?」
しかもそんな聞き方は狡いのではないだろうか?
ここでもし俺が嫌だって言ったらどうする気だろう?
クレールは前みたいに涙目で訴えたら多分引いてくれるとは思う。
でもその後は?
また段階を踏んでくるのか?
キスで慣らして、触って慣らして……?
それって所謂焦らしプレイとかいうやつじゃないのか?
「…………」
え?もしかして今の俺ってクレールを弄んでる嫌な奴…なのか?
それって最悪じゃないか!悪女か?!俺が目指してるのはカッコいい男なのに!
クレールの前だと何故か俺の男らしさが行方不明になってる気がする!
「~~~~っ!ああもうっ!いいよ!」
こうなったらやけくそだ!
俺だって男らしいところを見せてやりたい。
さっき攻めろって言ったのは俺だしな。
ここは意地を張らずに素直になろう。
別れなくて済むなら、俺は初めてはクレールとがいい。
「お前が欲しいなら全部やる!でも、俺はさっきまでお前と別れたくないけど諦めなきゃいけないってすっごく落ち込んでたんだからな!ヤルなら責任持って優しくしろよな!」
俺とは別れない、絶対逃がさないって言うならせめてそれくらいはしてほしい。
どう考えてもそう簡単には入らないだろうし、流石に初っ端で流血沙汰はお断りだ。
出来る限り優しくしてもらいたい。
そう思いながらギッと睨むように言葉を叩きつける。
けれど可愛げなく責任転嫁もいいところなセリフを口にした俺が悪かったのか────?
言われたクレールは何故か耳まで赤くして、「お前最悪…」って呟きながら撃沈していた。
『お願い…』と可愛く言えなかったから幻滅したのか?
悪かったな!可愛くない恋人で!
クレールの腕の中で俺は服をはだけさせながら唇を貪られていた。
でもそれはどう考えても怒っているような荒々しいものじゃなくて、なんて言うか…思いをぶつけてくるような甘くてどうしようもなく気持ちのいいものでしかなかった。
こちらの反応を敏感に感じ取りながら気持ちのいいところばっかりを重点的に押さえてくる…みたいな?
「ん…クレ…ール…」
クリクリと胸の尖りをいじられて俺の口からはどこか甘い声しか出てこない。
思考はすっかり溶かされて気持ちよさに目が眩み涙が滲むけど、それさえも時折宥めるように唇が瞼へと落とされて、思わずポロリと零れた雫もチュッチュッと吸い取られていく。
なんで俺…こんなに甘やかされてるんだろう?
お仕置きなんじゃなかったのか?
それともこれがお仕置きなのか?
(この────甘い甘い行為が?)
こんなの…どこからどう見てもお仕置きなんかじゃなくて、恋人達の睦み合いじゃないか。
そんなことくらい俺にだってわかる。
クレールとのこんなキスは久しぶりだけどやっぱり気持ちが良くて、触れられるのだって全く拒否感はない。
こんな風に上に乗られていても鳥肌だって立たないし、恐怖感もない。寧ろもっと触れて欲しい────。
クレールはあの夜這い男や父親とは全然違うのだと改めて実感してしまう。
「バン…勝手に俺から離れるなんて、許さないからな」
キスと手淫で翻弄されながら酔ったように身を任せていると、クレールが俺を真剣なまなざしで見つめながらそんな言葉を口にした。
それは────俺が勝手に別れの言葉を口にしたせいなのか?
「クレール……」
「そんな可愛い顔で見つめてきても、これだけは譲れない」
可愛い顔ってどんな顔だ?
自分では情けない顔になってる自覚はちゃんとあるし、それは可愛いって言うのとは違う気がする。
こいつは目がおかしいんだろうか?
