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138.※他国からの客人④ Side.カリン&ロキ
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【Side.カリン】
どれくらい気を失っていたんだろう?
目が覚めると身を清められてベッドでロキと一緒に眠っていた。
どうやらいつの間にやらすっかり夜になっているらしい。
そしてロキに責め立てられたことを不意に思い出してしまう。
「…………っ!」
散々感じさせられ身悶えていた自分に羞恥が込み上げて思わず両手で顔を覆ってしまった。
(…………あの筆は本気でヤバい)
以前一度使ってもらった時はお仕置きではなくお試しだったからここまで感度は上がっていなかった気がする。
あんなに焦らされまくった状態で可愛がられたらたまったものじゃない。
(恥ずかしい…!)
でも凄く良かった。
「あんな風にもう一度……」
されたらどうなるだろう?
ふとそう口にしたところで後ろからロキの腕が伸びてきて、そのまま上に乗られ腕の中に閉じ込められてしまう。
「兄上。もう一度…されたいんですか?」
優しい笑みでそう問われ、俺は素直に頷きを落とす。
「凄く…気持ち良かったから……」
また今度やってほしい。
そんな気持ちで頷いただけだったのに、その言葉を口にした途端ロキの目が凄く嬉しそうに輝いた。
「良かった。俺も奥まで挿れた途端兄上が気絶したからちょっと足りなかったんです」
「……え?」
「折角兄上も気分が乗ってるようですし、今日はもう少しだけ楽しみましょうね」
「ちょ、ちょっと待て、ロキ…!」
足りなかったなら抱いてくれてもいいが、あれをもう一度は今日のところは遠慮したい。
そう思ったのに────。
「ふふふ。さっきのはお仕置きだったからああしましたけど、今度は違う形で可愛がってあげますよ?」
違う形で?
(気になる…!)
そうして俺は流されるままにロキに可愛がってもらったのだが、感じすぎて大変なことになった。
奥まで挿入され揺さぶられながら筆であちこち責められるのは、はっきり言って逃げ場がなくておかしくなりそうだ。
お仕置きの過程で筆の加減も覚えたからか、ロキの虐め方に益々磨きがかかっている。
「も…許ひてぇ…。全部きもひいぃよぉ……」
さっきからずっと中イキが止まらないし、前も何度も出したからもう何も出そうにない。
理性なんて溶け切ってるし、全身から力が抜けてもうどう足掻いても抵抗なんてできそうになかった。
「兄上。そんなに悦んでもらえて嬉しいです」
そう言いながらツプツプと前にプジーを入れてくるのはやめてくれ。
『今日はこれ以上イクのは辛いでしょう?』と尤もらしく心配げに言ってくるが、それだけじゃないだろう?
ここから攻める気満々だろう?
そして案の定、腰を揺らしながら筆とプジーで俺を翻弄し始め、おまけとばかりに胸まで舌で可愛がり始めてしまった。
そんなにされたらもう何も考えられなくなってしまう。
「あっあぁっ!感じ過ぎて死んじゃうぅっ!ロキ、ロキッ!助けてっ…!」
「うっ…兄上、全部搾り取る気ですか?」
「あぁんっ!全部気持ちいいっ!はぁっ、ごひゅじんしゃまっ!も、犯し尽くしてっ!奥に早くご褒美欲しいのぉっ!」
甘イキし続けながらロキを締め付け、早くご褒美が欲しいと訴えかける。
ロキはそんな俺を愛おし気に見遣りながらまたドSな言葉を口にするのだ。
「じゃあ一旦筆はおしまいにして、串刺しで奥を蹂躙してあげますね」
そう言って腰を抱え込み、口づけながらゆっくりと真上から奥まで串刺しにするように突き込んできた。
「ひぃあぁあっ!」
それが最高に気持ち良くて、ビックンビックン身体を弾ませ涎を垂らして嬌声を上げてしまう。
「ンァあっ!気持ち良過ぎて、も、漏れちゃうぅ……!」
最終的にプジーが抜かれ、ロキが奥に注ぐと同時に腰を突き出しながら潮を吹き感極まってしまったのだが、いつまで経っても快感の波は引いてくれそうにない。
