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【本編】
33.駆け抜ける Side.ディオン
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馬車を走らせ、領地まで後もう一息という街まで来たところで思いがけない足止めを食らった。
街の門番曰く、俺の領地に新しいダンジョンが出現したらしく、スタンピードの危険性があるらしい。
「スタンピード?!」
そんな危険があるなら皇太子を連れては帰れない。
「王都に戻りますか?」
ヴィクターが聞いてくる。
皇太子は迷っているようだが、俺は一人でも領地に帰る気満々だった。
「皇太子殿下は危険なので城に帰るかここに留まるかして下さい。俺は領地が心配なので帰ります」
「ディオン?!」
「こういう時こそできることもあると思うし、学ぶ事も多いと思うので、止めないでください」
キッパリとそう告げる俺に皇太子は暫く逡巡した後、覚悟を決めたように『自分も行く』と言い出した。
「殿下は危険なのでダメです」
そう断っても皇太子の決意は変わらなくて、俺の言葉を口にしながら『緊急時の対処法を学ぶ良い機会だ。俺は安全な場所でただ大人しくしているだけのお飾りの王になるつもりはない。頼む。連れて行ってくれ』そう真剣な眼差しで頼まれれば否とは言えなかった。
「……わかりました。その代わり単独行動はせず、必ずこちらの指示には従うと誓ってください。殿下の命を最優先にしっかりと守らせていただきますので」
本当はラスターを優先したい。
でもここまで言い切る皇太子殿下を蔑ろにするわけにもいかない。
この人はきっと立派な王になるだろうと、今の言葉だけで十分にわかったから。
そして馬車を街へと残し、殿下を街に置いていくと見せかけて領地へと慎重に向かうことに。
フードを被り騎馬で警戒しながらの移動は大変だが仕方がない。
「ヴィクター。絶対に邪魔はするなよ?わかったな」
「…………かしこまりました」
「最短距離を駆け抜ける!剣はいつでも抜けるようにし、警戒を怠るな!幸いここからは騎馬で飛ばせば夜までには領の屋敷に辿り着ける!行くぞ!」
まあ相当飛ばさないとダメだが、メンバーは訓練された護衛騎士達と、乗馬が得意な殿下と側近のリック、そして俺だ。
足手まといはヴィクターしかいないから最悪途中の街に置いていこう。
なんだか知らないが昨夜リックから殴られたようだし、これ以上一緒に行動することに不安しか覚えない。
リックは真面目な性格だし、余程でない限り手なんて出したりはしない。
そんな彼が怒るようなことをしたならヴィクターの主人である俺が謝るべきだろうと今朝謝罪したら『あれは絶対にヴィクター殿の独断だと思うので貴方に謝っていただく必要はありません。ただ、次はないとだけ言っておきます』と冷たく言われた。
皇太子に何かやらかしたなら厄介だ。
ヴィクター本人は黙秘してるし、一先ず帰ったら父に相談して減給にしてもらおう。
そうして馬を飛ばしに飛ばし街道を駆け抜け、途中でへばったヴィクターを予定通り街で置き去りにし、残りのメンバーで夜、無事に領地の屋敷へと辿り着いた。
当然だが慌てたように父が飛んできて、『ディオン?!殿下まで?!』と驚かれ、今日は仕方がないが危険だから明日早く王都に帰った方がいいと言ってこられた。
「ウィルラン辺境伯。気持ちはわかるが、ここで帰ったら何のためにここまで来たのかわからない。父はきっとこういった時の対処法も学んで来いと言ってくれるはずだ。どうか滞在を許してほしい」
決して事態を甘く見たわけではなく、だからこそここに居たいのだと皇太子が父へと訴え頭を下げる。
流石にここまでされれば父も否とは言えなかった。
「わかりました。ですが、いざという時は護衛を連れて必ず逃げるとお約束下さい。でなければこの話はお受けできません」
「わかった。その時は逃げると誓おう」
そして無事に皇太子の滞在は決まった。
元々今回の件が出てくる前にある程度受け入れ準備は整えられていたようで、すぐさま護衛の騎士達含め皇太子一行の部屋割りは行われ、夜食も用意してもらえることに。
使用人の皆には寝ていたところを叩き起こすような真似をしてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
でも────。
「ラスター!」
会いたかったラスターも起きてきてくれて、柔らかく微笑みながら『おかえりなさい』と言ってくれたから、それだけで無理を押してでも馬を走らせてよかったと思えた。
「ただいま。ラスター」
ギュッと腕の中へと閉じ込めて、その温もりを堪能する。
(ああ…幸せだ)
そう思っていたら、何故か母に引き離された。
「ディオン!砂ぼこりで汚れているのにラスターに抱き着くなんて、いけません!全く。本当にゴメンなさいね、ラスター。こんな息子で」
「いいえ。きっと俺が何も言わずにこっちへ来てしまったので心配してくださったんだと思います」
「あら、そうなの?意外だわ。ラスターならちゃんと言ってから帰ってきそうなものなのに」
「はい。本当はディオン様が帰ってきてから許可を得て翌朝に出発しようと思ってたんですが、そこで引き留めに合ったら帰れなくなるしすぐに出発した方がいいとヴィクターさんが言うのでそれならと…」
(ヴィクター!!)
思いがけないラスターの言葉に怒りが爆発するかと思った。
あのクソ野郎と罵らなかった自分をほめてやりたい。
こっちに戻ってきたら取り敢えずまず殴ろう。
「取り敢えずディオン様。眠いかもしれませんが湯を浴びて身を清めてから休んでくださいね?」
「あ、それはもちろん」
そこはわかっているから素直に返事をする。
でもここで母が余計なことを言い出した。
「それならラスターも一緒に湯を浴びてきたら?汚れちゃったでしょう?」
「大丈夫ですよ?」
「いいから遠慮せず行ってらっしゃい。この子がお風呂でウトウトして溺れないか見ていてもらえたら嬉しいわ」
「なっ?!」
「そういうことなら」
驚く俺とは逆に素直に頷くラスター。
これはアリなのか?!
(いや。嬉しい。嬉しいけど…っ)
「ディオン様?脱がないんですか?」
俺の部屋にある湯殿でスルスルと服を脱いでいくラスターに、意識しているのは自分だけなんだと認識させられて凄く複雑な心境になった。
暫く会わない間にまた距離が開いたんじゃないだろうか?
(く、悔しい…)
でもそのほっそりとした裸体はちゃんと鍛えられていて引き締まっているし、どこもかしこも綺麗で輝いて見える。
(夢に見そうだ)
「お背中流しますね」
ああ、なんて罪作りな俺のツガイ。
頼むから他の男にはこんな事、絶対にしないでほしい。
されたら相手の男の目をきっと潰したくなるだろうから。
街の門番曰く、俺の領地に新しいダンジョンが出現したらしく、スタンピードの危険性があるらしい。
「スタンピード?!」
そんな危険があるなら皇太子を連れては帰れない。
「王都に戻りますか?」
ヴィクターが聞いてくる。
皇太子は迷っているようだが、俺は一人でも領地に帰る気満々だった。
「皇太子殿下は危険なので城に帰るかここに留まるかして下さい。俺は領地が心配なので帰ります」
「ディオン?!」
「こういう時こそできることもあると思うし、学ぶ事も多いと思うので、止めないでください」
キッパリとそう告げる俺に皇太子は暫く逡巡した後、覚悟を決めたように『自分も行く』と言い出した。
「殿下は危険なのでダメです」
そう断っても皇太子の決意は変わらなくて、俺の言葉を口にしながら『緊急時の対処法を学ぶ良い機会だ。俺は安全な場所でただ大人しくしているだけのお飾りの王になるつもりはない。頼む。連れて行ってくれ』そう真剣な眼差しで頼まれれば否とは言えなかった。
「……わかりました。その代わり単独行動はせず、必ずこちらの指示には従うと誓ってください。殿下の命を最優先にしっかりと守らせていただきますので」
本当はラスターを優先したい。
でもここまで言い切る皇太子殿下を蔑ろにするわけにもいかない。
この人はきっと立派な王になるだろうと、今の言葉だけで十分にわかったから。
そして馬車を街へと残し、殿下を街に置いていくと見せかけて領地へと慎重に向かうことに。
フードを被り騎馬で警戒しながらの移動は大変だが仕方がない。
「ヴィクター。絶対に邪魔はするなよ?わかったな」
「…………かしこまりました」
「最短距離を駆け抜ける!剣はいつでも抜けるようにし、警戒を怠るな!幸いここからは騎馬で飛ばせば夜までには領の屋敷に辿り着ける!行くぞ!」
まあ相当飛ばさないとダメだが、メンバーは訓練された護衛騎士達と、乗馬が得意な殿下と側近のリック、そして俺だ。
足手まといはヴィクターしかいないから最悪途中の街に置いていこう。
なんだか知らないが昨夜リックから殴られたようだし、これ以上一緒に行動することに不安しか覚えない。
リックは真面目な性格だし、余程でない限り手なんて出したりはしない。
そんな彼が怒るようなことをしたならヴィクターの主人である俺が謝るべきだろうと今朝謝罪したら『あれは絶対にヴィクター殿の独断だと思うので貴方に謝っていただく必要はありません。ただ、次はないとだけ言っておきます』と冷たく言われた。
皇太子に何かやらかしたなら厄介だ。
