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121.薔薇の棘⑨ Side.リヒター
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闇医者のところへとたどり着くとすぐに診てもらうことができた。
まずは俺達から事情を聞いて、ロキ陛下の様子の聞き取りも行われる。
それからロキ陛下を起こしてからのカウンセリング。
「闇医者?」
「ええ。何があったか覚えていますか?」
「…一応」
「では貴方が話せる範囲で話を聞きますね」
そう言って時折声を掛けながら闇医者がロキ陛下から話を聞き出していく。
概ね俺達に話したのと同じように話したロキ陛下だったけれど、様子がおかしくなるたびに闇医者が上手く誘導して感情をコントロールさせてくれたので安心して任せることができた。
「なるほど。では貴方の中で良かった点はありますか?」
「…兄上が傷つけられなかったことと、毒を盛られなかったところ?」
「そうですか。では反省したいところはありますか?」
「……しっかりと…もっと前みたいに心を守っておくべきだったかな…とは思う」
「言うと思いました。でもそこは貴方自身が思う反省したいところではあっても、本当に反省すべき点ではありませんよ」
「本当に反省すべき点?」
「初日にさっさと帰るべきだった。これが全てです」
その言葉にロキ陛下の目が丸くなる。
けれど確かに言われてみればそれが全てだった。
あの元王妃の姿を見た時点で速やかに帰り支度を整えあそこから去るべきだった。
最初から彼女達の態度は最悪だったのだから。
「大体、貴方らしくもない。いくら他国のご令嬢がいたところで全く知りもしなかった赤の他人でしょう?しかも貴方を攫った敵であるアンシャンテの。にっこり笑って『失礼します』で良かったんですよ」
「……でも」
「国…と言うよりカリン陛下のためですか?少し違いますよね。『自分さえちょっと我慢したら済む』そう思った貴方のミスです」
そんなにはっきり言わなくてもとロキ陛下が可愛く拗ねる。
ここでダメだったとか悪かったと強く言わないところが良かったのだろうか?
軽い感じで『ミスだった』と言うくらいは大丈夫なのかとしっかり覚えておく。
「何度も言ってきましたが、自分だけが我慢すればいいと考えるより、もう少し我儘を言ってでも自分の身は守ってください」
「……わかった」
「まあそんなわけで、取り敢えず医者として貴方には暫く療養をお勧めしておきます」
「え?」
「役立たずなポンコツ兄陛下に仕事は丸投げして、リヒターとカークと三人で旅行にでも行って来られては?」
「ポンコツは兄上じゃなくて俺だから。……そう言えば兄上は?」
ここにきてやっとそれに思い至ったらしい。
つまりそれまでいっぱいいっぱいだったという事だ。
(ロキ陛下……)
自分の方が大変な状態に追い込まれたのに、ここでカリン陛下を気にかけるのかと少しの苛立ちを覚えてしまう。
ロキ陛下は見る限り凄く心配気だし、カリン陛下に失望したというような悲しみも感じられない。
あんな迂闊な行動を繰り返す相手をロキ陛下は何故許せるのだろう?
けれどここでそんな事を言って心に負担をかけるわけにもいかなかった。
「……カリン陛下はロキ陛下を追い詰めた相手に報復をするため、あちらに残ってくれたのでお気になさらず」
「え…?」
ロキ陛下を傷つけ絶望を味わわせたのだ。
せめてそれくらいのことはしてほしい。
できないのなら二度と顔を見せるなと言ってやりたかった。
「兄上…優しい」
嬉しそうにするロキ陛下には悪いと思うが、俺は今回の件を受けてとてもこれまで通り好意的にカリン陛下を応援する気にはなれなかった。
どちらかというと二度とロキ陛下を傷つけないよう、性根を叩き直してやりたいとさえ思ってしまう。
不敬とは思うが、なんなら一発くらいは思い切り殴りたいくらいだ。
グッと拳を握り密かな怒りに身を震わせていると、ポンッと闇医者から肩を叩かれ、後は任せろというような目線を送られてしまった。
きっと俺の怒りをわかってくれたのだろう。
「ロキ陛下。話は戻りますが、どこか旅行に行ってみたい国はないですか?」
「う~ん…特にはない…かな?」
「では話していて和む相手は?」
そう聞かれてロキ陛下はカリン陛下や俺の名を挙げてくれたけど、この国から出したいと考えているらしい闇医者は「身内以外で」と促し、それを受けてロキ陛下はじっくりと考え始めた。
「……今はセドリック王子と話す気力もないし…」
「…………」
「レオのテンションに付き合うのも疲れそうだし…」
「他には誰かいますか?」
「う~ん…話すだけならキャサリン嬢は楽しかった気がする」