まるで全身でロキを貪り尽くしたいとでも言わんばかりに求めてしまう自分を持て余して、グスグス泣いてしまった。
「ちょっと感じすぎちゃいましたね」
「ひぅっ!やぁん…気持ちいいの、止まらないぃ…」
「ふふっ。まだ足りないなんて、兄上は本当に淫乱ですね」
もう淫乱でも何でもいいから兎に角身体の熱を何とか静めてほしかった。
なんならずっとロキに嵌められていたい。
筆で引き出された官能は本当に厄介極まりなくて、理性なんて欠片さえ残っていない。
頭にあるのも身体が求めているのも、ただただ与えられる快楽だけ。
「ご主人様…もっともっと可愛がってぇ…」
そしてロキに甘えるように抱き着いたら嬉しそうにキスされ、一緒に風呂に行こうと誘われた。
「お風呂でも可愛がってあげますね」
「ご主人様…んんぅっ、ずっと犯されたいぃ…っ」
「本当に可愛いですね。兄上は。そんな顔で強請られたら沢山可愛がりたくなるでしょう?」
「はぁ…ん。可愛がってぇ…。奥が疼いてたまらないぃ…っ。好きっ、大好きっ…!もっとぉ…!」
湯船に浸かりながら奥までしっかりと嵌めてもらい、俺は淫らに腰を揺らして何度もねだり、蕩けきった表情でロキにこれでもかと沢山愛してもらったのだった。
***
【Side.ロキ】
翌朝、珍しく寝坊をしてリヒターに迎えに来られてしまった。
「え……今、何時?」
「8時半です。ロキ陛下、体調は大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。昨日遅くまでやってたから起きれなくて…」
「ロキ陛下が加減を間違えるのは珍しいですね」
「……兄上が珍しくもっともっとと甘えるように強請ってきて可愛すぎたから、箍が外れた」
そんな俺にリヒターはなるほどと苦笑して、手早く準備を手伝ってくれる。
「兄上はお疲れだからもう少し寝かせておいてあげてほしい」
「では侍女に伝えておきます」
「ああ。頼む」
そうして急いで執務室に向かおうと思ったのだけど、どうやら寝癖がついていたらしく、リヒターがちょっと待ってくださいねと言って水で濡らしたタオルで丁寧に直してくれた。
「これで大丈夫です」
「ありがとう」
そんなリヒターに本当に面倒見がいいなとつい笑顔になってしまう。
「昨日は何がそんなに気に入ってもらえたんですか?」
「筆プレイだ。兄上がしたいって言うから、お仕置きも兼ねてやったら随分気に入ってしまって…」
「以前よりもですか?」
「ああ。最初はお仕置きだったから結構焦らしに焦らしたし、そのせいかも。性感帯を中心に責めたからかなり過敏になってしまって」
「なるほど。それなら今度逆にロキ陛下がカリン陛下に抱かれる際に使ってもらうのもいいかも知れませんね」
「え?」
「その方が感じやすくなるんでしょう?」
「なるほど」
それは確かに普通に考えたらいいのかもしれない。
でも……。
「俺は自分がされるより兄上を虐める方が性に合ってるんだけど…」
「ふふ…ロキ陛下らしいですね」
「相手がリヒターなら使ってくれても全然構わないんだけどな…」
「それは光栄です。でもまたカリン陛下に妬かれてしまいますよ?」
「ふふっ。兄上はそれでも責められる方が好きだと言ってくれると思うな」
兄は多分俺から筆を渡されたとしても、困って固まってしまうんじゃないだろうか?
だから3Pで俺に筆プレイをするなら、確実にリヒターが使うことになると思う。
ちょっとした戯れに使うにはちょうどいいかもしれない。
「取り敢えずお疲れのようですし、今日は以前いただいた筆で擽ってあげましょうか?」
「今日やられたら凄く眠くなりそうだ」
「癒しになって丁度良いのでは?よく眠れるかもしれませんよ?」
「確かに」
そうして二人でクスクス笑いながら執務室へと入ったら、何故かミュゼが『仕事をしろ』と言われながらライオネルに踏まれていた。
サボろうとでもしていたんだろうか?
