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155.他国からの客人㉑ Side.ロキ&カリン
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闇医者の話を聞きに応接間へとやってくると、そこには見知った他の人物も一緒だったので思わずクスリと笑ってしまった。
流石スパイの仕事を生業としているだけのことはある。
ガヴァムの騎士服も当然のように着こなしていた。
「よっ!ロキ!」
そこに居たのはブルーグレイで世話になったブランドンとディグの二人。
今日はリーヴィスは別行動のようだ。
「今日は闇医者の護衛か?」
「ま、似たようなもんだ」
そう言って闇医者と共にソファへと座る。
「ネブリス国の件で来たんですが、こっちにも情報は来ていますか?」
「ああ。なんでもネブリスは裏のマーケットを潰されて戦争資金が足りなくなったとか。そのせいでメルケ国に負けそうになってるんだって?昨日それでこっちに刺客が入り込んで客人を殺す気満々で襲ったとかなんとか兄上が言っていた」
「そうですか。それならやはり護衛を連れてきて正解でしたね」
「え?もしかしてブランドン達はそれで?」
「ええ。まあ鍛え直した本職の騎士達もいるでしょうが、念のため傍に置いておいてください」
「ありがとう」
これは非常に有難い。
もしもの時は闇医者との連絡にも使えるし、信用できるから安心して任せられる。
そして闇医者は現状ネブリス国のマーケットを三か所潰したことと、例のクスリを作っていた場所も徹底的に仲間達が叩いたということを教えてくれた。
ついでに大元はネブリスの王弟が取り仕切っていたとかで、そっちも始末してくれたらしい。
因みにその部分だけ裏の暗号で教えてもらった。
王族は『赤』貴族は『黄色』商人は『緑』騎士は『青』など色々決まっているのだが、今回の件は『大元が赤猫の弟で』だったから『王弟』ということがわかった。
これが王の子、つまり王子のことなら『赤鼠の~』となる。
「大元を叩くのは大変だったんじゃないか?」
「そうでもありませんでしたよ?トーシャス一人で駆除してましたし、余裕だったと笑ってましたけど?」
「ふふっ。トーシャスらしいな」
「ええ。あと、レンバーがメルケ国に潜入中です。情勢把握をしてくれているので、もし追加のご依頼があればお聞きしますが?」
「闇医者……」
珍しく俺を利用する気満々でフッと笑う闇医者は本当に食えない男だと思う。
チャンスはきっちり掴む男だと知っているから別に構いはしないし、ここで恩返しをするのも吝かではない。
(まあ言い方には一応気を付けておくけど)
今は各国からの客人を受け入れている関係で暗部がひしめいているはず。
ガヴァムの王族が他国の王族を意図的に殺したなんて噂が広がったら兄に迷惑がかかってしまう。
だから敢えて『誰』とは言わないし、わからないように言うのだ。
戦争を仕掛けようとしている輩を一掃してきて欲しい────と。
裏の者に危害=ガヴァムに手を出すという意味だし、これで伝わるだろう。
「そうだな。もし、裏の皆に危害を加えるような者がいたらサクッと処分しておいてくれないか?世話になった皆は大事にしたいし、できればそういう者達は一掃してしまいたい」
「お優しいですね。ではそのように」
「ああ。頼んだ」
「ええ。ではまたご連絡しますので」
「気を付けて」
いつものやり取り。
これで依頼は終わり。
後は任せるだけだ。
昨日兄は俺をリヒターに任せた後、各所に指示を出していた。
それはキュリアス王子の件だけではなくネブリス国とメルケ国の件に関してもだ。
王宮内に情報を周知徹底していたからこちらの対応は全部任せてもいいだろう。
俺に出来るのは攻められる前に潰すことだけ。
多分後始末は全部兄に任せることになると思う。
そこだけはちょっと申し訳ないなと思った。
でもアンシャンテとの話し合いやその後の人員配置等も実際問題よくわからないから任せる他ない。
「結局…兄上がいないとダメダメだな」
王らしいことはできないけど、民だけは守ろう。
死者が出ないに越したことはないはず。
それが母の件で貴族に逆らってまで俺の為に怒ってくれた民への恩返しに少しでも繋がったら嬉しいから。
***
【Side.カリン】
