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45.国際会議㉚
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正直言って今回はちょっとどころではなく嫉妬した。
兄のおねだりだったから二人も抱いたけど、やっぱり兄とだけ楽しみたかったとどうしても思ってしまって、翌日リヒターに愚痴をこぼしたら面白そうに笑われてしまった。
リヒター曰く、兄はいつも同じような心境だったと思うとのことだ。
確かに三人でしていると兄はいつもリヒターに焼きもちを妬いていたし、それはそうなのかもしれないけど…。
「悔しい…。リヒター、ストレス発散に付き合ってくれないか?」
「いいですよ?剣の鍛錬の方にしますか?体術にしますか?」
「……じゃあ体術で」
鞭はもう使いこなせるから後は普通に鍛錬を重ねていざという時に備えようとこうして定期的に教えてもらっているけど、今日の気分は剣ではなかったので体術を選んだ。
相手がリヒターならちゃんと教えてもらえるから安心だ。
「リヒターはマーシャルを知っているか?」
「近衛のですか?」
「ああ」
「知っていますよ。主に前王妃様の護衛をする事が多かった侯爵家の次男ですよね」
「へぇ…」
どうやら元々は母の護衛をしてくれていたらしい。
「兄上の護衛じゃないんだな」
「ええ。気安い関係の者がいつも傍に居ると気が緩みがちになってかえって危険だと前陛下が仰ったので、そういう配置になったんです」
「なるほど」
そういうこともあるのかと思いながらリヒターと組み手を交わす。
「でも俺なら信用できる相手が少ないから、周りは気を許せる相手を置きたいな」
「陛下がそうされたいなら騎士団長に伝えておきますが?」
「そうしてくれるか?」
その問いにリヒターはすぐ頷いて後で手配してくると言ってくれた。
それから暫く集中して二人で鍛錬を重ねたので終わる頃には結構な汗をかいてしまっていた。
そんなところへ兄がやってきて、何故かギョッとしたように間に入ってきてしまう。
「リヒター!」
「カリン王子」
「……ロキに手を出していないだろうな?」
「出しませんよ。今日はロキ陛下のストレス発散にお付き合いしただけなのでご安心を」
「ストレス発散?」
兄は心底不思議そうに首を傾げているが、俺としてはそこは内緒にしていて欲しかったのでサラッと別の話題に話を移した。
「そう言えば兄上、この後護衛について騎士団長に話をもっていってもらおうと思うんですが…」
「ロキ。ちょっと待て。あからさまに話題を変えるな」
「…………」
「リヒター?」
逃がさないと言わんばかりのそんな兄の低い問い掛けにリヒターがチラッとこちらを見てくる。
きっとどの程度話していいか考えているんだろう。
でもここで下手に隠してまた誤解されるのは避けたい。
「…わかった。兄上が安心できるように話してくれ」
「そうですか?では…」
そう言ってくすりと笑った後、リヒターは俺が兄の友人に焼きもちを妬いて、初めて兄の気持ちを理解したようだと口にした。
「陛下もこうして実際に経験すればきちんと理解してくださるようなので、カリン王子も今回のようにたまには変わったことをやってみてもいいと思いますよ?」
「そ…そうか」
話を聞いて呆れられるかなとちょっと思っていたのに、兄はあっさりと疑惑を霧散させてどこか嬉しそうにはにかんだ。
「可愛すぎですよ、兄上。この場ではいいですけど、彼らにそんな顔見せないでくださいよ?」
あの二人が兄を好きなのは見ていたらわかるので本当に隙は見せないでほしいと思ってそう言ったのに、兄はそっちではなく俺が嫉妬したという方に喜んでしまってちっとも真面目に聞いてくれない。
「ロキ。今度またリヒター以外ともやってみようか」
「嫌ですよ。基本的に俺は兄上しか抱きたくないんですから。あれはお祝いだったので特別です」
「そうか?」
でもそう言いつつも兄の表情は物凄く笑顔で、嬉しくて仕方がないと言わんばかり。
「じゃあリヒター、ここの片づけは任せたぞ」
「御意」
「ロキ。軽くシャワーを浴びてから書類仕事に取り掛かれよ?風邪を引いたら大変だからな」
「わかってます。兄上は優しいですね」
そう言いながら俺は兄に促されるままシャワーへと向かった。
***
シャワー後執務室に行くとそこには既に書類が山と積んであったが、それとは別にここでは初めて見る人物が…。
どうやら新しく補佐に入る者らしい。
「ロキ陛下。本日より補佐に入ります。フィリップ=カトレシアと申します。どうぞよろしくお願い致します」
「同じく補佐に入ります。ライオネル=レネ=フランシスと申します。よろしくお願い致します」
一人は昨日兄に熱い眼差しを送っていた公爵家の男で、もう一人はあのスカーレット嬢の兄らしい。
そう考えると俺の補佐は兄と三大公爵家の嫡男が勢揃いと言った感じになるのだろうか?