「キャサリン嬢?」
「シャイナーの婚約者だ。すごく話しやすい人で、話していて和んだなと思って…」
どうやらキャサリン嬢のことをロキ陛下は割と気に入っていたらしい。
「あの国王の婚約者…」
闇医者はまさかよりにもよってアンシャンテとは…と深く息を吐いていた。
「いっそフォルティエンヌとかはどうです?魔道具はお好きでしょう?珍しい魔道具が見られると思いますよ?」
仕方がないので俺も話に加わってみる。
「好きではあるけど、今はいいかな…」
元気な時なら行ってみたいけどとロキ陛下が言ってくれたので、それならそれで機会があれば連れて行ってあげようと思った。
「ゴッドハルトはどうです?海が近いから魚介類も美味しいらしいですよ?」
美味しいものを食べたら元気も出やすいと今度は闇医者が勧めてくれるけれど、こちらもロキ陛下は気乗りしないようだった。
「う~ん…特に縁もない場所だし、気分が乗らない」
その言葉にがっくりと肩を落としてしまう。
でも、恐らくそれだけ心を消耗しているのだろう。
とは言えこのまま王宮には戻したくない。
闇医者から『あんまりそんなことばかり言っているとどこかのアジト住まいになりますよ』と言われて、『それはそれで楽しそうだ』とロキ陛下が小さく笑った。
その笑みは壊れた笑みではなく、あのいつも通りの笑みで────それが泣きたくなるほど嬉しかった。
(良かった…)
またこの笑顔を見ることができてホッと息を吐く。
あの今朝の様子を思い出すと、笑みが戻って良かったとしか思えなかった。
「いっそここにいれたらいいのに…」
どこか気怠げに机に突っ伏し、そんな風に溢し始めるロキ陛下。
これには疲れの色が滲んでいるように見えた。
やはり療養を兼ねた心のケアは必要なのだろう。
そんなロキ陛下に闇医者も思うところがあったのか溜め息を一つ吐き、一番現実的な返答を返した。
「はぁ…。なら仕方がないので、暫くはここに住んでください」
「え?本当に?」
「ええ。ここなら気安い連中に囲まれているから安心でしょう?」
「まあ…確かに?」
「城にも戻る必要はないですし、用があればリヒターやカークに頼めばいい。楽ちんでしょう?」
「うん!」
それはとても無邪気な笑顔で、もしかしたら昔はいつもこんな感じで闇医者と接していたのかなと思えた。
心が不安定な今だからこそ垣間見えた部分なのだと思う。
「じゃあ折角だし闇医者に色々教えてもらおうかな」
「いいですよ?傷口の縫い方くらいなら教えてあげます」
「縫い方?」
「ええ。負傷時にも使えて便利だし、服を縫う時にも使えるので」
「じゃあ覚える」
「慣れたらマジックバッグも縫えるようになりますよ」
「じゃあそれで将来は稼ごうかな」
「是非そうしてください。貴方は王位になんてこだわる必要はないんですから。ドMでもない限り、無理に自分を苦しめ続けたものを背負わなくていいんですよ?他国にだっていくらでもアジトはあるので住むところなんて選びたい放題です。なんならどこか紹介しましょうか?」
「う~ん…気が向けば?」
「それなら今度世界地図にダーツでも適当に投げてください。刺さった国に適当に貴方専用の隠れ家を用意させておきますから」
「フフッ…。そんな適当な」
話せば話すほどロキ陛下の表情が和らいでいくのを見て自分の中に安堵が広がっていくのを感じた。
本当にここに連れてきてよかったと思う。
そうして安心していると闇医者から話を振って来られた。
「リヒター。トーシャスがツンナガールで話した件について詳しく知りたいそうです。酒場に行ってきてください」
「わかった」
そして俺は闇医者に促され、暗殺者の元へと足を向けた。
酒場に着くとすぐにトーシャスが話を聞いてくれ、怒りに身を震わせる。
「あのクソばばぁ。やりやがったな…」
どうやら元王妃に怒り心頭らしい。
「後はユーシアナ侯爵家とバジル伯爵家…だな。わかった。すぐにでも手を回してやる」
「と言うと?」
「あんまり俺達を舐めるなよ?」
トーシャス曰く、ガヴァムの全貴族の情報は当然裏社会で握っているとのこと。
不正から不祥事まで全てだ。
「俺らにかかればこの国のどこの貴族でも全部潰してやれる。…全部だ。この意味が分かるか?」
それはつまりガヴァムの貴族で真面なところはほぼないと言うことに他ならない。
「だがアンシャンテの貴族にまでは手が回らないだろう?」
「まあ…確かにな」
だがそれでもやれることがないこともないとトーシャスが昏く笑う。
「他国にもいくらでも伝手はある。闇商人に手を回しておく。心配はするな」
「わかった」
『ちゃんと下調べをした上で適切な地獄に送ってやるよ』と言ってくれたトーシャスに感謝し、俺はロキ陛下の元へと戻る。
