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16.味見 Side.ルシアン
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カイザーリードはどうしてこんなに可愛いんだろう?
警戒しているくせに隙があり過ぎだ。
ベッドで一緒に寝たくないと言い出すのはわかり切っていたが、風呂の方は当然断ってくると思ったのにあっさり頷いてくるから驚きだ。
しかも目を逸らすでもなく俺の身体に見惚れてくるなんて、期待しない方がおかしい。
揶揄ったら揶揄ったで風呂場に駆けて行って滑って転びそうになってるし、微笑ましくてたまらなかった。
身体の洗い方も雑だし、指摘したらしたで素直に教えを乞うてくる。
見た目はどこまでも魅力的で美しく完璧なのに、中身がそれを上回る残念さ。
一言で言えば子供そのもの。
けれどそのギャップにたまらなく魅了されてしまう。
初めて見るカイザーリードの裸体は感嘆もので、いつまででも見つめていたいほどだ。
白く艶めく肌はその髪色を映えさせて色っぽく、その腰のラインもたまらなく蠱惑的に思え、胸の突起は慎ましやかで育ててほしいと言わんばかりに初々しく色づいている。
(抱きたい…)
だからそう思ったのもしょうがないだろう。
湯の中に隠れてカイザーリードの目に映ることはないが、俺のあそこは完勃ちだ。
当然だが欲情した顔を今ここで晒す気はない。
(早く落ち着かせないと)
そうしてカイザーリードに現実を突きつけながら自身の昂ぶりが収まるのを待ち、何食わぬ顔で風呂から上がる。
ベッドの上にはこれまで以上に近しい距離にいるカイザーリードがいて、とてつもなく幸せだ。
今日はまだ初日だから手は出さないが、早く俺のものにしてしまいたい気持ちは募るばかり。
(それにしてもカイザーリードは何も知らなかったな)
先程の会話を思い返すと、どうもカイザーリードは男同士でのやり方を何も知らない様子だった。
そうなると何故共寝を嫌がったんだという話になるが────。
(抜き合いくらいは知っていた、のか?)
もしかしたら前世で抜いてる男達を目にしたことくらいはあったのかもしれない。
戦場とは兎角興奮する場でもある。
天幕の中であのユージィンさえ自慰くらいはしたことだろう。
それを受けて男同士の結婚はそれをしあうんだろうと漠然と考えても然程おかしくはないかもしれない。
(つまり、俺とは抜き合いたくないから同衾を嫌がった、ということか)
それはそれで気に食わない。
(俺を意識しているくせに性的触れ合いを拒絶だと?)
キスでさえ感じているくせに笑わせてくれる。
(今だって身を固くして俺を意識しまくっているのにな?)
これではきっと碌に眠れないだろうに。
(仕方がない。明日は馬車で寝かせてやるか)
そんなことを考えながら俺は即寝た。
思いやりがない?馬鹿を言え。
明日馬車で可愛い寝顔を堪能するためにも俺はしっかり寝ないといけないんだ。
そうして朝を迎え、案の定寝不足気味のカイザーリードと朝食を摂ってから馬車へと連れて行く。
「眠かったら寝ていてもいいからな」
「ん~……」
馬車が出発し然程経たないうちに揺れに眠りを誘われてカイザーリードが眠りに落ちる。
仇敵を前にこんな無防備な姿を晒すなんて、本当に愛らしいと思う。
前世が人ではないからこうなるのだろうか?
「カイ…」
チュッ…チュクッ…。
スヤスヤと眠っているのをいいことにその甘美な唇を好きなだけ味わわせてもらう。
(これだけしても全く起きそうにないな)
試しに服の上から乳首を捏ねても甘い吐息を溢すだけで起きる気配は微塵も見られない。
それをいいことに俺はカイザーリードを膝に乗せ、好きなだけ口づけながらその肌へと手を滑らせ、見えない箇所へと所有の印を残した。
これくらいの味見ならきっと許されるだろうし、そもそもカイザーリードは鈍感だから気づかないだろう。
「ん…は…っ」
「カイ。愛してる」
さて、どのタイミングで食べようか?
やはり別荘に着いた初日が狙い目か?
それなら今夜は尻穴を開発できるよう上手く持ち込まなければならない。
(そう言えば二ノの街には大きな本屋があったな)
あそこに上手くカイザーリードを誘導できないだろうか?
