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34.国際会議⑲ Side.カリン王子
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国際会議を終え、ガヴァム王国へと帰ってきた。
暗部に確認すると父はフランシス公爵の私兵によって追い詰められ、彼の用意した邸で隠居生活を送っているとのこと。
ちなみに母とは離縁し、実家に帰したらしい。
王位を退いたら母は不要だったということなのか…。
愛のない政略結婚も虚しいものだなと思った。
けれどこれで死ぬのは父一人となったと言っても過言ではないだろう。
後はただ死を待つだけだ。
(父上…)
ロキには恨み言は死体に言ってやれと言ったものの、自分にとっては昔から目を掛けてくれていた父だ。
思うところがないとは言わない。
けれどロキを殺す手段にブルーグレイの王太子を巻き込んだ時点で既に父は詰んでいたのだ。
この国がなくならずに済んだのは、ひとえにブルーグレイの王太子がロキを見極めた結果に過ぎない。
ロキが生にも国にも何一つ執着を見せなかったことがたまたまいい方向に転がって、あの王太子にガヴァムを潰すのは無駄だと思わせた。ただそれだけ────。
そして彼はロキに王となれと言った。
あの王太子がロキを気に入ったのは意外だったが、元々父を退位に追い込むつもりだった自分にとっては僥倖だった。
渋々ながらもロキは王になると言ってくれたのだから。
後は周囲の者達を使って全力でロキを支えるだけだ。
「宰相」
「は…」
「溜まっている仕事で暫くは忙しいだろうが、王のなすべき仕事は一先ず簡単なものからロキに回していくように。残りはできる限り俺が判断する」
「かしこまりました」
「カスターニュ侯爵」
「はっ」
「不穏分子の情報は?」
「こちらに」
「…………手の者を十分に使い、足を引っ張る者はすべて排除しろ」
「すでに動き始めておりますので、どうぞご安心を」
「財務大臣」
「はいっ!」
「大臣達で協力し、ロキの戴冠式と俺との結婚式に向けての準備を頼む。結婚式の分も含め花は全てミラルカに頼むことになった。外務大臣にも詳細は伝えてあるから失礼のないよう対応してくれ」
「かしこまりました」
「法務大臣」
「はい」
「法の改正案をまとめた。直ちに議会を開き、速やかに承認を取れ。国民達にも周知するように」
「承りました」
「騎士団長」
「はっ!」
「騎士団内部の規律を見直し、速やかに統制を取り直すよう徹底せよ。たるんでいる者は容赦なく鍛え直し、戴冠式に間に合うよう矯正をしておくように」
「かしこまりました!」
「皆、急なロキの王位継承に苦労を掛けてしまうが、ブルーグレイの王太子の温情と思い、良く支えてやって欲しい」
本当はそんなものがなくてもロキを支えてやって欲しいが、こう言っておけば手を抜く者など出てこないことだろう。
その証拠に皆が皆、気を引き締め直すのを感じた。
***
「あ、兄上」
部屋に戻るとロキがミュゼとリヒターに帝王学の勉強を教えてもらっていた。
ここ最近ミュゼの変態具合が落ち着いたからか、嫌悪感も減ったようだ。
リヒターと二人がかりで調教してやった甲斐があった。
「ロキ。勉強は順調か?」
「はい。リヒターは教えるのが上手ですし、ミュゼもわかりやすく要点を教えてくれます」
「そうか。多少詰め込みになってしまうが、無理を押してでもなんとかこなしてくれ」
すまないと言ってそっと抱き寄せてやると、それだけで幸せそうに笑ってくれたので少し安心する。
「大丈夫です。それよりも兄上に色々任せっぱなしですみません」
「いや。俺は元々王太子だったからな。やるべきことを大体把握できている。それほど負担でもないから気にするな」
「そうですか?…俺も兄上の隣に立てるようにこれからは努力しますね」
そして国際会議でロッシュ卿に大事なことを教えてもらえたから、それを実践していきたいと言ってくれた。