なんだか気後れしてしまいそうだ。
特にスカーレット嬢の俺を嫌う様子を思うに、兄の方にも嫌われていてもおかしくはない。
そんな事を最初こそ考えたけど、意外なことに二人共俺に好意的だった。
「ロキ陛下、こちらはよく読んでサインをください。先日発掘された新資源の書類となっております」
「こちらは現在議会で協議中の議題についての資料です。良い点悪い点をそれぞれ書いておきましたので判断の参考にされてください」
こんな感じで至れり尽くせりでキビキビと仕事を手伝ってくれる。
不思議に思って休憩時に尋ねたら、二人共俺にサクサク仕事を片付けてもらって兄上を外で抱いて欲しかったらしい。
どうやら目的は違えどそれを見るのが趣味らしく、嬉しそうに語られてしまった。
兄に熱い眼差しを送っていた方のフィリップは俺に乱される兄を見るのが普段の姿とのギャップ萌えで好きだと言っていて、スカーレット嬢の兄であるライオネルは自分の性癖に悩んでいた時に兄を抱く俺を見て同類だ!と感激して、それ以来参考に時々こっそりと見学していたらしい。
兄はそれを聞いて真っ赤になって恥ずかしがってたけど、結果的に俺はライオネルと非常に話が合ったのでちょっとだけ嬉しかった。
スカーレット嬢の件では謝られたけどそれは別に気にしてないのでサラッと流し、これからも宜しくと伝えておいた。
それから慣れない王としての仕事は兄始め彼らの協力の元、上手く回るようになっていった。
宰相や大臣達も概ね好意的で、何故か足を引っ張ろうとする者も出てこない。
みんなこんな俺が王様でいいんだろうか?
正直戴冠自体は仕方がないとしても、もっと嫌味を言われたり風当たりが強いだろうと思っていたのに、こうもスムーズに仕事が進み何一つ問題が起こらないと逆に不安になる。
けれどそれを口にすると、兄に何も心配しなくて大丈夫だと笑顔で言い切られた。
どうも兄が動いて不穏な輩を既に排除してくれていたらしい。
「俺が全力でお前を支えてやるから、お前は何も心配せず仕事に慣れていってくれればいい」
「でも……」
あまりにもおんぶに抱っこは申し訳なさすぎるのだが…。
そう思って表情を曇らせていると、勘違いするなと叱られた。
現在仕事の書類には慣れない俺のためにポイントや経緯などを詳しく明記されたメモが常に付けられている。
兄曰く、それは俺が状況を把握するための手段として一時的に取り入れている手法らしく、俺が成長したらそれもやめて難しい仕事もどんどん回してくるらしい。
「ロキ。俺はお前を傀儡にしたいわけじゃない。きちんと王としての責務を全うできるよう成長させて、お前が自信を持って堂々と俺の伴侶だと言えるそんなお前にしてやりたいんだ」
「兄上…」
「でないといつまで経ってもお前の自己評価の低さが変わりそうにないからな」
そう言いながら兄が俺を愛おし気に俺を見つめそっと髪を手で梳いてくる。
「ロキ。早く半年後の結婚式を終わらせて、俺がお前の伴侶だと全ての者に堂々と言ってやりたい」
「兄上…」
「お前を幸せにしてやりたいんだ。だから…一緒に頑張ってくれるか?」
「はい…。はい。喜んで…」
兄の言葉に感動してちょっと涙が滲んだけど、何度も優しく重ねられる唇に誘われて結局そのまま兄が望むように激しく抱く流れになってしまった。
折角の感動的シーンだったのに、兄はそれでいいんだろうか?
