【完結】お役御免?なら好きにしてやる!

オレンジペコ

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12.※俺の嫁③ Side.シリウス

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※ちょっとだけですが一応Rなお話なので、背後にご注意ください。

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新婚旅行で上手く距離を縮めたい!そう思ってたのは確かだけど、まさかこんなに抵抗なく受け入れられるなんて思ってもみなかった。

つまり何が言いたいかと言うと『俺の嫁がとうとう本当に嫁になった』。それに尽きる。

花束を手に改めてプロポーズをして、一緒にバラ風呂に入りながらいっぱいキスをして、その後は念願の初H!

初夜バンザイ!
恥じらう新嫁最高!

「あ…んっんっ…シ、シリウス…」

ベッドの上で俺の手で真っ赤になりながら恥じらうランスロットを見れる日が来るなんて感無量だ。
でもランスロットはこっち方面に疎いらしくて、素朴な疑問って感じで『思ったんだけど、男同士ってどうやるんだ?』とか聞かれてしまった。
その辺りは風呂場で『後ろの孔を使うんだ』とちゃんと教えてあげた。
湯船に浸かりながら対面で膝の上に乗せて教えたんだけど、それがまた可愛すぎていつまで経ってもキスが止められなかった。
前立腺っていう感じるところがあるって口頭で教えたら『冗談だろ』って流されそうになったから、嘘じゃないしって指を入れて教えたんだ。

「やぁ…っ、こんな感覚知らないっ!そこダメッ!も、触らないでっ!」

そう言って涙目になりながら俺に抱きついてくるランスロットは最高だった。

その後ベッドに移動して愛撫もちゃんとしてしっかり溶かしたけど、やっぱりいざとなったら怖かったらしく、『注射とどっちが痛い?!』『入らなかったらどうしよう?!』とか涙目で言い出した。
でもランスロットはそこまで言う癖に、『やっぱりやめよう?』とは一言も言わず俺に縋るように抱き着きながら『呆れてないか?ゴメン』とか言って謝ってくる。
可愛すぎて思わず頬擦りしてしまった。
だってこれって、ランスロットの中では俺を受け入れるのは決定してるってことだよな?
嬉しい!

そんな愛しいランスロットに酷いことをする気は俺にだってないから、リラックスできるように取り敢えず笑わせてやることにした。

(呼吸もついでに整えさせつつ変顔で笑わせるか)

「ランスロット。こういう時にはほら、アレだ。ヒッヒ、フー。ヒッヒ、フー」
「ブハッ!それってお産の時のアレだろ?どうしてここでそれが出てくるんだよ…」
「いいからほら。物は試しだからやってみろって。はい、ヒッヒ、フー…」
「ふっふふっ……なんでこのタイミングで変顔?!面白過ぎっ、んぅうっ!」

良い感じに力が抜けたタイミングを見計らってキスで気を逸らせながらグッと腰を進める。
一番ネックになるカリのところが入ったら後はゆっくり身を沈めるだけだ。
ここまで来たらもう大丈夫。

「アッ、シリウスのっ熱いの、入ってくるぅうっ!」
「うん。怖くない、怖くない」
「んぅ────ッ!」

一生懸命俺に抱き着いて耐える姿に唆られる。
念願のランスロットとのエッチ。
凄く気持ちいい。

「ランスロット。全部入ったぞ」

これでランスロットは名実共に俺の嫁になった。
嬉し過ぎる!
あのクソ家族には絶対に返さない。
俺が一生大事に守って幸せにしてやるんだ。
取り敢えず帰ったら、なんとか理由をつけてあの一家を入国禁止にできないか家族に相談してみよう。

「シリウス…っ」
「ランスロット。馴染むまでこうしていような?」

頑張って受け入れてくれたランスロットの頭をヨシヨシと撫でる俺の顔は、きっと緩み切っていただろう。
それくらい繋がれたのが嬉しかったから、デレッデレになっていた自信がある。
そこからは可愛い喘ぎ声を堪能しながら、これまでの積もり積もった想いを伝えるように沢山愛した。




「浮かれすぎでは?」

翌日ランスロットと終始ベッタリな俺に側近がポツリと言った。
護衛兼侍従のニーチェといい、このリルといい、二人とも俺に辛辣だと思う。

まあ確かに浮かれていないとは言わない。
浮かれている。
テンションが上がりまくって『もうこの勢いで今日中に式を挙げてしまおう!』と口にしてランスロットにドン引きされるくらいには。

