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11.用意は周到に~尾関side.~
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藍河が初めて自分を意識してくれた─────。
ストーカー女は本気で気持ち悪かったが、藍河にずっと伝えられなかった気持ちを伝えることができるいい切っ掛けになったのは確かだ。
まさかあんなに藍河が動揺して真っ赤になるなんて思いもしなかった。
何よりも冗談で流されなかったことが本当に嬉しい。
これまでも度々スルーされ続けてきたが、今回初めて本気だというのを伝えることに成功したのだ。
嬉しくないはずがない。
でもここで距離を詰めすぎても藍河はきっとなんだかんだ有耶無耶にしようとするに違いないことは長い付き合いだからこそよくわかる。
追い詰めて距離を置かれるのはできるだけ避けたい。
ポイントを押さえ、逃げられないように捕獲するにはタイミングの見極めが何よりも大切だ。
ずっとずっと好きだった相手だ。
失敗は絶対に許されない。
真剣に告白すれども少しだけ『男』と意識してもらえる程度にして僅かにいつもの様子も見せつける。
このバランスが大事だ。
そうして概ね上手くやったと思う。
返事だって追い詰めないように質問形式で答えが出やすいように訊いてみた。
それなのに、藍河は相変わらず天然で俺の心を打ちぬいてくるから本当にたちが悪い。
『こんな彼氏が欲しい』と思いながら抱いてたって────本当に悶絶するくらい嬉しすぎてたまらなかった。
それなのにどこまでも自分の心をわかっていなさそうな表情が憎らしい。
(なんで気づかないんだよ!)
もう落ちてるのに本人だけが分かっていないのがなんとももどかしくて、けれどここで逃げられたらおしまいだと思い車を降りた藍河を慌てて追いかけた。
一先ず機嫌を取って、部屋に入ったら仕切り直しだ。
絶対に今日中に付き合うって言わせたくて、藍河がフッと息を吐いて肩の力を抜いたところで腕の中へと閉じ込めた。
そのままなし崩し的に口づけて、思いの丈を込めるように何度も角度を変えてその唇を奪う。
そして暫く黙ってされるがままになっていた藍河が、そっとこちらを見てきたのを見てゆっくりと唇を離して改めてストレートに告白をした。
「武尊(たける)、ずっと好きだった。俺と付き合ってほしい」
藍河はベッドでは名前呼びにするかと言ってくれていたから、俺からの名前呼びには抵抗がないはずだ。
それと共に恋人ごっこでの名前呼びを鑑みるに、恋人にも名前呼びを許していることが窺える。
それならここで利用しない手はない。
俺の本気が伝わればそれでいいのだ。
それはまさに作戦勝ちで、見る見るうちに藍河の顔が真っ赤に色づいていく。
「~~~~~~っ!お前このタイミングでそれを言うか?!最悪!」
怒られたって全然平気だ。
「だって本気だし。このまま何も言わずにいたらお前、何もなかったことにするだろう?」
「……!」
「それで?答えはOKでいいんだよな?」
こんなに真っ赤になっているのだから、藍河だってそろそろ自分の気持ちに気づいてくれてもいいのではないだろうか?
それなのに、素直に認めたくないのか最後の最後まで藍河は悪あがきをしてきた。
「お前に好きな奴ができるまでっていう条件付きだ!」
好きな奴はお前なんだが?
話聞いてたか?
まあ他に好きな奴ができるまで付き合ってやるという解釈でいいんだよな?
