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78.ロキはドSだと忘れていた Side.カリン&シャイナー
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【Side.カリン】
ロキの言葉にどうしてどうしてとそんな言葉ばかりが頭を巡る。
気を付けていたはずだった。
油断なんてしていないつもりだった。
ロキの安全は確実に確保していたし、接点だって作らないようにしていた。
今回だって俺が同席しているからシャイナーに隙なんて見せないぞとちゃんと思っていたはずだ。
それなのに────。
気づけばその場で俺は悪者に仕立て上げられていて、何故かロキがシャイナーを抱かなければいけない状況に陥ってしまっていた。
どうしてこんなことにと俺が蒼白になったのも仕方のないことだろう。
それはそうだ。
誰だって自作自演で自分に媚薬を盛ってくるなんて考えたりはしない。
倒れたのはシャイナー一人。
どこからどう見てもシャイナーは被害者だ。
ロキが気付いてくれたからよかったものの、下手をすれば俺はロキにまで疑惑の目を向けられていただろう。
ガヴァム側は皆戸惑うように俺を見て、中には嫉妬でやらかしたのかという疑惑の目を向けてくる者までいた。
それはそうだ。ここ数ヶ月、ガヴァム側でのシャイナーの評判はすこぶる良かったのだから。
あんな事はあったけど、すっかり改心したようですねと補佐官の皆も最近では安心したように笑顔で話していたし、シャイナーはしっかり彼らの心を掴んでいた。
侍女や騎士達の評価も良く、好印象なのは変わらない。
そんなシャイナーが倒れたのだ。
信じて欲しいと思ってもそう簡単には信じてもらえない。
俺がロキの件でシャイナーを疎んでいたのは周知の事実なのだから。
見事に嵌められた形になって、もうどうしようもない。
でも、そのせいでロキがシャイナーを抱くのは嫌だった。
俺の油断の尻拭いをロキがしなければならないのも耐えられなかった。
嫌だ嫌だと子供のように泣いて駄々をこねる自分が滑稽で仕方なかったが、ロキは優しく俺を抱きしめながら背をさすり、大丈夫ですからと何度も言って落ち着かせてくれる。
「兄上。俺の本音を言ってもいいですか?」
「本音?」
「ええ」
ロキの本音とはなんだろう?
シャイナーなんて抱きたくない、とかだろうか?
俺以外は抱きたくないは言いそうだが……この顔は違うな。
なんだろう?怒ってる?
「個人的な意見として聞いてください。俺は兄上が隣でリヒターに抱かれているのを見ながらシャイナーを抱きたいです」
「?!?!?!……え?」
「だってそうでしょう?相手は兄上を陥れて俺に抱かれようとしてるんですよ?躾けるにせよシャイナーのことだから処女だし玩具は嫌だと言いそうじゃないですか」
「ま…まぁ?」
「そうなったら俺ので最初から最後までということでしょう?腹立たしくて、兄上が抱かれているところを横で見ないととても勃つ気がしません」
「…………」
ロキは俺を陥れようとした相手を抱くことは仕方ないにしても勃つ気がしないからできれば玩具で済ませたいけど、無理そうだから憂鬱だと溢す。
正直俺は驚き過ぎて頭が真っ白になってしまった。
(そう言えばロキはこういう奴だった…!)
抱くのは構わないけど俺と一緒じゃないと閨は嫌と言っていたし、俺を陥れる奴は文句なしに嫌いだろう。
嫌々抱くなら俺が隣で抱かれている姿を見て興奮したい。
ついでにシャイナーは抱かれていても自分を見てもらえなくてお仕置きにももってこいとか考えてそうだ。
ロキの酷さが際立って、ちょっとだけシャイナーにざまあみろと思ってしまう。
普通なら一方的にシャイナーが喜ぶ展開になるようなものだが、相手はロキだ。
そう簡単に行くはずがなかった。
「…………わかった。リヒター、お前も手伝え」
「……仕方ありませんね」
「良かった!じゃあ別室にベッドを二つ並べて用意させましょうか。シャイナーは今お仕置き真っ最中なので、もう少しだけ焦らしてから呼んできます」
ロキがにっこり笑いながら楽し気に鬼畜な発言をする。
「楽しみですね。初めてなのに酷い目にあって、横で気持ち良さそうに抱かれる兄上に見せつけられながら犯される状況になるなんて…ふふっ」
やられた分はきっちり仕返ししましょうね?
