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93.ブルーグレイ再訪④
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「兄上。そちらは変わりはないですか?」
「ロキ…」
「寂しいでしょうけど、滞在は三日で構わないと言ってもらえたので、すぐに帰りますからね」
「…………わかった。会えるまで我慢する」
「今日は可愛がらなくていいんですか?」
「いいんだ。今日はお前の声が聞きたい」
「そうですか」
「今日は城に入ったんだろう?大丈夫だったか?」
「ええ。とても良くしてもらっているので心配しなくても大丈夫ですよ」
「ずっと城にいたのか?」
「いえ。今日はセドリック王子に街の方に連れて行ってもらって、スパイスを使った屋台の物を食べたり、シャーベットという冷たい飲み物のようなものを試してみたり色々楽しく過ごしましたよ」
「あの冷酷王子と街で楽しく食べ歩き…だと?」
「ええ。以前ガヴァムに来て頂いた際も街歩きはしたことがあったので別におかしくはないかと」
「…………俺もロキと歩きたい」
「街をですか?」
「ああ」
「じゃあ帰ったら一緒に食べ歩きに行ってみますか?リヒターが詳しかったし、きっと言えば案内してくれますよ?」
「リヒターはいいから、お前と二人で歩きたい」
「でも危ないですよ?」
「街歩きの間ならお前ひとりくらい俺が守ってやる」
そんな風に言ってくれる兄の言葉に思わず頬が緩んでしまう。
「それは頼もしいですね。楽しみにしています」
「ああ。その代わり、会ったら一番に抱きしめてくれるか?」
「ええ、もちろん。愛してます、兄上」
「俺も。お前だけ愛してる」
そんな感じで通話を切った。
「兄上…」
愛しさが込み上げ、ついチュッとシャメルの画にキスを落としてしまう。
何度も何度も見飽きるほどに見た画だけど、兄の可愛い姿にどうしようもなく癒される。
「我慢してるのは兄上だけじゃないんですよ?」
早く抱きしめて愛したい────そんな気持ちで自分を慰め、シャワーを浴びてから休んだ。
***
滞在二日目、俺はリヒターを連れて鍛錬場へと足を運んでいた。
どうもセドリック王子とアルフレッドの打ち合いを見せてもらえるらしい。
以前一度見せてもらったことがあるが、あれは壮観だった。
一見の価値はあるし、是非見させてもらおうと全員で向かう。
するとアルフレッドの副官だと言うオーガストという騎士に話しかけられた。
話を聞くと彼もアルフレッドに匹敵する程腕の立つ騎士らしく、アルフレッド自らスカウトしてきたのだとか。
それを聞いたリヒターが是非ご教授願いたいと言いだしたので、珍しいなと思いつつ許可を出した。
二人であれこれ話し、訓練法などを色々教えてもらいながら実際に手合わせもしようかと話はまとまっていく。
気にはなったが、俺は俺でセドリック王子達に呼ばれたのですぐさまそちらへと目を向けた。
「そう言えばロキ、昨日レオナルド皇子から連絡が入ったが、何か聞いているか?」
「レオからですか?こちらには特に何も」
「そうか。ちなみにカリン…陛下からは?」
「兄上ですか?昨夜も話しましたけど、特には変わりはないようで、帰ったら一緒に街歩きがしたいと言ってくれました」
その話をした時のことを思い出してつい頬が緩んでしまったが、これくらいは許してもらえるだろう。
「…………そうか。では水を差さない方が良さそうだな」
「水?」
「いや。きっとお前に可愛がって欲しくてのことだろう。俺があれこれ言うまでもない」
「…?」
「滞在が長引いてもお前なら歓迎しよう。さて、剣の型でも教えてやるとしようか」
「セドリック王子自らですか?」
「不服か?」
「いえ。嬉しいです」
なんだかんだと面倒見がいい人だなと思いながら俺はセドリック王子とアルフレッドから剣の型をしっかり教わっておいた。
勿論帰ってから自分で繰り返し練習できるよう先に頭に叩き込んだ上で取り掛かる。
身体は後からついてくるし、才能のない自分はこうして覚えるのが一番いい。
アルフレッドは『頭より先に身体で覚えるんだ!』と言うけど、そう言うのはある程度才能がある人がやることだと思う。
俺のように才能がなく普通以上に努力が必要な者は先にしっかりと頭に焼き付けておいて、それから何度も何度も反復すべきだろう。
あまりにも脳筋なことを言われ続け、本当にとことん自分と考え方が違う人だなと溜め息が出てしまった。
面倒臭いのでできれば押し付けはやめてほしい。
その点セドリック王子はある程度教えたら後は自力で頑張れと放置してくれるので気が楽だ。
アルフレッドもこれくらい放っておいてくれたらいいのに。
そんな事を考えながら自分なりに修正修正を繰り返し、頭に焼き付けたアルフレッドやセドリック王子の剣技に近づけていく。
沢山型を教わったからそのうちの一つを集中して練習していたら段々形になってきた。
多角的に見て、角度、スピード、振り抜き方をしっかりと思い出して、ぶれないように軌道へと乗せていく。
「五月雨」
ヒュヒュヒュヒュンッ!
