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194.毒への誘い⑱ Side.ロキ&カリン
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その翌日のこと。
シャイナーだけではなくスパイとしてメルケの王宮に入り込んでいた者から同様の報告が入ってきた。
なんでもユーツヴァルトが自害したらしいとのこと。
「……すごく嘘臭いですね」
「そうだな」
あれだけ俺に執着していた相手が自害などするだろうか?
アンシャンテから逃亡したことを考えるに、まずありえないように思う。
メルケの王宮から逃げたと聞いた方がまだ納得がいく。
「死んだと見せかけて実は生きていたとかそういうことはないか?」
兄もそこが気になるらしい。
けれど、スパイから詳しく話を聞くとその可能性はなさそうだった。
なんでもメルケの王子の前で水を一杯飲んですぐ、眠るように亡くなったらしい。
その際、突然のユーツヴァルトの死に驚き泣きすがる王子の傍にいた者がこう言ったのだとか。
『とても安らかな死に顔ですね。きっと王子に迷惑をかけるのが忍びなくて自ら命を絶ったのでしょう。……彼は貴方に感謝していたと思います。どうか彼の分まで強く生きてください』
それを聞いて王子は号泣したらしいが、気持ちの整理はなんとかつけることができそうだったとのこと。
シャイナーは引き渡し要求を突っぱねられたため、『俺が暗殺者を差し向けようと思っていたのに』と言っていたが、そっちが成功しなくてよかったと思う。
俺のせいでシャイナーが変にメルケの王子から逆恨みされては困る。
「なんだか呆気なかったですね」
もっと困らされるかと思ったのに。
そう思っていたら兄の元に暗部がやってきて、コソコソと何かを囁き去っていった。
それを聞いた兄の顔が蒼白になっている。
何かあったんだろうか?
「兄上。何だったんですか?」
「…………いや。やはりあの男は怖いなと思っただけだ」
「あの男?」
誰のことだろう?
「お前は知らなくていい。そんなことよりセドリック王子とアルフレッドに贈る品は決まったのか?」
唐突にそんなことを聞かれて、そう言えばまだ厳選している途中だったと思い出した。
「一応三つに絞ったんですけど…」
フォルティエンヌのジョン氏とクレメンツの鞭コレクター、サーディ卿の協力の元新たに作ってもらった拷問官用の電流が流れる鞭と、針金のように柔らかく加工したミスリル製の細い芯を中心に入れた頑丈なロープ、オリハルコンの剣専用の訓練用に作らせたアダマンタイト性の盾。
どれも悪くはないけど、決め手に欠ける気がする。
できればもう一押し何かが欲しい。
「兄上はどう思いますか?」
「どうって……そうだな緊縛ロープにも微弱な電流が流れたら気持ちよさそうだなと思うくらいか?特に意見はない」
「…………なるほど。それは美味しいですね。早速裏で作ってもらえないか確認してみます」
兄はなんてドMなんだろう?
流石にそこまでは考えていなかった。
でも確かにミスリルの芯を入れているからやってやれないことはないし、職人に相談してみよう。
きっとすぐにでも作ってもらえるはず。
趣味用には微弱な電流だけ流れるよう作ってもらって、罪人向けにそこそこの電流が流れるように作らせれば使い勝手もよさそうだ。
(セドリック王子も好きそうだし、鞭とセットで贈ろうかな?)
