57 / 81
54.※可愛い魔剣 Side.ルシアン
しおりを挟む
すっかり弱り切ったカイザーリードを目にして、追い詰めないように、殊更優しく声を掛ける。
話せる範囲で話してもらえればいい。
無理に話さなくてもいい。
そう思いながら離れていた間の事を聞いた。
正直ユージィンと喧嘩になったり、俺が留学してから体調を崩していたなんて思いもしなかったから驚いてしまった。
そこまで想われれば主人として嬉しくはあるが、それ故に後悔も抱いてしまう。
どうしてそんなカイザーリードに気づいてやれなかったのかと。
元主人がいれば大丈夫だろうという甘い考えがどこかに会ったのは確かだが、それは何の言い訳にもならない。
魔剣だった時の話を聞いて俺は知っていたはずだ。
カイザーリードは主人に対して健気に尽くしたがる性格なのだということを。
そんなカイザーリードが俺から無理矢理引き離されて平気なはずなどなかったのだ。
俺に会いたい一心でここまで追い掛けてきてくれたのがその証拠。
挙句に俺のクラスメイトに騙されて酷い目に合わされたのだ。
これは俺にも責任があるだろう。
俺以外に触れられたのが気持ち悪いと泣くカイザーリードにしてやれるのは、怖がらせないために一切触れないか、もしくは逆に嫌な思い出を塗り替えてやるかのどちらかだ。
だから風呂場にいるのをいいことに身体を洗うという名目でその肌へと触れた。
これで気持ち悪いと泣くようなら暫く触れずにいようと心に決めていた。
でも、カイザーリードは俺の手は大丈夫だと言ってくれて、中へも触れさせてくれたのだ。
これなら問題はなさそうだとホッと安堵の息を吐く。
でも心の傷はやはり大きかったようで、魔剣に戻りたいなんて言い出した。
魔剣に戻ったらきっとこんな風に気持ち悪い思いなんかしなくて済んだという結論に至ったんだろう。
でもそれでは俺が困る。
魔剣の能力だけが欲しいのならそれでよしとしたんだろう。
でも俺は魔剣としてのカイザーリードも人としてのカイザーリードもどちらも好きだった。
すっかり虜になっていると言ってもいいくらい独占欲が込み上げてくるくらいだから相当だ。
カイザーリードを襲った連中は取り敢えずさっさと身柄を押さえさせよう。
単純に殺すだけならすぐにでもできるが、俺のカイザーリードを苦しめたのだから、それ以上に苦しめ切ってから殺してやりたいと思った。
絶対に楽には殺してやるものか。
奴らはそれだけのことをしたのだから。
そして俺はなんとかカイザーリードを丸め込んで、宥めることに成功した。
いっぱい抱いて欲しい?三日三晩じゃ足りない?俺に愛されたい?
なんて可愛いことを言ってくるんだろう?
こんなに可愛いカイザーリードを可愛がらないはずがない。
俺は手早くカイザーリードを洗い上げると大事に抱き上げ、湯殿から出てベッドへと向かった。
***
部屋に響くのは愛しいカイザーリードの嬌声だ。
余程飢えていたのか、愛撫もそこそこに『早く挿れて』なんて煽ってくるから、焦らすようにゆっくりゆっくり挿れてやったらそれだけで達してしまった。
最初にあまりイキ過ぎても辛いだろうし、ちゃんと射精管理をしながら愛撫と開発を繰り返し可愛い声で啼かせてやる。
「あっあっ!ルシィ…!」
嬉しそうに俺を受け入れ、蕩ける眼差しで悦びを露わにするカイザーリードに俺の心が震えてしまう。
なんて愛おしいのだろう?
「カイ…沢山感じさせてやる」
そこからは前世で培った手練手管を駆使して、全力で愛することに。
「ひやぁあっ!これ、ダメッ!凄いぃっ!」
下腹部をそっと手で押しながら何度も突きあげ、身悶えさせてやると『こんなの知らない』と感じ過ぎて涙を溢しながら悦ばれた。
まあ知らなかったのは仕方がない。
今初めて教えてやったのだから当然だ。
優しく愛してやりながらも絶え間なく絶頂へと追いやる俺はある意味鬼畜かもしれないが、カイザーリードは俺以外の相手と寝ることもないしきっと一生気づかないだろう。
これが普通。そう思ってもらえればそれでいい。
それにしても好感度が爆上がりで凄いことになっている。
特にステータス上昇率が異常だ。
俺をこんなに強くしてどうするつもりだ?
一人で国を取りにいけるレベルだぞ?
あり得ない。
俺がカイザーリード以外どうでもいいと思っていなかったら大変なことになるところだ。
俺が野心家じゃなくてよかったな?
