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閑話8.シャイナー
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今回の件でロキを手に入れることはできなかったが、ロキからは可愛らしいと笑顔で言ってもらうことができ、その器の大きさに感激した。
しかも特に怒りを露にしてくることもなく、国交を深めたいとばかりににこやかにあれこれおねだりされた。
正直かなりガヴァムに利益を奪われる内容ではあったが、攫ってしまった償いをと言ったのはこちらだし、ロキからは三ヵ国事業への参入まで認めてもらえたので、将来的にその分を取り戻すすべはある。
はっきり言って実に絶妙なバランスでの取引だった。
それにアンシャンテとガヴァムの間にある二国は小競り合いを長く続けている関係で、沢山の問題を抱えている国だ。
そのため普通に考えてその間にレールを敷くのは難しい。
けれどだからこそその問題を片付けることができれば、アンシャンテはガヴァムに誠意を見せたことになり、他国からのバッシングからも守られるのだ。
実に王らしい判断だったと思う。
そして無事にレールが敷かれた暁には俺がロキに会いに行きやすくなるという利点さえあった。
つまりこれは、愛のかけ橋事業なのだ。
(絶対にやり遂げてやる…!)
そう思いながら国へと帰る途中、俺の側近であるエリアスが声を掛けてきた。
「シャイナー陛下。ロキ陛下をそのままにしておくつもりですか?」
「え?」
「このままでは手に入れることはできませんよ?」
確かに事業の件を持ち出されたのでロキをアンシャンテに連れ去ることはできなくなってしまった。
だが、あれだけロキが好意的であればこれから親密になっていくことは十分可能だろう。
そう思ったので、『今回の非は認めるべきだし仕方がない。気にするな』とエリアスに言ったのだが、何故か思惑が外れたと言わんばかりの表情を一瞬だけ過ぎらせた。
(…………怪しいな)
これまで信用し重宝してきた側近ではあるが、俺はこういった時の勘を外したことはない。
だから密かに暗部を動かしエリアスの周辺を探らせた。
「陛下。こちらを」
国に帰り、暗部から報告を受け取る。
それによるとどうやら完全に黒だったらしい。
即位からまだ少ししか経っていない自分を暗愚の王として陥れるため、いくつかの貴族が手を結び暗躍していたのだ。
エリアスはその中の貴族の一人と強く繋がりがあり、今回これ幸いとロキ誘拐をけしかけたらしい。
(まさか俺の恋心を側近ごときに利用されるとはな)
浮かれ過ぎてそれに気づかなかった自分が滑稽すぎる。
こうなってはロキには感謝しかない。
平和的に丸く収めてくれなかったなら俺はあっさりと王の座を追われていただろう。
奴らが担ぎ上げようとしていたのは弟のようだが、この件に関して弟は全く関わってはいなさそうだ。
それならそれでやりようはある。
(力をそぎ落とし、今回の件に関わった者達全てを見せしめにしてやろう)
ロキに回す利益の多くをそいつらから搾取して渡してやれば国庫もそこまで痛まないはずだ。
まずはそちらを片付けて、ロキにも感謝を込めて美味しい話を持っていこう。
そう思い、的確な指示を送りすぐさま対処をするよう手の者を放った。
(間の二国にも手の者を放ち、弱みをこれでもかと握らせて来ないとな…)
これからやるべきことは沢山ある。
最悪その二国には兵を送り込んで潰し、アンシャンテに取り込んでしまってもいい。
ガヴァムが近くなるし、俺としても一番楽な手かもしれない。
ガヴァムに行くまでは王としての責務に潰されそうになっていたが、事ここに至ってはまるで憑き物が落ちたかのように心が軽くなった。
ロキが許してくれたから、失敗しても大丈夫だと思えるようになった。
三ヵ国事業の話を振ってくれたから、自分のやるべきことが明快に見えてくるようになった。
ロキの件があったから側近を疑う切っ掛けになり、暗躍していた貴族達を一掃することへと繋がった。
全部が全部いい方向へと進んでいる。
それもこれも全部ロキのお陰だ。
自分が恋した相手は本当に最高に素晴らしい相手だと実感してしまう。
(ロキ、待っていてくれ)
今はまだカリンに取られている状態だが、必ず口説き落として俺のものにしてみせる。
王と王ではあるがワイバーンでも用意したら行き来は難しくないし、恋人になってくれたら自分から会いに行けばいいだけの話だ。
然程大きな障害などはない。
後継なら弟の子が三人もいるから誰か指名してやればいいのだ。
そうすれば周囲だって黙るだろう。
だが、あんなに易々と誘拐される場所に愛しいロキを長々と置いておくなんて不安でしかない。
騎士の質が悪すぎる。
攫われるだけならまだしも、誰かに殺されたらどうするんだ。
王とは命を狙われる危険性が常に付きまとうものなのに…。
(そう言えばロキの暗部は元々父の暗部でこちらの者だったと聞いたな)
それなら腕は確かなはずだしある程度は安心だろう。
とは言えたった一人というのも心配だ。
他に暗部がいないなんて、ロキの立場が窺い知れる。
国としてカリンの方を重視しているのは明らかだ。
新たに追加で送り込もうか?