正直あの日は引き合わせて失敗してしまったかと後悔したものだが、なんだかんだで気に入ってもらえたのか、ロッシュ卿はロキに王としての矜持のようなものを伝えてくれたらしい。
これからは俺以外にも目を向け、ロキの目に映る世界を広げていってもらえたらいいと思う。
いずれにせよ、今回の国際会議でのロキの外交は成功したと言えるだろう。
暗殺の危険を冒してでも行って良かったと思えるほどの成果は出た。
最大の利は言うまでもなくブルーグレイの王太子に気に入られたこと。
次いでミラルカのレオナルド皇子始め王族全てに気に入られたこと。
他にもクレメンツの宰相サーディ卿、フォルクスリーニアスの宰相ロッシュ卿、フォルティエンヌの鬼才魔道具師のジョン=カーター、隣国レトロンの外交官であり公爵位にあるクリス=ハルネスなどなど、力ある権力者達と知り合いになれたこと。
たとえ狙ってのことでなかったとしても彼等との繋がりは大きく、これらの功績は非常に大きいと言えた。
これに加えて宰相や外務大臣などが新たに強固にしてきたパイプを使えばまずロキの地位が揺らぐことはない。
それ即ち周辺諸国に戦争を仕掛けられる危機は当面訪れないということに他ならないのだ。
後は、内部を整えて行くだけ。
それもいつの間にかロキの味方になっていた情報局長のカスターニュ侯爵がいれば容易になるだろう。
「そうだ、兄上。結婚式の衣装は俺が決めてもいいですか?」
どこかはにかむようにそんなことを言ってくるロキにもちろんだと答えを返しながらも、先に戴冠式の準備をしないとなと言ってやる。
けれどそちらに関してはどうでもいいとでも言いたげな顔を向けてきた。
この弟は王になるよりも俺との結婚の方が待ち遠しいらしい。
本当に困った弟だ。
仕方がないから戴冠式にも多少興味が持てるようにしてやろうか。
「ロキ。戴冠式は俺の手からお前に王冠を授けることになるはずだ」
「え?」
「父上が生きていれば父上がお前の頭に王冠を授けるが、その頃にはいないだろう?」
「あ……」
ガヴァムの王族の血は国で一番尊いと言われているため、戴冠の儀では王族の誰かが新王に冠を授けるのが習わしだ。
歴史上母である王妃の手でということもなくはなかったが、母と父はすでに離縁が成立してしまっているため俺以外に王族は他にいない。
だからこそ、俺の手でロキを王にしてやることができるのだ。
「兄上の手で…王に」
「そうだ」
だからその時の衣装も一緒に決めようと言ってやりながら、手順も一緒に覚えようと口にしてやると俄然やる気を出してきた。
「頑張ります」
「その意気だ」
とは言え本当に俺を中心に回っているロキが少々心配になる。
俺がロキを利用しようとしていたらどうする気なのだろうか?
(まあ…元々王位に興味がないようだし、仕方がないか…)
基本破滅思考だものなと思いながらも、今では別にそれが悪いことばかりでもないと思っている自分に少し笑ってしまった。
こんなロキを幸せにしてやれる楽しみを、既に自分が見出してしまっているからだ。
セドリック王子はロキを立派な王にするのは大変だろうがと言ってはいたが、別に立派な王にする必要はない。
ロキにはロキらしく、これからはずっと幸せに笑っていて欲しい。
敢えて言うのなら、立派な王というよりは幸せな王になってくれたらそれでいい。
それを見た民達が喜んでくれるような施政を行っていけば別に不可能なことではないだろう。
その為に俺や周囲の者達がいるのだから。
はっきり言ってアンシャンテ王から優秀な暗部を引き抜けたのは幸いだった。
ざっくりと経歴を聞いた上でロキへの思いを語ってもらったが、その忠誠心は本物で疑う余地さえないほどの妄信っぷり。
どうしてそうなったんだと思い話を聞いてみたら納得がいった。
ご主人様は絶対だ。特にロキは最高だ。抗う気になれない気持ちは誰よりもよくわかる。
あの男は絶対にこれから役に立つことだろう。
暗部の上手な使い方もこれからロキにきちんと教えてやらないと。
やるべきことは山積みでまだまだ暫く落ち着きそうにはないが、きっと何とかなる事だろう。
「ロキ。お前の頭に王冠を被せる日を楽しみにしている」
