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【本編】
42.意外な父の言葉 Side.ディオン
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ラスターの滅茶苦茶になったベッドは朝一番に廃棄処分になった。
代わりに他の空いている使用人部屋からベッドを運んできてくれたから、これまで通りそこで過ごす事もできるにはできるのだけど…。
「父上。ラスターと部屋を一緒にしたらダメですか?」
ダメだとわかっててもどうしてもそうしたくて、真剣に相談してみた。
そしたらなんとあっさり許可が出て拍子抜けしてしまった。
どうしてだろう?
「驚いているようだな、ディオン」
「はい」
絶対に反対されると思ったのにと目を丸くしていると、父は思いがけない事を言い出した。
「正直お前がそう言い出すとは思っていたんだ」
三歳で運命の相手を見つけに行きたいと言い出し、言葉通り五歳で王都に向かった。
そこから探しに探して一度も領地に帰ってこなかった。
余程会いたい人がいるんだろうと父はずっと思っていたらしい。
そんな俺がラスターと帰ってきて、ラスターにずっとくっついているから父もそれとなく観察していたんだとか。
それでラスターを見つめる俺の目が本気だと気づいて、ラスターが死にかけた時の必死さも目にして心を決めてくれたらしい。
「あれだけ探し続けて見つけた相手がいるのに、他の相手と結婚する気にもなれないだろう?」
バレている。
「…はい」
「どうせラスターはお前が帰ってこなかったら養子に迎えようと思っていたんだ。このまま手続きをするから隣の部屋を用意してやってくれ」
「…え?」
「ラスターは優秀なんだ。領地のこともよくわかってくれているし、努力家で人望もある。ただ身分は平民だろう?余所の領地の者に目をつけられて引き抜きで攫われでもしたらどうしようもない。だから身分を与えてずっとここにいてもらえるようにしたいんだが、どうだ?」
優しい眼差しが父から向けられて、胸が熱くなった。
こんな不義理な息子にまで父はそんな事を言ってくれるのか。
「父上。これまでの不義理を心からお詫びします。本当にすみませんでした」
頭を下げる俺に父が笑う。
「悪かったと思うなら、これからはラスターと領地を盛り立てていってくれ。なに、跡継ぎはこれからもう一人作ってもいいし、親戚筋から養子を取ってもいいしな。私達らしくいこうじゃないか」
明るく笑う父が頼もしい。
俺は笑顔で父へと礼を述べ、執務室を後にした。
「ディオン!」
そこへ皇太子がやってくる。
「昨夜騒ぎがあったそうだがラスターは大丈夫だったのか?」
ラスターが血塗れで帰ってきた時も皇太子は凄く心配してくれていた。
目を覚ましてすぐにヴィクターから殺されかけたと聞いて、居ても立ってもいられなかったんだろう。
「幸い無事でした。ご心配をおかけしてすみませんでした」
「そうか。良かった」
心底ホッとした様子の皇太子を見て安心させるように微笑んでいると、ちょうどそこにラスターがやってくる。
「ディオン様」
「ラスター!」
人前だから口調が戻るのは仕方がないけど、もう恋人同士だし腕の中に閉じ込めるのはいいだろう。
そう思って抱き締めようとしたらやんわり距離を取られた。
寂しい。
「抱き締めたらダメなのか?」
「ダメです」
「辛い…」
「…ダメです」
案外押したら行けそうだ。
可愛い。
でもそのタイミングで皇太子が心配するようにラスターへと声を掛ける。
「ラスター。体調はどうだ?まだ休んでいなくて平気か?」
「はい。ご心配をお掛けして申し訳ありません。一晩ゆっくり休みましたので、もう大丈夫です」
そうは言うけど、今朝はまだふらついていたし仕事をさせる気はない。
「ラスター。増血ポーションをさっき買いに行くよう指示しておいたから、今日はそれを飲んで休んでいて欲しい」
「そこまでしなくても…」
「ダメだ。心配だし、ちゃんと聞いてくれないか?」
「……わかりました」
ラスターはお願いに弱い。
でもこれは俺だからなんだと昨日知った。
『どうもディオンに言われるとなんでもお願いを聞きたくなってたんですけど、ツガイだったからですね』
まだまだ丁寧に話す癖は抜けないながらも名前を敬称抜きで呼んで、そんな可愛いことを口にするツガイに嬉しくなったのは記憶に新しい。
他にも俺に口説かれてかなり心がぐらついていて、ツガイに申し訳ないと悩んでいたことなんかもポツポツと教えてもらえた。
やっぱりツガイは強いな。
でも俺は前世の俺に勝った!
ちゃんとラスターは俺を好きになってくれた。
最高に幸せだ!