でもまあ…なんだかんだと気絶した顔は今日も幸せそうだし、いいのかな?
もっとロキのドSで責め立ててって気持ち良さそうな顔でおねだりされたことだし、これからも手を抜かず楽しませてあげたいと思う。
****************
※ここにきてキャラが増えたなぁ…なんて考えてたら変な妄想が頭に浮かんだので、BLゲーに当てはめても平気な方はちょっとしたお遊びにお付き合いください(笑)↓
BLゲーム『爛れた王宮』。
攻略対象① 攻略難易度☆☆☆☆
ガヴァム王国第一王子 カリン
攻略ポイント
彼は弟であるロキ陛下の本命なので攻略する場合はロキの好感度を上げよう。
上手くいけば閨に呼んでもらえるよ!
間違ってもロキを挑発して嫉妬を煽らないのがポイント。
最悪ロキのヤンデレで監禁快楽堕ちエンドか輪姦凌辱エンドになってしまうので注意。
頑張ってウキウキ3Pエンドを目指そう!
攻略対象② 攻略難易度☆☆
ロキ陛下のお気に入り近衛騎士 リヒター
攻略ポイント
彼は情に厚い所があるから積極的に話して仲良くなろう!
主人を大事にしているからロキの好感度が下がると彼の好感度も下がるので注意が必要。
但しバッドエンドになってもセフレエンドだから一番安全だよ。
一番ノーマルなラブラブエンドを目指すなら彼がイチオシ!
攻略対象③ 攻略難易度☆
ロキ陛下の補佐官兼バーネット公爵家嫡男 ミュゼ
攻略ポイント
彼は一見冷たそうだけど、隠れドMなロキ陛下の信者。
ロキの事を褒め称えるだけですぐに仲良くなってくれるよ!
婚約者が出ばってきたら彼女が密かに想っている第一王子カリンの話題を出して上手く躱そう!
略奪エンドが君を待っている!
攻略対象④ 攻略難易度☆☆☆
ロキ陛下の補佐官兼フランシス公爵家の嫡男 ライオネル
攻略ポイント
彼はミュゼとは真逆のS気質なところがあるのでちょっと弱みを見せると攻略しやすくなるよ。
彼の妹が邪魔してきたらロキ陛下の話題を出そう!
ロキのことが大嫌いな彼女はロキのことを罵りだすので、ロキと仲間意識の強い兄との間に溝ができて上手く距離が取れるようになるよ!
一緒になってロキを扱き下ろすと彼の好感度が下がるので注意が必要。
バッドエンドになったら妹の婚約者であるミュゼとの絡みが入ってきて複数プレイエンドになるから気を付けて!
地雷を踏まないよう溺愛エンドを目指そう!
攻略対象⑤(隠しキャラ) 攻略難易度☆☆☆☆☆MAX
ガヴァム王国の若き国王 ロキ
攻略ポイント
ひたすら好感度を上げて信頼を勝ち取ろう。
彼は兄であるカリン王子以外に興味はないけれど、気に入った相手を閨に呼んでくれるよ!
但しカリン王子に嫉妬されたらバッドエンドに一直線になるので注意が必要。
場合によっては凌辱エンド、死亡エンドが待ってるよ。
バランスよくロキとカリン双方の好感度を上げよう!
君の頑張り次第で側室エンドも夢じゃない!
