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61.魔剣の力に溺れし者 Side.ルシアン
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魔剣には特殊能力というものがある。
バルトブレイクのような願いを叶える力。
カイザーリードのような好感度によりステータスを異常に向上させる力。
その能力はまさに魔剣によって千差万別。
前世の部下にも魔剣持ちは大勢いた。
ジガールの父であるヴァリトゥードもまたそのうちの一人だ。
奴の家系は代々認識阻害の魔法が得意で、戦場では間諜や斥候などの時に重宝されていた。
危なくなったらすぐさま逃げる。
それは身に付いた特性でもあっただろうし、息子の不始末で俺に殺されるかもしれないと考えれば当然即逃げようとするだろう。
それくらい予想の範囲内ではあったが、まさか息子本人に魔剣で殺されかけるとは考えもしなかった。
戦場を離れ平和に慣れ切り、勘が鈍ったのかもしれない。
カイザーリードには言っていないが、朝着替えを用意するよう指示を出した際に騎士団長の口からヴァリトゥードが息子に刺されて重体だという話は耳にしていた。
そしてその息子が逃亡したということも。
だからどう仕掛けてくるのかと一応警戒だけはしていたのだが、まさかカイザーリードの従兄妹達を攻撃し、それにかこつけてカイザーリードと俺を引き離しに来るとは思っていなかった。
「ルシアン=ジェレアクト」
カイザーリードが宿に走って行った姿を追おうとした俺に鋭い殺気を放ち、短く名を呼んできたジガールの声にピタリと足を止めゆっくりとそちらへと目を向ける。
そこに立つのは血に染まる魔剣を手にしたジガール=ヴァリトゥードの姿。
けれど周囲の誰もが彼の姿を認識するには至らない。
流石ヴァリトゥードの血といったところだ。
その類稀な能力をもっと有効に活用すればいいのに、馬鹿な奴だとため息が出る。
そしてその手にあるのは禍々しく血に濡れた魔剣『テレンスフォース』。
確かあれは所有者の最も強い感情を増幅するという扱いにくい魔剣だったはず。
いつだったか戦場の魔剣持ち達で話が盛り上がった際に魔剣とのシンクロ率の話になったことがある。
その際ヴァリトゥードは笑いながら『私のシンクロ率は30%なんです』と言って周囲を驚かせていた。
『こいつは癖のある魔剣で、シンクロ率を上げ過ぎるとすぐに調子に乗るんですよ。だからこれ以上シンクロ率を上げるのは危険なんです』
どうやら主人を唆したり人格を乗っ取りに来るような珍しいタイプの魔剣のようだった。
使いこなすには強い意思が必要になるから、自分を戒める鍛錬になっていいですよと笑っていたように思う。
一部、単にシンクロ率を上げられないから嘯いてるだけだろうと言っている者もいたが、それは違うと今なら言える。
あの者はたとえシンクロ率が低くとも、あの魔剣を持つに相応しい者だったのだと。
それこそ今の息子の為体を一番悲しんでいることだろう。
今目の前に立つ男は当時のヴァリトゥードに比べ、魔剣に乗っ取られているのではないかと言いたくなるほどその身に禍々しいオーラを纏っていた。
(増幅されたのは俺への憎悪か?)
それとも勝ちたいという欲望か────。
いずれにせよ俺への対抗心からわざわざやってきたに違いない。
その目はギラギラと好戦的に輝き、口元には愉悦が浮かんでいる。
恐らく初めて魔剣の力を得て万能感に酔いしれているのだろう。
何と言うか、愚かな子供だ。
(ヴァリトゥードは子育てを間違えたな)
だがそんな息子に刺されて瀕死の重体になったのだから十分罰は受けたと言っていいだろう。
譫言で俺への謝罪を繰り返しているとも聞いたし、これ以上あいつを責める気はない。
(まあ息子は別だがな)
「…………ジガール。カイザーリードを男達に襲わせたか?」
大人しく吐くだろうかと思いながら静かに問う。
そんな俺にジガールは笑いながらあっさりと告げてきた。
「ハハッ!ああ、そうさ。俺が襲わせた。金を握らせてな」
「……そうか」
「お前の名を呼びながら必死に助けて助けてって外にまで聞こえてくるほど泣き叫んでたらしいぞ?可哀想になぁ。お前なんかのせいで酷い目に合って。ククッ…ハハハハハッ!」
その言葉に俺の理性が一瞬吹っ飛ぶかと思った。
ヒュゴッ!!
