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167.※ロロイア国へ④ Side.カリン
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※キュリアス王子×カリンのRなので、苦手な方はバック推奨します。
凌辱というより、割とロキの事で頭いっぱいの冷静なカリンなので、読まれる方もそのあたりをご了承の上ご覧ください。
よろしくお願いしますm(_ _)m
****************
(……どうしよう?)
もう逃げられないならある程度我慢して、隙をついて逃げ出そうと思った。
ある意味そのあたりはロキに学んだ点ではある。
キュリアス王子の一件以降、俺は何度かロキに『逃げ方講座』をやろうと言って挑み、悉く返り討ちにあってきた。
『兄上。こうして追い詰められた時は相手を油断させるために一度受け入れたふりをするんですよ?』
甘やかに言い聞かせるように俺に逃げ方を教えてくるロキ。
『お前に教えたいんだが?!』と必死に逃げようとする俺を笑顔で押し倒し襲ってくるロキ。
『必死に逃げようとする兄上は凄く可愛いので、こっちの嗜虐心を煽るだけですよ?ふふっ。俺に激しくされたい時は是非活用してみてください』
確かそんなことを言っていた気がする。
ということは、変に抵抗せず相手の油断を待つのが一番ということに他ならない。
(よしっ!)
俺は気合を入れてキュリアス王子の隙を作ろうと思った。
そして大人しく受け入れることにしたキス…。
(あ~…。これは確かにロキなら俺に試したいと思うだろうな)
確かに上手いとは思う。
でもなんだろう?ちょっと物足りない。
ブルーグレイの拷問官はもっと嬲るようにしてきたものだが、キュリアス王子はそれに比べたら上品だ。
なんだったらロキの方が百倍上手い。
上手く説明できないが、俺の全てをこれから奪うぞ。覚悟はいいか的なキスが多いのだ。
あれはいい。
本当に最高だ。
期待に身体が熱くなって、『ご主人様、早く』と言いたくなるから。
そんな風にロキとのキスを思い出してしまったせいでつい俺の息子が大きくなってしまったのだが、キュリアス王子にそれを思いきり勘違いされて、そこを手でなぞられてしまった。
「クッ…。カリン。キスだけで感じたのか?見た目によらず淫乱だな」
淫乱なのは否定しないが別にお前のキスで感じたわけじゃないと言ってやりたかった。
この状況をロキが舐めるように視姦していたなら話は別だが、単体では全く興奮できない。
俺のM度合いがいつの間にか、かなりヤバくなっている。
いや。元々拷問官に快楽堕ちさせられていたし、俺が気づいていなかっただけか?
ロキが居ない場所で誰かに抱かれる気もなかったし、これまで全く気づく機会がなかった。
(ロキがいないとこんなに違うんだな…)
やっぱり俺にはロキの存在が必要不可欠なようだ。
それにしても、まだ香の影響が抜けそうにない。
どれくらい経ったら機敏に動けるようになるんだろう?
早く動けるようにならないと最後までヤられてしまう。
それから寝衣を全部剝ぎ取られてあちこち愛撫されてしまい、勝手に声が口から飛び出してしまった。
「は…ぁ……」
俺はロキみたいに相手によって感度が変わったりはしないから実質されたい放題だ。
悔しい。
とは言え俺が逃げようとする意思を全く表に出さなかったからか、扱いは丁寧だ。
下手に抵抗していたらきっと力づくで犯されたはず。
すぐにでも突っ込んで大人しくさせてやると思われたかもしれないし、扉の所に控えている、俺を部屋から攫ってきた四人組に俺を組み敷かせた可能性だってあった。
そう考えれば一番ベストな選択が取れたんじゃないかと思う。
(そろそろ動けないか…?)