※比較的まともなのがリヒターしかいないという怖いゲーム落ちでした♪
明日は本編とのコラボになります。
よろしくお願いします。
兄のおねだりだったから二人も抱いたけど、やっぱり兄とだけ楽しみたかったとどうしても思ってしまって、翌日リヒターに愚痴をこぼしたら面白そうに笑われてしまった。
リヒター曰く、兄はいつも同じような心境だったと思うとのことだ。
確かに三人でしていると兄はいつもリヒターに焼きもちを妬いていたし、それはそうなのかもしれないけど…。
「悔しい…。リヒター、ストレス発散に付き合ってくれないか?」
「いいですよ?剣の鍛錬の方にしますか?体術にしますか?」
「……じゃあ体術で」
鞭はもう使いこなせるから後は普通に鍛錬を重ねていざという時に備えようとこうして定期的に教えてもらっているけど、今日の気分は剣ではなかったので体術を選んだ。
相手がリヒターならちゃんと教えてもらえるから安心だ。
「リヒターはマーシャルを知っているか?」
「近衛のですか?」
「ああ」
「知っていますよ。主に前王妃様の護衛をする事が多かった侯爵家の次男ですよね」
「へぇ…」
どうやら元々は母の護衛をしてくれていたらしい。
「兄上の護衛じゃないんだな」
「ええ。気安い関係の者がいつも傍に居ると気が緩みがちになってかえって危険だと前陛下が仰ったので、そういう配置になったんです」
「なるほど」
そういうこともあるのかと思いながらリヒターと組み手を交わす。
「でも俺なら信用できる相手が少ないから、周りは気を許せる相手を置きたいな」
「陛下がそうされたいなら騎士団長に伝えておきますが?」
「そうしてくれるか?」
その問いにリヒターはすぐ頷いて後で手配してくると言ってくれた。
それから暫く集中して二人で鍛錬を重ねたので終わる頃には結構な汗をかいてしまっていた。
そんなところへ兄がやってきて、何故かギョッとしたように間に入ってきてしまう。
「リヒター!」
「カリン王子」
「……ロキに手を出していないだろうな?」
「出しませんよ。今日はロキ陛下のストレス発散にお付き合いしただけなのでご安心を」
「ストレス発散?」
兄は心底不思議そうに首を傾げているが、俺としてはそこは内緒にしていて欲しかったのでサラッと別の話題に話を移した。
「そう言えば兄上、この後護衛について騎士団長に話をもっていってもらおうと思うんですが…」
「ロキ。ちょっと待て。あからさまに話題を変えるな」
「…………」
「リヒター?」
逃がさないと言わんばかりのそんな兄の低い問い掛けにリヒターがチラッとこちらを見てくる。
きっとどの程度話していいか考えているんだろう。
でもここで下手に隠してまた誤解されるのは避けたい。
「…わかった。兄上が安心できるように話してくれ」
「そうですか?では…」
そう言ってくすりと笑った後、リヒターは俺が兄の友人に焼きもちを妬いて、初めて兄の気持ちを理解したようだと口にした。
「陛下もこうして実際に経験すればきちんと理解してくださるようなので、カリン王子も今回のようにたまには変わったことをやってみてもいいと思いますよ?」
「そ…そうか」
話を聞いて呆れられるかなとちょっと思っていたのに、兄はあっさりと疑惑を霧散させてどこか嬉しそうにはにかんだ。
「可愛すぎですよ、兄上。この場ではいいですけど、彼らにそんな顔見せないでくださいよ?」
あの二人が兄を好きなのは見ていたらわかるので本当に隙は見せないでほしいと思ってそう言ったのに、兄はそっちではなく俺が嫉妬したという方に喜んでしまってちっとも真面目に聞いてくれない。
「ロキ。今度またリヒター以外ともやってみようか」
「嫌ですよ。基本的に俺は兄上しか抱きたくないんですから。あれはお祝いだったので特別です」
「そうか?」
でもそう言いつつも兄の表情は物凄く笑顔で、嬉しくて仕方がないと言わんばかり。
「じゃあリヒター、ここの片づけは任せたぞ」
「御意」
「ロキ。軽くシャワーを浴びてから書類仕事に取り掛かれよ?風邪を引いたら大変だからな」
「わかってます。兄上は優しいですね」
そう言いながら俺は兄に促されるままシャワーへと向かった。
***
シャワー後執務室に行くとそこには既に書類が山と積んであったが、それとは別にここでは初めて見る人物が…。
どうやら新しく補佐に入る者らしい。
「ロキ陛下。本日より補佐に入ります。フィリップ=カトレシアと申します。どうぞよろしくお願い致します」
「同じく補佐に入ります。ライオネル=レネ=フランシスと申します。よろしくお願い致します」
一人は昨日兄に熱い眼差しを送っていた公爵家の男で、もう一人はあのスカーレット嬢の兄らしい。
そう考えると俺の補佐は兄と三大公爵家の嫡男が勢揃いと言った感じになるのだろうか?