勿論他にも考えるつもりだけど、これはこれで面白がってはくれると思う。
「他にも希望はありませんか?あるなら何でも言ってください。できるだけ要望には応えさせてみせます」
兄が望むなら裏ルートを使っていくらでも新商品を開発してみせよう。
そう思いながら訊いてみる。
「ちょっと待て!別にわざわざ作らなくてもいい!」
「いやですね、兄上。兄上が珍しく希望を言ってくれたんですよ?何が何でも作らせますので、楽しみにしていてくださいね?」
「いやいやいや?!本当にそういう意味で言ったんじゃないんだ!」
「誤魔化さなくてもいいですよ。さて、気分も乗ってきたので何か名案が思い浮かびそうです」
「~~~~っ!!」
そうして兄が恥ずかしがる姿を堪能しつつ、俺は平和な日常へと戻ったのだった。
***
【Side.カリン】
ロキの暴走も食い止め、沢山可愛がってもらった翌日、シャイナーと話した内容の続きがロキへ報告として上がってきた。
それによると、シャイナーや俺の暗部が手を下す前にユーツヴァルトは自害してしまったらしい。
「……すごく嘘臭いですね」
「そうだな」
当然だが容易に信じられるはずがない。
何故ならあの男はロキの死を本当に願っていたからだ。
脱獄したのもそれが原因だと思われる。
なのにこんなに簡単に自害などするはずがない。
絶対に何か裏があるはず。
(メルケのやつらが引き渡し要求を拒否しつつ、厄介事に巻き込まれないよう処分したのか?)
その可能性は高い。
もしくはアンシャンテからの引き渡し要求に対して該当者なしと答えつつ、死亡したと見せかけ上手く隠したか…。
「死んだと見せかけて実は生きていたとかそういうことはないか?」
だからそう言ったのだが、どうやらそれはないようだった。
死んだこと自体は本当らしく、息を引き取った後運び出されていくユーツヴァルトをスパイ自身も目撃したとのこと。
念のため安置された場所に忍び込み脈も取ったが、確実に死んでいたらしい。
別のスパイが目撃したところによると、突然のユーツヴァルトの死に泣きじゃくる王子に側仕えの者がこう言ったらしい。
『とても安らかな死に顔ですね。きっと王子に迷惑をかけるのが忍びなくて自ら命を絶ったのでしょう。……彼は貴方に感謝していたと思います。どうか彼の分まで強く生きてください』
怪しい。
普通もっと焦ったりしないだろうか?
物言いがやけに冷静なのが気になる。
まるでこうなることが分かっていたかのようではないか。
(やはりメルケの中にユーツヴァルトを処分した方がいいと考えた者がいたんだろうな)
それ以外に考えられないと自分なりに納得する。
けれどそのすぐあと、俺がユーツヴァルト暗殺に向かわせた暗部から連絡を受けた別の暗部が俺へと報告を入れてきた。
「カリン様。先程報告がありましたが、ユーツヴァルトはどうやらセドリック王子の手の者により殺された様子」
その言葉にハッとする。
「使われた毒はユーツヴァルト本人が所持していたもので、それを用い自害に見せかけられたようでした」
「…………そうか」
やはりあの男は恐ろしい。
いとも容易く暗殺を実行に移してしまうのだから。
一番自然で、一番誰にも迷惑が掛からない方法を瞬時に考え実行する。
本当に敵に回すと誰よりも恐ろしい男────。
俺やシャイナーとは器が違い過ぎる。
「兄上。何だったんですか?」
こちらの話が気になったのかロキがそんなことを言ってきたが、すべてを語る気はない。
「…………いや。やはりあの男は怖いなと思っただけだ」
「あの男?」
「お前は知らなくていい。そんなことよりセドリック王子とアルフレッドに贈る品は決まったのか?」
どうせ言ってもロキにはあの男の恐ろしさはわかるまい。
ロキの中でのセドリック王子は『話しやすくて親切な人』────それでいい。
話をそらすために敢えて選んだ話題だったが、うっかりセドリック王子のものを選んだのは失敗だったかもしれない。
けれどロキは全くそんな失敗に気付くことなく話を続けてくれる。
「一応三つに絞ったんですけど…」
ロキが言うには、フォルティエンヌのジョン氏とクレメンツの鞭コレクター、サーディ卿の協力の元新たに作ってもらった拷問官用の電流が流れる鞭、針金のように柔らかく加工したミスリル製の細い芯を中心に入れた頑丈なロープ、オリハルコンの剣専用の訓練用に作らせたアダマンタイト性の盾などが候補なんだとか。
どれもマニアック過ぎるが、どうして電流が流れる鞭があるのに縄にはないんだ?