それならずっと付き合ってくれるって言ったも同然だ。
それはつまり、もう藍河を諦めなくてもいいってことで────あまりの嬉しさに破顔してしまった。
「やった!」
勢いでつい抱きついてしまったが、藍河があまりにも呆れたような顔をしていたので、ああこれは信じてないなと思い、喜んでばかりもいられないなと冷静になってしまう。
けれど付き合えることになったのは事実なのだから、今はそれで良しとしよう。
「じゃあ腹も減ったし、何か作るか。何が食べたい?」
取り敢えず藍河の好きなものはこの同居生活でしっかり把握している。
胃袋をしっかりつかんで逃げられないようにしないとな。
「え?適当でいいぞ?」
適当なんて言葉通り受け取る気なんてさらさらない。
「肉と魚だったら?」
「ん~…今日は魚かな」
「了解」
どうやら今日は色々あったからあっさりしたものが食べたいようだったので、すぐさま頭の中でメニューを考え包丁を手に取った。
そしてできた食事を前に手を合わせ、藍河はいつも通りに舌鼓を打つ。
「上手い!」
そうだろう、そうだろう。
アジ南蛮は藍河のお気に入りだ。
「良かった。そうだ、折角だし今度久しぶりにどっか出掛けないか?」
機嫌がよくなったところで早速初デートの算段を取り付ける。
これまでの友人関係とは違うというのもちゃんと伝えておかないと、どこかの男に掻っ攫われてしまうかもしれないしな。
『え?俺達って付き合ってたっけ?』とか言われてあっさり捨てられて他の男に乗り換えられたら目も当てられない。
デートは大事だ。
「折角付き合うことになったんだし、お前の好きなもの何でも買ってやるよ」
これまで付き合った相手は欲しいものは何でも言ってきた。
藍河とだって付き合うからには何かしらプレゼントを贈りたい。
こいつは俺のものだってわかるように身に着けるものとか贈れたらいいなと思ってそう言ったのだけど……その言葉の意味は藍河には全く伝わらなかったようで、機嫌を損ねてしまったらしい。
「お前と俺の仲で何言ってんだ。俺は欲しいものは自分で買うって知ってるだろう?」
それは知ってはいたけれど、友人と恋人では違うのだとわかってほしかったなと思う。
仕方がない。残念だがこのあたりは誕生日かクリスマスでも利用する他ないだろう。
「…まあそうだったな」
けれど藍河はどうやらデート自体には付き合ってくれるようだった。
「それよりお前が好きなシマウマかペンギンでも見に行ったらどうだ?ストーカー女のせいでストレス溜まってるんだから、そういう所に行く方が絶対いいぞ?」
「覚えてたんだ」
自分を気遣ってくれるそんな言葉が素直に嬉しい。
しかも自分が好きな動物まで覚えてくれていたことがなお嬉しかった。
「当然だろう?お前がシマウマとペンギンとアヒルが好きなことくらい忘れるはずがない」
「興味なさそうにしてたくせに」
「あれだけ延々とそこで足を止められたら嫌でも覚える!」
「ははっ!」
本当に藍河は嬉しいことばかり言ってくれる。
これまで付き合ってきた相手とは比べ物にならない。
これまでの相手は、誰もかれも皆自己主張が激しかった。
藍河も自己主張は激しいと思うが、それでもちゃんとこっちのことも考えてくれている。
けれど彼らは皆自分が行きたいところを口にし、欲しいものがあればねだり、笑顔でありがとうと口にするだけでこちらのことは上辺だけ知っていたに過ぎなかったように思う。
『私はヴィトンが好きだけど、智也は?』
『う~ん。ヴィトンは好きでも嫌いでもないって感じかな』
『そっか。色んなブランド持ってるもんね。でもさ、このデザイン可愛くない?限定品なんだよ?』
『欲しいの?』
『うん。でも高いから悩む』
こんな会話が日常茶飯事だったのだ。
辛うじてバレンタイン前後に甘いものは好きかと尋ねられるくらいだろうか?