「お前がステータスを上昇させてくれた分だけ抱き続けてやろうか?」
「やぁあっ!それは死んじゃうっ、から、ダメッ!」
どうやら自分でもそれくらいはわかるらしい。
すっかり涙目だ。
「ぁんっ!ルシィ…!こ、こんなにずっと気持ち良かったら、ふ、二日も持たないぃっ!」
三日三晩じゃ足りないと言ってたのに、どうやら早くもギブアップの様子。
カイザーリードはきっとこんなにずっと感じさせられるなんて思っていなかったんだろう。
可愛い奴だ。
「ああっ、あぅっ、と、とけっ、溶けちゃうぅっ!」
「カイ。わかった。じゃあ今日は手加減してやるから、明日はここを出て家を買いに行こう」
「ふぇっ?!」
「お前と俺だけの家だ。そこで好きなだけ抱き合えばいいしな」
「ルシィ…っ」
「一足早く新婚生活を満喫して、二年後に籍を入れに行こう?」
子ができるわけでもないし、多少順序が変わろうと別に構わないだろう。
どうせ一生手放す気はないのだから。
「アッアッ!う、嬉しいっ…!」
全身で喜びを表すカイザーリードに微笑み、俺は続きとばかりにゆっくりと腰を揺らしていく。
「カイ。他の事なんか考えられないくらい、俺の事だけで頭をいっぱいにして幸せ一色に染めてやる」
「んぁあああっ!」
そして嫌なことなんて思い出せないほど溺れさせ、ゆっくり寝かせてやった。
これで少しは心が軽くなってくれたらいいが…。
話せる範囲で話してもらえればいい。
無理に話さなくてもいい。
そう思いながら離れていた間の事を聞いた。
正直ユージィンと喧嘩になったり、俺が留学してから体調を崩していたなんて思いもしなかったから驚いてしまった。
そこまで想われれば主人として嬉しくはあるが、それ故に後悔も抱いてしまう。
どうしてそんなカイザーリードに気づいてやれなかったのかと。
元主人がいれば大丈夫だろうという甘い考えがどこかに会ったのは確かだが、それは何の言い訳にもならない。
魔剣だった時の話を聞いて俺は知っていたはずだ。
カイザーリードは主人に対して健気に尽くしたがる性格なのだということを。
そんなカイザーリードが俺から無理矢理引き離されて平気なはずなどなかったのだ。
俺に会いたい一心でここまで追い掛けてきてくれたのがその証拠。
挙句に俺のクラスメイトに騙されて酷い目に合わされたのだ。
これは俺にも責任があるだろう。
俺以外に触れられたのが気持ち悪いと泣くカイザーリードにしてやれるのは、怖がらせないために一切触れないか、もしくは逆に嫌な思い出を塗り替えてやるかのどちらかだ。
だから風呂場にいるのをいいことに身体を洗うという名目でその肌へと触れた。
これで気持ち悪いと泣くようなら暫く触れずにいようと心に決めていた。
でも、カイザーリードは俺の手は大丈夫だと言ってくれて、中へも触れさせてくれたのだ。
これなら問題はなさそうだとホッと安堵の息を吐く。
でも心の傷はやはり大きかったようで、魔剣に戻りたいなんて言い出した。
魔剣に戻ったらきっとこんな風に気持ち悪い思いなんかしなくて済んだという結論に至ったんだろう。
でもそれでは俺が困る。
魔剣の能力だけが欲しいのならそれでよしとしたんだろう。
でも俺は魔剣としてのカイザーリードも人としてのカイザーリードもどちらも好きだった。
すっかり虜になっていると言ってもいいくらい独占欲が込み上げてくるくらいだから相当だ。
カイザーリードを襲った連中は取り敢えずさっさと身柄を押さえさせよう。
単純に殺すだけならすぐにでもできるが、俺のカイザーリードを苦しめたのだから、それ以上に苦しめ切ってから殺してやりたいと思った。
絶対に楽には殺してやるものか。
奴らはそれだけのことをしたのだから。
そして俺はなんとかカイザーリードを丸め込んで、宥めることに成功した。
いっぱい抱いて欲しい?三日三晩じゃ足りない?俺に愛されたい?
なんて可愛いことを言ってくるんだろう?
こんなに可愛いカイザーリードを可愛がらないはずがない。
俺は手早くカイザーリードを洗い上げると大事に抱き上げ、湯殿から出てベッドへと向かった。
***
部屋に響くのは愛しいカイザーリードの嬌声だ。
余程飢えていたのか、愛撫もそこそこに『早く挿れて』なんて煽ってくるから、焦らすようにゆっくりゆっくり挿れてやったらそれだけで達してしまった。
最初にあまりイキ過ぎても辛いだろうし、ちゃんと射精管理をしながら愛撫と開発を繰り返し可愛い声で啼かせてやる。
「あっあっ!ルシィ…!」
嬉しそうに俺を受け入れ、蕩ける眼差しで悦びを露わにするカイザーリードに俺の心が震えてしまう。
なんて愛おしいのだろう?