それにしても義理の兄弟になった途端ライオネルはミュゼの扱いが酷くなったなと思いながら、さり気なくアドバイスをしてみる。
けれどその途端ミュゼが恍惚とした顔で『ロキ様に踏まれたいです』とか言ってきたからすぐに離れた。
そういうことはライオネルにしてもらってほしい。
面倒臭いのはシャイナーだけで十分だ。
そんな事を思いながら執務机に座ると、早速と言うようにドサッと書類を山積みにされライオネルにSっ気たっぷりに微笑まれた。
「ロキ陛下。今日も頑張りましょうね」
「……わかってる」
どうやら今日はリヒターと遊ぶ時間は取れなさそうだ。残念。
「それとこちら、今朝レトロンの国王から届いたお手紙です」
「レトロン王からの手紙?」
一体どんな要件だろう?
パーティーの件なら兄にこの手紙を回さないとと思いながら封を切ると、そこには面倒なことが書かれてあり、思わず溜息を吐いてしまった。
『この度偉大なるロキ陛下から多々学んでくるようにと、不肖の息子をパーティーに送り出すことにいたしました。つきましては現実というものを思い知らせて頂けると幸いです。セドリック王子に認められたという躾の腕を存分に振るっていただければと思います』
まあそんなことがつらつらと書かれてあったからだ。
問題児をこちらに押し付けないでほしいと思うのは俺だけだろうか?
そう言えばセドリック王子も国際会議の時、俺にレオを押し付けてたなと思い出し、そんなに押し付けやすく見えるんだろうかと思わず眉間に皺を寄せてしまった。
(ま、いいか)
面倒だし、余程のことが起こらない限りは勝手に学べとばかりに放置でいいだろう。
俺からすれば兄との時間さえ邪魔されなければそれでいいのだから。
****************
※ロキが変なフラグ立ててますが、だいぶ先に回収予定です。
どれくらい気を失っていたんだろう?
目が覚めると身を清められてベッドでロキと一緒に眠っていた。
どうやらいつの間にやらすっかり夜になっているらしい。
そしてロキに責め立てられたことを不意に思い出してしまう。
「…………っ!」
散々感じさせられ身悶えていた自分に羞恥が込み上げて思わず両手で顔を覆ってしまった。
(…………あの筆は本気でヤバい)
以前一度使ってもらった時はお仕置きではなくお試しだったからここまで感度は上がっていなかった気がする。
あんなに焦らされまくった状態で可愛がられたらたまったものじゃない。
(恥ずかしい…!)
でも凄く良かった。
「あんな風にもう一度……」
されたらどうなるだろう?
ふとそう口にしたところで後ろからロキの腕が伸びてきて、そのまま上に乗られ腕の中に閉じ込められてしまう。
「兄上。もう一度…されたいんですか?」
優しい笑みでそう問われ、俺は素直に頷きを落とす。
「凄く…気持ち良かったから……」
また今度やってほしい。
そんな気持ちで頷いただけだったのに、その言葉を口にした途端ロキの目が凄く嬉しそうに輝いた。
「良かった。俺も奥まで挿れた途端兄上が気絶したからちょっと足りなかったんです」
「……え?」
「折角兄上も気分が乗ってるようですし、今日はもう少しだけ楽しみましょうね」
「ちょ、ちょっと待て、ロキ…!」
足りなかったなら抱いてくれてもいいが、あれをもう一度は今日のところは遠慮したい。
そう思ったのに────。
「ふふふ。さっきのはお仕置きだったからああしましたけど、今度は違う形で可愛がってあげますよ?」
違う形で?
(気になる…!)