ヴィクター本人は黙秘してるし、一先ず帰ったら父に相談して減給にしてもらおう。
そうして馬を飛ばしに飛ばし街道を駆け抜け、途中でへばったヴィクターを予定通り街で置き去りにし、残りのメンバーで夜、無事に領地の屋敷へと辿り着いた。
当然だが慌てたように父が飛んできて、『ディオン?!殿下まで?!』と驚かれ、今日は仕方がないが危険だから明日早く王都に帰った方がいいと言ってこられた。
「ウィルラン辺境伯。気持ちはわかるが、ここで帰ったら何のためにここまで来たのかわからない。父はきっとこういった時の対処法も学んで来いと言ってくれるはずだ。どうか滞在を許してほしい」
決して事態を甘く見たわけではなく、だからこそここに居たいのだと皇太子が父へと訴え頭を下げる。
流石にここまでされれば父も否とは言えなかった。
「わかりました。ですが、いざという時は護衛を連れて必ず逃げるとお約束下さい。でなければこの話はお受けできません」
「わかった。その時は逃げると誓おう」
そして無事に皇太子の滞在は決まった。
元々今回の件が出てくる前にある程度受け入れ準備は整えられていたようで、すぐさま護衛の騎士達含め皇太子一行の部屋割りは行われ、夜食も用意してもらえることに。
使用人の皆には寝ていたところを叩き起こすような真似をしてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
でも────。
「ラスター!」
会いたかったラスターも起きてきてくれて、柔らかく微笑みながら『おかえりなさい』と言ってくれたから、それだけで無理を押してでも馬を走らせてよかったと思えた。
「ただいま。ラスター」
ギュッと腕の中へと閉じ込めて、その温もりを堪能する。
(ああ…幸せだ)
そう思っていたら、何故か母に引き離された。
「ディオン!砂ぼこりで汚れているのにラスターに抱き着くなんて、いけません!全く。本当にゴメンなさいね、ラスター。こんな息子で」
「いいえ。きっと俺が何も言わずにこっちへ来てしまったので心配してくださったんだと思います」
「あら、そうなの?意外だわ。ラスターならちゃんと言ってから帰ってきそうなものなのに」
「はい。本当はディオン様が帰ってきてから許可を得て翌朝に出発しようと思ってたんですが、そこで引き留めに合ったら帰れなくなるしすぐに出発した方がいいとヴィクターさんが言うのでそれならと…」
(ヴィクター!!)
思いがけないラスターの言葉に怒りが爆発するかと思った。
あのクソ野郎と罵らなかった自分をほめてやりたい。
こっちに戻ってきたら取り敢えずまず殴ろう。
「取り敢えずディオン様。眠いかもしれませんが湯を浴びて身を清めてから休んでくださいね?」
「あ、それはもちろん」
そこはわかっているから素直に返事をする。
でもここで母が余計なことを言い出した。
「それならラスターも一緒に湯を浴びてきたら?汚れちゃったでしょう?」
「大丈夫ですよ?」
「いいから遠慮せず行ってらっしゃい。この子がお風呂でウトウトして溺れないか見ていてもらえたら嬉しいわ」
「なっ?!」
「そういうことなら」
驚く俺とは逆に素直に頷くラスター。
これはアリなのか?!
(いや。嬉しい。嬉しいけど…っ)
「ディオン様?脱がないんですか?」
俺の部屋にある湯殿でスルスルと服を脱いでいくラスターに、意識しているのは自分だけなんだと認識させられて凄く複雑な心境になった。
暫く会わない間にまた距離が開いたんじゃないだろうか?
(く、悔しい…)
でもそのほっそりとした裸体はちゃんと鍛えられていて引き締まっているし、どこもかしこも綺麗で輝いて見える。
(夢に見そうだ)
「お背中流しますね」
ああ、なんて罪作りな俺のツガイ。
頼むから他の男にはこんな事、絶対にしないでほしい。
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