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38.国際会議㉓
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「で、明々後日には国王になるのにこうして出てきた…と」
「…………」
俺は息苦しい城を抜け出し、闇医者の所へとやってきていた。
闇医者は昔から敬意は払ってくれるけど、どこか上っ面だけで実際は友達といった感じで話してくれるところがある。
俺にとっては相談したり愚痴をこぼすにはもってこいの相手だった。
「本当に貴方は仕方のない方ですね」
「…………」
「その、リヒターという近衛にも説得されたのでは?」
傍に居る者の中で一番信用しているって言ってませんでしたっけと揶揄うように言われて、それはそうだけどとつい口にしてしまう。
「兄上が好きだから一番信用しているリヒターに任せたいってそんなにおかしいのか?」
「おかしいですね」
闇医者はサラリとなんでもないことのようにそう言ってきた。
「…………」
「どうしてかわからないって顔ですけど、一般的に好きな相手は自分の手で幸せにしたいって考えるものなんですよ」
「でも俺じゃあ力不足だ」
「貴方は兄君を神聖視しすぎなんですよ。そもそも明々後日には国王になるんでしょう?貴方以上にカリン王子を幸せにできる相手が近衛って、笑い話にもなりませんけど」
「…………酷い」
でも言われてみれば一理あるし、あまり大きな声で反論はできそうにない。
「貴方が考えるべきは、誰かに託すことじゃなくて『自分で幸せにするにはどうしたらいいか』なんですけどわかってますか?」
「自分で幸せに?」
それはやっぱり兄の要求に応えることに終始するんじゃないかなと思ってそう答えたけれど、闇医者はそれを肯定した上で『じゃあカリン王子の求めているものがなんなのかちゃんとわかってますか?』と問われてそれは勿論と答え、『望まれるままに激しく抱けばいいんだろう?』と口にした途端それは違うと否定された。
「そこが独りよがりなんですよ。ちゃんと聞いてあげないとどんどんすれ違ってしまうのに…」
「え……」
「そうだ。今ちょうど酒場にレンバーが帰ってきてるんで話を聞いてみてはどうですか?きっとわかりやすく教えてもらえると思いますよ」
「レンバーか…」
レンバーは俺に閨事を色々教えてくれた裏家業の男だ。
王家の人間は15の年に閨事を教えてもらうのが通例なのだが、その時実際に教わったのは『そんなもの、適当に愛撫して潤ったところで挿入して出したら終わりです。惜しみない愛撫を!以上!』だけだった。
その時はそんなもんなんだと思っただけだったけど、酒場でそのレンバーという男と話し、何かの拍子にその話を口にしたら、なんだそりゃと大笑いされたことから認識が変わった。
レンバーは所謂スパイ活動を得意とする男で、女を篭絡して情報を得るのが得意らしく、俺が教わった方法なんかじゃあとてもじゃないけど情報なんて得られず、かえって怒らせるだけだぞと教えられた。
「お前にそんな風に教えたやつ、絶対女に振られたんだぜ!ハハハッ!笑えんな!」
多分俺に教えるのが面倒だっただけだと思うけど、確かに女性にモテるようには見えない相手だったので、俺には何とも言えない。
取り敢えずレンバーからは笑みを絶やさず相手の反応をちゃんと見ながら愛撫し、時折キスでリラックスさせながら丁寧に抱くのだと聞いた。
相手が望むことを見逃さず、激しくしてほしいのか優しくしてほしいのかをしっかり見極めるんだと。
いくら俺が人嫌いでも、丁寧に抱くだけでそれなりに相手に好印象は与えられるし損はないから絶対覚えとけと言われたっけ。
そんなあれこれを教えてくれたレンバーが戻ってきている。
それなら確かに相談にはいいのかもしれない。
そう思って酒場へと足を向けたら、店に入った途端みんなに驚かれてしまった。
「なんだよぶっ壊れ野郎じゃねーか!お前国王様になるんじゃなかったのか?」
「今みんなでこの国ももうおしまいだなって笑ってたところだったのに!」
ワハハハハと本気で笑われたけど、彼らは口は悪くても本気で俺を疎んじているわけではない。
寧ろ気持ちを汲んでくれることの方が多い。
子供の頃から来ているせいかそれなりに可愛がってはくれているのだ。