そうして俺は流されるままにロキに可愛がってもらったのだが、感じすぎて大変なことになった。
奥まで挿入され揺さぶられながら筆であちこち責められるのは、はっきり言って逃げ場がなくておかしくなりそうだ。
お仕置きの過程で筆の加減も覚えたからか、ロキの虐め方に益々磨きがかかっている。
「も…許ひてぇ…。全部きもひいぃよぉ……」
さっきからずっと中イキが止まらないし、前も何度も出したからもう何も出そうにない。
理性なんて溶け切ってるし、全身から力が抜けてもうどう足掻いても抵抗なんてできそうになかった。
「兄上。そんなに悦んでもらえて嬉しいです」
そう言いながらツプツプと前にプジーを入れてくるのはやめてくれ。
『今日はこれ以上イクのは辛いでしょう?』と尤もらしく心配げに言ってくるが、それだけじゃないだろう?
ここから攻める気満々だろう?
そして案の定、腰を揺らしながら筆とプジーで俺を翻弄し始め、おまけとばかりに胸まで舌で可愛がり始めてしまった。
そんなにされたらもう何も考えられなくなってしまう。
「あっあぁっ!感じ過ぎて死んじゃうぅっ!ロキ、ロキッ!助けてっ…!」
「うっ…兄上、全部搾り取る気ですか?」
「あぁんっ!全部気持ちいいっ!はぁっ、ごひゅじんしゃまっ!も、犯し尽くしてっ!奥に早くご褒美欲しいのぉっ!」
甘イキし続けながらロキを締め付け、早くご褒美が欲しいと訴えかける。
ロキはそんな俺を愛おし気に見遣りながらまたドSな言葉を口にするのだ。
「じゃあ一旦筆はおしまいにして、串刺しで奥を蹂躙してあげますね」
そう言って腰を抱え込み、口づけながらゆっくりと真上から奥まで串刺しにするように突き込んできた。
「ひぃあぁあっ!」
それが最高に気持ち良くて、ビックンビックン身体を弾ませ涎を垂らして嬌声を上げてしまう。
「ンァあっ!気持ち良過ぎて、も、漏れちゃうぅ……!」
最終的にプジーが抜かれ、ロキが奥に注ぐと同時に腰を突き出しながら潮を吹き感極まってしまったのだが、いつまで経っても快感の波は引いてくれそうにない。
まるで全身でロキを貪り尽くしたいとでも言わんばかりに求めてしまう自分を持て余して、グスグス泣いてしまった。
「ちょっと感じすぎちゃいましたね」
「ひぅっ!やぁん…気持ちいいの、止まらないぃ…」
「ふふっ。まだ足りないなんて、兄上は本当に淫乱ですね」
もう淫乱でも何でもいいから兎に角身体の熱を何とか静めてほしかった。
なんならずっとロキに嵌められていたい。
筆で引き出された官能は本当に厄介極まりなくて、理性なんて欠片さえ残っていない。
頭にあるのも身体が求めているのも、ただただ与えられる快楽だけ。
「ご主人様…もっともっと可愛がってぇ…」
そしてロキに甘えるように抱き着いたら嬉しそうにキスされ、一緒に風呂に行こうと誘われた。
「お風呂でも可愛がってあげますね」
「ご主人様…んんぅっ、ずっと犯されたいぃ…っ」
「本当に可愛いですね。兄上は。そんな顔で強請られたら沢山可愛がりたくなるでしょう?」
「はぁ…ん。可愛がってぇ…。奥が疼いてたまらないぃ…っ。好きっ、大好きっ…!もっとぉ…!」
湯船に浸かりながら奥までしっかりと嵌めてもらい、俺は淫らに腰を揺らして何度もねだり、蕩けきった表情でロキにこれでもかと沢山愛してもらったのだった。
***
【Side.ロキ】
翌朝、珍しく寝坊をしてリヒターに迎えに来られてしまった。
「え……今、何時?」
「8時半です。ロキ陛下、体調は大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。昨日遅くまでやってたから起きれなくて…」
「ロキ陛下が加減を間違えるのは珍しいですね」
「……兄上が珍しくもっともっとと甘えるように強請ってきて可愛すぎたから、箍が外れた」
そんな俺にリヒターはなるほどと苦笑して、手早く準備を手伝ってくれる。