そこは折角芯の部分にミスリルを使っているんだから、そっちにも付与したらいいのにと思ってしまう。
だからつい口が滑ったのかもしれない。
「兄上はどう思いますか?」
「どうって……そうだな緊縛ロープにも微弱な電流が流れたら気持ちよさそうだなと思うくらいか?特に意見はない」
「…………なるほど。それは美味しいですね。早速裏で作ってもらえないか確認してみます」
俺の言葉に目を輝かせたロキを見て、ロープの用途を間違って認識していたのかと焦ってしまう。
(もしかして単純に捕縛用のロープの強度を上げた商品だったのか?!緊縛用の物と勘違いするなんて恥ずかしすぎる!)
「他にも希望はありませんか?あるなら何でも言ってください。できるだけ要望には応えさせてみせます」
「ちょっと待て!別にわざわざ作らなくてもいい!」
「いやですね、兄上。兄上が珍しく希望を言ってくれたんですよ?何が何でも作らせますので、楽しみにしていてくださいね?」
「いやいやいや?!本当にそういう意味で言ったんじゃないんだ!」
思考が勝手にそちら方面に行っていただけで、別に狙ったわけじゃないんだと懸命に弁明するけれど、ロキは全く聞いてくれなくて、嬉しそうにしながら作る気満々で笑っていた。
「誤魔化さなくてもいいですよ。さて、気分も乗ってきたので何か名案が思い浮かびそうです」
「~~~~っ!!」
嬉しそうなロキを見るのは好きだし、またその新しい縄で縛ってもらえるのも楽しみではあるけれど、どんどん抜け出せない沼にはまっていっている気がするのは気のせいだろうか?
そんなことを思いながら、俺は今日も弟に振り回されるのだった。
****************
※これにて毒への誘いは完結です。
お付き合いいただいた皆様、ありがとうございましたm(_ _)m
シャイナーだけではなくスパイとしてメルケの王宮に入り込んでいた者から同様の報告が入ってきた。
なんでもユーツヴァルトが自害したらしいとのこと。
「……すごく嘘臭いですね」
「そうだな」
あれだけ俺に執着していた相手が自害などするだろうか?
アンシャンテから逃亡したことを考えるに、まずありえないように思う。
メルケの王宮から逃げたと聞いた方がまだ納得がいく。
「死んだと見せかけて実は生きていたとかそういうことはないか?」
兄もそこが気になるらしい。
けれど、スパイから詳しく話を聞くとその可能性はなさそうだった。
なんでもメルケの王子の前で水を一杯飲んですぐ、眠るように亡くなったらしい。
その際、突然のユーツヴァルトの死に驚き泣きすがる王子の傍にいた者がこう言ったのだとか。
『とても安らかな死に顔ですね。きっと王子に迷惑をかけるのが忍びなくて自ら命を絶ったのでしょう。……彼は貴方に感謝していたと思います。どうか彼の分まで強く生きてください』
それを聞いて王子は号泣したらしいが、気持ちの整理はなんとかつけることができそうだったとのこと。
シャイナーは引き渡し要求を突っぱねられたため、『俺が暗殺者を差し向けようと思っていたのに』と言っていたが、そっちが成功しなくてよかったと思う。
俺のせいでシャイナーが変にメルケの王子から逆恨みされては困る。
「なんだか呆気なかったですね」
もっと困らされるかと思ったのに。
そう思っていたら兄の元に暗部がやってきて、コソコソと何かを囁き去っていった。
それを聞いた兄の顔が蒼白になっている。
何かあったんだろうか?
「兄上。何だったんですか?」
「…………いや。やはりあの男は怖いなと思っただけだ」
「あの男?」
誰のことだろう?