身体がどれくらい動くようになったのか確かめるためにシーツを握りしめてみる。
先程より少しはマシだが、まだまだ力が思うように入らないし、立てるかどうかも不明だった。
「そろそろ挿れるぞ?カリン」
下卑た笑みを浮かべてそう告げてくるキュリアス王子は悪党そのものだ。
「う…勝手に俺を犯すな。絶対に後悔する羽目になるぞ」
ロキが黙っているとは絶対に思えないし、俺だって回避できるなら回避したかった。
でも香の効果は意外にも長くて、なんとか抵抗しようとしたが、結果的に無駄に終わってしまう。
「ふっ…。香の効果切れを狙っていたようだが、無駄だったな。これの効果時間はざっと2、3時間だ。諦めてただ感じていろ」
そう言いながらゆっくりとキュリアス王子は腰を進めてきた。
「ん…ぁっ!」
大きさで言えば立派なものが、ゆっくりと自分の中へと入りこんでくる。
多分キュリアス王子からしたら自慢のイチモツなんだろう。
凄く自信満々で、どうだ大きいだろうと言わんばかり。
確かに長さも太さも誇るには十分だと思う。
でも俺はロキのせいでこれまで散々色んな男のものを受け入れてきたから、言っては何だが『これくらい何人かいたな』くらいの感覚しかない。
そもそもカリの部分がいただけない。
ロキのあれがやっぱり俺は一番大好きだ。
あれでゴリゴリ責め立てられたい。
もちろん大事なのは大きさや形ではなくテクニックだというのも十二分にわかっているつもりだ。
それでも両方合わせ持ったロキと比べてしまうのは仕方がないと思う。
「すぐに天国を見せてやるからな」
全部中へと収めたキュリアス王子にそう言われながら揺すられたけど、天国ならいつもこれでもかと見てるしなとしか思えなかった。
なんだこの心の余裕は。
本当にロキ様様だ。
そこからは『まあ上手いけど拷問官の責め方の方が上手かったし、ロキの方が断然好みだ』としか思えなかった。
なんと言うのか、キュリアス王子はどこまでも普通の物差し上の上級者なのだ。
感じはするけど最高かと言われれば答えはノーだし、天国なんて到底見れそうにない。
まだリヒターの方がロキの指導を受けてる分俺を気持ちよくさせるのが上手いくらいだ。
いつも俺を天国に連れて行くロキは拷問官の更に上を行く鬼畜攻め。
俺は正直言ってあそこまでされないと満足できないし、物足りないのだと改めて実感してしまう。
「あ、んっ!んぅっ!はぁっ…」
(俺が求めてるのはこうじゃない。やっぱりロキじゃないと満足できない。ロキに抱かれて滅茶苦茶にされたい…)
そう思いながら切ない吐息を吐き出したら、感じ入っていると勘違いされてしまった。
何やらノリノリで言葉責めまでしだしたがロキのものに比べたら全然気持ちが盛り上がらない。
「こんなに悦んで。俺のものが気持ち良すぎて離したくないと言わんばかりだな。好きなだけ味わって、淫らに溺れろ」
う~ん…。やっぱりロキのあの優しくも柔らかな口調で卑猥なことを言いながら容赦なく責め立ててくるギャップがないとダメだ。
全くそそられない。
こんな言葉は聞くだけ無駄だし、右から左で十分だろう。
(さて、どうやって解放してもらおうか?)
リヒター達が無事で、すぐにでも俺が部屋にいないことに気づいてくれればいいが、最悪朝まで気づいてもらえない可能性すらある。
それに、万が一にでも扉前の男たちが参戦してきたら厄介だ。
流石に輪姦は遠慮したいし、ロキに視姦されていたらもうちょっと気持ち的に違っていたかもしれないが、今はさっさと解放されたかった。
(…と言うか、いつ終わる気だ?)
もしかして俺がイくまでイかない気なんだろうか?