「……は?」
ピッと奴の頬を掠るように剣風が斜め上空に駆け上がり、たまたま空を飛んでいたワイバーンに直撃して上空でドガッ!!という凄い音が周囲に響き、なんだと民達が空を見上げたところでその巨体が落下。
城の尖塔に勢いよく突き刺さった。
そこからまた悲鳴が上がり、一体今のは何事だと騒がしくなっていく周囲。
そんな中、俺はひたとジガールを見据え、髪をかき上げながら『戦いたいなら人の来ないところに行くぞ』と言ってやった。
何が起こったのかわからないという顔で呆けたように突っ立っていたジガールだが、どうやら今のは単なるこけおどしと見たらしく、あっさりとその言葉に乗ってくる。
あれで逃げ出さないところが既にダメなのだということにさえ気づいてはいない馬鹿さ加減に、最早溜息しか出てこない。
どうしてこんな奴に俺は出し抜かれ、大事なカイザーリードに心の傷を負わせてしまう羽目になったのか。
そのことが何よりも腹立たしくて仕方がなかった。
カチャリと剣先を向け、俺は奴へと宣告する。
「お前を一撃で楽にしてやる気はない。精々みじめに地を這いずり、泣きながら命乞いをして死んでいけ」
その言葉に力量の差を図ることもできない男が嗤いながら向かってくる。
「その言葉、そっくりお前に返してやる!」
キンキンッ!と剣と剣が交わり、隙を窺い魔法を使ってくるジガール。
確かに以前と比べて遥かに強くなった。
けれど俺を倒せるほどではない。
子供をあしらうように攻撃スタイルを見極め、上手く向こうに優勢だと錯覚させながらどう嬲り尽くしてやるかを考える。
(シンクロ率は85%くらいか)
そう思ったところで雰囲気が変わった。
ガキンッ!!
突然ジガールのシンクロ率が跳ね上がったのだ。
「【強ぇなあ、お前…】」
ニヤリと笑うジガール。
けれどこれは先程まで話していた自分が知る相手とは程遠い相手だった。
「……魔剣に乗っ取られたか」
「【失礼な奴だな。誰も乗っ取ったりしてねえよ。ちょっと面白そうだと思ったから借りただけだ】」
「借りただけ…か。よく言う」
「【ハハハッ!魔剣も持たないくせに粋がりやがってよぉ。強がりはやめたらどうだ?】」
その言葉に思わず笑いが込み上げる。
恐らくこの魔剣は俺の手にある剣だけを見て判断したんだろう。
まあ気持ちはわからなくはない。
一体誰が魔剣本体が人に生まれ変わったせいで別の剣を手にしていると思うだろう?
「【魔剣も持たない弱っちい奴が、この俺様に勝てると思うなよ?】」
自己紹介でもしているのかと思ってしまうこの粋がる魔剣は本当にジガールそっくりだ。
シンクロ率が上がるのもとてもわかる気がした。
似た者同士ぴったり合ったのだろう。
「【さあ遊びの時間は終わりだ】」
そう言いながら鋭い剣戟で攻め始める魔剣。
「【ジワジワ嬲り倒してやる】」
愉悦に歪むその顔に思う。
精々束の間の優越感に浸っていればいい、と。
バルトブレイクのような願いを叶える力。
カイザーリードのような好感度によりステータスを異常に向上させる力。
その能力はまさに魔剣によって千差万別。
前世の部下にも魔剣持ちは大勢いた。
ジガールの父であるヴァリトゥードもまたそのうちの一人だ。
奴の家系は代々認識阻害の魔法が得意で、戦場では間諜や斥候などの時に重宝されていた。
危なくなったらすぐさま逃げる。
それは身に付いた特性でもあっただろうし、息子の不始末で俺に殺されるかもしれないと考えれば当然即逃げようとするだろう。
それくらい予想の範囲内ではあったが、まさか息子本人に魔剣で殺されかけるとは考えもしなかった。
戦場を離れ平和に慣れ切り、勘が鈍ったのかもしれない。
カイザーリードには言っていないが、朝着替えを用意するよう指示を出した際に騎士団長の口からヴァリトゥードが息子に刺されて重体だという話は耳にしていた。
そしてその息子が逃亡したということも。
だからどう仕掛けてくるのかと一応警戒だけはしていたのだが、まさかカイザーリードの従兄妹達を攻撃し、それにかこつけてカイザーリードと俺を引き離しに来るとは思っていなかった。
「ルシアン=ジェレアクト」
カイザーリードが宿に走って行った姿を追おうとした俺に鋭い殺気を放ち、短く名を呼んできたジガールの声にピタリと足を止めゆっくりとそちらへと目を向ける。
そこに立つのは血に染まる魔剣を手にしたジガール=ヴァリトゥードの姿。
けれど周囲の誰もが彼の姿を認識するには至らない。
流石ヴァリトゥードの血といったところだ。
その類稀な能力をもっと有効に活用すればいいのに、馬鹿な奴だとため息が出る。
そしてその手にあるのは禍々しく血に濡れた魔剣『テレンスフォース』。
確かあれは所有者の最も強い感情を増幅するという扱いにくい魔剣だったはず。
いつだったか戦場の魔剣持ち達で話が盛り上がった際に魔剣とのシンクロ率の話になったことがある。
その際ヴァリトゥードは笑いながら『私のシンクロ率は30%なんです』と言って周囲を驚かせていた。
『こいつは癖のある魔剣で、シンクロ率を上げ過ぎるとすぐに調子に乗るんですよ。だからこれ以上シンクロ率を上げるのは危険なんです』
どうやら主人を唆したり人格を乗っ取りに来るような珍しいタイプの魔剣のようだった。
使いこなすには強い意思が必要になるから、自分を戒める鍛錬になっていいですよと笑っていたように思う。
一部、単にシンクロ率を上げられないから嘯いてるだけだろうと言っている者もいたが、それは違うと今なら言える。
あの者はたとえシンクロ率が低くとも、あの魔剣を持つに相応しい者だったのだと。
それこそ今の息子の為体を一番悲しんでいることだろう。
今目の前に立つ男は当時のヴァリトゥードに比べ、魔剣に乗っ取られているのではないかと言いたくなるほどその身に禍々しいオーラを纏っていた。
(増幅されたのは俺への憎悪か?)
