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72.治癒
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それから急いでダニエル達の元へ戻って、俺がダニエルの手を握り、ルシアンが俺の両肩に手を置いた。
「父様。これでどうしたらいいですか?」
「そうだな…。二人で『癒しを』と強く願ってみたらどうだ?恐らく助けたい気持ちが強ければ発動する類の力だと思う」
「なるほど」
何せ初めての試みだし、取り敢えずやってみるしかない。
「【癒しを…】」
ルシアンと一緒にそう強く願う。
すると青白い光がいくつかふわりと飛び、それぞれダニエルの傷へと吸い込まれていった。
そして光が消えると同時にダニエルが驚いたように目を見開く。
「……え?」
「ダニエル?」
ダイアンが心配そうに声を掛けるが、ダニエルは『嘘だろ?』と言って傷口があるはずの場所をペタペタと触り始め、痛くないのを確認した後で包帯をほどいた。
「治ってる…」
これには一同驚きに目を瞠る。
「え?え?」
驚くダイアンに『ダイアンにも試させてほしい』と言って再度同じようにしてみると、こちらも綺麗に傷跡一つ残すことなく癒すことができた。
「嘘……」
そんな驚く皆を余所に父が軽く笑いながら『どうやら上手くいったようだな』と安堵の息を吐く。
「これで二人も一緒に帰れるな」
その言葉に嬉しく思うと共に、またルシアンと離れなければならないのだと実感して胸が嫌な音を立てた。
でも父はそんな俺をわかっていたかのように笑みを崩さぬまま言葉を続ける。
「カイ。ルシアンの留学も今月末までで終わりにして戻ってきてもらおう?」
「え?」
「お前の気持ちはよく分かった。だからもう二人を引き離す気はない」
思わず聞き間違いかと思ったけど、それは聞き間違いでも何でもないようで、皆驚いたように父の方を見た。
「一緒に国に帰って、学園で毎日会えばいい」
「父様…本当に?」
「ああ。でももちろん休学している分の勉強は頑張らないとダメだぞ?」
「はい。それはもちろん。でも…」
「学生の本分は勉強だろう?お前のためにもここは私が折れようと思ってな」
「父様……」
「ただし、もう泊まりは禁止だ。肌を重ねなくても絆は深められる。だからそれは結婚まで我慢しなさい」
「あ……」
「その代わり学校がない休日は我が家に呼んで仲良くお茶を楽しんでもいいし、街にデートに出掛けても構わない。羽目を外さなければ一緒に居られる。どうだ?悪い条件ではないだろう?」
確かに以前から比べればかなりの譲歩だと思う。
婚約継続だけではなく、ルシアンにほぼ毎日会える上にデートだってできるのだから破格の条件と言えるだろう。
(嬉しい……)
喧嘩をすることなく父がルシアンとの仲を認め、許してくれた。
それが凄く嬉しくて思わず頬が緩んでしまう。
「父様。ありがとうございます」
だから心の底から感謝してそう言ったのだけど、何故か続く言葉に首を傾げてしまった。
「カイは嬉しそうだが、ルシアン、お前はそうではないようだな?」
(え?)
「……っ。そんなことはないですよ?嬉しいです。ありがとうございます」
驚いてルシアンの方を見ると嬉しそうにニコニコしてるけど、父はどうしてあんなことを言ったんだろう?
「そうか。一瞬睨まれた気がしたがどうやら気のせいだったらしい」
「ええ。カイとの仲を認めていただけて文句なんてあるはずがありません」
「そうだな。まさか駆け落ちしそこなったじゃないかなんて…思っているはずもないな?」
その言葉に一瞬二人の間に火花が散った気がするのは気のせい…だよな?