「カリン。中が吸い付いてくるようだ。こんなに物欲しげにして…」
「んっ…あ…」
条件反射でいくら声が出ようと満足からは程遠い。
一度快楽堕ちした身はだてじゃなく、どこまでも貪欲だった。
そんな俺にこれは蛇の生殺し状態としか思えない。
いくら上手くとも、ただの気持ちいいセックスだけじゃ俺はダメなんだ。
もうちょっと強い何かしらの刺激が加われば焦らしプレイになるけど、それすらないこの中途半端感に俺はうんざりするばかり。
こんなのではとてもイけそうにない。
どうせ『早く終われ』とこっちが締め上げてやってるのにすら気づいていないんだろう。
自分のテクニックで感じていると悦に入っている気がする。
でもそこでふと、俺が抱く時のロキももしかしてこんな心境だったのかなと思った。
『兄上の抱き方は優しいですよね』
そう言いながら腰を揺らしてすぐに立場を逆転してくるロキ。
それはイコール物足りないという意味だったんじゃ…。
(う~ん…次はもう少し激しくしてみるか)
今度抱く時はもうちょっとロキの表情を観察しながら色々試してみようかという気になった。
もしかしたらロキにも好きな体位とかがあるかもしれないし、好みの強さなんかもあるかもしれない。
リヒターに嫉妬する前にもうちょっと俺も努力してみよう。
(でもロキは受け側でも攻める方が好きだからな…)
それはそれで気持ちいいから大好きだが…。
(そうだ!騎乗位でちょっと激しめに突き上げてみよう)
不意打ちでロキを乱れさせることに成功したら、その後『悪い子ですね』とお仕置きしてもらえるかもしれない。
そうなったら最高だ。
想像するだけで後ろがキュンとなった。
それを受けてまたキュリアス王子がニヤついているが、勘違いも甚だしい。
(はぁ…やっぱりロキと寝たい)
上でも下でもいいから早くロキに抱かれたかった。
あの責め立てが恋し過ぎる。
「ん…ロキ、ロキぃ…」
ロキだったらもっと激しくしてくれる。
ロキだったら前も沢山可愛がってくれて、それだけじゃなく三点責めをしながら卑猥な言葉責めで追い詰めてくれる。
ロキだったら奥まで挿れてこっちが泣いて懇願するほど感じさせてくれるのに。
ねちっこく攻め、いつまで経っても一向にイかせてこない上に自分もイかないキュリアス王子に、うんざり感ばかりが増大していく。
いっそロキのようにこっちから積極的に腰を振ってやった方がいいんだろうか?
でもまだ身体は思うように動かないし、なんで俺がサービスしてやらないといけないんだという気もしたから、その考えはすぐ捨てた。
(この、遅漏!それならそれでもっとロキを見習ってガンガン鬼畜のごとく奥まで攻めろ!)
もしかして結腸責めを知らなかったりするんだろうか?
キュリアス王子が普通の上級者だとしたら十分に考えられる。
セドリック王子なら確実に知ってそうだが、普通の王子は知らない可能性大だ。
「ロキ陛下より気持ちいいか?ククッ。別に好きなだけ乱れてくれてもいいぞ?」
ロキより気持ちいいなんて絶対にあり得ない。
前立腺はそれなりに可愛がってもらえるが、それは嬲るという行為からは程遠かった。
あくまでも『普通』の枠でしかない。
(そこじゃない!この下手くそ!そんなんじゃ全くイケないだろ?!俺が好きな前立腺の責め方はそうじゃない!もっと嬲るようにグリグリしつつ、ついでに時折奥もツンツン焦らすように突かれるのがいいんだ!)
ガツンとこないと全くイけない。
「ほら、ここがいいんだろう?」
(全然違うっ!ロキがよくしてくれる、ご褒美がもらえそうでもらえない、あの焦れったさがいいのにっ!)
思ったような責めがこないこの物足りなさにいい加減嫌気がさして、動けたらすぐにでも形勢逆転してやれるのにと悔しく思った。
「はぁ…気持ちいいな。最高だ」
(勝手に一人で気持ち良くなるな!)
「俺、は、最悪だ…」
「ふん。強がりを。これ以上ないくらい感じているくせに」
「誰がだ!この下手くそが!」
「……は?」
キュリアス王子の独り善がりの言葉に、俺はいい加減我慢の限界を迎えてしまう。
「はっ!そんな腕でロキを抱こうとしてたなんて、いっそ笑えるな」
突然の罵声に驚き動きを止めたキュリアス王子に、俺はこれ幸いと言いたいことを言うことにした。
「お前にロキの相手が務まるはずがない」
「…どう言う意味だ?」
「俺があいつの処女を奪った時、なんて言われたと思う?『え?終わりですか?』だぞ?あいつはああ見えてとことんドSな奴なんだ。こんな下手くそな責め方をしたら心を叩き折られて終わるのが関の山だ」
鼻で笑ってやったらキュリアス王子はちょっと乱暴に俺を揺さぶってきた。
「んぁっ!」
「随分なことを言ってくれるな?」
「はぁ…っ、本当のことを言った、だけだ」
「こんなに感じているくせに強がりを言うな」
「ふん。こんなもの、ロキとの閨と比べたら月とスッポンだ。物足りないにも程がある。お前には俺に天国を見せる腕はない。思い上がるな」
「……っ!お前のその余裕を叩き壊してやる!」
怒り心頭と言った様子のキュリアス王子だが、後どれくらい耐えればいいんだろうと思い切り溜め息をつきたくなった。
けれどそのタイミングで、この悪夢の時間の終わりを告げるべく部屋の扉が勢い良く開かれた。
凌辱というより、割とロキの事で頭いっぱいの冷静なカリンなので、読まれる方もそのあたりをご了承の上ご覧ください。
よろしくお願いしますm(_ _)m
****************
(……どうしよう?)
