黒衣の魔道士

オレンジペコ

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第一部 アストラス編~王の落胤~

129.※リスタート

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正面から────クレイに振られてしまった。
正直クレイからそんな風に切り出されるなんて思っても見なかった。
このまま付かず離れずずっと傍に居られると思っていたし、まだまだ隙を見てつけ込めると思っていた。
それなのに────。



「あのお子様白魔道士め!!」

グサァッ!!
ロイドは苛立たしさを込めて肉にフォークを突き立てた。
そんなロイドに一緒にテーブルに着いていたリーネがまあまあと宥めに入る。

クレイに振られた翌日、リーネからヤケ酒に付き合うわよと使い魔が送られてきたのでいらないと一度突っぱねたのだが、実に黒魔道士らしく『面白い話を持っていってあげるから』と再度申し入れがあり、渋々そう言うことならとソレーユへ呼び付けたのだ。
お互い仕事が終わってからとなったのでこうして夕食を一緒に摂っているのだが────。

「結果的に良かったじゃない。はっきり言われないとロイドの場合諦められなかったでしょう?」
「……だからと言って美味しい思いをした翌日に言われるなんて、興醒めもいいところだ!」

あれは絶対にロックウェルかシュバルツが何かクレイに吹き込んだに違いない。
クレイの性格から言って、わざわざあんな風に自分から関係の清算のような形をとるのは考えられなかったからだ。
加えてシュバルツのあの言葉────クレイに自分との仲を取り持たせようとするなんてとても許せるものではない。

「…そんなこと言って、本当はちょっと面白いと思っちゃったくせに……」

リーネがため息を吐きながらそう言ってくるのを、まあ確かにと思いながら酒を傾ける。

「まあな。お子様が精一杯背伸びしてクレイに頼んだのかと思うとちょっとは面白いと思ったし、クレイがあいつをどう育てて私を落としてくるのかも興味はある」

これまで追い掛けるばかりだった自分を今度はクレイがシュバルツを使って落とそうとしてくれるのは嬉しい限りだ。

「本人を落とせないのだけが悔しいがな」
「なるほどね……。ロイドらしいわ」

そう言ってやれやれとリーネもグラスを傾ける。

「そう言えば使い魔が言っていた面白い話と言うのはなんだ?」

正直リーネがわざわざ自分に連絡を取ってくる理由が思い当たらなかった。
リーネはアストラスの王宮魔道士だし、クレイ繋がりで知り合っただけの黒魔道士だ。
だからそう言ったのだが……。

「ロイド…私が本気で慰めに来てあげたって思えないのかしら?」
「なんだ…そうなのか?」

それはそれで有難いことなのかもしれないが、面白い話を持ってきてくれると思ったのにとついため息を吐いてしまう。
けれどリーネはそんな自分に笑いながら楽しげに口を開いた。

「敢えて面白い話と言うなら、ないこともないわよ?」

そうやってクスリと笑う姿は実に黒魔道士らしくどこか色香を漂わせていて割と好みだ。

「ふぅん?」

だから少し話を聞いてみようかと言う気になった。

「シュバルツはクレイとロックウェル様が育てると聞いたけど…ロイドは私を育てて見ない?」

そんな言葉に思わず目を見開く。

「どういうことだ?」

リーネはクレイの事が好きなはずなのに、どうしてそんな話を提案してきたのだろう?

「ふふっ。忘れたの?私は魔力をもっともっと上げて上にのし上がりたいのよ。だからロイドと魔力交流したら一石二鳥ってわけ」

そうやって誘うように笑ってくるリーネは実に魅力的だった。

「クレイ達が育てるシュバルツとロイドが育てる私…。どっちが最終的に貴方をグラつかせられるかって考えたら面白くないかしら?」

クスクスと笑うリーネに自然と口の端が上がるのを感じた。
なかなか面白い提案だ。
そこには自分がリーネを落とせるかというゲーム要素まで含まれている。

「なかなかいいな……」

リーネにとっても損はない話だし、ギブアンドテイクの提案としては申し分ない。

「いいだろう。その話、乗った」
「うふふ。そう言うと思った」

それでこそロイドだと笑ったリーネに、なるほどこれも自分へのエールだったのかと好印象を受ける。
自分にプラスになると言うのは勿論あるのだろうが、恐らく早く気持ちを切り替えられるようにとリーネはこんなことを言いだしてくれたのだろう。
いつまでもクレイを引きずるな……と。

「リーネはいい女だな」
「あら、ありがとう。嬉しいわ」
「ふ…そういうことなら早速今晩から相手をしてもらうとしようか」

そうやって誘いを掛けるとあっさりとその言葉を受け入れてくれた。
黒魔道士の女は別に花街の女のように尻軽な訳ではない。
相手が誰でもいいわけではないのだ。
確実に条件があり、この相手となら寝てもいいと思わせるのが肝要で、それは楽しい駆け引きの後だったり、これから楽しいことが待ち受けていることが前提だったりと様々だ。
今回の件もそれにしっかりと当て嵌まっている。
断られるはずがない。

「いいわよ?ひと月しかないものね。その代わり、魔力交流も忘れないでね?」

あくまでもギブアンドテイクの姿勢を崩さないリーネに思わず笑みがこぼれ落ちる。

「ああ。もちろんだ」
「ふふっ。そうそう。口淫が下手だったからってあっちも下手と思わないでね?」
「なんだ気にしてたのか?そんなもの、私がいくらでも教えてやるぞ?」
「嬉しいわ。そうね、ひと月でスキルアップできたら最高だわ」

そうやってリーネがクスクスと笑う。
愛だ恋だというものはこの関係には一切ない。
そんなリーネの態度が今の自分には心地良かった。
これなら傷心を癒すのにちょうどいいだろう。

(本当にありがたいな……)

リーネの優しさにほんの少し心揺らされて、ロイドはリーネの髪をサラリと梳いた。

「お前を最高にいい女に育ててやろう」

こうして黒魔道士同士の楽しい遊戯を、二人はスタートさせた────。


***


たゆたう意識の中、クレイは優しい魔法が自分を包み込むのを感じていた。
これはここ最近ずっと自分に掛けられている精神安定の魔法だ。
ロックウェルを奪われた時のショックで不安定になっていた心もそのお蔭で随分落ち着いてきたように思う。

ゆっくりと意識が浮上するのを感じながらそっと手を伸ばして身を寄せる。
それと同時に与えられる温もりは他の何物にも代えがたい自分の宝物だった。

ずっとここに居させてほしい。
誰もこの存在を奪わないでほしい。
願いはただそれだけ────。




「おはよう、クレイ。よく眠れたか?」

目が覚めるとそこにはロックウェルの優しい笑みがあった。

「ああ」

そうして身を起こそうとしたところで違和感を覚えた。

「……ロックウェル」
「なんだ?」
「どうして寝てる間に襲うんだ!」
「いや…寝てるお前がこう…身を摺り寄せてくるのが可愛くてつい……」

そんな言葉に真っ赤になってしまう。

「ふ、ふざけるな!」

そうやって怒るのに、ロックウェルはただただ嬉しそうに抱きしめてくる。

「仕方がないだろう?お前が私だけのものだともっと感じさせてくれ」

そう言いながらズンッと突き上げてきたので、思わず口からは甘い声が飛び出てしまった。

「あっ…!」
「クレイ…。その可愛い寝起きの声をもっと聞かせてくれ」
「あっあっあっ…!はぁ…んんっ!」

奥を擦られあまりの気持ち良さに腰が震えてしまう。

「ああっ…!ロックウェル…!」

もっともっと気持ち良くなりたくて、つい強請るように抱きついてしまった。

「あ…昨日もいっぱいしたのに…ッ!」
「ふっ…ずっと入れていてほしいくらい良かったんだろう?」
「んんんっ…だって…!」

交流会が終わってからの一週間、ロックウェルは毎夜自分を甘く溶かして溺れさせたのだ。
愛してると何度も囁き、優しく包み込むように不安を払拭してくれた。
それでもちゃんと毎日仕事をこなして決して疎かにしないところがロックウェルらしい。
できる男だなと本当に思う。

「んんっ…ロックウェル!イッちゃう!イッちゃう!」

ロックウェルと交わるのは本当に気持ち良すぎてたまらない。

「あぁあああ────ッ!!」

絶頂へと飛ばされると同時に奥へと熱いものが注がれて、体が歓喜に震えてしまった。

「はっはぁん…。嬉しい…」

そうやって蕩けるように幸せな笑みを浮かべていると、ロックウェルがギュッと抱きしめてくる。

「はぁ…お前は本当にすぐにそんなセリフを吐いて…」
「あ…だって本当に嬉し…んっ…」

最後まで言い終わる前にそっと唇を塞がれて、ロックウェルの魔力が注ぎ込まれた。

「はぁ…んん…気持ちいい…」

そうやってどこまでも酔う自分にロックウェルが嬉しそうに笑う。

「お前は本当に可愛いな。今晩も好きなだけ可愛がってやるからな」

激しくでも優しくでも望みのままに抱いてやると言われて、こんなに幸せでいいのだろうかとふと思った。
けれどそれを察したロックウェルがすぐさま強く抱きしめてくる。

「また瞳が揺れているぞ?不安があるならちゃんと言ってくれ」
「ん…大丈夫だ。幸せすぎて不安になっただけだから…」
「そうか」

これが夢でなければいい。
そう思いながらそっと愛しい恋人へと身を任せた────。


***


「ロックウェル様。クレイは大丈夫そうですか?」

時間が経つのは早いもので、あれから一週間が経過した。
アベル達の件は王へと報告が入れられ、国としても一応対処済みとなっている。
そちらはもうこれ以上問題は上がってこないだろう。

後はクレイの心がちゃんと落ち着いてくれるのを待つばかりだ。
まだ多少の不安定さがみられるため、経過観察は必要だろうと思われた。

「クレイは大丈夫だ。私がちゃんと癒している。それよりもシリィ」
「なんでしょう?」
「交流会中、クレイを支えてくれたのは有難いが、さりげなく自分をアピールしていたのはどういう了見だ?」

確か眷属達から見せてもらった記憶の中にそういったものが含まれていたと思い出し念のために尋ねると、シリィはたちまち頬を染めてポツリと言葉を溢した。

「だって…ロイドがあまりにもクレイに押せ押せムードだったので、私だってクレイが好きなのに…と」

負けたくなかったのだとシリィは言うが、それは即ちクレイを狙っていると言っているようなもので――――。

「シリィ?」
「だ、だってロックウェル様は浮気しているし、それなら私と付き合ってくれる可能性もゼロじゃないかもと思ったんです…!」

少しだけ希望をもってしまったのだとシリィは口にするが、そんな言葉の数々にロックウェルの心がどんどんと冷えていく。

「……言いたいことはそれだけか?」
「ク…クレイだって、癒し系の私を好きだと言ってくれました!」

そんな風に言われたところでロックウェルの嫉妬が炸裂した。

「シリィ?クレイは誰にもやるつもりはない。これまでも、これからも…だ」

脅すかのように低く紡がれたその言葉はシリィを蒼白にするには十分な威力を発揮したようで、そのままへたりと腰を抜かさせてしまう。

「ロ、ロックウェル様!落ち着いてください!」

傍にいた別の白魔道士達が慌てて取り成してくるが、クレイの事に関して譲る気はない。
そんな自分にため息を吐いて、そっとアレスが声を掛けてきた。

「ロックウェル様。少し休憩でもいかがです?あまり根を詰め過ぎるのもストレスの元ですし、たまにはのんびりなさっては?」

そんな言葉に少し心動かされる。

「…そうだな」

少しくらいなら大丈夫だろう。
今日はクレイは街に出ているはずだが、もしかしたら昼食は一緒に食べられるかもしれない。
そう思って退室後ヒュースへと声を掛けたのだが……。




【……クレイ様にお伝えしておきます】

そんな言葉に違和感を覚えた。
ヒュースがこんな言い方をするのは非常に珍しい。

「ヒュース……私に隠し事か?」

もしやロイドとまた連絡でもとっているのかと不安になる。

【ロックウェル様…。クレイ様は別にロイドと連絡を取っているわけでもなければ、誰かと浮気をなさっているわけでもありません】

そうは言ってもクレイの迂闊さ加減は半端ではない。

「仕事先で誰か……」

そう口にしたところで深いため息を吐かれてしまった。

【わかりました。内密にと言われておりましたが…】

そう言ってヒュースはこの一週間のクレイについて教えてくれる。

【クレイ様はまず、ロックウェル様を守れなかったことを後悔なさっておりまして……】

まず交流会後にショーンに相談を持ちかけたのだそうだ。
それから王に話を通して自室としてあてがわれた部屋に結界を張り、魔法の試行をし始めたのだと言う。
内容としては魔法を弾き飛ばす薄い膜を瞬時に対象者に張る魔法なのだとか。

【クレイ様は新魔法を一から構成するのは初めての事。ロイドのようにはなかなかできないとため息を吐きつつ、日々試行錯誤なさっております】

そうやって頑張っているところに昨日からハインツとシュバルツが加わったらしい。

【シュバルツはどうやらトルテッティで新魔法開発に僅かながら携わっていたようでして、白魔道士の観点からではありますがクレイ様にアドバイスなどもしてくれているのです】

ハインツもそれを受けて一緒になって考え、三人で試行錯誤しつつ魔法を完成させている真っ最中らしい。

【ですから仕事に行っていると言うのはただの口実でして……】

実は王宮にずっといるのだとヒュースは教えてくれた。
それはなんだかほんのりと胸が温かくなるような話で、先程までの嫉妬心がそっと解けて消えていくような気がした。

「…そうか」

クレイが自分を想ってくれているのがすごく嬉しくて、ジワリと愛しさが込み上げてくる。

【ロックウェル様。クレイ様を癒してくださるのは有難いのですが、どうぞご自身も大事にしてくださいませ】

そんなヒュースの言葉にクスリと笑みが零れ落ちた。

「わかっている」

それと同時に自分にも精神安定の魔法を掛け、心を癒しにかかる。
確かにクレイの状態にばかり目がいっていて自分のことは二の次だったかもしれない。
今回の一件は二人にとってどちらにも辛いものだった。
だからこそもう二度と同じことを繰り返さないためにも、もっともっと力をつけていきたいと思った。

「非常に不本意だが、ロイドの圧縮魔法を試させてもらうとしよう」

それこそロイドの言ではないが、封印を解いたクレイと並んで立って恥ずかしくないほどには成長していきたい。
今の地位に胡坐をかかず、もっともっと上を目指すべきなのだ。
魔力を高め、魔法への理解を深め、柔軟に新しいものも取り入れていく。それが大切だ。

【ご立派でございます】
【本当に】

ヒュースだけではなく自分の眷属達もそんな自分を認めてくれて、それが何だか嬉しかった。

「さて、そう言うことなら……」

早速行動に移そうかと思ったところで、突然後ろから切羽詰まった様子でルドルフが駆けてきて驚いた。

「ルドルフ様?!」
「ロックウェル!匿ってくれ!」

その言葉に何事だと思ったが、兎に角守らなければとそのまま魔法でルドルフの姿を包み込み、気配そのものを消してしまう。
それからすぐにバタバタとこちらにやってくる複数の足音が聞こえてきて、もしや刺客かと目を遣ったのだが…。

「レーチェ…?」
「ロックウェル様…!」

そこには第三部隊のレーチェはじめ、数人の女性が立っていた。

「ルドルフ様を探しているのですが、こちらにいらっしゃいませんでしたか?!」
「いや。来られていないが?」
「そうですか…」

おかしいなという表情をしつつもレーチェは別方面を探そうと踵を返した。
けれどその女性達の中の二名がこちらを向いてニッと笑ってくる。

「あらあら。ルドルフ様?私達から逃げ切れるとお思いですか?」

そんな言葉にロックウェルは驚きを隠せなかった。
あれは確かショーンの部下の女性達ではないだろうか?
何度か会ったことがある。
確か名前は────。

「ジュリーとミシェイラだったか?」

そう口にすると「さすがロックウェル様♡」と返された。

「王宮魔道士以外の者の名まで覚えていらっしゃるなんて…」

クスクスと笑われ、ロックウェルは正直この手のタイプは苦手だなとため息を吐いた。
ルドルフがどうして逃げていたのかは知らないが、こんな者達に安易に引き渡す気にはなれない。

「キサラ。ルドルフ様をクレイの元へ連れていってくれ」
【かしこまりました】

そんな短いやり取りであっという間に眷属が動きルドルフをクレイの元まで運んでくれる。

「さて…お前達が何を思ってルドルフ王子を追っていたのかは知らないが、今日は諦めて帰るんだな」

そう言ってそのまま艶やかに笑みを向けると、悔しそうにする彼女達に背を向けその足でクレイの元へと向かった。



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