「そうとなったらすぐに手続きをしなければなりませんね。ちょっと学園に行ってくるので、その間カイザーリードをお願いできますか?」
「いいだろう。行ってくるといい」
「ありがとうございます。じゃあカイ。また後で」
「え、あ、うん。また後で」
ルシアンと離れるのは寂しいけど、すぐに戻ってくるんだし大丈夫だ。
何よりこれからはずっと一緒だし。
父に認められて幸せいっぱいな気持ちで俺はルシアンを送り出した。
***
【Side.ルシアン】
ユージィンがとうとうここまでやってきた。
カイザーリードを迎えに。
二人が感動の再会をしている横で俺は冷静にユージィンの様子を観察する。
今のところ怒っている様子はない。
非常に冷静だ。
きっとこのままでは俺の思うようには事は進まないだろうと思った。
だからなんとか怒らせてでも冷静さを失わせてやらないとと挑発も兼ねて『話がある』というユージィンを俺達が泊っている部屋へと案内してやることに。
それでかなりイラッとはしたようだが、話し始めた内容は思っていたものとは大きく違った。
どうやらユージィンはカイザーリードが魔剣の生まれ変わりだと知っていたらしい。
その上でカイザーリードに記憶はあるかと尋ねた。
カイザーリードは当然隠すことなく『ある』と答える。
もうバレているのなら隠す必要はないと考えたんだろう。
すると予想に反して話は別な方へと進み、意外なカイザーリードの能力が発露した。
(癒しの力…だと?)
寝耳に水もいい話だったが、思い返すと心当たりはなくもなかった。
前世で幾度かユージィンの率いる軍を追い詰めたことがあるが、確かに致命傷を与えたと思った者が奇跡的に何人か助かっていて、その後別の戦場で姿を見ることがあったのだ。
当時は偶々かもしれないと思ったが、なるほどどうしてそういうことだったのかと合点がいった。
どうやらカイザーリードは真実、あの戦場で救世主的役割を担っていたらしい。
戦時下において味方にあってこれほど心強い存在はないだろう。
そしてその後ダニエルとダイアンの傷を治したいというカイザーリードと共に二人の元へと戻り、その力を発揮することに。
(なるほど)
癒しを願うと前世で見たカイザーリードの剣を彷彿とさせる青白い美しい光がふわりと飛び出し、傷口へと吸い込まれるように消えていく。
するとあれほど酷かった傷が跡形もなく消え去っていた。
どうやらこの力は確かにシンクロ率によって変わるらしく、ユージィンは120%だったからオーバー分の20%分だけ回復していたのだろう。
今の俺?当然シンクロ率200%は余裕で超えているから全快だ!
これだけでもうユージィンよりもずっと深く愛されていると実感できるから素晴らしいな。
後はなんとかカイザーリードと駆け落ちできる方向に話を持っていけたら完璧だ。
どうせユージィンは譲歩案を出しつつやんわりと俺達を引き離そうとするだろう。
だからそこを上手く利用して交渉決裂に持ち込みたい。
そう思っていたのに────。
(俺達の仲をあっさり認めるだと?!)
まさかの全面降伏並みの話をし始めたからたまらない。
しかも内容を聞くと俺にとっては一番納得できない中身となっていて、そんな条件を持ち出してきたユージィンに苛立ちが募る。
(愛しのカイザーリードを結婚まで抱くな、だと?!ふざけるな!)
カイザーリードは気づいていなさそうだが、これはつまりそういうことなのだ。
最大限の譲歩を示しつつそこだけは認めないという本気の釘刺し。
毎日会ってもいい。休日も会ってデートしてもいい。
そんな甘い言葉にカイザーリードも従兄妹達も皆良かったという安堵の顔になっているのがまた悔しかった。
これでは誰もがユージィンの言葉に靡くだろう。
その実俺が一番嫌がることをピンポイントで抑えてきたのだ。
まさかここまで的確に肉を切らせて骨を断ってくるとは────。
一瞬素で睨んでしまったのも仕方のないことだろう。
それを目敏く見て皮肉を利かせてくるのがまた腹立たしい。
「カイは嬉しそうだが、ルシアン、お前はそうではないようだな?」
「……っ。そんなことはないですよ?嬉しいです。ありがとうございます」
「そうか。一瞬睨まれた気がしたがどうやら気のせいだったらしい」
「ええ。カイとの仲を認めていただけて文句なんてあるはずがありません」
「そうだな。まさか駆け落ちしそこなったじゃないかなんて…思っているはずもないな?」
(こいつ…っ!絶対にわかってて言っているだろう!)