もう逃げられないならある程度我慢して、隙をついて逃げ出そうと思った。
ある意味そのあたりはロキに学んだ点ではある。
キュリアス王子の一件以降、俺は何度かロキに『逃げ方講座』をやろうと言って挑み、悉く返り討ちにあってきた。
『兄上。こうして追い詰められた時は相手を油断させるために一度受け入れたふりをするんですよ?』
甘やかに言い聞かせるように俺に逃げ方を教えてくるロキ。
『お前に教えたいんだが?!』と必死に逃げようとする俺を笑顔で押し倒し襲ってくるロキ。
『必死に逃げようとする兄上は凄く可愛いので、こっちの嗜虐心を煽るだけですよ?ふふっ。俺に激しくされたい時は是非活用してみてください』
確かそんなことを言っていた気がする。
ということは、変に抵抗せず相手の油断を待つのが一番ということに他ならない。
(よしっ!)
俺は気合を入れてキュリアス王子の隙を作ろうと思った。
そして大人しく受け入れることにしたキス…。
(あ~…。これは確かにロキなら俺に試したいと思うだろうな)
確かに上手いとは思う。
でもなんだろう?ちょっと物足りない。
ブルーグレイの拷問官はもっと嬲るようにしてきたものだが、キュリアス王子はそれに比べたら上品だ。
なんだったらロキの方が百倍上手い。
上手く説明できないが、俺の全てをこれから奪うぞ。覚悟はいいか的なキスが多いのだ。
あれはいい。
本当に最高だ。
期待に身体が熱くなって、『ご主人様、早く』と言いたくなるから。
そんな風にロキとのキスを思い出してしまったせいでつい俺の息子が大きくなってしまったのだが、キュリアス王子にそれを思いきり勘違いされて、そこを手でなぞられてしまった。
「クッ…。カリン。キスだけで感じたのか?見た目によらず淫乱だな」
淫乱なのは否定しないが別にお前のキスで感じたわけじゃないと言ってやりたかった。
この状況をロキが舐めるように視姦していたなら話は別だが、単体では全く興奮できない。
俺のM度合いがいつの間にか、かなりヤバくなっている。
いや。元々拷問官に快楽堕ちさせられていたし、俺が気づいていなかっただけか?
ロキが居ない場所で誰かに抱かれる気もなかったし、これまで全く気づく機会がなかった。
(ロキがいないとこんなに違うんだな…)
やっぱり俺にはロキの存在が必要不可欠なようだ。
それにしても、まだ香の影響が抜けそうにない。
どれくらい経ったら機敏に動けるようになるんだろう?
早く動けるようにならないと最後までヤられてしまう。
それから寝衣を全部剝ぎ取られてあちこち愛撫されてしまい、勝手に声が口から飛び出してしまった。
「は…ぁ……」
俺はロキみたいに相手によって感度が変わったりはしないから実質されたい放題だ。
悔しい。
とは言え俺が逃げようとする意思を全く表に出さなかったからか、扱いは丁寧だ。
下手に抵抗していたらきっと力づくで犯されたはず。
すぐにでも突っ込んで大人しくさせてやると思われたかもしれないし、扉の所に控えている、俺を部屋から攫ってきた四人組に俺を組み敷かせた可能性だってあった。
そう考えれば一番ベストな選択が取れたんじゃないかと思う。
(そろそろ動けないか…?)