十中八九断られるだろうが、手紙で打診してみよう。
ロキにこちらの心配が伝わればそれでいいし、守るだけなら断られてもそのまま密かに側に控えさせておけばいい。
あれだけ無能な騎士しかいないならいくらでも手はある。
それにあれだけ虐げられているのなら、好意的に行動すればするほどこちらのプラスに働くはず。
ロキの意識をじわじわと変えていって、これでもかと好印象を植え付けてしまおう。
本音を言えば早くロキをあんな危険な場所から助け出してやりたい。
けれどそうするには色々手順を踏まねばならない。
まずは盤石な王の座を築き、ロキを退位させて平和的に迎え入れたい。
カリンとの仲を引き裂いて離縁させる工作もしなければならないし、あれもこれも落ち着いてからでないと取り組めないのが難点だ。
スパイも別途送り込み、焦らずじっくり一つ一つ片付けていかなければ……。
「いつかガヴァムの王の座などカリンに熨斗を付けて渡させ、俺の元へ来させてみせるぞ。ロキ」
ロキは若いが見たところ交渉も得意そうだし相談事にも的確な答えを返してくれそうな気がする。
伴侶にするにはもってこいの相手だ。
当然だがそう簡単に諦める気はない。
取り敢えずお互いが王であるという立場を利用して、ガヴァムと上手く付き合いつつ、ロキを口説き落とすのが最優先だな。
「俺の魅力を見せつけて、いつかカリンよりも俺の方がいいと言わせてみせる!」
そう気合を入れてから、俺は不穏分子の一掃へと向かった。
「叔母上。まさか貴方まで関与していたとは驚きました」
そうして知り得た情報にまさかの大物が引っ掛かり、ついついほくそ笑んでしまう。
父の妹であり、大国ブルーグレイの王妃、メルティアナ=アンシャンテ=ブルーフェリア。
彼女はどうやら父の退位が俺のせいだと思い込んでいたらしく、今回の俺の失脚計画に一枚噛んできていたらしい。
本当は自分の息子であるセドリック王子がやらかしたのだとわかったらどうするだろうか?
兄という絶対的な庇護者を失い、叔母の我儘を聞こうとしない甥っ子に腹を立てていたのだろう。
どう考えても無駄遣いをしようとする方が悪いと思うのだが────。
「私はブルーグレイの王妃なのよ?!」
「そうですね」
「なんでも思い通りにならないとおかしいわ!」
「そういうことはアンシャンテではなく、ブルーグレイで仰っては?」
「酷いわ!あそこは私の居心地のいい場所じゃないもの!」
「ではブルーグレイの王妃だなどと言わず、さっさと離縁でもなさっては?」
「どうしてよ!」
「自分の責務を果たしていない者に、その地位に居続ける権利などありません」
「なんて酷いことを!!それでも甥っ子なの?!」
「俺を陥れようとした時点で赤の他人ですね」
キーキーヒステリックに噛みついてこられても、俺は間違ったことなど何一つ言っていない。
さっさとブルーグレイへ帰れ。
そうして呆れながら監視の元なんとか無理矢理手紙を書かせ、その身をブルーグレイに託すべく手を打った。
はっきり言って遅すぎたくらいだ。
あの父でさえ持て余していたくらいだし、もっと早く強制的にあちらへ送り返しておけばよかった。
とは言えこれで不良債権の一つがなくなる目途が立った。
もっと他の不穏分子達もあぶり出して処理し、制度を整え国庫を潤し、誰にも文句を言われないよう国を整えてロキを迎えたい。
(やっぱり手順が一番大事だな)
改めてそれを実感し、ロキと再会するためにガヴァムとの契約書に抜けがないかを再確認して予定の調整を行う。
「ロキ…早くお前に会いたい」
そしてロキの笑顔を思い出しながら、そっと幸せな気持ちに浸ったのだった。
****************
※まあそんな感じで王妃はブルーグレイへ強制送還となりました。
しかも特に怒りを露にしてくることもなく、国交を深めたいとばかりににこやかにあれこれおねだりされた。
正直かなりガヴァムに利益を奪われる内容ではあったが、攫ってしまった償いをと言ったのはこちらだし、ロキからは三ヵ国事業への参入まで認めてもらえたので、将来的にその分を取り戻すすべはある。
はっきり言って実に絶妙なバランスでの取引だった。
それにアンシャンテとガヴァムの間にある二国は小競り合いを長く続けている関係で、沢山の問題を抱えている国だ。
そのため普通に考えてその間にレールを敷くのは難しい。
けれどだからこそその問題を片付けることができれば、アンシャンテはガヴァムに誠意を見せたことになり、他国からのバッシングからも守られるのだ。
実に王らしい判断だったと思う。
そして無事にレールが敷かれた暁には俺がロキに会いに行きやすくなるという利点さえあった。
つまりこれは、愛のかけ橋事業なのだ。
(絶対にやり遂げてやる…!)