それとも勝ちたいという欲望か────。
いずれにせよ俺への対抗心からわざわざやってきたに違いない。
その目はギラギラと好戦的に輝き、口元には愉悦が浮かんでいる。
恐らく初めて魔剣の力を得て万能感に酔いしれているのだろう。
何と言うか、愚かな子供だ。
(ヴァリトゥードは子育てを間違えたな)
だがそんな息子に刺されて瀕死の重体になったのだから十分罰は受けたと言っていいだろう。
譫言で俺への謝罪を繰り返しているとも聞いたし、これ以上あいつを責める気はない。
(まあ息子は別だがな)
「…………ジガール。カイザーリードを男達に襲わせたか?」
大人しく吐くだろうかと思いながら静かに問う。
そんな俺にジガールは笑いながらあっさりと告げてきた。
「ハハッ!ああ、そうさ。俺が襲わせた。金を握らせてな」
「……そうか」
「お前の名を呼びながら必死に助けて助けてって外にまで聞こえてくるほど泣き叫んでたらしいぞ?可哀想になぁ。お前なんかのせいで酷い目に合って。ククッ…ハハハハハッ!」
その言葉に俺の理性が一瞬吹っ飛ぶかと思った。
ヒュゴッ!!
「……は?」
ピッと奴の頬を掠るように剣風が斜め上空に駆け上がり、たまたま空を飛んでいたワイバーンに直撃して上空でドガッ!!という凄い音が周囲に響き、なんだと民達が空を見上げたところでその巨体が落下。
城の尖塔に勢いよく突き刺さった。
そこからまた悲鳴が上がり、一体今のは何事だと騒がしくなっていく周囲。
そんな中、俺はひたとジガールを見据え、髪をかき上げながら『戦いたいなら人の来ないところに行くぞ』と言ってやった。
何が起こったのかわからないという顔で呆けたように突っ立っていたジガールだが、どうやら今のは単なるこけおどしと見たらしく、あっさりとその言葉に乗ってくる。
あれで逃げ出さないところが既にダメなのだということにさえ気づいてはいない馬鹿さ加減に、最早溜息しか出てこない。
どうしてこんな奴に俺は出し抜かれ、大事なカイザーリードに心の傷を負わせてしまう羽目になったのか。
そのことが何よりも腹立たしくて仕方がなかった。
カチャリと剣先を向け、俺は奴へと宣告する。
「お前を一撃で楽にしてやる気はない。精々みじめに地を這いずり、泣きながら命乞いをして死んでいけ」
その言葉に力量の差を図ることもできない男が嗤いながら向かってくる。
「その言葉、そっくりお前に返してやる!」
キンキンッ!と剣と剣が交わり、隙を窺い魔法を使ってくるジガール。
確かに以前と比べて遥かに強くなった。
けれど俺を倒せるほどではない。
子供をあしらうように攻撃スタイルを見極め、上手く向こうに優勢だと錯覚させながらどう嬲り尽くしてやるかを考える。
(シンクロ率は85%くらいか)
そう思ったところで雰囲気が変わった。
ガキンッ!!
突然ジガールのシンクロ率が跳ね上がったのだ。
「【強ぇなあ、お前…】」
ニヤリと笑うジガール。
けれどこれは先程まで話していた自分が知る相手とは程遠い相手だった。
「……魔剣に乗っ取られたか」
「【失礼な奴だな。誰も乗っ取ったりしてねえよ。ちょっと面白そうだと思ったから借りただけだ】」
「借りただけ…か。よく言う」
「【ハハハッ!魔剣も持たないくせに粋がりやがってよぉ。強がりはやめたらどうだ?】」
その言葉に思わず笑いが込み上げる。
恐らくこの魔剣は俺の手にある剣だけを見て判断したんだろう。
まあ気持ちはわからなくはない。
一体誰が魔剣本体が人に生まれ変わったせいで別の剣を手にしていると思うだろう?
「【魔剣も持たない弱っちい奴が、この俺様に勝てると思うなよ?】」
自己紹介でもしているのかと思ってしまうこの粋がる魔剣は本当にジガールそっくりだ。
シンクロ率が上がるのもとてもわかる気がした。
似た者同士ぴったり合ったのだろう。
「【さあ遊びの時間は終わりだ】」
そう言いながら鋭い剣戟で攻め始める魔剣。
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