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閑話23.レトロンにて Side.カール王子
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レトロンに戻り姉と共にテリーの件を報告し、自分の管理不行き届きについて謝罪を行った。
そんな俺に父はいたく感心したようで、やはりロキ陛下の元に行かせて良かったと言われた。
まあ俺もロキ陛下と会えてよかったと思うのでそこは素直に感謝の言葉を伝えておいた。
そして問題を起こしたテリー本人だが、終始自己弁護に忙しく全く反省した様子がなかったので、彼の父親である外務大臣が廃嫡も已む無しと怒り心頭に話し、逆切れしたテリーを張り飛ばしていた。
自分も一歩間違ったらこうなっていたのかと考えるととても恐ろしい。
あの時バルコニーでロキ陛下と話せて本当に良かったと思う。
取り敢えず外務大臣が今度謝罪のためガヴァムに行くらしいので、俺もその時同行させてもらいたい旨を伝えておいた。
そうしたら何故か父まで行くと言い出した。
なんでもロキ陛下に直接会ってお礼を言いたいらしい。
流石に親バカすぎるだろうと辟易してしまった。
とは言えお世話になった上に迷惑もかけてしまったし、それくらいした方がいいのかもしれない。
これからは父の王としての姿も見ながら自分なりに考えて成長していけたらと思う。
早く立派に成長しないとロキ陛下が先に退位してしまうかもしれないし、真剣に学ばないと。
それから数日が経ったある日、色々考えながら回廊を歩いていたら厄介な相手に遭遇してしまった。
姉の婚約者、レオナルド皇子だ。
おそらく姉に会った帰りだろう。
彼はロキ陛下の大親友だと公言して憚らないが本当だろうか?
見るからにロキ陛下の苦手なタイプに思えるのだが。
「カール王子!ちょうどよかった。ちょっと相談したいことがあるんだ」
よく言えば気さく。
悪く言えば軽い。
そんなミラルカの皇太子。
見るからに考えが浅そうで正直言って好きになれそうにはない。
逆にこんな相手だからこそしっかり者の姉が似合いなのかもしれない。
「今日はこの後来客があるので手短にお願いします」
「助かる!その…ユフィから婚約の話で何か聞いてないかな?」
何故俺に聞くのか。
さっきまで姉に会っていたなら本人に聞けば良かったのに。
それとも何か婚約解消になるような事でも匂わされたとか?
「特に何も」
「そっか。ならいいんだ。その…俺のこと何か聞いてない?」
何が言いたいんだ?
手短にと言ったのになんだか話が長くなりそうで凄く嫌だ。
面倒な空気をバシバシ感じてしまう。
「俺は何も聞いていません。もういいですか?聞きたい事があるなら本人に直接どうぞ」
「…っ、待って待って待って!相談に乗ってほしいのは本当なんだ!」
そうして無理やり聞かされたところによると、どうやら姉に婚約を解消されないか心配しているらしいということが分かった。
しかもこの皇子、姉にべた惚れらしい。
「ユフィはさ、魔牛のステーキを食べてる時とアスパラのサラダを食べてる時ちょっと笑うんだよ。多分凄く好きなんだと思う。可愛いよね」
「はあ、そうですか」
姉に好き嫌いなんてなかったはずだし、いつも食事時は表情は変わらなかったと思うのだが…。
「孤高の王子のバラの苗をプレゼントしたら喜んでもらえるかな?もう持ってるとかだったら迷惑かもしれないし、ちょっと聞いてもらえないかな?」
「そういうのはご自分でどうぞ」
「冷たい…!ロキみたい!」
「……レオナルド皇子。ロキ陛下にウザいとか言われませんか?」
ロキ陛下の気持ちが痛いほどわかる気がする。
本当に勘弁してもらいたい。
その後も長引きそうだったから来客を理由に無理矢理会話を終わらせることに。
本当に迷惑極まりないからやめてほしい。
そしてやっと解放されたと思ったら今度は姉に捕まってしまった。
どうやら俺がレオナルド皇子と話していたというのが耳に入って気になってこちらまでやってきたらしい。
どうせならレオナルド皇子と別れる前に来れば良かったのに。
その方が話を切り上げるのが早くなったはず。
「カール。レオナルド皇子に失礼はしていないわね?」
「していません」
「そう。ならいいわ。その…何か私について話していなかったかしら?」
なんだそれは。
間に俺なんていらないんじゃないかと思えて仕方がない。
あまりにもうんざりしたから、腹立ちまぎれにぶっちゃけてやった。
「姉上。さっさとレオナルド皇子と結婚してください。あの人、俺に姉上は魔牛のステーキとアスパラサラダが好きみたいだとか、バラの苗をプレゼントしたら迷惑じゃないかとか鬱陶しいくらいユフィユフィユフィと惚気て煩かったんですよ?なんなんですか?俺はメッセンジャーじゃないんですが?そもそも好き嫌いなんて姉上にあるんですか?初めて知りましたけど!」
睨むようにそう言い放ったら、姉が珍しく頬を染めて慌てたように口を開いてきた。
「ま、魔牛のステーキはレオナルド皇子がお好きなのよ。あまりにも幸せそうに食べるから見ていて微笑ましくて」
「…アスパラのサラダもですか?」
「そちらは苦手なのにちゃんと頑張って食べてるのが可愛らしくて…」
(さっさと結婚しろ!!)