なんだか気後れしてしまいそうだ。
特にスカーレット嬢の俺を嫌う様子を思うに、兄の方にも嫌われていてもおかしくはない。
そんな事を最初こそ考えたけど、意外なことに二人共俺に好意的だった。
「ロキ陛下、こちらはよく読んでサインをください。先日発掘された新資源の書類となっております」
「こちらは現在議会で協議中の議題についての資料です。良い点悪い点をそれぞれ書いておきましたので判断の参考にされてください」
こんな感じで至れり尽くせりでキビキビと仕事を手伝ってくれる。
不思議に思って休憩時に尋ねたら、二人共俺にサクサク仕事を片付けてもらって兄上を外で抱いて欲しかったらしい。
どうやら目的は違えどそれを見るのが趣味らしく、嬉しそうに語られてしまった。
兄に熱い眼差しを送っていた方のフィリップは俺に乱される兄を見るのが普段の姿とのギャップ萌えで好きだと言っていて、スカーレット嬢の兄であるライオネルは自分の性癖に悩んでいた時に兄を抱く俺を見て同類だ!と感激して、それ以来参考に時々こっそりと見学していたらしい。
兄はそれを聞いて真っ赤になって恥ずかしがってたけど、結果的に俺はライオネルと非常に話が合ったのでちょっとだけ嬉しかった。
スカーレット嬢の件では謝られたけどそれは別に気にしてないのでサラッと流し、これからも宜しくと伝えておいた。
それから慣れない王としての仕事は兄始め彼らの協力の元、上手く回るようになっていった。
宰相や大臣達も概ね好意的で、何故か足を引っ張ろうとする者も出てこない。
みんなこんな俺が王様でいいんだろうか?
正直戴冠自体は仕方がないとしても、もっと嫌味を言われたり風当たりが強いだろうと思っていたのに、こうもスムーズに仕事が進み何一つ問題が起こらないと逆に不安になる。
けれどそれを口にすると、兄に何も心配しなくて大丈夫だと笑顔で言い切られた。
どうも兄が動いて不穏な輩を既に排除してくれていたらしい。
「俺が全力でお前を支えてやるから、お前は何も心配せず仕事に慣れていってくれればいい」
「でも……」
あまりにもおんぶに抱っこは申し訳なさすぎるのだが…。
そう思って表情を曇らせていると、勘違いするなと叱られた。
現在仕事の書類には慣れない俺のためにポイントや経緯などを詳しく明記されたメモが常に付けられている。
兄曰く、それは俺が状況を把握するための手段として一時的に取り入れている手法らしく、俺が成長したらそれもやめて難しい仕事もどんどん回してくるらしい。
「ロキ。俺はお前を傀儡にしたいわけじゃない。きちんと王としての責務を全うできるよう成長させて、お前が自信を持って堂々と俺の伴侶だと言えるそんなお前にしてやりたいんだ」
「兄上…」
「でないといつまで経ってもお前の自己評価の低さが変わりそうにないからな」
そう言いながら兄が俺を愛おし気に俺を見つめそっと髪を手で梳いてくる。
「ロキ。早く半年後の結婚式を終わらせて、俺がお前の伴侶だと全ての者に堂々と言ってやりたい」
「兄上…」
「お前を幸せにしてやりたいんだ。だから…一緒に頑張ってくれるか?」
「はい…。はい。喜んで…」
兄の言葉に感動してちょっと涙が滲んだけど、何度も優しく重ねられる唇に誘われて結局そのまま兄が望むように激しく抱く流れになってしまった。
折角の感動的シーンだったのに、兄はそれでいいんだろうか?