身体がどれくらい動くようになったのか確かめるためにシーツを握りしめてみる。
先程より少しはマシだが、まだまだ力が思うように入らないし、立てるかどうかも不明だった。
「そろそろ挿れるぞ?カリン」
下卑た笑みを浮かべてそう告げてくるキュリアス王子は悪党そのものだ。
「う…勝手に俺を犯すな。絶対に後悔する羽目になるぞ」
ロキが黙っているとは絶対に思えないし、俺だって回避できるなら回避したかった。
でも香の効果は意外にも長くて、なんとか抵抗しようとしたが、結果的に無駄に終わってしまう。
「ふっ…。香の効果切れを狙っていたようだが、無駄だったな。これの効果時間はざっと2、3時間だ。諦めてただ感じていろ」
そう言いながらゆっくりとキュリアス王子は腰を進めてきた。
「ん…ぁっ!」
大きさで言えば立派なものが、ゆっくりと自分の中へと入りこんでくる。
多分キュリアス王子からしたら自慢のイチモツなんだろう。
凄く自信満々で、どうだ大きいだろうと言わんばかり。
確かに長さも太さも誇るには十分だと思う。
でも俺はロキのせいでこれまで散々色んな男のものを受け入れてきたから、言っては何だが『これくらい何人かいたな』くらいの感覚しかない。
そもそもカリの部分がいただけない。
ロキのあれがやっぱり俺は一番大好きだ。
あれでゴリゴリ責め立てられたい。
もちろん大事なのは大きさや形ではなくテクニックだというのも十二分にわかっているつもりだ。
それでも両方合わせ持ったロキと比べてしまうのは仕方がないと思う。
「すぐに天国を見せてやるからな」
全部中へと収めたキュリアス王子にそう言われながら揺すられたけど、天国ならいつもこれでもかと見てるしなとしか思えなかった。
なんだこの心の余裕は。
本当にロキ様様だ。
そこからは『まあ上手いけど拷問官の責め方の方が上手かったし、ロキの方が断然好みだ』としか思えなかった。
なんと言うのか、キュリアス王子はどこまでも普通の物差し上の上級者なのだ。
感じはするけど最高かと言われれば答えはノーだし、天国なんて到底見れそうにない。
まだリヒターの方がロキの指導を受けてる分俺を気持ちよくさせるのが上手いくらいだ。
いつも俺を天国に連れて行くロキは拷問官の更に上を行く鬼畜攻め。
俺は正直言ってあそこまでされないと満足できないし、物足りないのだと改めて実感してしまう。
「あ、んっ!んぅっ!はぁっ…」
(俺が求めてるのはこうじゃない。やっぱりロキじゃないと満足できない。ロキに抱かれて滅茶苦茶にされたい…)
そう思いながら切ない吐息を吐き出したら、感じ入っていると勘違いされてしまった。
何やらノリノリで言葉責めまでしだしたがロキのものに比べたら全然気持ちが盛り上がらない。
「こんなに悦んで。俺のものが気持ち良すぎて離したくないと言わんばかりだな。好きなだけ味わって、淫らに溺れろ」
う~ん…。やっぱりロキのあの優しくも柔らかな口調で卑猥なことを言いながら容赦なく責め立ててくるギャップがないとダメだ。
全くそそられない。
こんな言葉は聞くだけ無駄だし、右から左で十分だろう。
(さて、どうやって解放してもらおうか?)
リヒター達が無事で、すぐにでも俺が部屋にいないことに気づいてくれればいいが、最悪朝まで気づいてもらえない可能性すらある。
それに、万が一にでも扉前の男たちが参戦してきたら厄介だ。
流石に輪姦は遠慮したいし、ロキに視姦されていたらもうちょっと気持ち的に違っていたかもしれないが、今はさっさと解放されたかった。
(…と言うか、いつ終わる気だ?)
もしかして俺がイくまでイかない気なんだろうか?
