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第三章 コーリック王国編(只今恋愛堪能中)
65.メイビスがいつ俺を好きになってくれたのかを知った俺
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「…………その男がお前がこの間惚気ていたフォルクナーの王子か?」
ディスペルで少し冷静になったのか、リュクスがメイビスを見てそんなことを言ってくる。
え?何?惚気た覚えなんてないんだけど?メイビスがびっくりしてるからやめて欲しい。
「お前が惚れた相手の顔を一度くらい見ておこうと来てみたが、お前…これはいくら何でも勘違いにもほどがあるだろう?」
「何が?」
「こんな引く手数多なイケメンがまずお前に惚れるはずがない。お前は母親に似てロマンチストだと聞いたことがあるが、いくらなんでも無謀だ。さっさと諦めて他に目を向けろ」
いくらなんでも冷静に分析しすぎじゃないか?酷すぎる…。
それに俺の片思いみたいに言わないでくれるか?逆だから!俺から告白したわけじゃないから!
「それに見たところ清廉潔白なタイプだ。お前の悪巧みに巻き込むのはやめておけ。迷惑甚だしいぞ」
「だからそれは勝手な思い込みだって言ってるだろ?!メイビスと俺は…!」
なんだか段々居た堪れなくなってきたから反論しようと思ったところで、隣からキュッと抱き寄せられてニコッと笑われた。
「俺とルマンドは正真正銘恋人同士だからそんなに心配してもらわなくても大丈夫だ」
(恋人同士…!!)
人前で改めてメイビスからそんな風に言われると物凄く恥ずかしい。
ほら!みんな驚いてるじゃないか!
でもリュクスはどうにも信じられないみたいで、演技だと決めつけているようだ。
「ルマンドの妄言に無理に付き合う必要はないと思うが?」
「妄言じゃない。本気で付き合っているから」
ニコッとリュクスにまで惜しみない笑みを向けるメイビスにその場の空気が弛緩する。
笑顔だけで場を和ませられるのはメイビスの特技だったりするのだろうか?
(癒し系万歳!)
「……そんなに言うならキスの一つでもして見せろ。でなければとてもじゃないが信じられない」
「ふふっ。すまないがそれは二人きりの時だけだと二人の間で決めているから」
そして俺に向けてどこか甘く微笑みかけられた。
確かに元々そう言ってたし間違ってないから俺は素直に頷くけど、リュクスからしたらただの逃げ口上に思えたみたいだった。
「なら信じられないな。そもそも無理がありすぎる」
「信じてもらえなくても構わないけど、俺がルマンドに惚れているのは本当だから。ワイバーンをあっという間に倒す姿に一目惚れしたんだ」
「ワ、ワイバーンだと?!」
「そう。凄くかっこよくて、あんなに目を奪われたことなんてこれまでなかったから衝撃的だった」
その時を思い出すようにうっとりとした顔で言うものだから、流石にリュクスも絶句していた。
これはどう見ても疑いようもないほど俺に惚れてるって顔だよな。
ワイバーンってそれだけ強いもんな。普通ソロで倒せるなんて考えないし。
でもそうか…あの時の俺を好きになってくれたんだ…そうか。ふぅん…。
メイビスが一体いつ俺を好きになってくれたのかわかってなかったけど、あれがそうだったのかとちょっと嬉しくなった。
俺も男だから、可愛いとかそういう点で惚れられるよりもカッコいいという点で惚れられた方が当然嬉しいに決まってる。
だからそれを聞いて更にメイビスへの好感度が上がってしまった。
「……俺、メイビスのそういうとこ好きだな」
だからついポロッと言っちゃったんだよな。
別に他意はない。
でもそれを聞いたメイビスが嬉しそうにするからちょっと照れる。
イケメンの嬉しそうな笑顔って反則級に眩しいよな。
そんな俺達がリュクスの目に何故かイチャイチャしているように見えたらしく、思い切り不満げにしながら舌打ちされてしまう。
「……まさかルマンド様がいつの間にかこんなに落とされているなんて」
そして愕然としながら小声でぽつりとそう言ったのは後ろに控えていたケインだ。
なんでそんな衝撃を受けた様な顔してるんだろう?