(あ、いい感じ)
やっとイメージ通りに振り抜くことができた。
これなら後はこれをしっかりと身体に覚えさせるだけで完全にマスターすることができる。
「ロキ陛下…って、え?!まさか五月雨覚えてる?!」
「…………邪魔しないでいただけます?」
「あ、わ、悪かった」
邪魔は入ったものの型は覚えたので、このまましっかり身体に覚えこませつつ段々力が乗るようにしていき、それができるようになったら今度はスピードもあげてみる。
「う~ん…スピードを上げるとぶれるな」
また修正、修正の繰り返し。
アルフレッドが何か言っているけど知らない。
脳筋は黙っててほしい。
「セド…ロキ陛下が酷い」
「構うな。ロキはそういう奴だ」
漏れ聞こえるセドリック王子の声はどこか嬉しそうに弾んでいるから別に構わないだろう。
それから暫くしてやっと満足がいったのでちょっと休憩をと思ったところでリヒターが声を掛けてくれた。
「ロキ陛下、お疲れ様です。どうぞ」
「ありがとう」
流石リヒター。水を差しだすタイミングも的確だ。
「お前も満足のいく訓練はできたか?」
「ええ。オーガスト殿が丁寧に指導してくれたので」
「そうか」
どうやらリヒターはオーガストが気に入ったらしく、また手紙のやり取りで鍛錬法などを教えてもらうつもりだと言っていた。
ガヴァムの騎士だけだとどうにも心配だったし、こうして交流がもてるのはいいことだと俺は笑みを浮かべた。
「昼食の時間にはまだ間に合うそうです。行かれますか?」
「そうだな。じゃあ部屋に用意してもらおうか」
「わかりました。伝えてきます」
そしてリヒターが離れた所でそのオーガストが話し掛けてくる。
「ロキ陛下。独特な訓練法でしたが、きちんと身に着けておられる姿に感服しました」
「ああ、ありがとう」
「ただ手振れで随分手古摺ってましたよね?」
「ああ、そこはスピードを上げるとどうしてもそうなってしまって…」
「なら、剣技と合わせてここの筋肉を鍛えたらいいと思います。さっきリヒターに伝えておいたのでまた聞いておいてください。きっともっとスムーズにできるようになると思いますので」
「ああ、それは有難いな。ありがとう」
「どういたしまして」
そうやって的確な指導をしてくれる姿を見て、『ああ、これはリヒターが好む相手だな』と納得がいった。
天才肌なセドリック王子とも、自分の実力を自力で更に伸ばし続けてきたアルフレッドともまた違う、指導に特化した人材とでもいうのだろうか?