本当に気に食わない奴だ。
だがここで素を曝け出す気はない。
「そうとなったらすぐに手続きをしなければなりませんね。ちょっと学園に行ってくるので、その間カイザーリードをお任せできますか?」
「いいだろう。行ってくるといい」
「ありがとうございます。じゃあカイ。また後で」
「え、あ、うん。また後で」
この場は穏便に引き、速やかに城に向かおう。
学園についてはレンスニールに任せればいい。
そして俺は怒りを身の内に宿しながら城へと急ぎ向かったのだった。
「父様。これでどうしたらいいですか?」
「そうだな…。二人で『癒しを』と強く願ってみたらどうだ?恐らく助けたい気持ちが強ければ発動する類の力だと思う」
「なるほど」
何せ初めての試みだし、取り敢えずやってみるしかない。
「【癒しを…】」
ルシアンと一緒にそう強く願う。
すると青白い光がいくつかふわりと飛び、それぞれダニエルの傷へと吸い込まれていった。
そして光が消えると同時にダニエルが驚いたように目を見開く。
「……え?」
「ダニエル?」
ダイアンが心配そうに声を掛けるが、ダニエルは『嘘だろ?』と言って傷口があるはずの場所をペタペタと触り始め、痛くないのを確認した後で包帯をほどいた。
「治ってる…」
これには一同驚きに目を瞠る。
「え?え?」
驚くダイアンに『ダイアンにも試させてほしい』と言って再度同じようにしてみると、こちらも綺麗に傷跡一つ残すことなく癒すことができた。
「嘘……」
そんな驚く皆を余所に父が軽く笑いながら『どうやら上手くいったようだな』と安堵の息を吐く。
「これで二人も一緒に帰れるな」
その言葉に嬉しく思うと共に、またルシアンと離れなければならないのだと実感して胸が嫌な音を立てた。
でも父はそんな俺をわかっていたかのように笑みを崩さぬまま言葉を続ける。
「カイ。ルシアンの留学も今月末までで終わりにして戻ってきてもらおう?」
「え?」
「お前の気持ちはよく分かった。だからもう二人を引き離す気はない」
思わず聞き間違いかと思ったけど、それは聞き間違いでも何でもないようで、皆驚いたように父の方を見た。
「一緒に国に帰って、学園で毎日会えばいい」
「父様…本当に?」
「ああ。でももちろん休学している分の勉強は頑張らないとダメだぞ?」
「はい。それはもちろん。でも…」
「学生の本分は勉強だろう?お前のためにもここは私が折れようと思ってな」
「父様……」
「ただし、もう泊まりは禁止だ。肌を重ねなくても絆は深められる。だからそれは結婚まで我慢しなさい」
「あ……」
「その代わり学校がない休日は我が家に呼んで仲良くお茶を楽しんでもいいし、街にデートに出掛けても構わない。羽目を外さなければ一緒に居られる。どうだ?悪い条件ではないだろう?」
確かに以前から比べればかなりの譲歩だと思う。
婚約継続だけではなく、ルシアンにほぼ毎日会える上にデートだってできるのだから破格の条件と言えるだろう。
(嬉しい……)
喧嘩をすることなく父がルシアンとの仲を認め、許してくれた。
それが凄く嬉しくて思わず頬が緩んでしまう。
「父様。ありがとうございます」
だから心の底から感謝してそう言ったのだけど、何故か続く言葉に首を傾げてしまった。
「カイは嬉しそうだが、ルシアン、お前はそうではないようだな?」
(え?)
「……っ。そんなことはないですよ?嬉しいです。ありがとうございます」
驚いてルシアンの方を見ると嬉しそうにニコニコしてるけど、父はどうしてあんなことを言ったんだろう?
「そうか。一瞬睨まれた気がしたがどうやら気のせいだったらしい」
「ええ。カイとの仲を認めていただけて文句なんてあるはずがありません」
「そうだな。まさか駆け落ちしそこなったじゃないかなんて…思っているはずもないな?」
その言葉に一瞬二人の間に火花が散った気がするのは気のせい…だよな?
「そうとなったらすぐに手続きをしなければなりませんね。ちょっと学園に行ってくるので、その間カイザーリードをお願いできますか?」
「いいだろう。行ってくるといい」
「ありがとうございます。じゃあカイ。また後で」
「え、あ、うん。また後で」
ルシアンと離れるのは寂しいけど、すぐに戻ってくるんだし大丈夫だ。
何よりこれからはずっと一緒だし。
父に認められて幸せいっぱいな気持ちで俺はルシアンを送り出した。
***
【Side.ルシアン】
ユージィンがとうとうここまでやってきた。
カイザーリードを迎えに。
二人が感動の再会をしている横で俺は冷静にユージィンの様子を観察する。
今のところ怒っている様子はない。
非常に冷静だ。
きっとこのままでは俺の思うようには事は進まないだろうと思った。
だからなんとか怒らせてでも冷静さを失わせてやらないとと挑発も兼ねて『話がある』というユージィンを俺達が泊っている部屋へと案内してやることに。
それでかなりイラッとはしたようだが、話し始めた内容は思っていたものとは大きく違った。
どうやらユージィンはカイザーリードが魔剣の生まれ変わりだと知っていたらしい。
その上でカイザーリードに記憶はあるかと尋ねた。
カイザーリードは当然隠すことなく『ある』と答える。
もうバレているのなら隠す必要はないと考えたんだろう。
すると予想に反して話は別な方へと進み、意外なカイザーリードの能力が発露した。
(癒しの力…だと?)