なんだかんだと結局相思相愛で上手くいってるじゃないか。
なんでお互い不安そうにお互いを探りあってるんだ?
間に挟まれるこっちは本当に迷惑だからさっさと気持ちを伝えあってイチャイチャすればいいのに。
そう思ったからそのままそれを姉に言い放ち、『向こうは婚約解消されないか不安でしょうがないようでしたし、逆プロポーズでもしてやったらどうですか?』と言って、俺はさっさとその場を離れた。
(リア充なんて爆発してしまえ!)
「あ、カール王子!」
そうしてやってきたのは王宮の庭園に設えたテーブル。
今日はそこに婚約者と、俺が学園で見初めた令嬢を呼び出していた。
静かに茶を飲む婚約者でもある公爵令嬢と、俺に会えて嬉しそうにする男爵令嬢。
そんな二人に俺はこれから真摯に謝らなければならない。
許す許さないは彼女達次第だが、俺はけじめをつけるために今日は殴られる覚悟でこうして呼び出したのだ。
「ジャネット」
俺はまず男爵令嬢の方に向き合い深々と頭を下げた。
「すまない。俺は君とは結婚できない。申し訳ないが会うのは今日で最後にしてもらいたい」
「「……え?」」
この言葉に驚いたのは言われたジャネットだけではなかった。
婚約者である公爵令嬢のレイラもだった。
「ど、どうしてです?!レイラ様に何か言われたのですか?!」
「いや。レイラは何も言っていないし、何も悪くない。短慮な俺が全部悪かったんだ。すまない」
「そんな…嘘ですわ!」
そしてジャネットはキッとレイラを涙目で睨み酷いと責め立てた。
「ジャネット。やめるんだ」
「でもおかしいですわ!カール王子はあんなに私を愛してくださっていたのに…!」
ワッと両手で顔を覆って泣きじゃくるジャネットには申し訳ないが、今の俺にはこの関係を断ち切ることしかできない。
「レイラ」
「……はい。カール王子」
「これまで俺の傲慢な態度で傷つけてしまって申し訳なかった。いくら謝っても許してもらえるとは思っていない。だから…もし婚約を解消したいならそう言ってくれ。その場合は俺が責任をもって父へと話そう」
「婚約を解消したいのはカール王子の方では?」
ジャネットとは違いレイラの方は冷静だった。
王子妃教育をしっかりと受けてきただけのことはある。
これまでの自分はそんなことさえ見えてはいなかった。
「いや。俺にこの婚約をどうこう言う資格は一切ない。すべて君の良いように進めたい」
「では…この婚約を続行したいと言えばそのまま結婚すると?」
「君がそれでいいと言うのなら」
ひたと俺を見つめる目はまるで値踏みをしているかのようだ。
けれどそんな彼女に文句を言う資格は俺にはない。
「……どうやら今の貴方となら話が通じるようですわね」
そうして「ここは騒がしいので場所を移して二人で話し合いましょう」と言われた。
俺はその言葉に頷いて場所を移そうとしたのだけど、ジャネットに泣き縋られてしまう。
「嫌!行かないでください、カール王子!」
潤む目で見上げられたら絆されそうになるけれど、ここで絆されたら全部元の木阿弥だと心を鬼にして別れの言葉を紡いだ。
「ジャネット。テリーとネイトは兎も角、フリードリヒは真面目な奴だ。きっと慰めてくれる」
「カール王子!」
俺はジャネットに背を向けてレイラの後を追った。
恨まれても仕方がないし、泣かれても当然の仕打ちをしてしまった。
この贖罪は周囲にも相談してきちんとできればと思う。
****************
※カール王子はケジメをつけて前に進もうと思い令嬢二人を呼び出してたのに、その前にリア充二人に捕まって気疲れが…。
レオとユーフェミア王女はこのままゴールイン予定。
そんな俺に父はいたく感心したようで、やはりロキ陛下の元に行かせて良かったと言われた。
まあ俺もロキ陛下と会えてよかったと思うのでそこは素直に感謝の言葉を伝えておいた。
そして問題を起こしたテリー本人だが、終始自己弁護に忙しく全く反省した様子がなかったので、彼の父親である外務大臣が廃嫡も已む無しと怒り心頭に話し、逆切れしたテリーを張り飛ばしていた。