否定することなく落ち着いて一通り見てから指導してくれるタイプは俺としてもありがたい。
うちの騎士団長もこんな人材であればよかったのだが…。
「ロキ、行くぞ」
リヒターが呼んできてくれたのか、セドリック王子がやってきたのでそれ以上話せなかったが、オーガストはひらりと手を振って見送ってくれた。
またいつでもどうぞと言って────。
「ロキ…」
「寂しいでしょうけど、滞在は三日で構わないと言ってもらえたので、すぐに帰りますからね」
「…………わかった。会えるまで我慢する」
「今日は可愛がらなくていいんですか?」
「いいんだ。今日はお前の声が聞きたい」
「そうですか」
「今日は城に入ったんだろう?大丈夫だったか?」
「ええ。とても良くしてもらっているので心配しなくても大丈夫ですよ」
「ずっと城にいたのか?」
「いえ。今日はセドリック王子に街の方に連れて行ってもらって、スパイスを使った屋台の物を食べたり、シャーベットという冷たい飲み物のようなものを試してみたり色々楽しく過ごしましたよ」
「あの冷酷王子と街で楽しく食べ歩き…だと?」
「ええ。以前ガヴァムに来て頂いた際も街歩きはしたことがあったので別におかしくはないかと」
「…………俺もロキと歩きたい」
「街をですか?」
「ああ」
「じゃあ帰ったら一緒に食べ歩きに行ってみますか?リヒターが詳しかったし、きっと言えば案内してくれますよ?」
「リヒターはいいから、お前と二人で歩きたい」
「でも危ないですよ?」
「街歩きの間ならお前ひとりくらい俺が守ってやる」
そんな風に言ってくれる兄の言葉に思わず頬が緩んでしまう。
「それは頼もしいですね。楽しみにしています」
「ああ。その代わり、会ったら一番に抱きしめてくれるか?」
「ええ、もちろん。愛してます、兄上」
「俺も。お前だけ愛してる」
そんな感じで通話を切った。
「兄上…」
愛しさが込み上げ、ついチュッとシャメルの画にキスを落としてしまう。
何度も何度も見飽きるほどに見た画だけど、兄の可愛い姿にどうしようもなく癒される。
「我慢してるのは兄上だけじゃないんですよ?」
早く抱きしめて愛したい────そんな気持ちで自分を慰め、シャワーを浴びてから休んだ。
***
滞在二日目、俺はリヒターを連れて鍛錬場へと足を運んでいた。
どうもセドリック王子とアルフレッドの打ち合いを見せてもらえるらしい。
以前一度見せてもらったことがあるが、あれは壮観だった。
一見の価値はあるし、是非見させてもらおうと全員で向かう。
するとアルフレッドの副官だと言うオーガストという騎士に話しかけられた。
話を聞くと彼もアルフレッドに匹敵する程腕の立つ騎士らしく、アルフレッド自らスカウトしてきたのだとか。
それを聞いたリヒターが是非ご教授願いたいと言いだしたので、珍しいなと思いつつ許可を出した。
二人であれこれ話し、訓練法などを色々教えてもらいながら実際に手合わせもしようかと話はまとまっていく。
気にはなったが、俺は俺でセドリック王子達に呼ばれたのですぐさまそちらへと目を向けた。
「そう言えばロキ、昨日レオナルド皇子から連絡が入ったが、何か聞いているか?」
「レオからですか?こちらには特に何も」
「そうか。ちなみにカリン…陛下からは?」
「兄上ですか?昨夜も話しましたけど、特には変わりはないようで、帰ったら一緒に街歩きがしたいと言ってくれました」
その話をした時のことを思い出してつい頬が緩んでしまったが、これくらいは許してもらえるだろう。
「…………そうか。では水を差さない方が良さそうだな」
「水?」
「いや。きっとお前に可愛がって欲しくてのことだろう。俺があれこれ言うまでもない」
「…?」
「滞在が長引いてもお前なら歓迎しよう。さて、剣の型でも教えてやるとしようか」
「セドリック王子自らですか?」
「不服か?」
「いえ。嬉しいです」
なんだかんだと面倒見がいい人だなと思いながら俺はセドリック王子とアルフレッドから剣の型をしっかり教わっておいた。
勿論帰ってから自分で繰り返し練習できるよう先に頭に叩き込んだ上で取り掛かる。
身体は後からついてくるし、才能のない自分はこうして覚えるのが一番いい。
アルフレッドは『頭より先に身体で覚えるんだ!』と言うけど、そう言うのはある程度才能がある人がやることだと思う。
俺のように才能がなく普通以上に努力が必要な者は先にしっかりと頭に焼き付けておいて、それから何度も何度も反復すべきだろう。
あまりにも脳筋なことを言われ続け、本当にとことん自分と考え方が違う人だなと溜め息が出てしまった。
面倒臭いのでできれば押し付けはやめてほしい。
その点セドリック王子はある程度教えたら後は自力で頑張れと放置してくれるので気が楽だ。
アルフレッドもこれくらい放っておいてくれたらいいのに。
そんな事を考えながら自分なりに修正修正を繰り返し、頭に焼き付けたアルフレッドやセドリック王子の剣技に近づけていく。
沢山型を教わったからそのうちの一つを集中して練習していたら段々形になってきた。
多角的に見て、角度、スピード、振り抜き方をしっかりと思い出して、ぶれないように軌道へと乗せていく。
「五月雨」
ヒュヒュヒュヒュンッ!