その様子を見かねたニーチェがため息交じりに俺をランスロットから引き剥がし、耳元へと囁いた。

「いい加減少しは落ち着いてください。流石にこれ以上は嫌われてしまいますよ?見てください、ランスロット様のあの戸惑った顔を!」

それを聞きチラリとランスロットへと目を向けると、確かに凄く戸惑っているように見える。
これはマズい。
ちょっと深呼吸だ。

「…………仕方がない。一旦落ち着こう」

折角俺の嫁が俺の嫁になったのに嫌われてしまっては元も子もない。
ここは頭を冷やしてちゃんとしよう。

そんな俺にニーチェが有力な情報を提供してくれる。
どうやらこの近くに『写真館』があるらしい。
本当の結婚式ではなく写真で満足しろってことなんだろう。
悪くはない。

早速ランスロットに告げると喜んで『行きたい!』と言ってくれた。
ランスロットはこれまで写真を撮ったことがないらしく、きっとそのせいで余計に興味が湧いたんだろう。
こういう姿も可愛い。

(いっぱい写真を撮ろう)

当然全部お買い上げだ。
こうして俺は愛しいランスロットとこれでもかと新婚旅行を満喫した。




その頃聖フィオナーレ国の城では────。

「お呼びでしょうか?王子」
「エヴァンジェリン!来てくれたのか!」

ガタッと音を立て嬉しそうに執務椅子から立ち上がる王子。
その顔には愛しい者に会えた喜びだけではなく、期待が滲んでいる。

「呼び立ててすまなかった。書類仕事で肩が凝ってな。聖魔法で治してもらえないか?」

そう言われてイラッとしたものの、そんな気持ちは綺麗に隠してにこやかに提案する。

「まあ…。でしたら私が肩をお揉みしますわ。いつもお疲れな王子を癒すのも婚約者の務めですもの」

(肩凝りごときで私を呼び出して聖魔法を使えですって?!ふざけないで欲しいわ!私は便利屋じゃないのよ?!)

「ん?いや。それだと大変だろう?聖魔法でサッと治してくれれば私はそれで…」
「王子。私が王子との触れ合いを求めるのはご迷惑ですか?」

ウルリと上目遣いで見つめると王子は頬を染め、そんなことはないと言ってくれる。

「そ、それなら頼もうか」
「ええ!お任せください」

そして王子の背後へと立ち、肩へと手を置いてギュッギュッと力を込めて揉んでいく。

(全く…どうしてこの私が使用人のような真似をしないといけないの…っ!)

腹が立って腹が立ってしょうがない。
だから思い切り力を込めて肩を揉んだ。

「う…イイッ。そこをもっとしてくれ」
「ここですか?」
「…っ、ああ」
「お任せください」

(おりゃあああっ!)

居なくなったランスロットへの怒りも込めてこれでもかと肩を揉むと王子は大変満足そうに『とても気持ち良かった。よければまた頼む』と笑った。
本当に何も知らずいい気なものだ。
とは言え今日は何とかなったものの、この分だとまたいつ聖魔法を頼られるかわかったものじゃない。

(それもこれもランスロットが勝手に家を飛び出して結婚なんてするからよ…っ)

挙句に新婚旅行に行って戻ってこないなんて腹立たしいことこの上ない。

なんとか聖輝石に魔力を補充しないととこっそり聖魔法の使い手にコンタクトをとったものの、『聖女が何故こんなことを?』とでも言いたげに物凄く怪訝な顔で断られてしまい、最早なすすべがなかった。

そのせいでイライラしてここ最近は爪を噛むことが増えたし、自慢の白魚のような手が台無しだ。
夜もストレスで眠れなくなってきて、そのせいで肌艶も悪くなってきたし、目の下にはうっすらと隈までできてしまって化粧で隠さないといけないし、もう散々としか言えない。

(早く帰ってきなさいよ、ランスロット!!)

シリウス様と出掛けた旅先で喧嘩でもして帰ってこないだろうか?
昔から仲が良い二人とは言え、ランスロットは性格も悪いし、なくはない話だと思う。

そんな思いを胸に、私はじりじりとした日々を送った。


****************

※王子的には愛しの婚約者の顔を見たい+仕事疲れを癒されたいという思いで呼び出した感じです。
だから聖魔法じゃなくてもこの場合特に気にしていません。
そして次はいよいよ王子バレ回です。

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