落とされてるってなんだ?よくわからないんだけど。
「取り敢えずこの後ルマンドはフォルクナーに引き取るから、言いたいことがあるなら今全部言っておいてくれるかな?」
そしてメイビスはこのタイミングで最大の爆弾を落とし、リュクスへと笑いかけた。
「なっ…?!」
「フォルクナーに遊学に来るという話を聞いていないか?」
「……聞いてはいる」
「そうか。待ちきれないから今回こうして迎えに来たんだ。だからこのまま連れて行くから」
「そ、そんな事ができるものか!」
「できるよ。もう陛下にもご挨拶して認めてもらっている」
「み…見せかけではなく本気で王子妃に迎える気か?」
「それはルマンド次第だけど、こちらは当然そのつもりだ」
なんだか珍しくメイビスが挑発的?
「だから…ルマンドを俺にくれないか?」
何故そのセリフ?!意味が分からないんだけど?!
「……ルマンドは俺の弟だ」
「ああ」
「そしてライバルなんだ」
「うん」
「誰が……やるか!!」
(なんでそんなにメイビスに敵意むき出しになった?!俺のこと嫌ってたんじゃないのか?!)
メイビスもおかしそうに笑ってるし、本当によくわからない。
これじゃあリュクスがブラコンみたいじゃないか!
それなのに見守っていた面々は何故か皆複雑そうな顔をリュクスへと向けている。
これは一体どういう事なんだろう?
「悪いけどルマンドを守れないような相手の元に置いておく気はない。だから真実を見抜く目を養って取り戻しに来るといい。俺が認めるほど成長できたなら…戻すのも吝かではないから」
とても真摯な目でメイビスがひたとリュクスを見つめ、まるで試すかのように言葉を紡ぐ。
それを受けてリュクスはまるで衝撃を受けたかのようにビクッと身を震わせたかと思うと、その言葉一つ一つを噛みしめるかのように眉間に皺をよせ俯いてしまった。
「じゃあもうそろそろいいかな?」
にこやかに退室を促され、リュクスがゆっくりと顔を上げ立ち上がる。
その顔には何故か以前のような王太子然とした態度が戻っているような気がした。
「少しやる事ができた……ルマンドを頼む」
そこからはもうこちらを振り返ることもなく、リュクスは毅然としながら部屋から退室していく。
その姿にただただコーリック側は驚くだけだったが、メイビスはそっと満足げに微笑みを浮かべたのだった。
******************
※メイビスとリュクスのやり取りについての裏のあれこれは次回王太子目線で判明しますが、興味のない方はスルーでお願いします。(あんまり上手く書けなかったから伝わるかがちょっと心配なのです)
ディスペルで少し冷静になったのか、リュクスがメイビスを見てそんなことを言ってくる。
え?何?惚気た覚えなんてないんだけど?メイビスがびっくりしてるからやめて欲しい。
「お前が惚れた相手の顔を一度くらい見ておこうと来てみたが、お前…これはいくら何でも勘違いにもほどがあるだろう?」
「何が?」
「こんな引く手数多なイケメンがまずお前に惚れるはずがない。お前は母親に似てロマンチストだと聞いたことがあるが、いくらなんでも無謀だ。さっさと諦めて他に目を向けろ」
いくらなんでも冷静に分析しすぎじゃないか?酷すぎる…。
それに俺の片思いみたいに言わないでくれるか?逆だから!俺から告白したわけじゃないから!
「それに見たところ清廉潔白なタイプだ。お前の悪巧みに巻き込むのはやめておけ。迷惑甚だしいぞ」
「だからそれは勝手な思い込みだって言ってるだろ?!メイビスと俺は…!」
なんだか段々居た堪れなくなってきたから反論しようと思ったところで、隣からキュッと抱き寄せられてニコッと笑われた。
「俺とルマンドは正真正銘恋人同士だからそんなに心配してもらわなくても大丈夫だ」
(恋人同士…!!)
人前で改めてメイビスからそんな風に言われると物凄く恥ずかしい。
ほら!みんな驚いてるじゃないか!
でもリュクスはどうにも信じられないみたいで、演技だと決めつけているようだ。
「ルマンドの妄言に無理に付き合う必要はないと思うが?」
「妄言じゃない。本気で付き合っているから」
ニコッとリュクスにまで惜しみない笑みを向けるメイビスにその場の空気が弛緩する。
笑顔だけで場を和ませられるのはメイビスの特技だったりするのだろうか?
(癒し系万歳!)