どうか大切なあの人をもう二度と傷つけないでください。
そう神に祈りながら────。
まずは俺達から事情を聞いて、ロキ陛下の様子の聞き取りも行われる。
それからロキ陛下を起こしてからのカウンセリング。
「闇医者?」
「ええ。何があったか覚えていますか?」
「…一応」
「では貴方が話せる範囲で話を聞きますね」
そう言って時折声を掛けながら闇医者がロキ陛下から話を聞き出していく。
概ね俺達に話したのと同じように話したロキ陛下だったけれど、様子がおかしくなるたびに闇医者が上手く誘導して感情をコントロールさせてくれたので安心して任せることができた。
「なるほど。では貴方の中で良かった点はありますか?」
「…兄上が傷つけられなかったことと、毒を盛られなかったところ?」
「そうですか。では反省したいところはありますか?」
「……しっかりと…もっと前みたいに心を守っておくべきだったかな…とは思う」
「言うと思いました。でもそこは貴方自身が思う反省したいところではあっても、本当に反省すべき点ではありませんよ」
「本当に反省すべき点?」
「初日にさっさと帰るべきだった。これが全てです」
その言葉にロキ陛下の目が丸くなる。
けれど確かに言われてみればそれが全てだった。
あの元王妃の姿を見た時点で速やかに帰り支度を整えあそこから去るべきだった。
最初から彼女達の態度は最悪だったのだから。
「大体、貴方らしくもない。いくら他国のご令嬢がいたところで全く知りもしなかった赤の他人でしょう?しかも貴方を攫った敵であるアンシャンテの。にっこり笑って『失礼します』で良かったんですよ」
「……でも」
「国…と言うよりカリン陛下のためですか?少し違いますよね。『自分さえちょっと我慢したら済む』そう思った貴方のミスです」
そんなにはっきり言わなくてもとロキ陛下が可愛く拗ねる。
ここでダメだったとか悪かったと強く言わないところが良かったのだろうか?
軽い感じで『ミスだった』と言うくらいは大丈夫なのかとしっかり覚えておく。
「何度も言ってきましたが、自分だけが我慢すればいいと考えるより、もう少し我儘を言ってでも自分の身は守ってください」
「……わかった」
「まあそんなわけで、取り敢えず医者として貴方には暫く療養をお勧めしておきます」
「え?」
「役立たずなポンコツ兄陛下に仕事は丸投げして、リヒターとカークと三人で旅行にでも行って来られては?」
「ポンコツは兄上じゃなくて俺だから。……そう言えば兄上は?」
ここにきてやっとそれに思い至ったらしい。
つまりそれまでいっぱいいっぱいだったという事だ。
(ロキ陛下……)
自分の方が大変な状態に追い込まれたのに、ここでカリン陛下を気にかけるのかと少しの苛立ちを覚えてしまう。
ロキ陛下は見る限り凄く心配気だし、カリン陛下に失望したというような悲しみも感じられない。
あんな迂闊な行動を繰り返す相手をロキ陛下は何故許せるのだろう?
けれどここでそんな事を言って心に負担をかけるわけにもいかなかった。
「……カリン陛下はロキ陛下を追い詰めた相手に報復をするため、あちらに残ってくれたのでお気になさらず」
「え…?」
ロキ陛下を傷つけ絶望を味わわせたのだ。
せめてそれくらいのことはしてほしい。
できないのなら二度と顔を見せるなと言ってやりたかった。
「兄上…優しい」
嬉しそうにするロキ陛下には悪いと思うが、俺は今回の件を受けてとてもこれまで通り好意的にカリン陛下を応援する気にはなれなかった。
どちらかというと二度とロキ陛下を傷つけないよう、性根を叩き直してやりたいとさえ思ってしまう。
不敬とは思うが、なんなら一発くらいは思い切り殴りたいくらいだ。
グッと拳を握り密かな怒りに身を震わせていると、ポンッと闇医者から肩を叩かれ、後は任せろというような目線を送られてしまった。
きっと俺の怒りをわかってくれたのだろう。
「ロキ陛下。話は戻りますが、どこか旅行に行ってみたい国はないですか?」
「う~ん…特にはない…かな?」
「では話していて和む相手は?」
そう聞かれてロキ陛下はカリン陛下や俺の名を挙げてくれたけど、この国から出したいと考えているらしい闇医者は「身内以外で」と促し、それを受けてロキ陛下はじっくりと考え始めた。
「……今はセドリック王子と話す気力もないし…」
「…………」
「レオのテンションに付き合うのも疲れそうだし…」
「他には誰かいますか?」
「う~ん…話すだけならキャサリン嬢は楽しかった気がする」
「キャサリン嬢?」
「シャイナーの婚約者だ。すごく話しやすい人で、話していて和んだなと思って…」
どうやらキャサリン嬢のことをロキ陛下は割と気に入っていたらしい。
「あの国王の婚約者…」
闇医者はまさかよりにもよってアンシャンテとは…と深く息を吐いていた。