そう言って笑ったロキの顔は本気でドSそのものだった。
***
【Side.シャイナー】
身体が熱い。熱が身の内に溜まって辛くて辛くて仕方がなかった。
「はぁ…はぁ…」
「シャイナー陛下。大丈夫ですか?」
労わるように侍女や騎士達が声を掛けてくれたが、自分で盛ったので文句も言えない。
「本当に、ガヴァムはとんでもない国ですわ!」
「本当です。責任は取ってもらわないと!」
(煩い、煩い…!)
「いいから、お前達は下がれ…」
「ですがシャイナー陛下、医師の話ですと媚薬の効果は中和できないとのこと」
「そうです。この際侍女の誰かを抱いて発散されてみては?」
バカなことを。
誰が折角のチャンスを逃すものか。
「俺、は…ロキに抱いて、もらう。お前達は、下がれ…!」
強く命令すると彼らは渋々ながらも下がっていく。
これできっとロキが来たらすぐにでも通せるよう扉前で待機しているだろう。
それにしても辛い。
これは少々誤算だった。
カリンを上手く陥れたつもりだった。
誰もがカリンを疑い、誰にも信じてもらえない中でロキにまで冷たい目を向けられ、ロキが俺を抱くのを黙って見ているしかできない絶望を与えてやるつもりだった。
カリンを悪役に仕立て上げればロキは俺に同情し、媚薬に侵されて可哀想にとすぐにでも抱いてくれると思ったのにそうはならなかった。
兄の不始末は自分の責任とロキなら言ってくれると思ったのに、結果は違っていた。
ロキだけはどこまでも冷静に状況を見ていて、騙されてはくれなかったのだ。
(だが…状況は整っている)
ロキは俺が自作自演で媚薬を飲んだことに気づいていたようだが、事ここに至ってはきっと抱かざるを得ないと判断してくるはず。
ここにきて他の誰かを宛がおうとしても俺の立場ならいくらでも断ることができるからだ。
逃げ場なんて一つとして与える気はない。
今回スルーしようとしてきたら今度はアンシャンテまで謝罪に来いと呼びつけることだってできるし、そうなればこちらのものだ。
たとえどう転ぼうとロキを手に入れるこの絶好の機会を逃す気はない。
だから俺はただ待てばいいのだ。
「はぁ…はぁ……」
(辛い、辛い…)
どれくらい耐えていただろうか。
涙が滲み、飲み込みきれない唾液を滴らせながら腰を揺らして自身に手を伸ばしそうになる気持ちを必死に堪えていると、やっと待ち望んでいたロキが来てくれる。
「お待たせしました。ちょっとベッドの準備が整うのに時間がかかってしまってすみませんでした」
ニコッと笑いながら俺の傍までやってきたロキはそうしてどこまでも嗜虐的な顔で言ってきた。
「悪いシャイナーは、特別室でしっかり躾けてあげますからね?」────と。
「すみません。シャイナー陛下を落ち着かせるために別室に運んでいただいても構いませんか?」
その言葉に俺の近衛達が顔を見合わせ俺を見てくる。
それに対し、俺が許可を出すとそのまま抱き上げてロキが案内した部屋まで運び込まれた。
もうそれだけで辛くて涙が滲むが、なんとか理性をかき集め無理矢理耐えきる。
あと少しの辛抱だ。
辿り着いたそこは確かに特別室の名に相応しい広い部屋で、ベッドも先程よりもずっと大きなものだった。
何故か二台並んでいるのが謎だが、俺はもう限界だったので細かいことは気にせず、俺を置いたらすぐに下がるよう近衛に命じておく。
どうせ立場上俺を害すことなどしてこないとわかっていたし、流石にロキに抱かれている時の声も聞かれたくはない。
これで漸く抱いてもらえる。そんな思いでいっぱいだった。
「ロキ…早く、抱いて…」
けれど涙目でそう訴えた俺にロキはちょっと待ってほしいと言って、とんでもないことを口にしてくる。
「今シャワーに行ってもらってますが、隣のベッドで兄上とリヒターが交わるので、それを見ながら抱いてあげますね?」
「……え?」