「……そんなに言うならキスの一つでもして見せろ。でなければとてもじゃないが信じられない」
「ふふっ。すまないがそれは二人きりの時だけだと二人の間で決めているから」
そして俺に向けてどこか甘く微笑みかけられた。
確かに元々そう言ってたし間違ってないから俺は素直に頷くけど、リュクスからしたらただの逃げ口上に思えたみたいだった。
「なら信じられないな。そもそも無理がありすぎる」
「信じてもらえなくても構わないけど、俺がルマンドに惚れているのは本当だから。ワイバーンをあっという間に倒す姿に一目惚れしたんだ」
「ワ、ワイバーンだと?!」
「そう。凄くかっこよくて、あんなに目を奪われたことなんてこれまでなかったから衝撃的だった」
その時を思い出すようにうっとりとした顔で言うものだから、流石にリュクスも絶句していた。
これはどう見ても疑いようもないほど俺に惚れてるって顔だよな。
ワイバーンってそれだけ強いもんな。普通ソロで倒せるなんて考えないし。
でもそうか…あの時の俺を好きになってくれたんだ…そうか。ふぅん…。
メイビスが一体いつ俺を好きになってくれたのかわかってなかったけど、あれがそうだったのかとちょっと嬉しくなった。
俺も男だから、可愛いとかそういう点で惚れられるよりもカッコいいという点で惚れられた方が当然嬉しいに決まってる。
だからそれを聞いて更にメイビスへの好感度が上がってしまった。
「……俺、メイビスのそういうとこ好きだな」
だからついポロッと言っちゃったんだよな。
別に他意はない。
でもそれを聞いたメイビスが嬉しそうにするからちょっと照れる。
イケメンの嬉しそうな笑顔って反則級に眩しいよな。
そんな俺達がリュクスの目に何故かイチャイチャしているように見えたらしく、思い切り不満げにしながら舌打ちされてしまう。
「……まさかルマンド様がいつの間にかこんなに落とされているなんて」
そして愕然としながら小声でぽつりとそう言ったのは後ろに控えていたケインだ。
なんでそんな衝撃を受けた様な顔してるんだろう?
落とされてるってなんだ?よくわからないんだけど。
「取り敢えずこの後ルマンドはフォルクナーに引き取るから、言いたいことがあるなら今全部言っておいてくれるかな?」
そしてメイビスはこのタイミングで最大の爆弾を落とし、リュクスへと笑いかけた。
「なっ…?!」
「フォルクナーに遊学に来るという話を聞いていないか?」
「……聞いてはいる」
「そうか。待ちきれないから今回こうして迎えに来たんだ。だからこのまま連れて行くから」
「そ、そんな事ができるものか!」
「できるよ。もう陛下にもご挨拶して認めてもらっている」
「み…見せかけではなく本気で王子妃に迎える気か?」
「それはルマンド次第だけど、こちらは当然そのつもりだ」
なんだか珍しくメイビスが挑発的?
「だから…ルマンドを俺にくれないか?」
何故そのセリフ?!意味が分からないんだけど?!
「……ルマンドは俺の弟だ」
「ああ」
「そしてライバルなんだ」
「うん」
「誰が……やるか!!」
(なんでそんなにメイビスに敵意むき出しになった?!俺のこと嫌ってたんじゃないのか?!)
メイビスもおかしそうに笑ってるし、本当によくわからない。
これじゃあリュクスがブラコンみたいじゃないか!
それなのに見守っていた面々は何故か皆複雑そうな顔をリュクスへと向けている。
これは一体どういう事なんだろう?
「悪いけどルマンドを守れないような相手の元に置いておく気はない。だから真実を見抜く目を養って取り戻しに来るといい。俺が認めるほど成長できたなら…戻すのも吝かではないから」
とても真摯な目でメイビスがひたとリュクスを見つめ、まるで試すかのように言葉を紡ぐ。
それを受けてリュクスはまるで衝撃を受けたかのようにビクッと身を震わせたかと思うと、その言葉一つ一つを噛みしめるかのように眉間に皺をよせ俯いてしまった。
「じゃあもうそろそろいいかな?」
にこやかに退室を促され、リュクスがゆっくりと顔を上げ立ち上がる。
その顔には何故か以前のような王太子然とした態度が戻っているような気がした。
「少しやる事ができた……ルマンドを頼む」
そこからはもうこちらを振り返ることもなく、リュクスは毅然としながら部屋から退室していく。
その姿にただただコーリック側は驚くだけだったが、メイビスはそっと満足げに微笑みを浮かべたのだった。
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