「いっそフォルティエンヌとかはどうです?魔道具はお好きでしょう?珍しい魔道具が見られると思いますよ?」
仕方がないので俺も話に加わってみる。
「好きではあるけど、今はいいかな…」
元気な時なら行ってみたいけどとロキ陛下が言ってくれたので、それならそれで機会があれば連れて行ってあげようと思った。
「ゴッドハルトはどうです?海が近いから魚介類も美味しいらしいですよ?」
美味しいものを食べたら元気も出やすいと今度は闇医者が勧めてくれるけれど、こちらもロキ陛下は気乗りしないようだった。
「う~ん…特に縁もない場所だし、気分が乗らない」
その言葉にがっくりと肩を落としてしまう。
でも、恐らくそれだけ心を消耗しているのだろう。
とは言えこのまま王宮には戻したくない。
闇医者から『あんまりそんなことばかり言っているとどこかのアジト住まいになりますよ』と言われて、『それはそれで楽しそうだ』とロキ陛下が小さく笑った。
その笑みは壊れた笑みではなく、あのいつも通りの笑みで────それが泣きたくなるほど嬉しかった。
(良かった…)
またこの笑顔を見ることができてホッと息を吐く。
あの今朝の様子を思い出すと、笑みが戻って良かったとしか思えなかった。
「いっそここにいれたらいいのに…」
どこか気怠げに机に突っ伏し、そんな風に溢し始めるロキ陛下。
これには疲れの色が滲んでいるように見えた。
やはり療養を兼ねた心のケアは必要なのだろう。
そんなロキ陛下に闇医者も思うところがあったのか溜め息を一つ吐き、一番現実的な返答を返した。
「はぁ…。なら仕方がないので、暫くはここに住んでください」
「え?本当に?」
「ええ。ここなら気安い連中に囲まれているから安心でしょう?」
「まあ…確かに?」
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それはとても無邪気な笑顔で、もしかしたら昔はいつもこんな感じで闇医者と接していたのかなと思えた。
心が不安定な今だからこそ垣間見えた部分なのだと思う。
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「いいですよ?傷口の縫い方くらいなら教えてあげます」
「縫い方?」
「ええ。負傷時にも使えて便利だし、服を縫う時にも使えるので」
「じゃあ覚える」
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「じゃあそれで将来は稼ごうかな」
「是非そうしてください。貴方は王位になんてこだわる必要はないんですから。ドMでもない限り、無理に自分を苦しめ続けたものを背負わなくていいんですよ?他国にだっていくらでもアジトはあるので住むところなんて選びたい放題です。なんならどこか紹介しましょうか?」
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「フフッ…。そんな適当な」
話せば話すほどロキ陛下の表情が和らいでいくのを見て自分の中に安堵が広がっていくのを感じた。
本当にここに連れてきてよかったと思う。
そうして安心していると闇医者から話を振って来られた。
「リヒター。トーシャスがツンナガールで話した件について詳しく知りたいそうです。酒場に行ってきてください」
「わかった」
そして俺は闇医者に促され、暗殺者の元へと足を向けた。
酒場に着くとすぐにトーシャスが話を聞いてくれ、怒りに身を震わせる。
「あのクソばばぁ。やりやがったな…」
どうやら元王妃に怒り心頭らしい。
「後はユーシアナ侯爵家とバジル伯爵家…だな。わかった。すぐにでも手を回してやる」
「と言うと?」
「あんまり俺達を舐めるなよ?」
トーシャス曰く、ガヴァムの全貴族の情報は当然裏社会で握っているとのこと。
不正から不祥事まで全てだ。
「俺らにかかればこの国のどこの貴族でも全部潰してやれる。…全部だ。この意味が分かるか?」
それはつまりガヴァムの貴族で真面なところはほぼないと言うことに他ならない。
「だがアンシャンテの貴族にまでは手が回らないだろう?」
「まあ…確かにな」
だがそれでもやれることがないこともないとトーシャスが昏く笑う。
「他国にもいくらでも伝手はある。闇商人に手を回しておく。心配はするな」
「わかった」
『ちゃんと下調べをした上で適切な地獄に送ってやるよ』と言ってくれたトーシャスに感謝し、俺はロキ陛下の元へと戻る。
どうか大切なあの人をもう二度と傷つけないでください。
そう神に祈りながら────。
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