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【本編】
69.エピローグ
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懐かしのウィルラン辺境伯領へと帰ってきた。
義父と義母は俺の籍をそのままにしてくれていたらしく、俺は旧姓に戻ることなくラスター=ウィルランとして受け入れられた。
「ラスター!無事でよかった!」
「ラスター。可哀想に。ショックだったのね。ディオンに浮気されたなら国を出るんじゃなくこっちに戻ってきてくれたらいくらでも匿ってあげたのに。今度からは一番に相談してちょうだい。お願いよ?」
なんだか二人とも優しいけどディオンに酷い。
泣くんじゃないだろうか?
「ディオン…」
そっとその顔を窺おうとしたらそのまま抱き寄せられて、義父母たちから引き離された。
「ラスターは俺が一生大事にしたい唯一無二の人だから!絶対に浮気はしない!」
そう言ってそのまま義父母に見せつけるようにその場で口づけられて目を白黒してしまった。
まさかこんな暴挙で出るとは思っても見なくて、どうしていいのかわからずオロオロしてしまう。
「全くディオンは…。愛想を尽かされないよう、精進するんだぞ?」
「そうよ?貴方のせいで折角の出産報告が遅くなってしまったんですからね」
けれど義母のその言葉に俺は一瞬聞き間違いかと自分の耳を疑った。
でも隣の部屋からイザベラ嬢の抱いていた赤子とあまり変わらない大きさの赤子が連れてこられて、それが聞き間違いでも何でもなかったことに気づく。
「ディオンの弟、ダリオンよ」
「お、おめでとうございます!」
遅ればせながら赤子の顔を見させてもらうと、髪色は義母に似て青銀色だけどディオンによく似た面立ちをしていた。
でも少しきつめの目元は義父似だろうか?瞳の色も義父に似てディオンよりも少し深みのある水色だ。
イケメンに育ちそうな気がする。
そう思っていたら、何故かディオンが自分の髪色と俺の髪色を混ぜたらこんな感じの青銀色になりそうな気がすると言い出した。
俺の髪色は白金だからそうはならないと思うんだけど、それを聞いた義両親もわかるわかると言わんばかりの反応を示すから凄く不思議だった。
「ラスターも子育てにどんどん参加してちょうだいね?」
「え?」
「貴方もうちの家族ですもの。ね、そうしてちょうだい」
義母のその言葉に不覚にも泣きたくなる。
実の両親も大事だけど、ディオンの優しい両親も立派に俺の家族だった。
「はい。これからも…よろしくお願いします」
そう言って俺は深々と頭を下げた。
その後は久しぶりに仕事に取り組んで、義父の要望でディオンが25才になったら辺境伯の地位を譲ると宣言された。
それまでは二人で王都に出て、人脈を作り経験を積むためにも皇太子殿下の元で働くようにと言われた。
どうやら以前皇太子殿下が言っていた側近の仕事に就くようにということのようだ。
そこからまた王都へと向かって、不義理を詫びて側近の仕事に就かせてもらう。
リック様も一緒だ。
皇太子殿下は仕事が捗る上に悩み相談もできるし一石二鳥とご満悦だ。
あれこれとそこからアドバイスをしたり、国交のサポートをしたり、各領地の発展に手を貸したりしているうちになんだかんだと実力が認められて人脈作りも順調に進み、あっという間に領地へと戻る日になった。
ちなみに皇太子殿下は王を説得して皇太子の座を従兄弟に譲り、一皇子としてリック様と生涯を共にすることにしたらしい。
優秀な人だから新しく皇太子になる従兄弟のサポートはするつもりのようだけど、リック様と一緒にこれからは外交を中心に頑張るんだと朗らかに笑っていた。
俺達は皆から惜しまれながら王城を去り、王都を後にする。
そんな領地へと向かう道すがら、ディオンが変わらぬ愛が溢れる眼差しで俺を見つめて、そっと小箱を渡してきた。
「これは?」
「開けてみて」
促されて開けてみると、そこには二つのイヤーカフが収められていた。
「これ…」
俺の瞳の色である金のイヤーカフに辺境伯家の家紋を象った彫刻が施され、その中央にディオンの瞳の色を表す澄んだ水色のアクアマリンがはめ込まれている一品に思わず魅入られてしまう。
「遅くなったけど、やっと完璧に仕上げてくれる職人を見つけて、作ってもらったんだ」
形だけでも自分達の結婚記念にとディオンが笑う。
俺はそれをつけてもらって、これでもかと幸せを噛み締めながら目頭が熱くなるのを感じた。
こんなに幸せになっていいんだろうか?