「お前は知らなくていい。そんなことよりセドリック王子とアルフレッドに贈る品は決まったのか?」
唐突にそんなことを聞かれて、そう言えばまだ厳選している途中だったと思い出した。
「一応三つに絞ったんですけど…」
フォルティエンヌのジョン氏とクレメンツの鞭コレクター、サーディ卿の協力の元新たに作ってもらった拷問官用の電流が流れる鞭と、針金のように柔らかく加工したミスリル製の細い芯を中心に入れた頑丈なロープ、オリハルコンの剣専用の訓練用に作らせたアダマンタイト性の盾。
どれも悪くはないけど、決め手に欠ける気がする。
できればもう一押し何かが欲しい。
「兄上はどう思いますか?」
「どうって……そうだな緊縛ロープにも微弱な電流が流れたら気持ちよさそうだなと思うくらいか?特に意見はない」
「…………なるほど。それは美味しいですね。早速裏で作ってもらえないか確認してみます」
兄はなんてドMなんだろう?
流石にそこまでは考えていなかった。
でも確かにミスリルの芯を入れているからやってやれないことはないし、職人に相談してみよう。
きっとすぐにでも作ってもらえるはず。
趣味用には微弱な電流だけ流れるよう作ってもらって、罪人向けにそこそこの電流が流れるように作らせれば使い勝手もよさそうだ。
(セドリック王子も好きそうだし、鞭とセットで贈ろうかな?)
勿論他にも考えるつもりだけど、これはこれで面白がってはくれると思う。
「他にも希望はありませんか?あるなら何でも言ってください。できるだけ要望には応えさせてみせます」
兄が望むなら裏ルートを使っていくらでも新商品を開発してみせよう。
そう思いながら訊いてみる。
「ちょっと待て!別にわざわざ作らなくてもいい!」
「いやですね、兄上。兄上が珍しく希望を言ってくれたんですよ?何が何でも作らせますので、楽しみにしていてくださいね?」
「いやいやいや?!本当にそういう意味で言ったんじゃないんだ!」
「誤魔化さなくてもいいですよ。さて、気分も乗ってきたので何か名案が思い浮かびそうです」
「~~~~っ!!」
そうして兄が恥ずかしがる姿を堪能しつつ、俺は平和な日常へと戻ったのだった。
***
【Side.カリン】
ロキの暴走も食い止め、沢山可愛がってもらった翌日、シャイナーと話した内容の続きがロキへ報告として上がってきた。
それによると、シャイナーや俺の暗部が手を下す前にユーツヴァルトは自害してしまったらしい。
「……すごく嘘臭いですね」
「そうだな」
当然だが容易に信じられるはずがない。
何故ならあの男はロキの死を本当に願っていたからだ。
脱獄したのもそれが原因だと思われる。
なのにこんなに簡単に自害などするはずがない。
絶対に何か裏があるはず。
(メルケのやつらが引き渡し要求を拒否しつつ、厄介事に巻き込まれないよう処分したのか?)
その可能性は高い。
もしくはアンシャンテからの引き渡し要求に対して該当者なしと答えつつ、死亡したと見せかけ上手く隠したか…。
「死んだと見せかけて実は生きていたとかそういうことはないか?」
だからそう言ったのだが、どうやらそれはないようだった。
死んだこと自体は本当らしく、息を引き取った後運び出されていくユーツヴァルトをスパイ自身も目撃したとのこと。
念のため安置された場所に忍び込み脈も取ったが、確実に死んでいたらしい。
別のスパイが目撃したところによると、突然のユーツヴァルトの死に泣きじゃくる王子に側仕えの者がこう言ったらしい。
『とても安らかな死に顔ですね。きっと王子に迷惑をかけるのが忍びなくて自ら命を絶ったのでしょう。……彼は貴方に感謝していたと思います。どうか彼の分まで強く生きてください』
怪しい。
普通もっと焦ったりしないだろうか?