「シャイナー。なんでも自分の計画通りに行くと思ったら大間違いですよ?」
ふふっと楽し気に笑うロキにサァッと血の気が引いていく。
「焦らしに焦らしましたし…抱かれたくて仕方がないでしょう?」
シャイナーには拒否権なんてないですよ?と嗤いながら言われて、悔しいような、けれどもっと虐めて欲しいようなおかしな気持ちにさせられてしまった。
「あ…ロキ、ロキぃ…」
多分ロキは怒っている。
けれどそんなことは今の俺にはどうでもよかった。
本当に限界だったのだ。
もう身体に溜まった熱で狂いそうだった。
俺はきっとロキの怒りのままにたっぷりと犯されるのだろう。
きっとそれは凄く甘美な時間になるはず。
媚薬に侵されながら身の内でそれに対する期待と不安が綯い交ぜになって渦を巻く。
「早く…」
けれどそこからちゃんと触れてもらえたのは、リヒターが隣でカリンを抱き始め、あんあん啼きだしてからだった。
「はぁ…たす、助けっ…てぇっ。も、辛いぃ…」
「シャイナー?そろそろちゃんと反省しましたか?」
「あ…許してっ、ロキ…も、カリンを嵌めたり、しなぃからぁッ!抱いて!お願い!」
「約束ですよ?」
「んっんんぅっ!するっ!約束、するっ!」
そうして涙ながらに心から謝罪をしたタイミングで、許しを与えるかのようにチュッと優しいキスが額へと落とされホッと安堵の息を吐いた。
「じゃあ…始めましょうか?」
俺がロキの本質を本当の意味で理解するまで、後少し。
この日、世の中には絶対に逆らってはいけない相手がいるのだと俺は身をもって思い知らされることとなる。
****************
※ここではまだ放置プレイ。
次回R-18になります。
ロキ×カリンとロキ×シャイナーなので、苦手な方は無理せず飛ばしてください。
宜しくお願いします。
ロキの言葉にどうしてどうしてとそんな言葉ばかりが頭を巡る。
気を付けていたはずだった。
油断なんてしていないつもりだった。
ロキの安全は確実に確保していたし、接点だって作らないようにしていた。
今回だって俺が同席しているからシャイナーに隙なんて見せないぞとちゃんと思っていたはずだ。
それなのに────。
気づけばその場で俺は悪者に仕立て上げられていて、何故かロキがシャイナーを抱かなければいけない状況に陥ってしまっていた。
どうしてこんなことにと俺が蒼白になったのも仕方のないことだろう。
それはそうだ。
誰だって自作自演で自分に媚薬を盛ってくるなんて考えたりはしない。
倒れたのはシャイナー一人。
どこからどう見てもシャイナーは被害者だ。
ロキが気付いてくれたからよかったものの、下手をすれば俺はロキにまで疑惑の目を向けられていただろう。
ガヴァム側は皆戸惑うように俺を見て、中には嫉妬でやらかしたのかという疑惑の目を向けてくる者までいた。
それはそうだ。ここ数ヶ月、ガヴァム側でのシャイナーの評判はすこぶる良かったのだから。
あんな事はあったけど、すっかり改心したようですねと補佐官の皆も最近では安心したように笑顔で話していたし、シャイナーはしっかり彼らの心を掴んでいた。
侍女や騎士達の評価も良く、好印象なのは変わらない。
そんなシャイナーが倒れたのだ。
信じて欲しいと思ってもそう簡単には信じてもらえない。
俺がロキの件でシャイナーを疎んでいたのは周知の事実なのだから。
見事に嵌められた形になって、もうどうしようもない。
でも、そのせいでロキがシャイナーを抱くのは嫌だった。
俺の油断の尻拭いをロキがしなければならないのも耐えられなかった。
嫌だ嫌だと子供のように泣いて駄々をこねる自分が滑稽で仕方なかったが、ロキは優しく俺を抱きしめながら背をさすり、大丈夫ですからと何度も言って落ち着かせてくれる。
「兄上。俺の本音を言ってもいいですか?」
「本音?」
「ええ」
ロキの本音とはなんだろう?