「ディオン。お前…恋人同士になったらそんな感じなのか。少々意外だったぞ?」
「そうですか?好きな相手と相思相愛になったら溺愛するのが普通だと思いますけど?」
「その幸せを俺にも分けてくれ。俺は昨日のお前のアドバイスを実行に移そうと頑張ったのに、ちっとも上手くいかないんだ」
(アドバイス?何か言ったか?)
首を傾げていたら皇太子が真っ赤な顔で『お前がキスしろと言ったんだろう?!』と叱られた。
そう言えばそんなことも言ったような気がしないでもない。
「え…キス、したんですか?」
ラスターが驚いた顔で紡いだその言葉にまた勘違いされたと思って、慌てて弁解の言葉を口にする。
「ち、違います!皇太子殿下はリックにキスしたいんであって、俺じゃないです!!」
俺は潔白だというそれだけの気持ちでそう言ったのに、皇太子が慌てたように『この馬鹿者!』と言うから益々焦って口が滑った。
「皇太子殿下は俺じゃなくリックが好きなんです!勘違いしないでください!」
「わぁああああっ?!」
そこで皇太子に口を塞がれたけど、そこにやってきたリックには完全に聞かれていて、俺は俺の失態を悟った。
「…………すみません。軽率でした」
「遅い!」
真っ赤になった皇太子。
その場で固まって動かないリック。
微妙な顔で立ち尽くす護衛達。
「ディオン様…」
そして残念そうな顔を俺に向けてくるラスター。
(違うんだ!わざとじゃないんだ!)
しょんぼりしながら肩を落としていると、そっと頭を撫でられて後は任せろとばかりに動いてくれる。
「リック様。皇太子殿下がお話があるそうです。別室にご案内しますので、どうかお耳を傾けてはいただけませんか?」
「ラスター…殿」
「皇太子殿下。ディオン様が大変失礼を致しました。主人の非礼をお詫びいたします」
「ラスター…」
「勝手ながらアドバイスを。口づけはどうかお話し合いの後になさってください。無理強いは良くありませんし、心がすれ違っている時ではなく心が通じ合っている時の方が幸せな気持ちになれますので」
「う…そ、そうか。心に止めておこう」
「はい。ではお二人とも、どうぞこちらへ」
そう言ってラスターは皆を連れて応接室へと案内していった。
ツガイのフォローが完璧すぎる。
それに比べて俺はダメダメだ。
呆れられていないといいけど。
代わりに他の空いている使用人部屋からベッドを運んできてくれたから、これまで通りそこで過ごす事もできるにはできるのだけど…。
「父上。ラスターと部屋を一緒にしたらダメですか?」
ダメだとわかっててもどうしてもそうしたくて、真剣に相談してみた。
そしたらなんとあっさり許可が出て拍子抜けしてしまった。
どうしてだろう?
「驚いているようだな、ディオン」
「はい」
絶対に反対されると思ったのにと目を丸くしていると、父は思いがけない事を言い出した。
「正直お前がそう言い出すとは思っていたんだ」
三歳で運命の相手を見つけに行きたいと言い出し、言葉通り五歳で王都に向かった。
そこから探しに探して一度も領地に帰ってこなかった。
余程会いたい人がいるんだろうと父はずっと思っていたらしい。
そんな俺がラスターと帰ってきて、ラスターにずっとくっついているから父もそれとなく観察していたんだとか。
それでラスターを見つめる俺の目が本気だと気づいて、ラスターが死にかけた時の必死さも目にして心を決めてくれたらしい。
「あれだけ探し続けて見つけた相手がいるのに、他の相手と結婚する気にもなれないだろう?」
バレている。
「…はい」
「どうせラスターはお前が帰ってこなかったら養子に迎えようと思っていたんだ。このまま手続きをするから隣の部屋を用意してやってくれ」
「…え?」
「ラスターは優秀なんだ。領地のこともよくわかってくれているし、努力家で人望もある。ただ身分は平民だろう?余所の領地の者に目をつけられて引き抜きで攫われでもしたらどうしようもない。だから身分を与えてずっとここにいてもらえるようにしたいんだが、どうだ?」
優しい眼差しが父から向けられて、胸が熱くなった。
こんな不義理な息子にまで父はそんな事を言ってくれるのか。
「父上。これまでの不義理を心からお詫びします。本当にすみませんでした」
頭を下げる俺に父が笑う。
「悪かったと思うなら、これからはラスターと領地を盛り立てていってくれ。なに、跡継ぎはこれからもう一人作ってもいいし、親戚筋から養子を取ってもいいしな。私達らしくいこうじゃないか」
明るく笑う父が頼もしい。
俺は笑顔で父へと礼を述べ、執務室を後にした。