後は仕事のような会話が多かった気がする。
それはそれで知識が増えるし、色んなところにコネもできるから人脈も広がって利点は多かったがただそれだけだ。
情報交換をしてセックスをして時折プレゼントを贈る。
そしてそんな関係に飽きたら別れるというのがここ最近のデフォルトだ。
勿論付き合ってもいいなと思うほどには好意があって付き合っていた相手ばかりだったけど、それでも嫌な面は目につくし、藍河と比べたら皆つまらない相手にしか思えなかった。
自分を飾らなくてもいい相手というのは大事だ。
俺にとってはそれは藍河で、そんな藍河といられるのが一番落ち着いて寛げる時間だった。
けれどそれは友情ではなく愛情なのだ。
好きな気持ちはずっと変わらないけれど、初めて抱かれた時から俺はすっかり藍河の虜になっていた。
もっと抱いてほしいし、キスだって毎日したい。
好きで好きで仕方がなくて、彼氏や彼女がいても自慰をする時に頭に思い浮かべるのはいつだって藍河だった。
「じゃあ寝るか」
いつものように藍河がそう声を掛けて電気を消そうとする。
けれど付き合えると決まった初日にそんなことを許すはずもない。
「藍河。今日は色々あっただろう?なんか今頃になって不安になってきた」
ストーカー女には悪いが散々嫌な思いをさせられたんだ。
少しだけダシに使わせてもらうくらい構わないだろう。
だから少しだけ不安そうにしながら困ったように藍河の方を見つめると、なんだかんだと面倒見のいい藍河はあっさりとベッドに誘ってくれる。
「お前が安心できるなら今日も寝るか?」
「いいのか?」
「ああ。あんな女なんか思い出せなくなるほど優しく抱いてやる」
(やった!)
計画通り!
今日はこっそり『初!恋人記念H』を満喫する気満々なのだ。
藍河が抱いてくれるなら何でもいい。
藍河にあまり実感がなくとも自分はもう恋人なのだし、そこを遠慮する気は無い。
寧ろこれからあの手この手で自分が恋人なのだとジワジワ実感させていけばいいだけだ。
「じゃあ、今日は恋人として可愛がってくれ」
これで藍河がどう出るかわからなかったが、様子見も兼ねてできるだけ軽い口調で言ってみた。
甘く誘うように言うのは簡単だが、ことここに至ってはそうすると逃げられそうなので、あくまでも友人風におねだりという感じの軽さで言ってみたがどうだろう?
そうして藍河の様子を観察すると、これまでと違ってサッと頬を染めた後、「この馬鹿!」と言って頭を叩かれた。
照れ隠しか?!
こうして俺は喜び勇んで藍河に口づけ、念願の恋人エッチへと漕ぎつけることができたのだった。
ストーカー女は本気で気持ち悪かったが、藍河にずっと伝えられなかった気持ちを伝えることができるいい切っ掛けになったのは確かだ。
まさかあんなに藍河が動揺して真っ赤になるなんて思いもしなかった。
何よりも冗談で流されなかったことが本当に嬉しい。
これまでも度々スルーされ続けてきたが、今回初めて本気だというのを伝えることに成功したのだ。
嬉しくないはずがない。
でもここで距離を詰めすぎても藍河はきっとなんだかんだ有耶無耶にしようとするに違いないことは長い付き合いだからこそよくわかる。
追い詰めて距離を置かれるのはできるだけ避けたい。
ポイントを押さえ、逃げられないように捕獲するにはタイミングの見極めが何よりも大切だ。
ずっとずっと好きだった相手だ。
失敗は絶対に許されない。
真剣に告白すれども少しだけ『男』と意識してもらえる程度にして僅かにいつもの様子も見せつける。
このバランスが大事だ。
そうして概ね上手くやったと思う。
返事だって追い詰めないように質問形式で答えが出やすいように訊いてみた。
それなのに、藍河は相変わらず天然で俺の心を打ちぬいてくるから本当にたちが悪い。
『こんな彼氏が欲しい』と思いながら抱いてたって────本当に悶絶するくらい嬉しすぎてたまらなかった。
それなのにどこまでも自分の心をわかっていなさそうな表情が憎らしい。
(なんで気づかないんだよ!)