「おうおう、護衛はどうしたんだ?いないのか?」
「俺に護衛がついてきたことなんてないだろう?」
「そりゃそうだ!いつもフラッとやってくる不良王子様だもんな!」
そしてまたワハハと笑われドンッと酒を目の前に置かれる。
「折角来たんだ!前祝いと行こうぜ!」
そうだなと言って皆が楽しそうに祝ってくれる。
そんなここの空気は昔から嫌いではない。
「それで?今日は誰をご指名で?」
「え?ああ、レンバーが帰ってるって闇医者から聞いて…」
「おっ!レンバー!ご指名だぞぉ!」
「ああ?!俺かぁ?!」
そんな声と共に目当て相手がこちらへと来てくれる。
「なんだよ。もしかして恋愛相談か?お高くつくぜ?」
そう言いながらもレンバーは話して見ろと明るく話を振ってくれたので、兄とのことを話してみたんだけど、傍で話を聞いていた全員にまた笑われてしまった。
「ほんっと、この王子様はいつまで経ってもぶっ壊れてんな~!」
「いや~安心した!ぶっ壊れ野郎はやっぱぶっ壊れてた!ははははっ!」
相手が実の兄ってところも俺らしいって笑われたけど、そこはどうでもいいじゃないか。
好きなんだから。
でもそんな好きな相手を他の誰かに渡そうとしたり、第三者と抱くのはおかしいらしい。
普通はお互いだけでいいんだって言われた。
悦ばせたいだけで他意はないって言ったらまた笑われて揶揄われたけど、俺がおかしいっていうのはちょっと理解できた。
「あ~、笑った笑った。はぁ…。で?兄ちゃんに説得されたけど理解できなくて家出してきたって?」
「家出じゃなくて息抜きだ」
「はいはい。ま、じゃあ一つ俺がいいことを教えてやろう」
「…………」
「ある日大好きな兄ちゃんが攫われました」
「…?」
「助けに行ったら捕まって、目の前で見せつけるように犯されました」
「……」
「イライラしながら見ていたらお前も混ざるかと聞かれました」
「……」
「混ざりますか?」
「混ざると見せ掛けて相手に近づいて再起不能にする」
「はははっ!だよな!だよな!殺すよな!腹立つもんな!」
誰も殺すまでは言ってないのにレンバーはまるで俺の答えがわかっていたかのようにそうやって囃し立てた。
「ここで混ざるって言わないくらいには好きなんだろ?大事な相手を自分の与り知らない相手に犯されたくないんだろ?自分で全部管理したいんだよな?」
そう訊かれて俺は素直に頷きを落とす。
「それは世間一般的になんて言うか知ってるか?」
「……?」
「独占欲って言うんだよ」
「……独占欲」
「そ。つまりはその時点でお前はもう独りよがりの考えを持っちゃってるわけだ。普段から自分が用意した相手にしか兄ちゃんを犯させたくないのがその証拠だ。お前はそんな独りよがりの考えを普段から兄ちゃんに押し付けてるわけだろう?なのに今回の件ではそれを棚上げして落ち着くまで抱かないなんて言ってやがる。そりゃおかしいよな?兄ちゃんだって納得いかないだろうぜ?」
「…………」
確かに言われてみればその通りな気がしないでもない。
兄の為にといつだって頑張ってきたつもりだけど、俺は基本的に思うがままに行動してきたのだ。
独りよがりじゃなかったと完全に言い切ることはできない。
「わかったらちゃんと謝って『ゴメンねフェラ』でもしてやれよ?たまにはご奉仕もしないとな」
そんな風に励まされて、周囲からもさっさと仲直りしろよと囃し立てられる。
「戴冠式はちゃんと見に行ってやるからな!」
「精々すました顔でそれっぽく見せろよ!」
「間違っても変態ぶっ壊れ野郎って一般人にバレるなよ!」
ギャハハハと茶化され一頻りエールを送られたので、俺は感謝の気持ちを込めて近くにいた男達に一人一枚ずつ金貨を投げた。
普段からあまり金を使う機会がないからこういう時にはしっかり使うと決めているのだ。
裏家業の男達は活動資金になると言って黙って受け取ってくれるから楽でいい。
「また頼む」
「おうよ!王様業に疲れたらまたいつでも来いよな!」
そんな言葉に送り出されて、俺はそっと店を出た。
柄は悪いが気安い相手ばかりだ。
お陰で気持ちも上向いたので城に帰る足取りも少し軽くなった。
(取り敢えず兄上にはちゃんと謝ろう)
そう思いながら自室へと戻っていたらちょうど廊下の先に兄の姿を発見したので声を掛けようと息を整えたのだが…。
(あれは…スカー…なんとか嬢?)