シャーリーもリューンももうとっくに自分達の幸せを掴んで今では三人の子持ちだ。
誰に遠慮することもないとディオンも言ってくれるし、それはその通りなんだろうけど────。
「ラスター。泣かないで、笑って?」
これからは一緒に領地を発展させて、誰もが幸せに笑っていける領地にしていこうと、ディオンが穏やかに微笑み告げてくる。
俺は涙を拭ってその言葉に笑顔で頷いた。
きっと…きっと辺境伯領を今よりももっともっと素晴らしい領地にしていこう。
前世で叶わなかった二人での統治が今度こそ叶うといい。
そんなことを考えながら、俺は愛しいツガイとの未来に思いを馳せて、誰よりも幸せに包まれながらふわりと微笑んだ。
***
【Side.女神】
憑依病に襲われ、呪いにかかり、幸せを諦めていた元竜王の笑顔を見て、私の心はホッと安堵に満たされた。
彼が無事に幸せになってくれてよかった。
「どうなることかと思ったけど、何とかなってくれて本当にホッとしたわ」
ポンコツなツガイだったけど、無事に使命をやり遂げてくれて一安心だ。
親友とそのツガイも元竜王の願いが届いたのか、幸せに暮らしている。
憑依病絡みでここまで四方八方丸く収まるのは非常に珍しい。
それもこれも────新しく生まれた神のとあるやらかしが原因とも言えるのだけど……。
「まさかあのツガイ…シャーリーの記憶を戻すとは思わなかったわ」
私の隣に立つのは元竜人の魂から生まれた一人の男神だ。
「生前の関係者の魂に対してのみ有効な力だったし、使わないと損だろう?」
「だからって彼女を選ぶ?あれは酷いわ」
「彼女は子供っぽくて馬鹿みたいに見えるが、根は悪い奴じゃないし頭は良い。リューンの記憶を戻すよりずっと良かったと思うが?」
「確かに親友の方の記憶を戻していたらもっと大変になっていたでしょうけど…結局そのせいでツガイ君が刺されて竜王が姿を眩ますし、ツガイ君がヤンデレになりかけて焦ってしまったわ。一瞬彼に大量虐殺でもさせたかったのかとさえ思って心配したのだけど?」
ギロリと睨むけど、言われた本人はどこ吹く風だ。
「ハハハ!面白いことを言うな。あの…ディオンだったか。確かにツガイ狂いになる素質はあったが、竜王陛下がついていてそれはないだろう」
「随分元竜王を買っているのね」
「ああ。……あの人は俺が一番尊敬して、最期の最期まで心配していた王だったから」
「バルバトス…」
「その名は今はもう関係のないものだ。さて、仕事仕事。俺の新しい上司はどうやら竜王陛下と違ってポンコツみたいだし、俺がしっかり働かないとな」
創造神によって千年周期で色んな種族の魂の中からランダムに選ばれ、新たに神は生まれるのだが、この新人はどうやらその中でも特に勤勉らしい。
とは言えきっと彼もシャーリー同様、竜王のツガイには思うところがあったのだと思う。
(ツガイ君が刺された時、嗤ってたもの)
口にはしないけど、恐らくは彼なりのささやかな復讐────天罰だったんだろう。
ついでにツガイを探し続ける辛さを思い知れってところなのかもしれない。
そう考えると、もしかしてツガイ君が転生後竜王に中々出会えなかったのもこの神が密かに嫌がらせでもしていたのかしらと疑いたくなる。
総じて新人は神としての力の使い方がわかっていないため、思いもよらない力を発揮してしまう事があるから。
(まあ終わり良ければ全て良し、よね)
私は最後にそっと下界を見下ろして、幸せそうに寄り添い合い微笑む二人に満足げに微笑み、どうか今世では幸せにと心から祈ったのだった。
Fin.
