【完結】王子の本命~ガヴァム王国の王子達~

オレンジペコ

文字の大きさ
上 下
232 / 234

207.※花嫁の打診⑬ Side.アンヌ

しおりを挟む
ロキ陛下とカリン陛下がミラルカから戻ってきた夜。
思いがけず一緒にお酒を飲む機会に恵まれた。
少しずつこうして一緒の時間を共有し、仲を深めていければという下心はもちろんあった。
だから珍しくロキ陛下から踏み込んだ話題を振られても正直に話したのだ。
すると何故かそのままいい流れになって、あれよあれよとベッドに誘っていただくことができた。

(やったわ!)

やっぱり若いから簡単ねと嬉しくなり、嬉々としてベッドに横になる私。
でもロキ陛下は女性を抱いたことがないらしく、カリン陛下が教えるという形でことが始まってしまった。

(思っていたのと違うわ)

教えるという観点なのだから仕方のないことなんだろう。
カリン陛下がロキ陛下に説明しながら教科書通りにそこを慣らしにかかる。
それは別れた夫を彷彿とさせるもので、正直テンションが下がるものでしかない。

でもその後、ロキ陛下に代わった後は凄かった。
女性のそこを触るのは初めてと聞いたから最初は全く期待していなかったのだけど、ロキ陛下はやっぱりどこまでもテクニシャンで、手探りながらもすぐに私の感じる場所を見つけ出し、こちらの反応を見ながら追い詰め始めたのだ。
そしてその結果、これまで体験したことのない潮吹き体験までさせてくれた。
これには驚きすぎて思わず何が起こったのかわからず惚けてしまったほど。
しかもその後の玩具責めがまた最高に素晴らしかった。
お父様の時と同じく容赦ない責めでとことん感じさせてくれるロキ陛下。
こんなに感じさせてもらえるなんて夢のようだとひたすら与えられる快感に溺れた。

(ああ…なんて素敵なのかしら。これよ、これ!私がずっと求めていたのはこれなのよ!)

そうして最高に気持ちよくしてもらったところでカリン陛下に挿れられて、そのままカリン陛下もロキ陛下に抱かれながら最高の夜は終わりを迎えた。

翌朝起きた時はそれを何度も反芻し、勝手に緩む頬を必死に何度も整えたほど。

(これからはずっとこんな素敵な夜を過ごせるのね)

恋焦がれるなんてこれまでの人生で一度も体験したことがないけれど、私はすっかりロキ陛下のテクニックの虜だった。
今ならロキ陛下にどんな奉仕でもできるだろう。
願わくば間にカリン陛下を挟まず直接抱いていただきたい。
それが無理なら三人の閨で構わないから毎日可愛がって欲しい。

そう願いながらお誘いするものの、肝心のロキ陛下は非常につれなかった。
どう誘っても全くこちらに靡いてはくれない。
だから取り敢えず仲良くなろうと思って、勉強を一緒にと言いながら部屋に踏み込んだのだけど、そこで見たのはリヒターお兄様の腕の中にすっぽり収まるロキ陛下の姿。

(私のロキ陛下が…!)

そう思い、思わずリヒターお兄様を詰ってしまったのが悪かった。
私の声に驚いてやってきたカリン陛下と宰相。

何故かロキ陛下はリヒターお兄様の腕の中は癒しだと口にした。
おかしくないかしら?
普通に考えてあり得ないですわ!

カリン陛下は私に味方してくれたけど、私のことを癒しと言ったせいでロキ陛下から冷たい目で見られて、部屋から追い出されてしまった。
その姿はショックと言わんばかり。
もしかしてリヒターお兄様はカリン陛下よりもロキ陛下の寵愛を受けているのだろうか?
これはマズい。
事情が分からないなりに、困惑を隠せなかった。

その後宰相が応接室へと誘ってくれて事情を説明してくれる。
リヒターお兄様はロキ陛下と体の関係もあって、側室扱いでもおかしくないほどロキ陛下に寵愛されているのだと教えられた。
その証拠に、3Pの閨に呼ばれるのはほぼリヒターお兄様なのだとか。
そんな陰の側妃リヒターお兄様に文句をつけたら、折角の側妃認定も取り消されてもおかしくはないとのこと。
兎に角何が何でも謝って許してもらうよう宰相から忠告を受けてしまう。

(そんなこと…知らなかったわ)

そんな大事なことは早く言ってもらわないとわからないに決まっている。
これじゃあ私よりも権力があるじゃないのと泣きたくなった。
知っていたら味方になってもらえるようにさっさと動いたのに。

(でも…まだ間に合うわ!)