ロキが部屋から出ていってから俺はキュリアス王子を追い込むことに成功した。
ロキが最後に溢していったオスカー王子の件が決定打と言っても過言ではない。
有難いことにオスカー王子は品行方正でロキのような爛れた噂は皆無な人物。
そんな人物に薬を盛って何をするつもりだったのかとロロイア国の外務大臣がかなり動揺して、こちらの味方についてくれたのだ。
キュリアス王子は母国で似たようなことを多々やらかしていたようなので、そちらも都合よく事を運ぶ一打に繋がった。
本当にふてぶてしい王子だが、無事に示談は成立したし、もうこちらにちょっかいもかけてはこないだろう。
そしてそれが終わったら今度はテリーの件でカール王子の元へ。
そこには付き添いなのかユーフェミア王女とレオナルド皇子の姿もあり、カール王子の他の従者達の項垂れた姿もあった。
そこへ騎士団長に連れられたテリーがやってくる。
「これで全員揃ったな」
そう言ったらレオナルド皇子が首を傾げて『ロキは?』と尋ねてきたから、来客中だと答えておいた。
きっと闇医者から向こうの状況を詳しく聞いてくれているだろうし、後で情報をすり合わせて各大臣や騎士団長全ての招集をかけなければと考えを纏めておく。
現状各国から賓客が多々訪れているし、ここで下手に巻き込むわけにはいかない。
慎重に動かなければ。
「それでテリー。もう一度昨日の件を話してくれるか?」
そう促すとテリーは昨夜刺客から聞いた話をもう一度この場で話してくれた。
けれどそれを受けて一緒に来ていた友人と思しき二人が怒りだす。
「お前!あれのせいで他国の戦争を引き起こしたなんてことになったら死刑は確定だぞ?!」
「俺達まで巻き込む気か?!最悪だ!」
「そんなこと言ったって、それが原因で国が潰れるなんて誰が思うんだよ?!悪いのは俺じゃない!その裏稼業の奴らだろ?!」
これはロキを連れてこなくて良かった。
裏の連中を目の前で思い切り批難したらきっとロキは機嫌を損ねたことだろう。
そうしてギャーギャーと言い合いをする者達を一喝して黙らせ、冷たい目でこちらとしての対処を話させてもらう。
「取り敢えず、今回のパーティーは無事に終えることができた。後半はあんなことがあったが、まあ前半だけでも十分目的は達成できただろう。三ヵ国事業の成功とガヴァムと他国との友好が示せたのならそれでいいとこちらは思っている。ただ状況が状況だけに国賓はできるだけ早く帰したいとは思っている。レオナルド皇子、上手く誘導を頼めないだろうか?」
「あ、うん!勿論!任せて欲しい」
「ユーフェミア王女」
「はい」
「カール王子と共に一度レトロンに帰り、国王に事情説明を頼みたいが大丈夫か?」
「はい。それは構いませんが…」
そう言いながらチラッとカール王子の方を見遣るユーフェミア王女。
そう言えば王位の継承問題で確執があったのだったか。
そうすると一緒に帰すのは難しいだろう。
(しまったな…)
カール王子はまだ若いからちゃんと国王に事情説明ができるとは考えにくい。
とは言えここにカール王子達を留め置いてユーフェミア王女だけ帰すわけにもいかないし、どうしたものか…。
けれどここでカール王子が意外にも穏やかな目でこちらを見つめてきた。
「カリン陛下。俺は昨日ロキ陛下とお話しして心を入れ替え、姉上に誠心誠意謝罪しました。ロキ陛下からはこれからは反省を態度で示した上で自分らしく頑張れと背を押していただきました。なので、是非その役目、お受け致したく思います」
最初に挨拶した時はこんな感じではなかったのに、いつの間にか随分大人になったような印象を受けた。
ちょっと驚きだ。
俺もレトロン王からの手紙は見させてもらったが、あの書き方だと反省という言葉も知らなさそうな問題児と言う感じだったのに、よく改心させたものだと感心してしまう。
昨日のロキの態度からはそんなことができたなんて全く信じられなかった。
カール王子と話した相手はロキではなく他の誰かだったのではないかとつい疑ってしまったくらいだ。
けれどカール王子のそんな姿にユーフェミア王女も感じるものがあったのだろう。
どこかいつもとは違う柔らかな笑みを浮かべて、短く答えた。
「カール。昨日は動揺して上手く話せなくてごめんなさい」
「姉上…」
「今の貴方なら大丈夫でしょう。一緒にレトロンで説明をしてもらえるかしら?」
「はい!」