でもまあ…なんだかんだと気絶した顔は今日も幸せそうだし、いいのかな?
もっとロキのドSで責め立ててって気持ち良さそうな顔でおねだりされたことだし、これからも手を抜かず楽しませてあげたいと思う。
****************
※ここにきてキャラが増えたなぁ…なんて考えてたら変な妄想が頭に浮かんだので、BLゲーに当てはめても平気な方はちょっとしたお遊びにお付き合いください(笑)↓
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ガヴァム王国第一王子 カリン
攻略ポイント
彼は弟であるロキ陛下の本命なので攻略する場合はロキの好感度を上げよう。
上手くいけば閨に呼んでもらえるよ!
間違ってもロキを挑発して嫉妬を煽らないのがポイント。
最悪ロキのヤンデレで監禁快楽堕ちエンドか輪姦凌辱エンドになってしまうので注意。
頑張ってウキウキ3Pエンドを目指そう!
攻略対象② 攻略難易度☆☆
ロキ陛下のお気に入り近衛騎士 リヒター
攻略ポイント
彼は情に厚い所があるから積極的に話して仲良くなろう!
主人を大事にしているからロキの好感度が下がると彼の好感度も下がるので注意が必要。
但しバッドエンドになってもセフレエンドだから一番安全だよ。
一番ノーマルなラブラブエンドを目指すなら彼がイチオシ!
攻略対象③ 攻略難易度☆
ロキ陛下の補佐官兼バーネット公爵家嫡男 ミュゼ
攻略ポイント
彼は一見冷たそうだけど、隠れドMなロキ陛下の信者。
ロキの事を褒め称えるだけですぐに仲良くなってくれるよ!
婚約者が出ばってきたら彼女が密かに想っている第一王子カリンの話題を出して上手く躱そう!
略奪エンドが君を待っている!
攻略対象④ 攻略難易度☆☆☆
ロキ陛下の補佐官兼フランシス公爵家の嫡男 ライオネル
攻略ポイント
彼はミュゼとは真逆のS気質なところがあるのでちょっと弱みを見せると攻略しやすくなるよ。
彼の妹が邪魔してきたらロキ陛下の話題を出そう!
ロキのことが大嫌いな彼女はロキのことを罵りだすので、ロキと仲間意識の強い兄との間に溝ができて上手く距離が取れるようになるよ!
一緒になってロキを扱き下ろすと彼の好感度が下がるので注意が必要。
バッドエンドになったら妹の婚約者であるミュゼとの絡みが入ってきて複数プレイエンドになるから気を付けて!
地雷を踏まないよう溺愛エンドを目指そう!
攻略対象⑤(隠しキャラ) 攻略難易度☆☆☆☆☆MAX
ガヴァム王国の若き国王 ロキ
攻略ポイント
ひたすら好感度を上げて信頼を勝ち取ろう。
彼は兄であるカリン王子以外に興味はないけれど、気に入った相手を閨に呼んでくれるよ!
但しカリン王子に嫉妬されたらバッドエンドに一直線になるので注意が必要。
場合によっては凌辱エンド、死亡エンドが待ってるよ。
バランスよくロキとカリン双方の好感度を上げよう!
君の頑張り次第で側室エンドも夢じゃない!
※比較的まともなのがリヒターしかいないという怖いゲーム落ちでした♪
明日は本編とのコラボになります。
よろしくお願いします。
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