そう思いながら絶大な権力を持つカリン陛下のところに行き、一緒に謝りに行きたいと言ってみることに。
そして快く了承がもらえたので、二人でロキ陛下のところに再度謝りに行ったのだけど、ロキ陛下は一足早く視察に出てしまったらしい。

「逃げられてしまいましたわ」

落ち込む私とカリン陛下。
カリン陛下曰く、こういう時のロキ陛下は相当ご機嫌斜めらしい。
しかも毎回置いていかれるのだとか。
可哀想に。

「ロキに暫く抱いてもらえなくなったらどうしよう…」

(カリン陛下…。普段は毅然となさっているのに、こんな風に弱っている姿を見るとなんだかお仲間意識が高まりますわ)

こんな事を言っては失礼かもしれないけれど、なんだか随分可愛らしい印象を受けた。
きっとカリン陛下のこういう可愛いところがロキ陛下のツボにはまるのだろう。

年下の男性だからか、私はそんな姿を見ても特に情けないとは思わないし、あるのは『気持ちは痛いほどわかる』という共感だった。

「カリン陛下。大丈夫ですわ。ロキ陛下のカリン陛下への愛はそれはもう溢れるほどですもの。謝ればきっとすぐに許していただけますわ」

そう言って励まし、頭を胸に抱き寄せたら素直に甘えてもらえた。

(男の方の癒しって普通こういうものよね。ロキ陛下は違うのかしら?)

まあ拗ねて外出するなんてまだまだ子供な証拠。
手懐けて必ずもう一度最高の夜を過ごしてみせますわ!

そしてロキ陛下の帰りを今か今かと待ち構え、帰ってきたところできっちり謝罪を入れた。
少しでも印象を良くする為にリヒターお兄様にもきちんと謝罪したのに、ロキ陛下の態度はどこまでも冷たかった。
これは信頼を取り戻すのは大変そうだ。
でもめげない。
あの閨のためなら私はなんでもしてみせる!

でも結局、その後どんなに誘っても閨には誘ってくれないロキ陛下。
それどころか当てつけのように私の目の前でリヒターお兄様を閨に呼ぶ始末。

「陛下!3Pの閨には是非私を!」
「嫌」

泣きそうになった。




その後も色んな事が空振りに終わってしまう日々。
正攻法が何一つ通じない上に、これまでの経験も全く生かせない。
『ロキ陛下は子供だ』と思って甘く見ていた自分の認識が完全に間違っていた。
あの方はそんな簡単な人ではなかった。
女の武器も一切通じないし、ロキ陛下の攻略法が見出せなくて『手強すぎる』と地団駄を踏む。
そんな日々は本当に辛くて、何度も涙を飲んだ。
リヒターお兄様はどうやってロキ陛下の信頼を得たのかしら?
私だってあんな風にロキ陛下との関係を築きたいのに!

それが兎に角悔しくて、少しでも気に入ってもらえるように私も剣を持ってみることに。
いざとなったら護衛にもなれる側妃。
ロキ陛下の傍に居る口実にもなるし、我ながら名案だと思う。
周囲は男性ばかりだから、より目立っていい感じになるはず。
剣の型などの基本は、聞けばカリン陛下が丁寧に教えてくれました。

(私の本気を見せつけて、陛下に『見直した』と言わせてみせますわ!)

どうせ時間はいくらでもあるしと朝晩必死に特訓して、着々と剣技を身に着けていく私。
ついでに体力作りにジョギングも始めてみました。
ダイエットも狙えて一石二鳥です。

そうこうしているうちにカリン陛下だけではなく、リヒターお兄様にも同情していただけたようで、二人の説得で再度ロキ陛下から閨に呼んでいただけました。

(やりましたわ!)

私の粘り勝ちです。
なのにそれを嘲笑うかのように、ロキ陛下はドSを発揮して『気分が乗れば混ぜてあげるので、そこで見ていてくださいね?』と言い、私の前でカリン陛下をグチャグチャに抱きました。
優しいのは言葉だけで、やることが酷いですわ!
見ているだけだなんて私には拷問もいいところです!