「兄上はお疲れだからもう少し寝かせておいてあげてほしい」
「では侍女に伝えておきます」
「ああ。頼む」
そうして急いで執務室に向かおうと思ったのだけど、どうやら寝癖がついていたらしく、リヒターがちょっと待ってくださいねと言って水で濡らしたタオルで丁寧に直してくれた。
「これで大丈夫です」
「ありがとう」
そんなリヒターに本当に面倒見がいいなとつい笑顔になってしまう。
「昨日は何がそんなに気に入ってもらえたんですか?」
「筆プレイだ。兄上がしたいって言うから、お仕置きも兼ねてやったら随分気に入ってしまって…」
「以前よりもですか?」
「ああ。最初はお仕置きだったから結構焦らしに焦らしたし、そのせいかも。性感帯を中心に責めたからかなり過敏になってしまって」
「なるほど。それなら今度逆にロキ陛下がカリン陛下に抱かれる際に使ってもらうのもいいかも知れませんね」
「え?」
「その方が感じやすくなるんでしょう?」
「なるほど」
それは確かに普通に考えたらいいのかもしれない。
でも……。
「俺は自分がされるより兄上を虐める方が性に合ってるんだけど…」
「ふふ…ロキ陛下らしいですね」
「相手がリヒターなら使ってくれても全然構わないんだけどな…」
「それは光栄です。でもまたカリン陛下に妬かれてしまいますよ?」
「ふふっ。兄上はそれでも責められる方が好きだと言ってくれると思うな」
兄は多分俺から筆を渡されたとしても、困って固まってしまうんじゃないだろうか?
だから3Pで俺に筆プレイをするなら、確実にリヒターが使うことになると思う。
ちょっとした戯れに使うにはちょうどいいかもしれない。
「取り敢えずお疲れのようですし、今日は以前いただいた筆で擽ってあげましょうか?」
「今日やられたら凄く眠くなりそうだ」
「癒しになって丁度良いのでは?よく眠れるかもしれませんよ?」
「確かに」
そうして二人でクスクス笑いながら執務室へと入ったら、何故かミュゼが『仕事をしろ』と言われながらライオネルに踏まれていた。
サボろうとでもしていたんだろうか?
それにしても義理の兄弟になった途端ライオネルはミュゼの扱いが酷くなったなと思いながら、さり気なくアドバイスをしてみる。
けれどその途端ミュゼが恍惚とした顔で『ロキ様に踏まれたいです』とか言ってきたからすぐに離れた。
そういうことはライオネルにしてもらってほしい。
面倒臭いのはシャイナーだけで十分だ。
そんな事を思いながら執務机に座ると、早速と言うようにドサッと書類を山積みにされライオネルにSっ気たっぷりに微笑まれた。
「ロキ陛下。今日も頑張りましょうね」
「……わかってる」
どうやら今日はリヒターと遊ぶ時間は取れなさそうだ。残念。
「それとこちら、今朝レトロンの国王から届いたお手紙です」
「レトロン王からの手紙?」
一体どんな要件だろう?
パーティーの件なら兄にこの手紙を回さないとと思いながら封を切ると、そこには面倒なことが書かれてあり、思わず溜息を吐いてしまった。
『この度偉大なるロキ陛下から多々学んでくるようにと、不肖の息子をパーティーに送り出すことにいたしました。つきましては現実というものを思い知らせて頂けると幸いです。セドリック王子に認められたという躾の腕を存分に振るっていただければと思います』
まあそんなことがつらつらと書かれてあったからだ。
問題児をこちらに押し付けないでほしいと思うのは俺だけだろうか?
そう言えばセドリック王子も国際会議の時、俺にレオを押し付けてたなと思い出し、そんなに押し付けやすく見えるんだろうかと思わず眉間に皺を寄せてしまった。
(ま、いいか)
面倒だし、余程のことが起こらない限りは勝手に学べとばかりに放置でいいだろう。
俺からすれば兄との時間さえ邪魔されなければそれでいいのだから。
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