「ディオン!」
そこへ皇太子がやってくる。
「昨夜騒ぎがあったそうだがラスターは大丈夫だったのか?」
ラスターが血塗れで帰ってきた時も皇太子は凄く心配してくれていた。
目を覚ましてすぐにヴィクターから殺されかけたと聞いて、居ても立ってもいられなかったんだろう。
「幸い無事でした。ご心配をおかけしてすみませんでした」
「そうか。良かった」
心底ホッとした様子の皇太子を見て安心させるように微笑んでいると、ちょうどそこにラスターがやってくる。
「ディオン様」
「ラスター!」
人前だから口調が戻るのは仕方がないけど、もう恋人同士だし腕の中に閉じ込めるのはいいだろう。
そう思って抱き締めようとしたらやんわり距離を取られた。
寂しい。
「抱き締めたらダメなのか?」
「ダメです」
「辛い…」
「…ダメです」
案外押したら行けそうだ。
可愛い。
でもそのタイミングで皇太子が心配するようにラスターへと声を掛ける。
「ラスター。体調はどうだ?まだ休んでいなくて平気か?」
「はい。ご心配をお掛けして申し訳ありません。一晩ゆっくり休みましたので、もう大丈夫です」
そうは言うけど、今朝はまだふらついていたし仕事をさせる気はない。
「ラスター。増血ポーションをさっき買いに行くよう指示しておいたから、今日はそれを飲んで休んでいて欲しい」
「そこまでしなくても…」
「ダメだ。心配だし、ちゃんと聞いてくれないか?」
「……わかりました」
ラスターはお願いに弱い。
でもこれは俺だからなんだと昨日知った。
『どうもディオンに言われるとなんでもお願いを聞きたくなってたんですけど、ツガイだったからですね』
まだまだ丁寧に話す癖は抜けないながらも名前を敬称抜きで呼んで、そんな可愛いことを口にするツガイに嬉しくなったのは記憶に新しい。
他にも俺に口説かれてかなり心がぐらついていて、ツガイに申し訳ないと悩んでいたことなんかもポツポツと教えてもらえた。
やっぱりツガイは強いな。
でも俺は前世の俺に勝った!
ちゃんとラスターは俺を好きになってくれた。
最高に幸せだ!
「ディオン。お前…恋人同士になったらそんな感じなのか。少々意外だったぞ?」
「そうですか?好きな相手と相思相愛になったら溺愛するのが普通だと思いますけど?」
「その幸せを俺にも分けてくれ。俺は昨日のお前のアドバイスを実行に移そうと頑張ったのに、ちっとも上手くいかないんだ」
(アドバイス?何か言ったか?)
首を傾げていたら皇太子が真っ赤な顔で『お前がキスしろと言ったんだろう?!』と叱られた。
そう言えばそんなことも言ったような気がしないでもない。
「え…キス、したんですか?」
ラスターが驚いた顔で紡いだその言葉にまた勘違いされたと思って、慌てて弁解の言葉を口にする。
「ち、違います!皇太子殿下はリックにキスしたいんであって、俺じゃないです!!」
俺は潔白だというそれだけの気持ちでそう言ったのに、皇太子が慌てたように『この馬鹿者!』と言うから益々焦って口が滑った。
「皇太子殿下は俺じゃなくリックが好きなんです!勘違いしないでください!」
「わぁああああっ?!」
そこで皇太子に口を塞がれたけど、そこにやってきたリックには完全に聞かれていて、俺は俺の失態を悟った。
「…………すみません。軽率でした」
「遅い!」
真っ赤になった皇太子。
その場で固まって動かないリック。
微妙な顔で立ち尽くす護衛達。
「ディオン様…」
そして残念そうな顔を俺に向けてくるラスター。
(違うんだ!わざとじゃないんだ!)
しょんぼりしながら肩を落としていると、そっと頭を撫でられて後は任せろとばかりに動いてくれる。
「リック様。皇太子殿下がお話があるそうです。別室にご案内しますので、どうかお耳を傾けてはいただけませんか?」
「ラスター…殿」
「皇太子殿下。ディオン様が大変失礼を致しました。主人の非礼をお詫びいたします」
「ラスター…」
「勝手ながらアドバイスを。口づけはどうかお話し合いの後になさってください。無理強いは良くありませんし、心がすれ違っている時ではなく心が通じ合っている時の方が幸せな気持ちになれますので」
「う…そ、そうか。心に止めておこう」
「はい。ではお二人とも、どうぞこちらへ」
そう言ってラスターは皆を連れて応接室へと案内していった。
ツガイのフォローが完璧すぎる。
それに比べて俺はダメダメだ。
呆れられていないといいけど。
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