目の前でよがり狂うカリン陛下。
ロキ陛下の立派なモノを挿れてもらってとっても気持ち良さそう。
しかも玩具でも同時に可愛いがってもらっています。
正直羨ましすぎてたまりませんでした。

ロキ陛下には見ているだけで濡れてしまったのがバレバレだったらしく、ドSな笑顔で私にカリン陛下に跨るよう言ってきます。
なんて無慈悲な!
私はロキ陛下に可愛がって欲しかったのに!

思わず『私もロキ陛下に可愛がられたいです!ご慈悲を!』と半泣きで叫んでしまいました。
すると『兄上に目移りしないところだけは好意的に思えるな』と言って、少しだけ可愛がってもらえましたわ。

なんでしょう?この歪みっぷり。
妙にクセになるのですが…。

その後カリン陛下の上に結果的に跨りましたが、やっぱり私はロキ陛下の方が好きです。
カリン陛下は妃友達であり同志です。
やっぱりテクニシャン万歳!な自分は変えられません。

とは言えそれからもちっとも振り向いてはくれないロキ陛下。
あまりにも悔しいので昼間の令嬢達との茶会でついついロキ陛下について熱く語ってしまいました。
ついでに陛下のイメージアップに貢献したら、少しは私の方に目を向けてくれるようになるでしょうか?

最初は割と多かったロキ陛下を軽視する方々も、回を重ねるごとに私の話に段々と興味津々になってこられて、今ではロキ陛下を軽視する方は一人もおりません。
寧ろお話してみたいという好意的に思ってくださる方も多々出てきたほどです。
ふふふ。私のプレゼン力は素晴らしいのだと、お二方に見せつけて差し上げますわ。

結果的にそれが功を奏し、カリン陛下が自分も私に負けないように頑張るぞとあれこれ改革に取り組み始め、そんなカリン陛下を見たロキ陛下が『兄上カッコいい!』とお喜びになり、おこぼれがやってきました。
やっぱり大きいことをする方が目立つのかしら?
今度はカリン陛下のお仕事のお手伝いを積極的にやってみよう。

(何でも挑戦ですわ!)

それにしてもロキ陛下は本当にぶれない方ですね。
どこまでもカリン陛下中心なところは尊敬してしまいます。
ある意味この二人の間に割りこめたリヒターお兄様は凄いと思います。

そして三度目にしてやっと大満足な閨を迎えることができ、子も授かることができました。
残念ながら私を抱いたのはロキ陛下にアドバイスをもらったカリン陛下でしたが、その前に玩具でも可愛がっていただけましたし、ロキ陛下のアドバイスは物凄く的確で、とても気持ちよくしていただくことができました。

無事に子を孕み、ロキ陛下的にこれで私からのアプローチがやむとホッとされたようですが、そうは問屋が卸しません。
産後に可愛がっていただくためにも、しっかり自己アピールしないと!
カリン陛下には勝てなくても、リヒターお兄様には勝ってみせます!

そして月が満ち子が産まれたのですが、なんと生まれてきたのは男女の双子でした。
男の子は…ヒューガー家の血でしょうか?ちょっとリヒターお兄様に似ている気がします。
女の子はカリン陛下にそっくりですわね。
私に似てくれても良かったのに…。
凛々しい美人顔だからまあ良いでしょう。
ロキ陛下もカリン陛下もどこかホッとした様子。
可愛がっていただけるといいのですけれど。

さあ、これでお役目は果たしましたわ。
これから私のめくるめくハッピーなセックスライフが────と思っていたら。
え?城を出て、用意しておいた屋敷で好きに暮らせ?
契約書にもそう書いてあった?