まあいい。そんなことよりも俺は聞きたいことがあるんだ。
「俺、お前に嘘ついてたのに……。なんで?」
怒っていないのか聞きたくて尋ねたのに、クレールの答えは何ともあっさりしたものだった。
「バンはバンだろう?」
そしてまた優しく口づけながら俺を甘やかし始める始末。
どうしてこいつは全然酷いことをしてこないんだろう?
「お仕置きだって…言ったくせに……」
けれどそんな言葉にクレールはこれがお仕置きだと言い切った。
「お前が俺から離れられないように身動きが取れない状況でじっくり俺の気持ちをわからせてるだろ?だからこれがお仕置きだ。間違ってない」
「そんなの……お仕置きでも何でもないじゃないか」
こんなのただただ気持ちがいいだけだ。
悦ばせてどうする。
でもクレール的には至って真面目なことだったらしく、不満げに言い張った。
「俺だって本当はこんな風に無理強いするみたいに押し倒したくはなかったんだ。お前が怖くないように恋人としてちゃんとゆっくり段階を踏もうと思ってたのに、お前があんな風にいきなり俺から離れていこうとするから……!」
怒っているとしたらその点だけだと言うクレールを、ついマジマジと見遣ってしまう。
それは本当だろうか?
「俺はお前が夜這い男に震えていたのも知ってるし、父親が怖いって言ってたのだってちゃんと聞いてた。だから…まずはデートして、キスして、様子を見ながら少しずつ恋人同士になっていこうって思ってたのに……!」
「…………」
「今日のデートでお前が父親に怯えたのだって仕方がないことだってちゃんとわかってるし、お前の名前が偽名だなんて配属前からとっくに知ってたことだ!知ってて…知ってて、それでも俺はお前と同じ部隊を希望してお前を追いかけたんだ…!」
だからそれに関しては全く怒ることもないし、それについてとやかく言う気もないとクレールは告白してくる。
その言葉に俺は正直驚くしかない。
まさかクレールが前から知っていたなんて思ってもみなかったからだ。
けれど軍の正規雇用というのはもしかしたらそういうものなのかもしれない。
守秘義務的なものだって当然あるし、スパイ対策とでも考えれば何もしていない方が問題だろう。
恐らく自分のことも詳細に調べられていて、結果問題がないと判断されたからこそ魔法飛空士として配属が許されたのだと思う。
それなら…それなら俺はクレールを諦めなくてもいいんだろうか?
あの大空を飛ぶ自由を……諦めなくてもいいのだろうか?
もし…もしもそうだと言うのなら────。
「ふ…うぅ……」
気づけば俺は柄にもなくボロボロとまた派手に涙を流していた。
もう今日は散々だ。
俺の涙腺は壊れっぱなしで、とても簡単に止められそうにない。
「バン…泣くな」
こんな情けない姿ばかり見せてしまっているのに、クレールは心配そうに顔を覗き込んでくるし、その瞳はどこまでも優しい。
宥めるように抱き寄せてくれる腕の中が心地よくて、つい甘えてしまいたくなる。
だからついポロッと本音を溢してしまったんだと思う。
「俺…お前のこと、怖いなんて思ったことない」
「……え?」
それはクレールには予想外の言葉だったらしく、何を言われたのかわからないとばかりにハトが豆鉄砲を食らったように目を丸くしていた。
でも、そんなクレールにもう一度わからせるようにゆっくりと言葉を紡ぐ。
「だから……前にも言ったけど、俺はお前に触られるのは平気なんだ!怖いなんて思ったことは一度もない!」
「……でも、前に言ってただろう?」
それはいつだったかこいつの腕の中から逃げ出した日のことだろうか?
確かにあの時はまだこいつのことが嫌いだったし、何とか上手く言って逃げようとそんなことを言ったような気はする。
でもあの時だって本気で怖かったわけじゃない。
それなのに────どれだけこいつは俺に甘いんだろう?
それほど大切にしたいとでも言うのか?
でもこれは間違ってるだろう?