そう言って俺は愛しい弟に笑いかけた。
****************
※完全にまともそうに見えても、ちょっと『ご主人様LOVE思考』が出ちゃってるカリン王子の心境でした。
暗部に確認すると父はフランシス公爵の私兵によって追い詰められ、彼の用意した邸で隠居生活を送っているとのこと。
ちなみに母とは離縁し、実家に帰したらしい。
王位を退いたら母は不要だったということなのか…。
愛のない政略結婚も虚しいものだなと思った。
けれどこれで死ぬのは父一人となったと言っても過言ではないだろう。
後はただ死を待つだけだ。
(父上…)
ロキには恨み言は死体に言ってやれと言ったものの、自分にとっては昔から目を掛けてくれていた父だ。
思うところがないとは言わない。
けれどロキを殺す手段にブルーグレイの王太子を巻き込んだ時点で既に父は詰んでいたのだ。
この国がなくならずに済んだのは、ひとえにブルーグレイの王太子がロキを見極めた結果に過ぎない。
ロキが生にも国にも何一つ執着を見せなかったことがたまたまいい方向に転がって、あの王太子にガヴァムを潰すのは無駄だと思わせた。ただそれだけ────。
そして彼はロキに王となれと言った。
あの王太子がロキを気に入ったのは意外だったが、元々父を退位に追い込むつもりだった自分にとっては僥倖だった。
渋々ながらもロキは王になると言ってくれたのだから。
後は周囲の者達を使って全力でロキを支えるだけだ。
「宰相」
「は…」
「溜まっている仕事で暫くは忙しいだろうが、王のなすべき仕事は一先ず簡単なものからロキに回していくように。残りはできる限り俺が判断する」
「かしこまりました」
「カスターニュ侯爵」
「はっ」
「不穏分子の情報は?」
「こちらに」
「…………手の者を十分に使い、足を引っ張る者はすべて排除しろ」
「すでに動き始めておりますので、どうぞご安心を」
「財務大臣」
「はいっ!」
「大臣達で協力し、ロキの戴冠式と俺との結婚式に向けての準備を頼む。結婚式の分も含め花は全てミラルカに頼むことになった。外務大臣にも詳細は伝えてあるから失礼のないよう対応してくれ」
「かしこまりました」
「法務大臣」
「はい」
「法の改正案をまとめた。直ちに議会を開き、速やかに承認を取れ。国民達にも周知するように」
「承りました」
「騎士団長」
「はっ!」
「騎士団内部の規律を見直し、速やかに統制を取り直すよう徹底せよ。たるんでいる者は容赦なく鍛え直し、戴冠式に間に合うよう矯正をしておくように」
「かしこまりました!」
「皆、急なロキの王位継承に苦労を掛けてしまうが、ブルーグレイの王太子の温情と思い、良く支えてやって欲しい」
本当はそんなものがなくてもロキを支えてやって欲しいが、こう言っておけば手を抜く者など出てこないことだろう。
その証拠に皆が皆、気を引き締め直すのを感じた。
***
「あ、兄上」
部屋に戻るとロキがミュゼとリヒターに帝王学の勉強を教えてもらっていた。
ここ最近ミュゼの変態具合が落ち着いたからか、嫌悪感も減ったようだ。
リヒターと二人がかりで調教してやった甲斐があった。
「ロキ。勉強は順調か?」
「はい。リヒターは教えるのが上手ですし、ミュゼもわかりやすく要点を教えてくれます」
「そうか。多少詰め込みになってしまうが、無理を押してでもなんとかこなしてくれ」
すまないと言ってそっと抱き寄せてやると、それだけで幸せそうに笑ってくれたので少し安心する。
「大丈夫です。それよりも兄上に色々任せっぱなしですみません」
「いや。俺は元々王太子だったからな。やるべきことを大体把握できている。それほど負担でもないから気にするな」
「そうですか?…俺も兄上の隣に立てるようにこれからは努力しますね」
そして国際会議でロッシュ卿に大事なことを教えてもらえたから、それを実践していきたいと言ってくれた。
正直あの日は引き合わせて失敗してしまったかと後悔したものだが、なんだかんだで気に入ってもらえたのか、ロッシュ卿はロキに王としての矜持のようなものを伝えてくれたらしい。