兄の元婚約者候補だった女性が兄と一緒に居るのを見て息が止まるかと思ってしまった。
何を話しているのかはわからないけれど、随分親しそうに見えて胸が痛んだ。
それと共に軽くなっていた気持ちがあっという間に落ち込んでいく。
(やっぱり愛想を尽かされてしまったのかも…)
そんなことを考えながら、そっと回り道をするために踵を返した。
「…………」
俺は息苦しい城を抜け出し、闇医者の所へとやってきていた。
闇医者は昔から敬意は払ってくれるけど、どこか上っ面だけで実際は友達といった感じで話してくれるところがある。
俺にとっては相談したり愚痴をこぼすにはもってこいの相手だった。
「本当に貴方は仕方のない方ですね」
「…………」
「その、リヒターという近衛にも説得されたのでは?」
傍に居る者の中で一番信用しているって言ってませんでしたっけと揶揄うように言われて、それはそうだけどとつい口にしてしまう。
「兄上が好きだから一番信用しているリヒターに任せたいってそんなにおかしいのか?」
「おかしいですね」
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「…………」
「どうしてかわからないって顔ですけど、一般的に好きな相手は自分の手で幸せにしたいって考えるものなんですよ」
「でも俺じゃあ力不足だ」
「貴方は兄君を神聖視しすぎなんですよ。そもそも明々後日には国王になるんでしょう?貴方以上にカリン王子を幸せにできる相手が近衛って、笑い話にもなりませんけど」
「…………酷い」
でも言われてみれば一理あるし、あまり大きな声で反論はできそうにない。
「貴方が考えるべきは、誰かに託すことじゃなくて『自分で幸せにするにはどうしたらいいか』なんですけどわかってますか?」
「自分で幸せに?」
それはやっぱり兄の要求に応えることに終始するんじゃないかなと思ってそう答えたけれど、闇医者はそれを肯定した上で『じゃあカリン王子の求めているものがなんなのかちゃんとわかってますか?』と問われてそれは勿論と答え、『望まれるままに激しく抱けばいいんだろう?』と口にした途端それは違うと否定された。
「そこが独りよがりなんですよ。ちゃんと聞いてあげないとどんどんすれ違ってしまうのに…」
「え……」
「そうだ。今ちょうど酒場にレンバーが帰ってきてるんで話を聞いてみてはどうですか?きっとわかりやすく教えてもらえると思いますよ」
「レンバーか…」
レンバーは俺に閨事を色々教えてくれた裏家業の男だ。
王家の人間は15の年に閨事を教えてもらうのが通例なのだが、その時実際に教わったのは『そんなもの、適当に愛撫して潤ったところで挿入して出したら終わりです。惜しみない愛撫を!以上!』だけだった。
その時はそんなもんなんだと思っただけだったけど、酒場でそのレンバーという男と話し、何かの拍子にその話を口にしたら、なんだそりゃと大笑いされたことから認識が変わった。
レンバーは所謂スパイ活動を得意とする男で、女を篭絡して情報を得るのが得意らしく、俺が教わった方法なんかじゃあとてもじゃないけど情報なんて得られず、かえって怒らせるだけだぞと教えられた。
「お前にそんな風に教えたやつ、絶対女に振られたんだぜ!ハハハッ!笑えんな!」
多分俺に教えるのが面倒だっただけだと思うけど、確かに女性にモテるようには見えない相手だったので、俺には何とも言えない。
取り敢えずレンバーからは笑みを絶やさず相手の反応をちゃんと見ながら愛撫し、時折キスでリラックスさせながら丁寧に抱くのだと聞いた。
相手が望むことを見逃さず、激しくしてほしいのか優しくしてほしいのかをしっかり見極めるんだと。
いくら俺が人嫌いでも、丁寧に抱くだけでそれなりに相手に好印象は与えられるし損はないから絶対覚えとけと言われたっけ。
そんなあれこれを教えてくれたレンバーが戻ってきている。
それなら確かに相談にはいいのかもしれない。
そう思って酒場へと足を向けたら、店に入った途端みんなに驚かれてしまった。
「なんだよぶっ壊れ野郎じゃねーか!お前国王様になるんじゃなかったのか?」
「今みんなでこの国ももうおしまいだなって笑ってたところだったのに!」
ワハハハハと本気で笑われたけど、彼らは口は悪くても本気で俺を疎んじているわけではない。
寧ろ気持ちを汲んでくれることの方が多い。
子供の頃から来ているせいかそれなりに可愛がってはくれているのだ。
「おうおう、護衛はどうしたんだ?いないのか?」
「俺に護衛がついてきたことなんてないだろう?」
「そりゃそうだ!いつもフラッとやってくる不良王子様だもんな!」