シャイナーなんて抱きたくない、とかだろうか?
俺以外は抱きたくないは言いそうだが……この顔は違うな。
なんだろう?怒ってる?
「個人的な意見として聞いてください。俺は兄上が隣でリヒターに抱かれているのを見ながらシャイナーを抱きたいです」
「?!?!?!……え?」
「だってそうでしょう?相手は兄上を陥れて俺に抱かれようとしてるんですよ?躾けるにせよシャイナーのことだから処女だし玩具は嫌だと言いそうじゃないですか」
「ま…まぁ?」
「そうなったら俺ので最初から最後までということでしょう?腹立たしくて、兄上が抱かれているところを横で見ないととても勃つ気がしません」
「…………」
ロキは俺を陥れようとした相手を抱くことは仕方ないにしても勃つ気がしないからできれば玩具で済ませたいけど、無理そうだから憂鬱だと溢す。
正直俺は驚き過ぎて頭が真っ白になってしまった。
(そう言えばロキはこういう奴だった…!)
抱くのは構わないけど俺と一緒じゃないと閨は嫌と言っていたし、俺を陥れる奴は文句なしに嫌いだろう。
嫌々抱くなら俺が隣で抱かれている姿を見て興奮したい。
ついでにシャイナーは抱かれていても自分を見てもらえなくてお仕置きにももってこいとか考えてそうだ。
ロキの酷さが際立って、ちょっとだけシャイナーにざまあみろと思ってしまう。
普通なら一方的にシャイナーが喜ぶ展開になるようなものだが、相手はロキだ。
そう簡単に行くはずがなかった。
「…………わかった。リヒター、お前も手伝え」
「……仕方ありませんね」
「良かった!じゃあ別室にベッドを二つ並べて用意させましょうか。シャイナーは今お仕置き真っ最中なので、もう少しだけ焦らしてから呼んできます」
ロキがにっこり笑いながら楽し気に鬼畜な発言をする。
「楽しみですね。初めてなのに酷い目にあって、横で気持ち良さそうに抱かれる兄上に見せつけられながら犯される状況になるなんて…ふふっ」
やられた分はきっちり仕返ししましょうね?
そう言って笑ったロキの顔は本気でドSそのものだった。
***
【Side.シャイナー】
身体が熱い。熱が身の内に溜まって辛くて辛くて仕方がなかった。
「はぁ…はぁ…」
「シャイナー陛下。大丈夫ですか?」
労わるように侍女や騎士達が声を掛けてくれたが、自分で盛ったので文句も言えない。
「本当に、ガヴァムはとんでもない国ですわ!」
「本当です。責任は取ってもらわないと!」
(煩い、煩い…!)
「いいから、お前達は下がれ…」
「ですがシャイナー陛下、医師の話ですと媚薬の効果は中和できないとのこと」
「そうです。この際侍女の誰かを抱いて発散されてみては?」
バカなことを。
誰が折角のチャンスを逃すものか。
「俺、は…ロキに抱いて、もらう。お前達は、下がれ…!」
強く命令すると彼らは渋々ながらも下がっていく。
これできっとロキが来たらすぐにでも通せるよう扉前で待機しているだろう。
それにしても辛い。
これは少々誤算だった。
カリンを上手く陥れたつもりだった。
誰もがカリンを疑い、誰にも信じてもらえない中でロキにまで冷たい目を向けられ、ロキが俺を抱くのを黙って見ているしかできない絶望を与えてやるつもりだった。
カリンを悪役に仕立て上げればロキは俺に同情し、媚薬に侵されて可哀想にとすぐにでも抱いてくれると思ったのにそうはならなかった。
兄の不始末は自分の責任とロキなら言ってくれると思ったのに、結果は違っていた。
ロキだけはどこまでも冷静に状況を見ていて、騙されてはくれなかったのだ。
(だが…状況は整っている)
ロキは俺が自作自演で媚薬を飲んだことに気づいていたようだが、事ここに至ってはきっと抱かざるを得ないと判断してくるはず。
ここにきて他の誰かを宛がおうとしても俺の立場ならいくらでも断ることができるからだ。
逃げ場なんて一つとして与える気はない。