これからは俺以外にも目を向け、ロキの目に映る世界を広げていってもらえたらいいと思う。
いずれにせよ、今回の国際会議でのロキの外交は成功したと言えるだろう。
暗殺の危険を冒してでも行って良かったと思えるほどの成果は出た。
最大の利は言うまでもなくブルーグレイの王太子に気に入られたこと。
次いでミラルカのレオナルド皇子始め王族全てに気に入られたこと。
他にもクレメンツの宰相サーディ卿、フォルクスリーニアスの宰相ロッシュ卿、フォルティエンヌの鬼才魔道具師のジョン=カーター、隣国レトロンの外交官であり公爵位にあるクリス=ハルネスなどなど、力ある権力者達と知り合いになれたこと。
たとえ狙ってのことでなかったとしても彼等との繋がりは大きく、これらの功績は非常に大きいと言えた。
これに加えて宰相や外務大臣などが新たに強固にしてきたパイプを使えばまずロキの地位が揺らぐことはない。
それ即ち周辺諸国に戦争を仕掛けられる危機は当面訪れないということに他ならないのだ。
後は、内部を整えて行くだけ。
それもいつの間にかロキの味方になっていた情報局長のカスターニュ侯爵がいれば容易になるだろう。
「そうだ、兄上。結婚式の衣装は俺が決めてもいいですか?」
どこかはにかむようにそんなことを言ってくるロキにもちろんだと答えを返しながらも、先に戴冠式の準備をしないとなと言ってやる。
けれどそちらに関してはどうでもいいとでも言いたげな顔を向けてきた。
この弟は王になるよりも俺との結婚の方が待ち遠しいらしい。
本当に困った弟だ。
仕方がないから戴冠式にも多少興味が持てるようにしてやろうか。
「ロキ。戴冠式は俺の手からお前に王冠を授けることになるはずだ」
「え?」
「父上が生きていれば父上がお前の頭に王冠を授けるが、その頃にはいないだろう?」
「あ……」
ガヴァムの王族の血は国で一番尊いと言われているため、戴冠の儀では王族の誰かが新王に冠を授けるのが習わしだ。
歴史上母である王妃の手でということもなくはなかったが、母と父はすでに離縁が成立してしまっているため俺以外に王族は他にいない。
だからこそ、俺の手でロキを王にしてやることができるのだ。
「兄上の手で…王に」
「そうだ」
だからその時の衣装も一緒に決めようと言ってやりながら、手順も一緒に覚えようと口にしてやると俄然やる気を出してきた。
「頑張ります」
「その意気だ」
とは言え本当に俺を中心に回っているロキが少々心配になる。
俺がロキを利用しようとしていたらどうする気なのだろうか?
(まあ…元々王位に興味がないようだし、仕方がないか…)
基本破滅思考だものなと思いながらも、今では別にそれが悪いことばかりでもないと思っている自分に少し笑ってしまった。
こんなロキを幸せにしてやれる楽しみを、既に自分が見出してしまっているからだ。
セドリック王子はロキを立派な王にするのは大変だろうがと言ってはいたが、別に立派な王にする必要はない。
ロキにはロキらしく、これからはずっと幸せに笑っていて欲しい。
敢えて言うのなら、立派な王というよりは幸せな王になってくれたらそれでいい。
それを見た民達が喜んでくれるような施政を行っていけば別に不可能なことではないだろう。
その為に俺や周囲の者達がいるのだから。
はっきり言ってアンシャンテ王から優秀な暗部を引き抜けたのは幸いだった。
ざっくりと経歴を聞いた上でロキへの思いを語ってもらったが、その忠誠心は本物で疑う余地さえないほどの妄信っぷり。
どうしてそうなったんだと思い話を聞いてみたら納得がいった。
ご主人様は絶対だ。特にロキは最高だ。抗う気になれない気持ちは誰よりもよくわかる。
あの男は絶対にこれから役に立つことだろう。
暗部の上手な使い方もこれからロキにきちんと教えてやらないと。
やるべきことは山積みでまだまだ暫く落ち着きそうにはないが、きっと何とかなる事だろう。
「ロキ。お前の頭に王冠を被せる日を楽しみにしている」
そう言って俺は愛しい弟に笑いかけた。
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