(あ、いい感じ)
やっとイメージ通りに振り抜くことができた。
これなら後はこれをしっかりと身体に覚えさせるだけで完全にマスターすることができる。
「ロキ陛下…って、え?!まさか五月雨覚えてる?!」
「…………邪魔しないでいただけます?」
「あ、わ、悪かった」
邪魔は入ったものの型は覚えたので、このまましっかり身体に覚えこませつつ段々力が乗るようにしていき、それができるようになったら今度はスピードもあげてみる。
「う~ん…スピードを上げるとぶれるな」
また修正、修正の繰り返し。
アルフレッドが何か言っているけど知らない。
脳筋は黙っててほしい。
「セド…ロキ陛下が酷い」
「構うな。ロキはそういう奴だ」
漏れ聞こえるセドリック王子の声はどこか嬉しそうに弾んでいるから別に構わないだろう。
それから暫くしてやっと満足がいったのでちょっと休憩をと思ったところでリヒターが声を掛けてくれた。
「ロキ陛下、お疲れ様です。どうぞ」
「ありがとう」
流石リヒター。水を差しだすタイミングも的確だ。
「お前も満足のいく訓練はできたか?」
「ええ。オーガスト殿が丁寧に指導してくれたので」
「そうか」
どうやらリヒターはオーガストが気に入ったらしく、また手紙のやり取りで鍛錬法などを教えてもらうつもりだと言っていた。
ガヴァムの騎士だけだとどうにも心配だったし、こうして交流がもてるのはいいことだと俺は笑みを浮かべた。
「昼食の時間にはまだ間に合うそうです。行かれますか?」
「そうだな。じゃあ部屋に用意してもらおうか」
「わかりました。伝えてきます」
そしてリヒターが離れた所でそのオーガストが話し掛けてくる。
「ロキ陛下。独特な訓練法でしたが、きちんと身に着けておられる姿に感服しました」
「ああ、ありがとう」
「ただ手振れで随分手古摺ってましたよね?」
「ああ、そこはスピードを上げるとどうしてもそうなってしまって…」
「なら、剣技と合わせてここの筋肉を鍛えたらいいと思います。さっきリヒターに伝えておいたのでまた聞いておいてください。きっともっとスムーズにできるようになると思いますので」
「ああ、それは有難いな。ありがとう」
「どういたしまして」
そうやって的確な指導をしてくれる姿を見て、『ああ、これはリヒターが好む相手だな』と納得がいった。
天才肌なセドリック王子とも、自分の実力を自力で更に伸ばし続けてきたアルフレッドともまた違う、指導に特化した人材とでもいうのだろうか?
否定することなく落ち着いて一通り見てから指導してくれるタイプは俺としてもありがたい。
うちの騎士団長もこんな人材であればよかったのだが…。
「ロキ、行くぞ」
リヒターが呼んできてくれたのか、セドリック王子がやってきたのでそれ以上話せなかったが、オーガストはひらりと手を振って見送ってくれた。
またいつでもどうぞと言って────。
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