もう落ちてるのに本人だけが分かっていないのがなんとももどかしくて、けれどここで逃げられたらおしまいだと思い車を降りた藍河を慌てて追いかけた。
一先ず機嫌を取って、部屋に入ったら仕切り直しだ。
絶対に今日中に付き合うって言わせたくて、藍河がフッと息を吐いて肩の力を抜いたところで腕の中へと閉じ込めた。
そのままなし崩し的に口づけて、思いの丈を込めるように何度も角度を変えてその唇を奪う。
そして暫く黙ってされるがままになっていた藍河が、そっとこちらを見てきたのを見てゆっくりと唇を離して改めてストレートに告白をした。
「武尊(たける)、ずっと好きだった。俺と付き合ってほしい」
藍河はベッドでは名前呼びにするかと言ってくれていたから、俺からの名前呼びには抵抗がないはずだ。
それと共に恋人ごっこでの名前呼びを鑑みるに、恋人にも名前呼びを許していることが窺える。
それならここで利用しない手はない。
俺の本気が伝わればそれでいいのだ。
それはまさに作戦勝ちで、見る見るうちに藍河の顔が真っ赤に色づいていく。
「~~~~~~っ!お前このタイミングでそれを言うか?!最悪!」
怒られたって全然平気だ。
「だって本気だし。このまま何も言わずにいたらお前、何もなかったことにするだろう?」
「……!」
「それで?答えはOKでいいんだよな?」
こんなに真っ赤になっているのだから、藍河だってそろそろ自分の気持ちに気づいてくれてもいいのではないだろうか?
それなのに、素直に認めたくないのか最後の最後まで藍河は悪あがきをしてきた。
「お前に好きな奴ができるまでっていう条件付きだ!」
好きな奴はお前なんだが?
話聞いてたか?
まあ他に好きな奴ができるまで付き合ってやるという解釈でいいんだよな?
それならずっと付き合ってくれるって言ったも同然だ。
それはつまり、もう藍河を諦めなくてもいいってことで────あまりの嬉しさに破顔してしまった。
「やった!」
勢いでつい抱きついてしまったが、藍河があまりにも呆れたような顔をしていたので、ああこれは信じてないなと思い、喜んでばかりもいられないなと冷静になってしまう。
けれど付き合えることになったのは事実なのだから、今はそれで良しとしよう。
「じゃあ腹も減ったし、何か作るか。何が食べたい?」
取り敢えず藍河の好きなものはこの同居生活でしっかり把握している。
胃袋をしっかりつかんで逃げられないようにしないとな。
「え?適当でいいぞ?」
適当なんて言葉通り受け取る気なんてさらさらない。
「肉と魚だったら?」
「ん~…今日は魚かな」
「了解」
どうやら今日は色々あったからあっさりしたものが食べたいようだったので、すぐさま頭の中でメニューを考え包丁を手に取った。
そしてできた食事を前に手を合わせ、藍河はいつも通りに舌鼓を打つ。
「上手い!」
そうだろう、そうだろう。
アジ南蛮は藍河のお気に入りだ。
「良かった。そうだ、折角だし今度久しぶりにどっか出掛けないか?」
機嫌がよくなったところで早速初デートの算段を取り付ける。
これまでの友人関係とは違うというのもちゃんと伝えておかないと、どこかの男に掻っ攫われてしまうかもしれないしな。
『え?俺達って付き合ってたっけ?』とか言われてあっさり捨てられて他の男に乗り換えられたら目も当てられない。
デートは大事だ。
「折角付き合うことになったんだし、お前の好きなもの何でも買ってやるよ」
これまで付き合った相手は欲しいものは何でも言ってきた。
藍河とだって付き合うからには何かしらプレゼントを贈りたい。
こいつは俺のものだってわかるように身に着けるものとか贈れたらいいなと思ってそう言ったのだけど……その言葉の意味は藍河には全く伝わらなかったようで、機嫌を損ねてしまったらしい。
「お前と俺の仲で何言ってんだ。俺は欲しいものは自分で買うって知ってるだろう?」
それは知ってはいたけれど、友人と恋人では違うのだとわかってほしかったなと思う。
仕方がない。残念だがこのあたりは誕生日かクリスマスでも利用する他ないだろう。
「…まあそうだったな」
けれど藍河はどうやらデート自体には付き合ってくれるようだった。