「お断りですわ!」

本当にこの契約書は腹立たしいですわね。
ドS!ドSロキ陛下!
でもそこが好きです。
この一年半ほど陛下のお傍に居て、すっかりハマってしまいました。

カリン陛下一筋でちっとも振り向いていただけませんが、あまりにもあっさり関係を切られそうになって悔しいので、カリン陛下の仕事を引き続き手伝いつつ相談役の座もゲットです。
ただの側妃ならお役御免とばかりに城から追い出されるかもしれませんが、ここまでしたら追い出されることはないでしょう。

そして婚姻契約書を念入りに読み込み、契約違反にならないように用意された屋敷には一応行ってきましたわ。
その上で契約書を逆手にとって、その屋敷を別荘登録して城に舞い戻りました。
戻ってくるなとは書かれてなかったですし、問題はないはず。
周囲には可愛い子供たちの傍に居たいから戻ってきたとアピールすれば完璧です。
外堀はきっちり埋めました。

周囲は頑張る私の味方ですし、カリン陛下の仕事のお手伝いを通じてロキ陛下のお側に侍り、再アタック!
私の執念を見せつけて差し上げます。

「ロキ陛下。私は陛下のお役にも立てますわ!カリン陛下の相談役でもありますしね!お傍に置いて損はありませんわ!だからたまには閨に呼んでくださいませ!」
「兄上…。兄上にも良い相談役ができて良かったですね。彼女ならいくらでも聞いてくれそうですよ?」
「いや、その前にアンヌの言葉はスルーか?!お前の妃だぞ?!もっと気にかけてやれ!」
「俺が抱くのは兄上だけなので、俺の妃は兄上だけですよ?」
「え?あれ?」
「ふふっ。ちなみにアンヌは俺の中でリヒターやカークより立場は下ですから、あしからず」

どうやらロキ陛下の中で私は全く認められていないようです。酷い!
でも書類上はちゃんと側妃ですから!
うぅ…な、泣いてなんていませんわ。
ドS万歳!(最早やけくそ)

いつまで経ってもカリン陛下しか見ていないロキ陛下の心をいつか掴んで、次の子はロキ陛下の子を産めたらいいなと夢想する私です。




それから数年後────。

「在位10周年パーティーも終わったことだし、引継ぎが終わったら退位してフォルティエンヌに移住するからその心積もりで」

笑顔で退位を宣言なさったロキ陛下。
カリン陛下とリヒターお兄様とカーライルと四人でフォルティエンヌに移住ですって?!

繋ぎの王は側妃の私?!
そんな話、聞いていません!
ここ数ヶ月仕事を一緒にと誘ってくださっていたのは…ま、まさか。
ぬか喜びさせるなんてあんまりです!
やっと少しは心を開いてくださったのかと喜んでいたのに!
ロキ陛下のドS!
退位なんて絶対許しませんわ────!!

当然のように全員で引き留めます。
せめて子が成人するまで逃がしません!

すぐに無茶を言ったり逃げ出そうとするロキ陛下。
無理矢理理由をつけないとちっとも私を可愛がってくださらないロキ陛下。
私そっちのけで子供達と仲良しなロキ陛下。
子育てアドバイザーと称して呼び寄せた従姉妹のエメラルダと話す時、私には絶対に向けてくださらない温かな笑みで楽しそうに話すロキ陛下。
いつまで経っても私を身内認定してくださらないロキ陛下。
そんな貴方をどうしても嫌いになれません。

私やこの城の者達だけでなく、今では国民皆が貴方を大切に思い、敬愛しております。
どうかそのまま王として君臨し、ガヴァムを良き方向へとお導きください。

側妃より、永遠の愛を捧げます。

ということで、

「退位後は絶対私もフォルティエンヌに連れて行ってくださいませ!!」(号泣)

これからもずっと私の受難は続く。


Fin.


****************

※ここまでお付き合いいただいた皆様、本当にありがとうございました(^^)
アンヌ視点で終わるのもあれなので、御礼閑話を一話書かせていただきました。

そちらで一応本当に【完結】とさせていただこうと思いますので、よろしくお願いします。


しおりを挟む
感想 234

あなたにおすすめの小説

さよならの合図は、

15
BL
君の声。

泣くなといい聞かせて

mahiro
BL
付き合っている人と今日別れようと思っている。 それがきっとお前のためだと信じて。 ※完結いたしました。 閲覧、ブックマークを本当にありがとうございました。

王道学園のモブ

四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。 私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。 そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。

陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)

ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。 僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。 隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。 僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。 でも、実はこれには訳がある。 知らないのは、アイルだけ………。 さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪

侯爵令息セドリックの憂鬱な日

めちゅう
BL
 第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける——— ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【完結】選ばれない僕の生きる道

谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。 選ばれない僕が幸せを選ぶ話。 ※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです ※設定は独自のものです

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

処理中です...