そしてまたワハハと笑われドンッと酒を目の前に置かれる。
「折角来たんだ!前祝いと行こうぜ!」
そうだなと言って皆が楽しそうに祝ってくれる。
そんなここの空気は昔から嫌いではない。
「それで?今日は誰をご指名で?」
「え?ああ、レンバーが帰ってるって闇医者から聞いて…」
「おっ!レンバー!ご指名だぞぉ!」
「ああ?!俺かぁ?!」
そんな声と共に目当て相手がこちらへと来てくれる。
「なんだよ。もしかして恋愛相談か?お高くつくぜ?」
そう言いながらもレンバーは話して見ろと明るく話を振ってくれたので、兄とのことを話してみたんだけど、傍で話を聞いていた全員にまた笑われてしまった。
「ほんっと、この王子様はいつまで経ってもぶっ壊れてんな~!」
「いや~安心した!ぶっ壊れ野郎はやっぱぶっ壊れてた!ははははっ!」
相手が実の兄ってところも俺らしいって笑われたけど、そこはどうでもいいじゃないか。
好きなんだから。
でもそんな好きな相手を他の誰かに渡そうとしたり、第三者と抱くのはおかしいらしい。
普通はお互いだけでいいんだって言われた。
悦ばせたいだけで他意はないって言ったらまた笑われて揶揄われたけど、俺がおかしいっていうのはちょっと理解できた。
「あ~、笑った笑った。はぁ…。で?兄ちゃんに説得されたけど理解できなくて家出してきたって?」
「家出じゃなくて息抜きだ」
「はいはい。ま、じゃあ一つ俺がいいことを教えてやろう」
「…………」
「ある日大好きな兄ちゃんが攫われました」
「…?」
「助けに行ったら捕まって、目の前で見せつけるように犯されました」
「……」
「イライラしながら見ていたらお前も混ざるかと聞かれました」
「……」
「混ざりますか?」
「混ざると見せ掛けて相手に近づいて再起不能にする」
「はははっ!だよな!だよな!殺すよな!腹立つもんな!」
誰も殺すまでは言ってないのにレンバーはまるで俺の答えがわかっていたかのようにそうやって囃し立てた。
「ここで混ざるって言わないくらいには好きなんだろ?大事な相手を自分の与り知らない相手に犯されたくないんだろ?自分で全部管理したいんだよな?」
そう訊かれて俺は素直に頷きを落とす。
「それは世間一般的になんて言うか知ってるか?」
「……?」
「独占欲って言うんだよ」
「……独占欲」
「そ。つまりはその時点でお前はもう独りよがりの考えを持っちゃってるわけだ。普段から自分が用意した相手にしか兄ちゃんを犯させたくないのがその証拠だ。お前はそんな独りよがりの考えを普段から兄ちゃんに押し付けてるわけだろう?なのに今回の件ではそれを棚上げして落ち着くまで抱かないなんて言ってやがる。そりゃおかしいよな?兄ちゃんだって納得いかないだろうぜ?」
「…………」
確かに言われてみればその通りな気がしないでもない。
兄の為にといつだって頑張ってきたつもりだけど、俺は基本的に思うがままに行動してきたのだ。
独りよがりじゃなかったと完全に言い切ることはできない。
「わかったらちゃんと謝って『ゴメンねフェラ』でもしてやれよ?たまにはご奉仕もしないとな」
そんな風に励まされて、周囲からもさっさと仲直りしろよと囃し立てられる。
「戴冠式はちゃんと見に行ってやるからな!」
「精々すました顔でそれっぽく見せろよ!」
「間違っても変態ぶっ壊れ野郎って一般人にバレるなよ!」
ギャハハハと茶化され一頻りエールを送られたので、俺は感謝の気持ちを込めて近くにいた男達に一人一枚ずつ金貨を投げた。
普段からあまり金を使う機会がないからこういう時にはしっかり使うと決めているのだ。
裏家業の男達は活動資金になると言って黙って受け取ってくれるから楽でいい。
「また頼む」
「おうよ!王様業に疲れたらまたいつでも来いよな!」
そんな言葉に送り出されて、俺はそっと店を出た。
柄は悪いが気安い相手ばかりだ。
お陰で気持ちも上向いたので城に帰る足取りも少し軽くなった。
(取り敢えず兄上にはちゃんと謝ろう)
そう思いながら自室へと戻っていたらちょうど廊下の先に兄の姿を発見したので声を掛けようと息を整えたのだが…。
(あれは…スカー…なんとか嬢?)
兄の元婚約者候補だった女性が兄と一緒に居るのを見て息が止まるかと思ってしまった。
何を話しているのかはわからないけれど、随分親しそうに見えて胸が痛んだ。
それと共に軽くなっていた気持ちがあっという間に落ち込んでいく。
(やっぱり愛想を尽かされてしまったのかも…)
そんなことを考えながら、そっと回り道をするために踵を返した。
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