今回スルーしようとしてきたら今度はアンシャンテまで謝罪に来いと呼びつけることだってできるし、そうなればこちらのものだ。
たとえどう転ぼうとロキを手に入れるこの絶好の機会を逃す気はない。
だから俺はただ待てばいいのだ。
「はぁ…はぁ……」
(辛い、辛い…)
どれくらい耐えていただろうか。
涙が滲み、飲み込みきれない唾液を滴らせながら腰を揺らして自身に手を伸ばしそうになる気持ちを必死に堪えていると、やっと待ち望んでいたロキが来てくれる。
「お待たせしました。ちょっとベッドの準備が整うのに時間がかかってしまってすみませんでした」
ニコッと笑いながら俺の傍までやってきたロキはそうしてどこまでも嗜虐的な顔で言ってきた。
「悪いシャイナーは、特別室でしっかり躾けてあげますからね?」────と。
「すみません。シャイナー陛下を落ち着かせるために別室に運んでいただいても構いませんか?」
その言葉に俺の近衛達が顔を見合わせ俺を見てくる。
それに対し、俺が許可を出すとそのまま抱き上げてロキが案内した部屋まで運び込まれた。
もうそれだけで辛くて涙が滲むが、なんとか理性をかき集め無理矢理耐えきる。
あと少しの辛抱だ。
辿り着いたそこは確かに特別室の名に相応しい広い部屋で、ベッドも先程よりもずっと大きなものだった。
何故か二台並んでいるのが謎だが、俺はもう限界だったので細かいことは気にせず、俺を置いたらすぐに下がるよう近衛に命じておく。
どうせ立場上俺を害すことなどしてこないとわかっていたし、流石にロキに抱かれている時の声も聞かれたくはない。
これで漸く抱いてもらえる。そんな思いでいっぱいだった。
「ロキ…早く、抱いて…」
けれど涙目でそう訴えた俺にロキはちょっと待ってほしいと言って、とんでもないことを口にしてくる。
「今シャワーに行ってもらってますが、隣のベッドで兄上とリヒターが交わるので、それを見ながら抱いてあげますね?」
「……え?」
「シャイナー。なんでも自分の計画通りに行くと思ったら大間違いですよ?」
ふふっと楽し気に笑うロキにサァッと血の気が引いていく。
「焦らしに焦らしましたし…抱かれたくて仕方がないでしょう?」
シャイナーには拒否権なんてないですよ?と嗤いながら言われて、悔しいような、けれどもっと虐めて欲しいようなおかしな気持ちにさせられてしまった。
「あ…ロキ、ロキぃ…」
多分ロキは怒っている。
けれどそんなことは今の俺にはどうでもよかった。
本当に限界だったのだ。
もう身体に溜まった熱で狂いそうだった。
俺はきっとロキの怒りのままにたっぷりと犯されるのだろう。
きっとそれは凄く甘美な時間になるはず。
媚薬に侵されながら身の内でそれに対する期待と不安が綯い交ぜになって渦を巻く。
「早く…」
けれどそこからちゃんと触れてもらえたのは、リヒターが隣でカリンを抱き始め、あんあん啼きだしてからだった。
「はぁ…たす、助けっ…てぇっ。も、辛いぃ…」
「シャイナー?そろそろちゃんと反省しましたか?」
「あ…許してっ、ロキ…も、カリンを嵌めたり、しなぃからぁッ!抱いて!お願い!」
「約束ですよ?」
「んっんんぅっ!するっ!約束、するっ!」
そうして涙ながらに心から謝罪をしたタイミングで、許しを与えるかのようにチュッと優しいキスが額へと落とされホッと安堵の息を吐いた。
「じゃあ…始めましょうか?」
俺がロキの本質を本当の意味で理解するまで、後少し。
この日、世の中には絶対に逆らってはいけない相手がいるのだと俺は身をもって思い知らされることとなる。
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※ここではまだ放置プレイ。
次回R-18になります。
ロキ×カリンとロキ×シャイナーなので、苦手な方は無理せず飛ばしてください。
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