「お父様に説明をして、必要ならレトロンからも兵を出してもらいましょう。お世話になったロキ陛下の為ならきっと力を貸してもらえるわ」
思いがけずそんな言葉までもらえ、俺は良かったと思いながら次はシャイナーとの打ち合わせだなと気合を入れた。
流石スパイの仕事を生業としているだけのことはある。
ガヴァムの騎士服も当然のように着こなしていた。
「よっ!ロキ!」
そこに居たのはブルーグレイで世話になったブランドンとディグの二人。
今日はリーヴィスは別行動のようだ。
「今日は闇医者の護衛か?」
「ま、似たようなもんだ」
そう言って闇医者と共にソファへと座る。
「ネブリス国の件で来たんですが、こっちにも情報は来ていますか?」
「ああ。なんでもネブリスは裏のマーケットを潰されて戦争資金が足りなくなったとか。そのせいでメルケ国に負けそうになってるんだって?昨日それでこっちに刺客が入り込んで客人を殺す気満々で襲ったとかなんとか兄上が言っていた」
「そうですか。それならやはり護衛を連れてきて正解でしたね」
「え?もしかしてブランドン達はそれで?」
「ええ。まあ鍛え直した本職の騎士達もいるでしょうが、念のため傍に置いておいてください」
「ありがとう」
これは非常に有難い。
もしもの時は闇医者との連絡にも使えるし、信用できるから安心して任せられる。
そして闇医者は現状ネブリス国のマーケットを三か所潰したことと、例のクスリを作っていた場所も徹底的に仲間達が叩いたということを教えてくれた。
ついでに大元はネブリスの王弟が取り仕切っていたとかで、そっちも始末してくれたらしい。
因みにその部分だけ裏の暗号で教えてもらった。
王族は『赤』貴族は『黄色』商人は『緑』騎士は『青』など色々決まっているのだが、今回の件は『大元が赤猫の弟で』だったから『王弟』ということがわかった。
これが王の子、つまり王子のことなら『赤鼠の~』となる。
「大元を叩くのは大変だったんじゃないか?」
「そうでもありませんでしたよ?トーシャス一人で駆除してましたし、余裕だったと笑ってましたけど?」
「ふふっ。トーシャスらしいな」
「ええ。あと、レンバーがメルケ国に潜入中です。情勢把握をしてくれているので、もし追加のご依頼があればお聞きしますが?」
「闇医者……」
珍しく俺を利用する気満々でフッと笑う闇医者は本当に食えない男だと思う。
チャンスはきっちり掴む男だと知っているから別に構いはしないし、ここで恩返しをするのも吝かではない。
(まあ言い方には一応気を付けておくけど)
今は各国からの客人を受け入れている関係で暗部がひしめいているはず。
ガヴァムの王族が他国の王族を意図的に殺したなんて噂が広がったら兄に迷惑がかかってしまう。
だから敢えて『誰』とは言わないし、わからないように言うのだ。
戦争を仕掛けようとしている輩を一掃してきて欲しい────と。
裏の者に危害=ガヴァムに手を出すという意味だし、これで伝わるだろう。
「そうだな。もし、裏の皆に危害を加えるような者がいたらサクッと処分しておいてくれないか?世話になった皆は大事にしたいし、できればそういう者達は一掃してしまいたい」
「お優しいですね。ではそのように」
「ああ。頼んだ」
「ええ。ではまたご連絡しますので」
「気を付けて」
いつものやり取り。
これで依頼は終わり。
後は任せるだけだ。
昨日兄は俺をリヒターに任せた後、各所に指示を出していた。
それはキュリアス王子の件だけではなくネブリス国とメルケ国の件に関してもだ。
王宮内に情報を周知徹底していたからこちらの対応は全部任せてもいいだろう。
俺に出来るのは攻められる前に潰すことだけ。
多分後始末は全部兄に任せることになると思う。
そこだけはちょっと申し訳ないなと思った。
でもアンシャンテとの話し合いやその後の人員配置等も実際問題よくわからないから任せる他ない。
「結局…兄上がいないとダメダメだな」
王らしいことはできないけど、民だけは守ろう。
死者が出ないに越したことはないはず。
それが母の件で貴族に逆らってまで俺の為に怒ってくれた民への恩返しに少しでも繋がったら嬉しいから。
***
【Side.カリン】
ロキが部屋から出ていってから俺はキュリアス王子を追い込むことに成功した。
ロキが最後に溢していったオスカー王子の件が決定打と言っても過言ではない。
有難いことにオスカー王子は品行方正でロキのような爛れた噂は皆無な人物。