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早く立派に成長しないとロキ陛下が先に退位してしまうかもしれないし、真剣に学ばないと。
それから数日が経ったある日、色々考えながら回廊を歩いていたら厄介な相手に遭遇してしまった。
姉の婚約者、レオナルド皇子だ。
おそらく姉に会った帰りだろう。
彼はロキ陛下の大親友だと公言して憚らないが本当だろうか?
見るからにロキ陛下の苦手なタイプに思えるのだが。
「カール王子!ちょうどよかった。ちょっと相談したいことがあるんだ」
よく言えば気さく。
悪く言えば軽い。
そんなミラルカの皇太子。
見るからに考えが浅そうで正直言って好きになれそうにはない。
逆にこんな相手だからこそしっかり者の姉が似合いなのかもしれない。
「今日はこの後来客があるので手短にお願いします」
「助かる!その…ユフィから婚約の話で何か聞いてないかな?」
何故俺に聞くのか。
さっきまで姉に会っていたなら本人に聞けば良かったのに。
それとも何か婚約解消になるような事でも匂わされたとか?
「特に何も」
「そっか。ならいいんだ。その…俺のこと何か聞いてない?」
何が言いたいんだ?
手短にと言ったのになんだか話が長くなりそうで凄く嫌だ。
面倒な空気をバシバシ感じてしまう。
「俺は何も聞いていません。もういいですか?聞きたい事があるなら本人に直接どうぞ」
「…っ、待って待って待って!相談に乗ってほしいのは本当なんだ!」
そうして無理やり聞かされたところによると、どうやら姉に婚約を解消されないか心配しているらしいということが分かった。
しかもこの皇子、姉にべた惚れらしい。
「ユフィはさ、魔牛のステーキを食べてる時とアスパラのサラダを食べてる時ちょっと笑うんだよ。多分凄く好きなんだと思う。可愛いよね」
「はあ、そうですか」
姉に好き嫌いなんてなかったはずだし、いつも食事時は表情は変わらなかったと思うのだが…。
「孤高の王子のバラの苗をプレゼントしたら喜んでもらえるかな?もう持ってるとかだったら迷惑かもしれないし、ちょっと聞いてもらえないかな?」
「そういうのはご自分でどうぞ」
「冷たい…!ロキみたい!」
「……レオナルド皇子。ロキ陛下にウザいとか言われませんか?」
ロキ陛下の気持ちが痛いほどわかる気がする。
本当に勘弁してもらいたい。
その後も長引きそうだったから来客を理由に無理矢理会話を終わらせることに。
本当に迷惑極まりないからやめてほしい。
そしてやっと解放されたと思ったら今度は姉に捕まってしまった。
どうやら俺がレオナルド皇子と話していたというのが耳に入って気になってこちらまでやってきたらしい。
どうせならレオナルド皇子と別れる前に来れば良かったのに。
その方が話を切り上げるのが早くなったはず。
「カール。レオナルド皇子に失礼はしていないわね?」
「していません」
「そう。ならいいわ。その…何か私について話していなかったかしら?」
なんだそれは。
間に俺なんていらないんじゃないかと思えて仕方がない。
あまりにもうんざりしたから、腹立ちまぎれにぶっちゃけてやった。
「姉上。さっさとレオナルド皇子と結婚してください。あの人、俺に姉上は魔牛のステーキとアスパラサラダが好きみたいだとか、バラの苗をプレゼントしたら迷惑じゃないかとか鬱陶しいくらいユフィユフィユフィと惚気て煩かったんですよ?なんなんですか?俺はメッセンジャーじゃないんですが?そもそも好き嫌いなんて姉上にあるんですか?初めて知りましたけど!」
睨むようにそう言い放ったら、姉が珍しく頬を染めて慌てたように口を開いてきた。
「ま、魔牛のステーキはレオナルド皇子がお好きなのよ。あまりにも幸せそうに食べるから見ていて微笑ましくて」
「…アスパラのサラダもですか?」
「そちらは苦手なのにちゃんと頑張って食べてるのが可愛らしくて…」
(さっさと結婚しろ!!)
なんだかんだと結局相思相愛で上手くいってるじゃないか。
なんでお互い不安そうにお互いを探りあってるんだ?
間に挟まれるこっちは本当に迷惑だからさっさと気持ちを伝えあってイチャイチャすればいいのに。
そう思ったからそのままそれを姉に言い放ち、『向こうは婚約解消されないか不安でしょうがないようでしたし、逆プロポーズでもしてやったらどうですか?』と言って、俺はさっさとその場を離れた。
(リア充なんて爆発してしまえ!)
「あ、カール王子!」
そうしてやってきたのは王宮の庭園に設えたテーブル。
今日はそこに婚約者と、俺が学園で見初めた令嬢を呼び出していた。
静かに茶を飲む婚約者でもある公爵令嬢と、俺に会えて嬉しそうにする男爵令嬢。
そんな二人に俺はこれから真摯に謝らなければならない。
許す許さないは彼女達次第だが、俺はけじめをつけるために今日は殴られる覚悟でこうして呼び出したのだ。
「ジャネット」
俺はまず男爵令嬢の方に向き合い深々と頭を下げた。
「すまない。俺は君とは結婚できない。申し訳ないが会うのは今日で最後にしてもらいたい」
「「……え?」」
この言葉に驚いたのは言われたジャネットだけではなかった。
婚約者である公爵令嬢のレイラもだった。
「ど、どうしてです?!レイラ様に何か言われたのですか?!」
「いや。レイラは何も言っていないし、何も悪くない。短慮な俺が全部悪かったんだ。すまない」
「そんな…嘘ですわ!」
そしてジャネットはキッとレイラを涙目で睨み酷いと責め立てた。
「ジャネット。やめるんだ」
「でもおかしいですわ!カール王子はあんなに私を愛してくださっていたのに…!」
ワッと両手で顔を覆って泣きじゃくるジャネットには申し訳ないが、今の俺にはこの関係を断ち切ることしかできない。
「レイラ」
「……はい。カール王子」
「これまで俺の傲慢な態度で傷つけてしまって申し訳なかった。いくら謝っても許してもらえるとは思っていない。だから…もし婚約を解消したいならそう言ってくれ。その場合は俺が責任をもって父へと話そう」
「婚約を解消したいのはカール王子の方では?」
ジャネットとは違いレイラの方は冷静だった。
王子妃教育をしっかりと受けてきただけのことはある。
これまでの自分はそんなことさえ見えてはいなかった。
「いや。俺にこの婚約をどうこう言う資格は一切ない。すべて君の良いように進めたい」
「では…この婚約を続行したいと言えばそのまま結婚すると?」
「君がそれでいいと言うのなら」
ひたと俺を見つめる目はまるで値踏みをしているかのようだ。
けれどそんな彼女に文句を言う資格は俺にはない。
「……どうやら今の貴方となら話が通じるようですわね」
そうして「ここは騒がしいので場所を移して二人で話し合いましょう」と言われた。
俺はその言葉に頷いて場所を移そうとしたのだけど、ジャネットに泣き縋られてしまう。
「嫌!行かないでください、カール王子!」
潤む目で見上げられたら絆されそうになるけれど、ここで絆されたら全部元の木阿弥だと心を鬼にして別れの言葉を紡いだ。
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「カール王子!」
俺はジャネットに背を向けてレイラの後を追った。
恨まれても仕方がないし、泣かれても当然の仕打ちをしてしまった。
この贖罪は周囲にも相談してきちんとできればと思う。
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※カール王子はケジメをつけて前に進もうと思い令嬢二人を呼び出してたのに、その前にリア充二人に捕まって気疲れが…。
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