****************
※これにて本編完結です。
おまけで閑話も同時にアップしていますので、リックと皇太子が気になる方はそちらもどうぞ♪
ここまでお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。
前世からの因果が思いのほか絡むお話となりましたが、なんとか終わらせることができて良かったです(´∀`*)
色々その後の話的なものも書きたいのですが、もし何か読んでみたいなというものがありましたら感想欄にでもお寄せください。
できる範囲で書かせていただけたらと思います(^^)
義父と義母は俺の籍をそのままにしてくれていたらしく、俺は旧姓に戻ることなくラスター=ウィルランとして受け入れられた。
「ラスター!無事でよかった!」
「ラスター。可哀想に。ショックだったのね。ディオンに浮気されたなら国を出るんじゃなくこっちに戻ってきてくれたらいくらでも匿ってあげたのに。今度からは一番に相談してちょうだい。お願いよ?」
なんだか二人とも優しいけどディオンに酷い。
泣くんじゃないだろうか?
「ディオン…」
そっとその顔を窺おうとしたらそのまま抱き寄せられて、義父母たちから引き離された。
「ラスターは俺が一生大事にしたい唯一無二の人だから!絶対に浮気はしない!」
そう言ってそのまま義父母に見せつけるようにその場で口づけられて目を白黒してしまった。
まさかこんな暴挙で出るとは思っても見なくて、どうしていいのかわからずオロオロしてしまう。
「全くディオンは…。愛想を尽かされないよう、精進するんだぞ?」
「そうよ?貴方のせいで折角の出産報告が遅くなってしまったんですからね」
けれど義母のその言葉に俺は一瞬聞き間違いかと自分の耳を疑った。
でも隣の部屋からイザベラ嬢の抱いていた赤子とあまり変わらない大きさの赤子が連れてこられて、それが聞き間違いでも何でもなかったことに気づく。
「ディオンの弟、ダリオンよ」
「お、おめでとうございます!」
遅ればせながら赤子の顔を見させてもらうと、髪色は義母に似て青銀色だけどディオンによく似た面立ちをしていた。
でも少しきつめの目元は義父似だろうか?瞳の色も義父に似てディオンよりも少し深みのある水色だ。
イケメンに育ちそうな気がする。
そう思っていたら、何故かディオンが自分の髪色と俺の髪色を混ぜたらこんな感じの青銀色になりそうな気がすると言い出した。
俺の髪色は白金だからそうはならないと思うんだけど、それを聞いた義両親もわかるわかると言わんばかりの反応を示すから凄く不思議だった。
「ラスターも子育てにどんどん参加してちょうだいね?」
「え?」
「貴方もうちの家族ですもの。ね、そうしてちょうだい」
義母のその言葉に不覚にも泣きたくなる。
実の両親も大事だけど、ディオンの優しい両親も立派に俺の家族だった。
「はい。これからも…よろしくお願いします」
そう言って俺は深々と頭を下げた。
その後は久しぶりに仕事に取り組んで、義父の要望でディオンが25才になったら辺境伯の地位を譲ると宣言された。
それまでは二人で王都に出て、人脈を作り経験を積むためにも皇太子殿下の元で働くようにと言われた。
どうやら以前皇太子殿下が言っていた側近の仕事に就くようにということのようだ。
そこからまた王都へと向かって、不義理を詫びて側近の仕事に就かせてもらう。
リック様も一緒だ。
皇太子殿下は仕事が捗る上に悩み相談もできるし一石二鳥とご満悦だ。
あれこれとそこからアドバイスをしたり、国交のサポートをしたり、各領地の発展に手を貸したりしているうちになんだかんだと実力が認められて人脈作りも順調に進み、あっという間に領地へと戻る日になった。
ちなみに皇太子殿下は王を説得して皇太子の座を従兄弟に譲り、一皇子としてリック様と生涯を共にすることにしたらしい。
優秀な人だから新しく皇太子になる従兄弟のサポートはするつもりのようだけど、リック様と一緒にこれからは外交を中心に頑張るんだと朗らかに笑っていた。
俺達は皆から惜しまれながら王城を去り、王都を後にする。
そんな領地へと向かう道すがら、ディオンが変わらぬ愛が溢れる眼差しで俺を見つめて、そっと小箱を渡してきた。
「これは?」
「開けてみて」
促されて開けてみると、そこには二つのイヤーカフが収められていた。
「これ…」
俺の瞳の色である金のイヤーカフに辺境伯家の家紋を象った彫刻が施され、その中央にディオンの瞳の色を表す澄んだ水色のアクアマリンがはめ込まれている一品に思わず魅入られてしまう。
「遅くなったけど、やっと完璧に仕上げてくれる職人を見つけて、作ってもらったんだ」
形だけでも自分達の結婚記念にとディオンが笑う。
俺はそれをつけてもらって、これでもかと幸せを噛み締めながら目頭が熱くなるのを感じた。
こんなに幸せになっていいんだろうか?
シャーリーもリューンももうとっくに自分達の幸せを掴んで今では三人の子持ちだ。
誰に遠慮することもないとディオンも言ってくれるし、それはその通りなんだろうけど────。
「ラスター。泣かないで、笑って?」
これからは一緒に領地を発展させて、誰もが幸せに笑っていける領地にしていこうと、ディオンが穏やかに微笑み告げてくる。
俺は涙を拭ってその言葉に笑顔で頷いた。
きっと…きっと辺境伯領を今よりももっともっと素晴らしい領地にしていこう。
前世で叶わなかった二人での統治が今度こそ叶うといい。
そんなことを考えながら、俺は愛しいツガイとの未来に思いを馳せて、誰よりも幸せに包まれながらふわりと微笑んだ。
***
【Side.女神】
憑依病に襲われ、呪いにかかり、幸せを諦めていた元竜王の笑顔を見て、私の心はホッと安堵に満たされた。
彼が無事に幸せになってくれてよかった。
「どうなることかと思ったけど、何とかなってくれて本当にホッとしたわ」
ポンコツなツガイだったけど、無事に使命をやり遂げてくれて一安心だ。
親友とそのツガイも元竜王の願いが届いたのか、幸せに暮らしている。
憑依病絡みでここまで四方八方丸く収まるのは非常に珍しい。
それもこれも────新しく生まれた神のとあるやらかしが原因とも言えるのだけど……。
「まさかあのツガイ…シャーリーの記憶を戻すとは思わなかったわ」
私の隣に立つのは元竜人の魂から生まれた一人の男神だ。
「生前の関係者の魂に対してのみ有効な力だったし、使わないと損だろう?」
「だからって彼女を選ぶ?あれは酷いわ」
「彼女は子供っぽくて馬鹿みたいに見えるが、根は悪い奴じゃないし頭は良い。リューンの記憶を戻すよりずっと良かったと思うが?」
「確かに親友の方の記憶を戻していたらもっと大変になっていたでしょうけど…結局そのせいでツガイ君が刺されて竜王が姿を眩ますし、ツガイ君がヤンデレになりかけて焦ってしまったわ。一瞬彼に大量虐殺でもさせたかったのかとさえ思って心配したのだけど?」
ギロリと睨むけど、言われた本人はどこ吹く風だ。
「ハハハ!面白いことを言うな。あの…ディオンだったか。確かにツガイ狂いになる素質はあったが、竜王陛下がついていてそれはないだろう」
「随分元竜王を買っているのね」
「ああ。……あの人は俺が一番尊敬して、最期の最期まで心配していた王だったから」
「バルバトス…」
「その名は今はもう関係のないものだ。さて、仕事仕事。俺の新しい上司はどうやら竜王陛下と違ってポンコツみたいだし、俺がしっかり働かないとな」
創造神によって千年周期で色んな種族の魂の中からランダムに選ばれ、新たに神は生まれるのだが、この新人はどうやらその中でも特に勤勉らしい。
とは言えきっと彼もシャーリー同様、竜王のツガイには思うところがあったのだと思う。
(ツガイ君が刺された時、嗤ってたもの)
口にはしないけど、恐らくは彼なりのささやかな復讐────天罰だったんだろう。
ついでにツガイを探し続ける辛さを思い知れってところなのかもしれない。
そう考えると、もしかしてツガイ君が転生後竜王に中々出会えなかったのもこの神が密かに嫌がらせでもしていたのかしらと疑いたくなる。
総じて新人は神としての力の使い方がわかっていないため、思いもよらない力を発揮してしまう事があるから。
(まあ終わり良ければ全て良し、よね)
私は最後にそっと下界を見下ろして、幸せそうに寄り添い合い微笑む二人に満足げに微笑み、どうか今世では幸せにと心から祈ったのだった。
Fin.
****************
※これにて本編完結です。
おまけで閑話も同時にアップしていますので、リックと皇太子が気になる方はそちらもどうぞ♪
ここまでお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。
前世からの因果が思いのほか絡むお話となりましたが、なんとか終わらせることができて良かったです(´∀`*)
色々その後の話的なものも書きたいのですが、もし何か読んでみたいなというものがありましたら感想欄にでもお寄せください。
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