「カイ…沢山感じさせてやる」
そこからは前世で培った手練手管を駆使して、全力で愛することに。
「ひやぁあっ!これ、ダメッ!凄いぃっ!」
下腹部をそっと手で押しながら何度も突きあげ、身悶えさせてやると『こんなの知らない』と感じ過ぎて涙を溢しながら悦ばれた。
まあ知らなかったのは仕方がない。
今初めて教えてやったのだから当然だ。
優しく愛してやりながらも絶え間なく絶頂へと追いやる俺はある意味鬼畜かもしれないが、カイザーリードは俺以外の相手と寝ることもないしきっと一生気づかないだろう。
これが普通。そう思ってもらえればそれでいい。
それにしても好感度が爆上がりで凄いことになっている。
特にステータス上昇率が異常だ。
俺をこんなに強くしてどうするつもりだ?
一人で国を取りにいけるレベルだぞ?
あり得ない。
俺がカイザーリード以外どうでもいいと思っていなかったら大変なことになるところだ。
俺が野心家じゃなくてよかったな?
「お前がステータスを上昇させてくれた分だけ抱き続けてやろうか?」
「やぁあっ!それは死んじゃうっ、から、ダメッ!」
どうやら自分でもそれくらいはわかるらしい。
すっかり涙目だ。
「ぁんっ!ルシィ…!こ、こんなにずっと気持ち良かったら、ふ、二日も持たないぃっ!」
三日三晩じゃ足りないと言ってたのに、どうやら早くもギブアップの様子。
カイザーリードはきっとこんなにずっと感じさせられるなんて思っていなかったんだろう。
可愛い奴だ。
「ああっ、あぅっ、と、とけっ、溶けちゃうぅっ!」
「カイ。わかった。じゃあ今日は手加減してやるから、明日はここを出て家を買いに行こう」
「ふぇっ?!」
「お前と俺だけの家だ。そこで好きなだけ抱き合えばいいしな」
「ルシィ…っ」
「一足早く新婚生活を満喫して、二年後に籍を入れに行こう?」
子ができるわけでもないし、多少順序が変わろうと別に構わないだろう。
どうせ一生手放す気はないのだから。
「アッアッ!う、嬉しいっ…!」
全身で喜びを表すカイザーリードに微笑み、俺は続きとばかりにゆっくりと腰を揺らしていく。
「カイ。他の事なんか考えられないくらい、俺の事だけで頭をいっぱいにして幸せ一色に染めてやる」
「んぁあああっ!」
そして嫌なことなんて思い出せないほど溺れさせ、ゆっくり寝かせてやった。
これで少しは心が軽くなってくれたらいいが…。
20
お気に入りに追加
766
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

耳が聞こえない公爵令息と子爵令息の幸せな結婚
竜鳴躍
BL
マナ=クレイソンは公爵家の末っ子だが、耳が聞こえない。幼い頃、自分に文字を教え、絵の道を開いてくれた、母の友達の子爵令息のことを、ずっと大好きだ。
だが、自分は母親が乱暴されたときに出来た子どもで……。
耳が聞こえない、体も弱い。
そんな僕。
爵位が低いから、結婚を断れないだけなの?
結婚式を前に、マナは疑心暗鬼になっていた。

侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
愛しの妻は黒の魔王!?
ごいち
BL
「グレウスよ、我が弟を妻として娶るがいい」
――ある日、平民出身の近衛騎士グレウスは皇帝に呼び出されて、皇弟オルガを妻とするよう命じられる。
皇弟オルガはゾッとするような美貌の持ち主で、貴族の間では『黒の魔王』と怖れられている人物だ。
身分違いの政略結婚に絶望したグレウスだが、いざ結婚してみるとオルガは見事なデレ寄りのツンデレで、しかもその正体は…。
魔法の国アスファロスで、熊のようなマッチョ騎士とツンデレな『魔王』がイチャイチャしたり無双したりするお話です。
表紙は豚子さん(https://twitter.com/M_buibui)に描いていただきました。ありがとうございます!
11/28番外編2本と、終話『なべて世は事もなし』に挿絵をいただいております! ありがとうございます!
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
婚約破棄された俺の農業異世界生活
深山恐竜
BL
「もう一度婚約してくれ」
冤罪で婚約破棄された俺の中身は、異世界転生した農学専攻の大学生!
庶民になって好きなだけ農業に勤しんでいたら、いつの間にか「畑の賢者」と呼ばれていた。
そこに皇子からの迎えが来て復縁を求められる。
皇子の魔の手から逃げ回ってると、幼馴染みの神官が‥。
(ムーンライトノベルズ様、fujossy様にも掲載中)
(第四回fujossy小説大賞エントリー中)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる