【完結】王子の本命~ガヴァム王国の王子達~

オレンジペコ

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109.※仕切り直し

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※下のカリン視点でリバ表記があるので苦手な方はそこでバックしてください。
あとロキは受けになってますがどちらかと言うと喘いでるのは終始カリンの方なので、リバ好きな方にも先に謝っておきます。すみません。
ロキはどこまでもロキでしたm(_ _)m←

****************

ガヴァムに帰ってきてスカーレット嬢へと罰を下した。
最初は文句を言っていた宰相達も割と初日で妥当でしたねと言ってきたから問題はないだろう。
だからそちらは適当に指示だけ出して溜まっている仕事を兄と一緒に片付けていた。

仕事をする兄はカッコいい。
夜の可愛さとのギャップがまたたまらなくて、凄く好きだなといつも思う。
ずっと見つめていたいのに仕事があるからそれができなくて残念でならない。

そうやって仕事の合間に溜息を吐いていたら、心配したように声を掛けられた。

「ロキ。どうした?疲れたか?」
「いえ。素敵な兄上をずっと見ていたいのに仕事があって邪魔だなと思って」
「そ、そうか」
「頑張って片付けるので、ちょっとだけ兄上を見つめていてもいいですか?」
「もちろんだ。好きなだけ見てて欲しい」
「ふふっ。嬉しい」

じんわりと胸に広がるのは幸せだなという気持ち。
ブルーグレイでは色々あったけど、兄はちゃんと俺に向き合って俺を理解しようとしてくれた。
人任せにせず、こんな面倒臭い俺に一つ一つ一生懸命確認してくれて、そんな兄に凄く癒された気がする。
ずっとずっと側に居たいから、俺もちゃんと兄を見習って、言いたいことは素直に言ってみようと思った。
だから今も『何でもない』と言わずにちゃんと思っていた事を口にしてみたのだ。
そうしたら好きなだけ見てていいと言ってもらえた。幸せ。
いつか終わってしまう未来に怯えるより、今の幸せをちゃんと大事にしようとまた前向きに考えられるようになった。
こんな風に考えられるようになったのも、偏にセドリック王子と兄のお陰だと思う。

そんな俺にリヒターもどこか嬉しそうに『良かったです』と言ってくれたから、より一層安心する事ができた。




その夜のこと。
兄と広々とした湯殿でまったりしていると、思い切ったように尋ねられた。

「ロキ!ど、どんなプレイで抱かれたい?」

緊張しているのか兄は頬を染めながら上目遣いで俺を見てきて、凄く抱きたくなった。

「兄上が可愛すぎるうちは無理です。抱かせてください」
「え?!」

凄く驚かれたけど、可愛い兄が悪い。
湯殿で身悶えながら甘く啼いて抱かれる兄も凄く可愛かった。




その翌日も今度は昼食時に聞かれた。
どうやら兄的に早く済ませたいらしい。

(まあいいか)

「兄上が今したいプレイでいいですよ?」

どうせなら兄の喜ぶシチュエーションがいい。
そう思って言ったのに、兄はそれじゃあダメなんだと言って譲らなかった。

「俺がロキを喜ばせて満足させてやりたいんだから、ロキが好きなプレイにする!」
「兄上…」

こんなに言ってくれるなんて思ってもみなくて、またじんわりと幸せな気持ちが溢れてしまう。

「……幸せ過ぎて怖い」

こんなに幸せでいいんだろうかと思いながらもそれを大事に噛み締めていると、兄から追撃が来た。

「何を言ってる。これから毎日俺がお前を一生幸せにするんだから、こんなものは序の口だ!」
「……え?」
「お前はちょっとやそっとじゃ全く信じてくれなさそうだから、毎日絶対に一つは幸せだと実感させてやることにした」
「え?」
「よく考えたら俺はリヒターやセドリック王子みたいに器用にお前の気持ちを察するのはできそうにないからな。だからこうすることにした」

これなら嫌でも気持ちが伝わるだろう?と兄は言ってくる。

「お前が俺の愛情でお腹いっぱいになるくらい毎日毎日伝えてやるから、安心して俺だけをずっと見ていろ!」

どこか照れたようにそんな風に言われて、俺はそれを反芻して理解するとともに真っ赤になった。

「…………」
「ロキ?」
「……幸せ過ぎて熱が出そうです」

兄は俺をどうしたいんだろう?
あまりの有り得ないことに嬉しすぎて胸がいっぱいで顔があげられない。
これは都合のいい夢なんじゃないだろうか?

結局昼食もそこそこに俺は部屋へと引き上げ、その後本当に熱を出したのだけど、それさえ兄が嬉しそうに看病してくれたから頭がパンクするかと思った。

好きが溢れてどうしようもない。
こんなに愛おしい気持ちをどう兄に返していけばいいんだろう?
熱に浮かされながら俺は一生懸命考えた。

(そうだ!)

良いことを思いついた。
よく考えたら上でも下でも兄を同じくらい気持ちよくさせてあげられるのでは?

(試してみよう)

これならきっと喜んでもらえるはずだし、プレイの幅も広がるから一石二鳥。
兄の為なら是非ともやり遂げよう。
そう思いながら俺はそっと微笑んだ。


***


【Side.カリン】

無事にガヴァムへと帰ってきた。
ここまでくればもう俺の敵はいない。
敢えて言うならリヒターや裏稼業の連中だが、基本的にリヒターは俺達を見守るポジションだし、裏稼業の連中は城にはいない。
つまり邪魔が入ることなく俺が本領を発揮できる場所がここなのだ。
スカーレットの件も取り敢えず処罰を伝えたし、後は地道に仕事を片付けながらロキの信頼を取り戻していくだけだ。
もっとロキを知らないと捨てられるかもしれないし、これまで以上に観察してみよう。
そう思ったのも束の間。

観察するまでもなくロキは俺にベタ惚れだった。

(そう言えばここではいつもそうだった!)

来客時や外に出ている時は別だけど、基本的にロキはここでは俺しか見ていないのだ。
もちろん仕事はするけど、国より俺の方が大事と思ってて、俺を見つめるのが大好きだった。
それこそ勉強や鍛錬なんかで一緒じゃない時を除けば常に俺中心。
ちなみに対外的に人当たり良くしているのも実は俺の為というのも教えてもらったからもう知っている。
国は正直どうでもいいけど、回り回ってプラスに働けば結果的に俺が喜ぶと考えているから動いているだけらしく、嫉妬なんてしなくても良いんですよと笑われてしまった。
ロキの愛が深い。

(しかも帰ってから何故か素直に俺への気持ちを言うようになってないか?)

これまでは気になって尋ねても『なんでもないです』と言いながら嬉しそうに微笑む程度だったのに、戻ってからは思ってることを素直に言い出したからたまらない。
嬉しいけど恥ずかし過ぎて照れる。

(お前は俺をどうする気だ?!)

俺の弟が可愛い。大好きだ。

とは言えこれまでこんなロキに安心し過ぎていた感はある。
ここでまた『元通りだしいいか』なんて思ってしまったら絶対失敗するから、これに胡座をかくことなく俺からも沢山気持ちを伝えていこうと思った。

(よし!仕切り直しだ!)

そう思ってロキとの『初めて』をまず仕切り直そうとしたんだが、上手く躱されてしまった。
俺への愛が溢れ過ぎてるロキに流される!
俺が抱かれる方が好きだからというのもあるのかもしれない。
やっぱりロキと寝るのは凄く気持ちいい。

これじゃあダメだと翌日は手段を変えることにした。
俺はロキを幸せにする計画を立て、それを胸にロキとの初めてに挑みたいと、昼食の席で真面目に伝えてみることに。
これなら昨日みたいに雰囲気で流されたりしないだろうと思いつつ切り出してみた。

そしたら『幸せ過ぎて怖い』と言い出しなんだか幸せを噛み締め始めたから、『あれ?』と思って『ここで更に計画を話したらどうなるんだろう?』とちょっと試してみることに。

ちょっと恥ずかしいけど思い切って口にしてみたところ、言えば言うほどロキが驚いてじわじわと頬を染めていったので、反応もいいからもう全部言ってやろうと調子に乗って勢いのまま言ってやったら真っ赤になって俯いてしまい、その後熱を出された。
『幸せ過ぎて熱が出そう』と言っていたから、きっとそのせいに違いない。

ロキの幸せ指数が低過ぎて心配になる。
もちろん俺が責任を持って看病したけど、やっぱり全然愛情が足りてなかったんだと実感した。
もっとこれから幸せにしてやらないと。

それから熱が下がったところで汗を流すのに一緒に湯殿へ行って、背中を流しあっていたらなんとなく唇が合わさりそんな空気になって、試しに『抱いていいか?』と聞いたら頷いてくれたから今度はちゃんと感じさせてやろうと部屋に連れ帰って前戯から頑張ってみた。

ロキ自身特に喘ぐわけじゃないけど、「兄上、ご奉仕も上手ですね」って頬を上気させながら気持ち良さそうに表情を緩ませるからもっと気持ちよくなって欲しくていっぱいしてやったんだ。

病後の気怠げな感じが色香を滲ませていて、いつもと違った雰囲気でどこか妖艶にも見える。
そんなロキに凄くドキドキさせられた。
しっかりほぐして挿れたし負担は少ないだろうけど、辛くはないだろうか?

「ロキ…大丈夫か?」
「ん…大丈夫です」
「そうか。病み上がりだし、俺に抱きついてていいからな?」
「ふふっ。嬉しい」

そう言いながらロキが嬉しそうに俺に抱きついてきて、何度も唇を合わせながら時折チュッと優しく吸い上げてくるのがたまらなく良かった。

(気持ちいい…)

そうやって幸せだと思いながらうっとりしていると、ロキが思いがけないことを言い出した。

「は…ぁ、兄上。挿れられてても、ちゃんとしっかり愛してあげますからね?」
「え?」
「だって、言ってたでしょう?」
「何、を?」
「俺に抱かれるのは全身で愛されてるって感じるし、これでもかと悦ばせてもらえるから興奮して好きなんだって」

確かに言った気はするし、その通りだと思う。

「だから、逆でもちゃんと変わらず愛してるって伝えてあげます」

そう言いながらロキは俺をそっとベッドの上に押し倒し、上に乗った状態で身を寄せ耳元で囁いてきた。

「挿れてようと挿れられてようと他のところは変わらないんですよ?」

わかってないですねと笑いながらロキは俺の胸を可愛がり始める。

「え?ん…や、やぁっ…!」

耳朶を噛み、舌を這わせてロキが俺の弱いところを責め始める。
しかもまだ二回目のくせにキュッと絶妙な力加減で俺を締め付け緩々と腰を揺らして焦らし始めた。

「え?え?!う、嘘?!」
「兄上。大丈夫。前回で感覚はちゃんと掴んだので、こっち側でもしっかり満足させてあげます」
「ひぅっ!」

後孔に指を添わせてゆっくりとそこもほぐされていく。

「玩具も使ってみましょうか。ふふっ。絶対気持ちいいですよ?」
「え?!や、やぁ…んっ!」
「はぁ…兄上。これからは擬似3Pもできますし、リヒターを入れたら兄上を挟んでサンドイッチもできるようになりますよ?幅が広がるし、楽しみですね」
「ちょ、ちょっと待てっ!」
「ん…兄上。ほら、一緒に気持ちよくなりましょう?」

ゆっくりと指を後孔に刺し挿れられて手慣れた手つきで中を探られ、あっという間に気持ちよくさせられた。

「あっ、ロキ!ダメッ!」

今日は俺がロキを気持ちよくしてやるつもりだったのに、どうしてこうなった?!

「ほら。こうしたら気持ちいいでしょう?」
「んぁあああっ!かき混ぜないでぇっ!気持ちいっ!あ、動いちゃダメッ!擦れるぅ!」

そこからは正直いつもと同じくらいロキに翻弄させられてしまったと言っても過言ではない。
前にプジーを挿れられる替わりにロキの中に挿れていて、絶妙な締め付けで翻弄されているという感じだ。
しかもロキは俺の根元をしっかり押さえながら射精管理までして翻弄してくるから逃げ場がない。
合間合間に胸まで甘噛みして舐めしゃぶってくるからたまらないし、嫌でも翻弄されてしまう。
イカせてイカせてと懇願してたら限界まで来たところでにっこり笑って『じゃあ今度は後ろで中イキさせてあげますね』って言って、自分は休憩しながら俺の後ろに挿れた玩具で虐め始めたんだ。
前の戒めは解いてくれなかったから、それこそビクビク身を震わせながら中イキしまくることになった。
そうして息も絶え絶えに感じさせられたところで『そろそろ前でイッてもいいですよ?』と言いながら手を放して腰を揺らし始め、これでもかと騎乗位で責め立て始める。

「やぁ…ん!ご主人様っ!そんなに搾り取ろうとしないでぇっ!気持ちいっ!出ちゃうぅ…っ!」

俺を見下ろすロキの顔は興奮しているせいかいつも以上にSっ気が凄くて、感じているのも相俟って髪を掻き上げる姿がゾクゾクするほど艶美に映って仕方がなかった。
どうして挿れてるはずの俺がこんな風に抱かれているんだろう?
倒錯的過ぎてもう何が何だかわからないほど興奮させられるんだが?!

「ん…俺もイキそうです。兄上。いっぱい大好きな白濁まみれにしてあげますね?」
「あ…んぅっ!」

ドプッとかけられた熱い白濁が俺の身に飛び散って卑猥な姿をロキの前へと晒す。
それと同時に俺もロキの中へと放っていたんだけど、その時のロキの嬉しそうな顔と言ったらなかった。

そうして俺はロキに散々気持ちよくしてもらって、なんだか新しい扉を開かされた気がする。
兎に角放心してしまう程すっごく良かった。
床上手にも程があるだろう。

(これ、本気でロキ以外いらないんだが?!)

どっちのポジションでも俺を満足させてくれて、どこまでも俺だけを見て深く愛してくれる相手なんて絶対他にはいないだろう。
多人数プレイなんてどう考えても必要ないし、リヒターを混ぜる必要すらない。
ロキさえ納得させられればいいのでは?!

(でもそれが一番難しいんだよな…)

やっぱり自信を持たせてやるのが一番の近道か?
兎に角ロキに捨てられないよう本気で頑張ろう。

そう思いながら俺は蕩けた顔で嬉しそうに笑うロキからのキスを受け入れたのだった。


****************

※『これ、どうなるんだろう?ロキ様でも喘いだりするのかな?ドキドキ』と興味津々で見守ってたカークは、こっそり身悶えながら『ロキ様やっぱ最高!ドS過ぎる!』と鼻血出してヌいていたとかいないとか。

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