俺達は対等な関係のはずで、こんな風に女みたいに気遣ってもらうなんて絶対にごめんだった。
「なんで俺達の間でそんなに気をつかうんだよ!恋人なんだから気にせずもっとガンガン攻めたらいいだろ?!俺がお前と付き合うって返事したのはこういうことも含めて全部大丈夫って意味、わかってんのか?!このヘタレ!」
もうこれ以上涙を見られたくなくて怒ったようにそう言うと、俺はゴシゴシと涙を袖で拭って思いっきりクレールを押しのけた。
言い逃げ上等だ。
最後の言葉は余計だったとは思うが、悪態を吐いた方が逃げやすいだろう。
今日はもう勢いに任せてこのまま撤退してやるとそのままソファから脱出したまでは良かったものの、思考停止状態になっていたクレールがハッと我に返ったと同時に捕まえられて、そのまま俺は抱き上げられてしまう。
「ちょっ…!放せよ!」
まさかの脱走失敗────。
ジタバタと暴れるがクレールは全く揺るぎない態で勝手に俺をベッドまで連れ去っていく。
しかもそのままベッドまで運ぶと、また逃がすものかと上にのしかかってきた。
「クレール!やめろよ!どけ、この馬鹿!今日は帰る!」
慌てる俺にクレールはどことなく艶っぽい顔で嬉しそうに笑いながら言ってくる。
「帰さない」
「……?!」
そしてどこまでも優しいキスがチュッチュッと降り注ぐようにあちこちに落とされていく。
その瞳はまるで俺が大好きとでも言わんばかりに煌めいて見えて、ドキッと胸が弾んだ。
「もう絶対逃がさないし、お仕置きだって言っただろう?お前が俺を怖くないって言ってくれるなら、もっと積極的に攻めていいって言ってくれるなら、望み通りもう遠慮なんてしない。バン───お前のすべてが欲しい」
真っ直ぐに俺に向けられたストレートな言葉に俺は不覚にも胸を撃ち抜かれたような気がした。
クレールってこんな目が離せなくなるほど男らしい奴だったっけ?
胸が早鐘を打って仕方がないし、異様に頬が火照って落ち着かないじゃないか。
「嫌か?」
しかもそんな聞き方は狡いのではないだろうか?
ここでもし俺が嫌だって言ったらどうする気だろう?
クレールは前みたいに涙目で訴えたら多分引いてくれるとは思う。
でもその後は?
また段階を踏んでくるのか?
キスで慣らして、触って慣らして……?
それって所謂焦らしプレイとかいうやつじゃないのか?
「…………」
え?もしかして今の俺ってクレールを弄んでる嫌な奴…なのか?
それって最悪じゃないか!悪女か?!俺が目指してるのはカッコいい男なのに!
クレールの前だと何故か俺の男らしさが行方不明になってる気がする!
「~~~~っ!ああもうっ!いいよ!」
こうなったらやけくそだ!
俺だって男らしいところを見せてやりたい。
さっき攻めろって言ったのは俺だしな。
ここは意地を張らずに素直になろう。
別れなくて済むなら、俺は初めてはクレールとがいい。
「お前が欲しいなら全部やる!でも、俺はさっきまでお前と別れたくないけど諦めなきゃいけないってすっごく落ち込んでたんだからな!ヤルなら責任持って優しくしろよな!」
俺とは別れない、絶対逃がさないって言うならせめてそれくらいはしてほしい。
どう考えてもそう簡単には入らないだろうし、流石に初っ端で流血沙汰はお断りだ。
出来る限り優しくしてもらいたい。
そう思いながらギッと睨むように言葉を叩きつける。
けれど可愛げなく責任転嫁もいいところなセリフを口にした俺が悪かったのか────?
言われたクレールは何故か耳まで赤くして、「お前最悪…」って呟きながら撃沈していた。
『お願い…』と可愛く言えなかったから幻滅したのか?
悪かったな!可愛くない恋人で!
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