そこでこの行為は特別なものではなく普通だと思い込ませられる本を手に取らせればあるいは────。
そんな計画を立てながら、俺は密やかにその身を味わい続けた。
警戒しているくせに隙があり過ぎだ。
ベッドで一緒に寝たくないと言い出すのはわかり切っていたが、風呂の方は当然断ってくると思ったのにあっさり頷いてくるから驚きだ。
しかも目を逸らすでもなく俺の身体に見惚れてくるなんて、期待しない方がおかしい。
揶揄ったら揶揄ったで風呂場に駆けて行って滑って転びそうになってるし、微笑ましくてたまらなかった。
身体の洗い方も雑だし、指摘したらしたで素直に教えを乞うてくる。
見た目はどこまでも魅力的で美しく完璧なのに、中身がそれを上回る残念さ。
一言で言えば子供そのもの。
けれどそのギャップにたまらなく魅了されてしまう。
初めて見るカイザーリードの裸体は感嘆もので、いつまででも見つめていたいほどだ。
白く艶めく肌はその髪色を映えさせて色っぽく、その腰のラインもたまらなく蠱惑的に思え、胸の突起は慎ましやかで育ててほしいと言わんばかりに初々しく色づいている。
(抱きたい…)
だからそう思ったのもしょうがないだろう。
湯の中に隠れてカイザーリードの目に映ることはないが、俺のあそこは完勃ちだ。
当然だが欲情した顔を今ここで晒す気はない。
(早く落ち着かせないと)
そうしてカイザーリードに現実を突きつけながら自身の昂ぶりが収まるのを待ち、何食わぬ顔で風呂から上がる。
ベッドの上にはこれまで以上に近しい距離にいるカイザーリードがいて、とてつもなく幸せだ。
今日はまだ初日だから手は出さないが、早く俺のものにしてしまいたい気持ちは募るばかり。
(それにしてもカイザーリードは何も知らなかったな)
先程の会話を思い返すと、どうもカイザーリードは男同士でのやり方を何も知らない様子だった。
そうなると何故共寝を嫌がったんだという話になるが────。
(抜き合いくらいは知っていた、のか?)
もしかしたら前世で抜いてる男達を目にしたことくらいはあったのかもしれない。
戦場とは兎角興奮する場でもある。
天幕の中であのユージィンさえ自慰くらいはしたことだろう。
それを受けて男同士の結婚はそれをしあうんだろうと漠然と考えても然程おかしくはないかもしれない。
(つまり、俺とは抜き合いたくないから同衾を嫌がった、ということか)
それはそれで気に食わない。
(俺を意識しているくせに性的触れ合いを拒絶だと?)
キスでさえ感じているくせに笑わせてくれる。
(今だって身を固くして俺を意識しまくっているのにな?)
これではきっと碌に眠れないだろうに。
(仕方がない。明日は馬車で寝かせてやるか)
そんなことを考えながら俺は即寝た。
思いやりがない?馬鹿を言え。
明日馬車で可愛い寝顔を堪能するためにも俺はしっかり寝ないといけないんだ。
そうして朝を迎え、案の定寝不足気味のカイザーリードと朝食を摂ってから馬車へと連れて行く。
「眠かったら寝ていてもいいからな」
「ん~……」
馬車が出発し然程経たないうちに揺れに眠りを誘われてカイザーリードが眠りに落ちる。
仇敵を前にこんな無防備な姿を晒すなんて、本当に愛らしいと思う。
前世が人ではないからこうなるのだろうか?
「カイ…」
チュッ…チュクッ…。
スヤスヤと眠っているのをいいことにその甘美な唇を好きなだけ味わわせてもらう。
(これだけしても全く起きそうにないな)
試しに服の上から乳首を捏ねても甘い吐息を溢すだけで起きる気配は微塵も見られない。
それをいいことに俺はカイザーリードを膝に乗せ、好きなだけ口づけながらその肌へと手を滑らせ、見えない箇所へと所有の印を残した。
これくらいの味見ならきっと許されるだろうし、そもそもカイザーリードは鈍感だから気づかないだろう。
「ん…は…っ」
「カイ。愛してる」
さて、どのタイミングで食べようか?
やはり別荘に着いた初日が狙い目か?
それなら今夜は尻穴を開発できるよう上手く持ち込まなければならない。
(そう言えば二ノの街には大きな本屋があったな)
あそこに上手くカイザーリードを誘導できないだろうか?
そこでこの行為は特別なものではなく普通だと思い込ませられる本を手に取らせればあるいは────。
そんな計画を立てながら、俺は密やかにその身を味わい続けた。
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