「それよりお前が好きなシマウマかペンギンでも見に行ったらどうだ?ストーカー女のせいでストレス溜まってるんだから、そういう所に行く方が絶対いいぞ?」
「覚えてたんだ」
自分を気遣ってくれるそんな言葉が素直に嬉しい。
しかも自分が好きな動物まで覚えてくれていたことがなお嬉しかった。
「当然だろう?お前がシマウマとペンギンとアヒルが好きなことくらい忘れるはずがない」
「興味なさそうにしてたくせに」
「あれだけ延々とそこで足を止められたら嫌でも覚える!」
「ははっ!」
本当に藍河は嬉しいことばかり言ってくれる。
これまで付き合ってきた相手とは比べ物にならない。
これまでの相手は、誰もかれも皆自己主張が激しかった。
藍河も自己主張は激しいと思うが、それでもちゃんとこっちのことも考えてくれている。
けれど彼らは皆自分が行きたいところを口にし、欲しいものがあればねだり、笑顔でありがとうと口にするだけでこちらのことは上辺だけ知っていたに過ぎなかったように思う。
『私はヴィトンが好きだけど、智也は?』
『う~ん。ヴィトンは好きでも嫌いでもないって感じかな』
『そっか。色んなブランド持ってるもんね。でもさ、このデザイン可愛くない?限定品なんだよ?』
『欲しいの?』
『うん。でも高いから悩む』
こんな会話が日常茶飯事だったのだ。
辛うじてバレンタイン前後に甘いものは好きかと尋ねられるくらいだろうか?
後は仕事のような会話が多かった気がする。
それはそれで知識が増えるし、色んなところにコネもできるから人脈も広がって利点は多かったがただそれだけだ。
情報交換をしてセックスをして時折プレゼントを贈る。
そしてそんな関係に飽きたら別れるというのがここ最近のデフォルトだ。
勿論付き合ってもいいなと思うほどには好意があって付き合っていた相手ばかりだったけど、それでも嫌な面は目につくし、藍河と比べたら皆つまらない相手にしか思えなかった。
自分を飾らなくてもいい相手というのは大事だ。
俺にとってはそれは藍河で、そんな藍河といられるのが一番落ち着いて寛げる時間だった。
けれどそれは友情ではなく愛情なのだ。
好きな気持ちはずっと変わらないけれど、初めて抱かれた時から俺はすっかり藍河の虜になっていた。
もっと抱いてほしいし、キスだって毎日したい。
好きで好きで仕方がなくて、彼氏や彼女がいても自慰をする時に頭に思い浮かべるのはいつだって藍河だった。
「じゃあ寝るか」
いつものように藍河がそう声を掛けて電気を消そうとする。
けれど付き合えると決まった初日にそんなことを許すはずもない。
「藍河。今日は色々あっただろう?なんか今頃になって不安になってきた」
ストーカー女には悪いが散々嫌な思いをさせられたんだ。
少しだけダシに使わせてもらうくらい構わないだろう。
だから少しだけ不安そうにしながら困ったように藍河の方を見つめると、なんだかんだと面倒見のいい藍河はあっさりとベッドに誘ってくれる。
「お前が安心できるなら今日も寝るか?」
「いいのか?」
「ああ。あんな女なんか思い出せなくなるほど優しく抱いてやる」
(やった!)
計画通り!
今日はこっそり『初!恋人記念H』を満喫する気満々なのだ。
藍河が抱いてくれるなら何でもいい。
藍河にあまり実感がなくとも自分はもう恋人なのだし、そこを遠慮する気は無い。
寧ろこれからあの手この手で自分が恋人なのだとジワジワ実感させていけばいいだけだ。
「じゃあ、今日は恋人として可愛がってくれ」
これで藍河がどう出るかわからなかったが、様子見も兼ねてできるだけ軽い口調で言ってみた。
甘く誘うように言うのは簡単だが、ことここに至ってはそうすると逃げられそうなので、あくまでも友人風におねだりという感じの軽さで言ってみたがどうだろう?
そうして藍河の様子を観察すると、これまでと違ってサッと頬を染めた後、「この馬鹿!」と言って頭を叩かれた。
照れ隠しか?!
こうして俺は喜び勇んで藍河に口づけ、念願の恋人エッチへと漕ぎつけることができたのだった。
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