寝耳に水もいい話だったが、思い返すと心当たりはなくもなかった。
前世で幾度かユージィンの率いる軍を追い詰めたことがあるが、確かに致命傷を与えたと思った者が奇跡的に何人か助かっていて、その後別の戦場で姿を見ることがあったのだ。
当時は偶々かもしれないと思ったが、なるほどどうしてそういうことだったのかと合点がいった。
どうやらカイザーリードは真実、あの戦場で救世主的役割を担っていたらしい。
戦時下において味方にあってこれほど心強い存在はないだろう。
そしてその後ダニエルとダイアンの傷を治したいというカイザーリードと共に二人の元へと戻り、その力を発揮することに。
(なるほど)
癒しを願うと前世で見たカイザーリードの剣を彷彿とさせる青白い美しい光がふわりと飛び出し、傷口へと吸い込まれるように消えていく。
するとあれほど酷かった傷が跡形もなく消え去っていた。
どうやらこの力は確かにシンクロ率によって変わるらしく、ユージィンは120%だったからオーバー分の20%分だけ回復していたのだろう。
今の俺?当然シンクロ率200%は余裕で超えているから全快だ!
これだけでもうユージィンよりもずっと深く愛されていると実感できるから素晴らしいな。
後はなんとかカイザーリードと駆け落ちできる方向に話を持っていけたら完璧だ。
どうせユージィンは譲歩案を出しつつやんわりと俺達を引き離そうとするだろう。
だからそこを上手く利用して交渉決裂に持ち込みたい。
そう思っていたのに────。
(俺達の仲をあっさり認めるだと?!)
まさかの全面降伏並みの話をし始めたからたまらない。
しかも内容を聞くと俺にとっては一番納得できない中身となっていて、そんな条件を持ち出してきたユージィンに苛立ちが募る。
(愛しのカイザーリードを結婚まで抱くな、だと?!ふざけるな!)
カイザーリードは気づいていなさそうだが、これはつまりそういうことなのだ。
最大限の譲歩を示しつつそこだけは認めないという本気の釘刺し。
毎日会ってもいい。休日も会ってデートしてもいい。
そんな甘い言葉にカイザーリードも従兄妹達も皆良かったという安堵の顔になっているのがまた悔しかった。
これでは誰もがユージィンの言葉に靡くだろう。
その実俺が一番嫌がることをピンポイントで抑えてきたのだ。
まさかここまで的確に肉を切らせて骨を断ってくるとは────。
一瞬素で睨んでしまったのも仕方のないことだろう。
それを目敏く見て皮肉を利かせてくるのがまた腹立たしい。
「カイは嬉しそうだが、ルシアン、お前はそうではないようだな?」
「……っ。そんなことはないですよ?嬉しいです。ありがとうございます」
「そうか。一瞬睨まれた気がしたがどうやら気のせいだったらしい」
「ええ。カイとの仲を認めていただけて文句なんてあるはずがありません」
「そうだな。まさか駆け落ちしそこなったじゃないかなんて…思っているはずもないな?」
(こいつ…っ!絶対にわかってて言っているだろう!)
本当に気に食わない奴だ。
だがここで素を曝け出す気はない。
「そうとなったらすぐに手続きをしなければなりませんね。ちょっと学園に行ってくるので、その間カイザーリードをお任せできますか?」
「いいだろう。行ってくるといい」
「ありがとうございます。じゃあカイ。また後で」
「え、あ、うん。また後で」
この場は穏便に引き、速やかに城に向かおう。
学園についてはレンスニールに任せればいい。
そして俺は怒りを身の内に宿しながら城へと急ぎ向かったのだった。
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