そんな人物に薬を盛って何をするつもりだったのかとロロイア国の外務大臣がかなり動揺して、こちらの味方についてくれたのだ。
キュリアス王子は母国で似たようなことを多々やらかしていたようなので、そちらも都合よく事を運ぶ一打に繋がった。
本当にふてぶてしい王子だが、無事に示談は成立したし、もうこちらにちょっかいもかけてはこないだろう。
そしてそれが終わったら今度はテリーの件でカール王子の元へ。
そこには付き添いなのかユーフェミア王女とレオナルド皇子の姿もあり、カール王子の他の従者達の項垂れた姿もあった。
そこへ騎士団長に連れられたテリーがやってくる。
「これで全員揃ったな」
そう言ったらレオナルド皇子が首を傾げて『ロキは?』と尋ねてきたから、来客中だと答えておいた。
きっと闇医者から向こうの状況を詳しく聞いてくれているだろうし、後で情報をすり合わせて各大臣や騎士団長全ての招集をかけなければと考えを纏めておく。
現状各国から賓客が多々訪れているし、ここで下手に巻き込むわけにはいかない。
慎重に動かなければ。
「それでテリー。もう一度昨日の件を話してくれるか?」
そう促すとテリーは昨夜刺客から聞いた話をもう一度この場で話してくれた。
けれどそれを受けて一緒に来ていた友人と思しき二人が怒りだす。
「お前!あれのせいで他国の戦争を引き起こしたなんてことになったら死刑は確定だぞ?!」
「俺達まで巻き込む気か?!最悪だ!」
「そんなこと言ったって、それが原因で国が潰れるなんて誰が思うんだよ?!悪いのは俺じゃない!その裏稼業の奴らだろ?!」
これはロキを連れてこなくて良かった。
裏の連中を目の前で思い切り批難したらきっとロキは機嫌を損ねたことだろう。
そうしてギャーギャーと言い合いをする者達を一喝して黙らせ、冷たい目でこちらとしての対処を話させてもらう。
「取り敢えず、今回のパーティーは無事に終えることができた。後半はあんなことがあったが、まあ前半だけでも十分目的は達成できただろう。三ヵ国事業の成功とガヴァムと他国との友好が示せたのならそれでいいとこちらは思っている。ただ状況が状況だけに国賓はできるだけ早く帰したいとは思っている。レオナルド皇子、上手く誘導を頼めないだろうか?」
「あ、うん!勿論!任せて欲しい」
「ユーフェミア王女」
「はい」
「カール王子と共に一度レトロンに帰り、国王に事情説明を頼みたいが大丈夫か?」
「はい。それは構いませんが…」
そう言いながらチラッとカール王子の方を見遣るユーフェミア王女。
そう言えば王位の継承問題で確執があったのだったか。
そうすると一緒に帰すのは難しいだろう。
(しまったな…)
カール王子はまだ若いからちゃんと国王に事情説明ができるとは考えにくい。
とは言えここにカール王子達を留め置いてユーフェミア王女だけ帰すわけにもいかないし、どうしたものか…。
けれどここでカール王子が意外にも穏やかな目でこちらを見つめてきた。
「カリン陛下。俺は昨日ロキ陛下とお話しして心を入れ替え、姉上に誠心誠意謝罪しました。ロキ陛下からはこれからは反省を態度で示した上で自分らしく頑張れと背を押していただきました。なので、是非その役目、お受け致したく思います」
最初に挨拶した時はこんな感じではなかったのに、いつの間にか随分大人になったような印象を受けた。
ちょっと驚きだ。
俺もレトロン王からの手紙は見させてもらったが、あの書き方だと反省という言葉も知らなさそうな問題児と言う感じだったのに、よく改心させたものだと感心してしまう。
昨日のロキの態度からはそんなことができたなんて全く信じられなかった。
カール王子と話した相手はロキではなく他の誰かだったのではないかとつい疑ってしまったくらいだ。
けれどカール王子のそんな姿にユーフェミア王女も感じるものがあったのだろう。
どこかいつもとは違う柔らかな笑みを浮かべて、短く答えた。
「カール。昨日は動揺して上手く話せなくてごめんなさい」
「姉上…」
「今の貴方なら大丈夫でしょう。一緒にレトロンで説明をしてもらえるかしら?」
「はい!」
「お父様に説明をして、必要ならレトロンからも兵を出してもらいましょう。お世話になったロキ陛下の為ならきっと力を貸してもらえるわ」
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