そう思いながら国へと帰る途中、俺の側近であるエリアスが声を掛けてきた。
「シャイナー陛下。ロキ陛下をそのままにしておくつもりですか?」
「え?」
「このままでは手に入れることはできませんよ?」
確かに事業の件を持ち出されたのでロキをアンシャンテに連れ去ることはできなくなってしまった。
だが、あれだけロキが好意的であればこれから親密になっていくことは十分可能だろう。
そう思ったので、『今回の非は認めるべきだし仕方がない。気にするな』とエリアスに言ったのだが、何故か思惑が外れたと言わんばかりの表情を一瞬だけ過ぎらせた。
(…………怪しいな)
これまで信用し重宝してきた側近ではあるが、俺はこういった時の勘を外したことはない。
だから密かに暗部を動かしエリアスの周辺を探らせた。
「陛下。こちらを」
国に帰り、暗部から報告を受け取る。
それによるとどうやら完全に黒だったらしい。
即位からまだ少ししか経っていない自分を暗愚の王として陥れるため、いくつかの貴族が手を結び暗躍していたのだ。
エリアスはその中の貴族の一人と強く繋がりがあり、今回これ幸いとロキ誘拐をけしかけたらしい。
(まさか俺の恋心を側近ごときに利用されるとはな)
浮かれ過ぎてそれに気づかなかった自分が滑稽すぎる。
こうなってはロキには感謝しかない。
平和的に丸く収めてくれなかったなら俺はあっさりと王の座を追われていただろう。
奴らが担ぎ上げようとしていたのは弟のようだが、この件に関して弟は全く関わってはいなさそうだ。
それならそれでやりようはある。
(力をそぎ落とし、今回の件に関わった者達全てを見せしめにしてやろう)
ロキに回す利益の多くをそいつらから搾取して渡してやれば国庫もそこまで痛まないはずだ。
まずはそちらを片付けて、ロキにも感謝を込めて美味しい話を持っていこう。
そう思い、的確な指示を送りすぐさま対処をするよう手の者を放った。
(間の二国にも手の者を放ち、弱みをこれでもかと握らせて来ないとな…)
これからやるべきことは沢山ある。
最悪その二国には兵を送り込んで潰し、アンシャンテに取り込んでしまってもいい。
ガヴァムが近くなるし、俺としても一番楽な手かもしれない。
ガヴァムに行くまでは王としての責務に潰されそうになっていたが、事ここに至ってはまるで憑き物が落ちたかのように心が軽くなった。
ロキが許してくれたから、失敗しても大丈夫だと思えるようになった。
三ヵ国事業の話を振ってくれたから、自分のやるべきことが明快に見えてくるようになった。
ロキの件があったから側近を疑う切っ掛けになり、暗躍していた貴族達を一掃することへと繋がった。
全部が全部いい方向へと進んでいる。
それもこれも全部ロキのお陰だ。
自分が恋した相手は本当に最高に素晴らしい相手だと実感してしまう。
(ロキ、待っていてくれ)
今はまだカリンに取られている状態だが、必ず口説き落として俺のものにしてみせる。
王と王ではあるがワイバーンでも用意したら行き来は難しくないし、恋人になってくれたら自分から会いに行けばいいだけの話だ。
然程大きな障害などはない。
後継なら弟の子が三人もいるから誰か指名してやればいいのだ。
そうすれば周囲だって黙るだろう。
だが、あんなに易々と誘拐される場所に愛しいロキを長々と置いておくなんて不安でしかない。
騎士の質が悪すぎる。
攫われるだけならまだしも、誰かに殺されたらどうするんだ。
王とは命を狙われる危険性が常に付きまとうものなのに…。
(そう言えばロキの暗部は元々父の暗部でこちらの者だったと聞いたな)
それなら腕は確かなはずだしある程度は安心だろう。
とは言えたった一人というのも心配だ。
他に暗部がいないなんて、ロキの立場が窺い知れる。
国としてカリンの方を重視しているのは明らかだ。
新たに追加で送り込もうか?