「カリン。中が吸い付いてくるようだ。こんなに物欲しげにして…」
「んっ…あ…」
条件反射でいくら声が出ようと満足からは程遠い。
一度快楽堕ちした身はだてじゃなく、どこまでも貪欲だった。
そんな俺にこれは蛇の生殺し状態としか思えない。
いくら上手くとも、ただの気持ちいいセックスだけじゃ俺はダメなんだ。
もうちょっと強い何かしらの刺激が加われば焦らしプレイになるけど、それすらないこの中途半端感に俺はうんざりするばかり。
こんなのではとてもイけそうにない。
どうせ『早く終われ』とこっちが締め上げてやってるのにすら気づいていないんだろう。
自分のテクニックで感じていると悦に入っている気がする。
でもそこでふと、俺が抱く時のロキももしかしてこんな心境だったのかなと思った。
『兄上の抱き方は優しいですよね』
そう言いながら腰を揺らしてすぐに立場を逆転してくるロキ。
それはイコール物足りないという意味だったんじゃ…。
(う~ん…次はもう少し激しくしてみるか)
今度抱く時はもうちょっとロキの表情を観察しながら色々試してみようかという気になった。
もしかしたらロキにも好きな体位とかがあるかもしれないし、好みの強さなんかもあるかもしれない。
リヒターに嫉妬する前にもうちょっと俺も努力してみよう。
(でもロキは受け側でも攻める方が好きだからな…)
それはそれで気持ちいいから大好きだが…。
(そうだ!騎乗位でちょっと激しめに突き上げてみよう)
不意打ちでロキを乱れさせることに成功したら、その後『悪い子ですね』とお仕置きしてもらえるかもしれない。
そうなったら最高だ。
想像するだけで後ろがキュンとなった。
それを受けてまたキュリアス王子がニヤついているが、勘違いも甚だしい。
(はぁ…やっぱりロキと寝たい)
上でも下でもいいから早くロキに抱かれたかった。
あの責め立てが恋し過ぎる。
「ん…ロキ、ロキぃ…」
ロキだったらもっと激しくしてくれる。
ロキだったら前も沢山可愛がってくれて、それだけじゃなく三点責めをしながら卑猥な言葉責めで追い詰めてくれる。
ロキだったら奥まで挿れてこっちが泣いて懇願するほど感じさせてくれるのに。
ねちっこく攻め、いつまで経っても一向にイかせてこない上に自分もイかないキュリアス王子に、うんざり感ばかりが増大していく。
いっそロキのようにこっちから積極的に腰を振ってやった方がいいんだろうか?
でもまだ身体は思うように動かないし、なんで俺がサービスしてやらないといけないんだという気もしたから、その考えはすぐ捨てた。
(この、遅漏!それならそれでもっとロキを見習ってガンガン鬼畜のごとく奥まで攻めろ!)
もしかして結腸責めを知らなかったりするんだろうか?
キュリアス王子が普通の上級者だとしたら十分に考えられる。
セドリック王子なら確実に知ってそうだが、普通の王子は知らない可能性大だ。
「ロキ陛下より気持ちいいか?ククッ。別に好きなだけ乱れてくれてもいいぞ?」
ロキより気持ちいいなんて絶対にあり得ない。
前立腺はそれなりに可愛がってもらえるが、それは嬲るという行為からは程遠かった。
あくまでも『普通』の枠でしかない。
(そこじゃない!この下手くそ!そんなんじゃ全くイケないだろ?!俺が好きな前立腺の責め方はそうじゃない!もっと嬲るようにグリグリしつつ、ついでに時折奥もツンツン焦らすように突かれるのがいいんだ!)
ガツンとこないと全くイけない。
「ほら、ここがいいんだろう?」
(全然違うっ!ロキがよくしてくれる、ご褒美がもらえそうでもらえない、あの焦れったさがいいのにっ!)
思ったような責めがこないこの物足りなさにいい加減嫌気がさして、動けたらすぐにでも形勢逆転してやれるのにと悔しく思った。
「はぁ…気持ちいいな。最高だ」
(勝手に一人で気持ち良くなるな!)
「俺、は、最悪だ…」
「ふん。強がりを。これ以上ないくらい感じているくせに」
「誰がだ!この下手くそが!」
「……は?」
キュリアス王子の独り善がりの言葉に、俺はいい加減我慢の限界を迎えてしまう。
「はっ!そんな腕でロキを抱こうとしてたなんて、いっそ笑えるな」
突然の罵声に驚き動きを止めたキュリアス王子に、俺はこれ幸いと言いたいことを言うことにした。
「お前にロキの相手が務まるはずがない」
「…どう言う意味だ?」
「俺があいつの処女を奪った時、なんて言われたと思う?『え?終わりですか?』だぞ?あいつはああ見えてとことんドSな奴なんだ。こんな下手くそな責め方をしたら心を叩き折られて終わるのが関の山だ」
鼻で笑ってやったらキュリアス王子はちょっと乱暴に俺を揺さぶってきた。
「んぁっ!」
「随分なことを言ってくれるな?」
「はぁ…っ、本当のことを言った、だけだ」
「こんなに感じているくせに強がりを言うな」
「ふん。こんなもの、ロキとの閨と比べたら月とスッポンだ。物足りないにも程がある。お前には俺に天国を見せる腕はない。思い上がるな」
「……っ!お前のその余裕を叩き壊してやる!」
怒り心頭と言った様子のキュリアス王子だが、後どれくらい耐えればいいんだろうと思い切り溜め息をつきたくなった。
けれどそのタイミングで、この悪夢の時間の終わりを告げるべく部屋の扉が勢い良く開かれた。
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