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閑話12.※マーシャルの仲間入り Side.カリン

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※今回マーシャルを含めた4Pのお話となっております。
苦手な方は飛ばして読んでください。

次回とその次は鉱山ホテルに旅行に行く話なので、ちょっとRが続く予定。
二人でイチャイチャしてるだけですが、鏡張りの部屋と牢屋部屋でちょっとマニアックかもしれないのでダメだと思ったらそちらもパスしてくださいね。
すみませんが宜しくお願いしますm(_ _)m


****************


これはリヒターからマーシャルを仲間に引き入れてしまえばいいと言われてから暫くしての話だ。

正直俺はあまり気乗りしていなかった。
何故ならロキと二人きりでするのが一番ロキを独り占めできるからだ。
そこにリヒターが入るのはまあ慣れはしたけど、リヒターがロキを好きなのは俺の中で確定だから本当は嫌なんだ。
二人揃って自分達はそんな関係じゃないと言うが、油断なんてできるはずがない。
そこにマーシャルが加わればどうなる?
万が一マーシャルまでロキに懸想したらと思うとどうしても気乗りはしないのだ。
だから延ばし延ばしにできるならその方がいいと思っていたんだが……。

「兄上」

ある日ロキが満面の笑みで背後から俺に抱きついてきて、そっと耳元で囁いてきた。

「今日はとっても三人でしたい気分なんです。ダメですか?」
「なんだ?二輪挿しでもしたくなったのか?」
「いえ。兄上がリヒターにフェラをしている姿を見ながら犯したくなって…」

『あの顔が可愛くて大好きなんです』と甘い声で囁かれて真っ赤になりながら心臓がバクバク弾むのを感じた。
こんな風に言ってくるなんて反則もいいところだ。
しかもさり気なく胸を撫でながら言ってくるところがあざとい!

「うっ…し、仕方ないな」
「嬉しいです」

ニコッと笑うロキは本当に嬉しそうで、胸がきゅんとしてしまう。
そんな俺に思い出したかのようにロキが言った。

「あ、そう言えばリヒターが前にマーシャルも入れたらとか言ってましたっけ。ついでに参加させますか?」
「……今回はパスでいいんじゃないか?」
「そうですか。じゃあリヒターとキスでもしながら兄上を煽ろうかな…」
「なっ?!」

それは結婚祝いじゃなかったのかと思わず声を上げると、淡々としながら『よく考えたら別にこだわらなくてもいいかなと思って』とか言い出した。

何があった?!
ハードルが下がるような何かがあったのか?!
許さないぞ?!
そう思ってギッとリヒターを睨みつけると誤解だと言わんばかりにこちらを見てきたが、信じられるものか!

「ロキ陛下。カリン陛下の嫉妬を煽って虐めるのはやめてあげてください。それよりもマーシャルを入れて仲間に入れた方が無難です」
「そうか?」
「ええ。それに幅も広がってきっとカリン陛下も楽しめると思いますよ?」
「う~ん…。兄上、四人でするのと三人でするのならどちらがいいですか?」

何だその究極の選択は?!

「……お前がリヒターとキスしないなら四人がいい」
「じゃあそうしましょうか」

ロキをリヒターに取られながらヤキモキして抱かれるより分散した方が無難だ!
そうだ!マーシャルにリヒターをひきつけておけと言っておこう!
そうしたらロキが俺だけとイチャイチャしてくれるはず!

「マーシャル!今回の閨でできるだけお前はリヒターをひきつけておけ!命令だ!」
「無茶を言いますね。まあいいです。できるかはわかりませんが、極力頑張ってみます」
「ロキは俺を白濁塗れにするのが好きだから、できるだけそっちに持っていくんだ」
「え?俺がカリン陛下を犯しても構わないんですか?」
「……できれば避けたいからそれも覚えておけ」
「わかりました」

ひそひそとそんなことを話してから俺はその日の夜に挑んだ。




「兄上。この四人では初めてですけど、三人で兄上を可愛がる形でいいですか?」

早速というようにロキが俺にキスを落としながらそんなことを言ってきたので、俺はそれに待ったをかける。

「いや。そうだ!前に言っていたじゃないか!俺がマーシャルに入れてお前が俺に入れるんだろう?あれを実行しよう!」

ロキにだけ犯されたいと頑張って口にしてみる。
すると確かにそんな話をした覚えがあると思い出してくれたようで、じゃあと言ってマーシャルへと向き直った。

「マーシャル。俺が兄上としている間にリヒターにほぐしてもらっておけ。兄上がすぐ挿れられるように」
「わかりました。じゃあリヒター、よろしく」
「ああ」

そんな感じで無事二組に分かれて事に及べることに。

(よし!その調子でリヒターをしっかり引き留めておくんだぞ!)

そして俺は嬉々としてロキを独り占めし、沢山キスをしてそのまま可愛がってもらう。

「ふふっ。こういうのも変わっててなかなか楽しいですね」

そんなことを言いながらロキは俺を愛してくれた。

「んっんっ…」

キスで蕩けさせられながら後ろを慣らし、ロキがグッと俺の中へと入ってくる。
それだけで俺は幸せで、離さないぞと言わんばかりにキュッと締め付けてしまった。
これは俺のだ。
誰にもやらない。
そんな気持ちでしっかり抱き着いて堪能する。
するとロキが嬉しそうに俺を抱き上げてそのまま対面座位で責め立て始めた。
奥まで当たって気持ちがいい。