十中八九断られるだろうが、手紙で打診してみよう。
ロキにこちらの心配が伝わればそれでいいし、守るだけなら断られてもそのまま密かに側に控えさせておけばいい。
あれだけ無能な騎士しかいないならいくらでも手はある。
それにあれだけ虐げられているのなら、好意的に行動すればするほどこちらのプラスに働くはず。
ロキの意識をじわじわと変えていって、これでもかと好印象を植え付けてしまおう。
本音を言えば早くロキをあんな危険な場所から助け出してやりたい。
けれどそうするには色々手順を踏まねばならない。
まずは盤石な王の座を築き、ロキを退位させて平和的に迎え入れたい。
カリンとの仲を引き裂いて離縁させる工作もしなければならないし、あれもこれも落ち着いてからでないと取り組めないのが難点だ。
スパイも別途送り込み、焦らずじっくり一つ一つ片付けていかなければ……。
「いつかガヴァムの王の座などカリンに熨斗を付けて渡させ、俺の元へ来させてみせるぞ。ロキ」
ロキは若いが見たところ交渉も得意そうだし相談事にも的確な答えを返してくれそうな気がする。
伴侶にするにはもってこいの相手だ。
当然だがそう簡単に諦める気はない。
取り敢えずお互いが王であるという立場を利用して、ガヴァムと上手く付き合いつつ、ロキを口説き落とすのが最優先だな。
「俺の魅力を見せつけて、いつかカリンよりも俺の方がいいと言わせてみせる!」
そう気合を入れてから、俺は不穏分子の一掃へと向かった。
「叔母上。まさか貴方まで関与していたとは驚きました」
そうして知り得た情報にまさかの大物が引っ掛かり、ついついほくそ笑んでしまう。
父の妹であり、大国ブルーグレイの王妃、メルティアナ=アンシャンテ=ブルーフェリア。
彼女はどうやら父の退位が俺のせいだと思い込んでいたらしく、今回の俺の失脚計画に一枚噛んできていたらしい。
本当は自分の息子であるセドリック王子がやらかしたのだとわかったらどうするだろうか?
兄という絶対的な庇護者を失い、叔母の我儘を聞こうとしない甥っ子に腹を立てていたのだろう。
どう考えても無駄遣いをしようとする方が悪いと思うのだが────。
「私はブルーグレイの王妃なのよ?!」
「そうですね」
「なんでも思い通りにならないとおかしいわ!」
「そういうことはアンシャンテではなく、ブルーグレイで仰っては?」
「酷いわ!あそこは私の居心地のいい場所じゃないもの!」
「ではブルーグレイの王妃だなどと言わず、さっさと離縁でもなさっては?」
「どうしてよ!」
「自分の責務を果たしていない者に、その地位に居続ける権利などありません」
「なんて酷いことを!!それでも甥っ子なの?!」
「俺を陥れようとした時点で赤の他人ですね」
キーキーヒステリックに噛みついてこられても、俺は間違ったことなど何一つ言っていない。
さっさとブルーグレイへ帰れ。
そうして呆れながら監視の元なんとか無理矢理手紙を書かせ、その身をブルーグレイに託すべく手を打った。
はっきり言って遅すぎたくらいだ。
あの父でさえ持て余していたくらいだし、もっと早く強制的にあちらへ送り返しておけばよかった。
とは言えこれで不良債権の一つがなくなる目途が立った。
もっと他の不穏分子達もあぶり出して処理し、制度を整え国庫を潤し、誰にも文句を言われないよう国を整えてロキを迎えたい。
(やっぱり手順が一番大事だな)
改めてそれを実感し、ロキと再会するためにガヴァムとの契約書に抜けがないかを再確認して予定の調整を行う。
「ロキ…早くお前に会いたい」
そしてロキの笑顔を思い出しながら、そっと幸せな気持ちに浸ったのだった。
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※まあそんな感じで王妃はブルーグレイへ強制送還となりました。
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