物言いがやけに冷静なのが気になる。
まるでこうなることが分かっていたかのようではないか。
(やはりメルケの中にユーツヴァルトを処分した方がいいと考えた者がいたんだろうな)
それ以外に考えられないと自分なりに納得する。
けれどそのすぐあと、俺がユーツヴァルト暗殺に向かわせた暗部から連絡を受けた別の暗部が俺へと報告を入れてきた。
「カリン様。先程報告がありましたが、ユーツヴァルトはどうやらセドリック王子の手の者により殺された様子」
その言葉にハッとする。
「使われた毒はユーツヴァルト本人が所持していたもので、それを用い自害に見せかけられたようでした」
「…………そうか」
やはりあの男は恐ろしい。
いとも容易く暗殺を実行に移してしまうのだから。
一番自然で、一番誰にも迷惑が掛からない方法を瞬時に考え実行する。
本当に敵に回すと誰よりも恐ろしい男────。
俺やシャイナーとは器が違い過ぎる。
「兄上。何だったんですか?」
こちらの話が気になったのかロキがそんなことを言ってきたが、すべてを語る気はない。
「…………いや。やはりあの男は怖いなと思っただけだ」
「あの男?」
「お前は知らなくていい。そんなことよりセドリック王子とアルフレッドに贈る品は決まったのか?」
どうせ言ってもロキにはあの男の恐ろしさはわかるまい。
ロキの中でのセドリック王子は『話しやすくて親切な人』────それでいい。
話をそらすために敢えて選んだ話題だったが、うっかりセドリック王子のものを選んだのは失敗だったかもしれない。
けれどロキは全くそんな失敗に気付くことなく話を続けてくれる。
「一応三つに絞ったんですけど…」
ロキが言うには、フォルティエンヌのジョン氏とクレメンツの鞭コレクター、サーディ卿の協力の元新たに作ってもらった拷問官用の電流が流れる鞭、針金のように柔らかく加工したミスリル製の細い芯を中心に入れた頑丈なロープ、オリハルコンの剣専用の訓練用に作らせたアダマンタイト性の盾などが候補なんだとか。
どれもマニアック過ぎるが、どうして電流が流れる鞭があるのに縄にはないんだ?
そこは折角芯の部分にミスリルを使っているんだから、そっちにも付与したらいいのにと思ってしまう。
だからつい口が滑ったのかもしれない。
「兄上はどう思いますか?」
「どうって……そうだな緊縛ロープにも微弱な電流が流れたら気持ちよさそうだなと思うくらいか?特に意見はない」
「…………なるほど。それは美味しいですね。早速裏で作ってもらえないか確認してみます」
俺の言葉に目を輝かせたロキを見て、ロープの用途を間違って認識していたのかと焦ってしまう。
(もしかして単純に捕縛用のロープの強度を上げた商品だったのか?!緊縛用の物と勘違いするなんて恥ずかしすぎる!)
「他にも希望はありませんか?あるなら何でも言ってください。できるだけ要望には応えさせてみせます」
「ちょっと待て!別にわざわざ作らなくてもいい!」
「いやですね、兄上。兄上が珍しく希望を言ってくれたんですよ?何が何でも作らせますので、楽しみにしていてくださいね?」
「いやいやいや?!本当にそういう意味で言ったんじゃないんだ!」
思考が勝手にそちら方面に行っていただけで、別に狙ったわけじゃないんだと懸命に弁明するけれど、ロキは全く聞いてくれなくて、嬉しそうにしながら作る気満々で笑っていた。
「誤魔化さなくてもいいですよ。さて、気分も乗ってきたので何か名案が思い浮かびそうです」
「~~~~っ!!」
嬉しそうなロキを見るのは好きだし、またその新しい縄で縛ってもらえるのも楽しみではあるけれど、どんどん抜け出せない沼にはまっていっている気がするのは気のせいだろうか?
そんなことを思いながら、俺は今日も弟に振り回されるのだった。
****************
※これにて毒への誘いは完結です。
お付き合いいただいた皆様、ありがとうございましたm(_ _)m
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