「はぁ…ロキぃ…」

積極的に俺からもロキを求めそのまま愛し合う。
いつものように虐めてこないのはこの後四人でするからなんだろう。
その分責め立ては緩やかで優しく、普通に愛されている気がする。
幸せいっぱいとは思うものの、今は別に喧嘩中でもなんでもないし、正直いつもと比べてしまうからちょっと物足りない。
普通じゃ物足りないなんて贅沢なのかもしれないが、それだけいつもロキが俺を満足させてくれてるということに他ならないのだ。
ゆったり愛されるのもいいけど、やっぱり激しく犯されて頭が真っ白になるくらい責め立てられたい。
そんな俺をわかっているからか、ロキがどこか楽しげな顔で『お楽しみはまだもう少し待ってくださいね』と言ってきて、チュッとキスをしてくれた。

それからあちらと合流しマーシャルに挿れたのだけど、ここでまたロキが思い立ったようにおかしなことを言い始めた。

「兄上。そのままマーシャルを楽しませてください。マーシャル、折角の初4Pだし食べ比べをさせてやろう。兄上とリヒターと俺が順に挿れてやるから、それぞれ楽しむといい」
「え?ひゃっ!」

(ロキがこいつに挿れるだと?!)

リヒターなら兎も角そんなのは嫌だと思い、つい思い切り突き上げてしまったけど、そんな俺にロキが楽し気に笑いながらそっと囁いてきた。

「兄上。兄上がマーシャルを犯す姿に興奮してしまったんです。だからリヒターに犯されてる可愛い顔を見ながら沢山キスがしたいなと思ってしまって。時間ももったいないですし、ダメですか?」
「ぐっ…」

こんな風に言ってくるのは反則だ。
俺以外にロキが挿れるなんて本来絶対に嫌なんだが、こう言われてしまうとなんだか断るに断れない。

(そうだ。これは『食べ比べ』だ)

ロキだけが挿れるわけじゃない。
俺もリヒターも挿れるから嫉妬する必要はない。
なんとかそう呑み込み、わかったと言ってマーシャルを犯してやった。
ちゃんとしっかり味わえと思いつつ抱いたけど、抱きながらやっぱり俺はロキに犯される方が好きだなとどうしても思ってしまう。
前だけ気持ちいいよりも、全身を可愛がってもらえる方がいいに決まっている。
それになんだかマーシャルを見ていると自分を重ねてしまうせいで、どうしてもロキのようには抱いてやれないのだ。
あの抱き方は一種の才能だと思う。
それを証拠に次にマーシャルに挿れたリヒターだって上手くはあったがそれだけだ。
マーシャルは気持ちよさそうだが、俺からしたらロキと比べたらまだまだだと思ってしまう。

「じゃあ兄上。リヒターにバックで可愛がってもらいながら顔はこっちに向けてくださいね?」
「んっ…」

そしてマーシャルに挿入したロキを見ながらリヒターに抱かれ、何度もロキにキスをされながら様子を見ていたのだが……。

「あっ!あぁんっ!そこ、ダメぇ!」
「ふっ…ダメじゃないくせに」
「あ…あぁ…」

あっと言う間に陶酔させられうっとりし始めるマーシャルに嫉妬心が湧き起こる。
でもそんな俺にロキがクスリと笑って嬉しそうにチュッとキスをして最高だと言ってくるのだ。

「ああ、兄上。嫉妬している兄上が可愛すぎてたまりません」

可愛い可愛いと何度もキスをされてリヒターの突き上げと目の前で責め立てられるマーシャルの姿を見ながら頭が混乱してくる自分がいた。
俺を犯しているのはリヒターで、ロキが犯しているのはマーシャルのはずなのに、どうして俺はロキに抱かれているような錯覚に襲われるんだろう?
やっぱり俺だけを愛おしそうに見つめてくるロキの熱を孕んだ眼差しがそんな錯覚を覚えさせるんだろうか?
もしかしたらロキも似たような錯覚に襲われていたのかもしれない。
気づけばロキはまるで普段俺を犯す時のような激しさでマーシャルを犯していたのだから。
食べ比べの域は絶対に越えているはずだ。

「あっあっ!陛下っ!凄いぃ!」
「ふふっ…兄上の恩恵が受けられて良かったな?マーシャル」
「ああ────っ!」

堕ちろと言わんばかりに片足を上げられ奥まで突き上げられ気絶させられたマーシャルに、ロキが嗜虐的に笑う。
ご主人様はこんな時も健在だ。
ビクビク震えて絶頂を駆け上がったマーシャルはとても気持ちよさそうではあったが、正直羨ましくて仕方がない。

「兄上。マーシャルが気絶してしまったので、このままリヒターと二輪挿しにして構いませんか?」
「え?」
「本当はね?マーシャルに挿れる兄上を見て嫉妬してしまっただけなんです」

これで長々マーシャルに目を向けず俺だけを見てくれるでしょう?とロキは確信犯的に笑った。
どうやら食べ比べなんてことを言い出したのはそれが大きな要因だったらしい。
ロキの嫉妬はわかりにくいのだ。
でも可愛いと思ってしまう俺はダメな兄なんだろう。

(それならたまにはいいか…)

俺がリヒターに嫉妬するようにロキもマーシャルに嫉妬すればきっとお相子だ。

「ロキ…嫉妬するのはいいが、リヒターとはキスをするなよ?」
「ふふっ。わかってますよ。約束しましたもんね?」

そう言いながらロキは近くに置いていた蒸しタオルで先程までマーシャルに挿れていたそこを清め、潤滑油を使い俺の中へとゆっくりと入ってきた。

「兄上、沢山気持ち良くなってくださいね?」
「ぁあっ!」

そうして結局初めての4Pはロキの嫉妬でいつもとあまり変わらない、満足感でいっぱいの夜になったのだが、翌日『ロキ陛下が最高過ぎて忘れられない』と夢見るように呟いたマーシャルにしっかりと釘を刺したのは言うまでもない。

ライバルはリヒターだけで十分だ。

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