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9.※愛してるのは今だけ

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「あひっ…!んぁあっ!」

今日も可愛い声で啼く兄を俺は抱く。
だいぶ正気を取り戻しつつあるように思うのに、俺の腕の中で相も変わらず可愛い声で啼く兄は本当に可愛い。
さっきのフェラもすごく良かったけど、喉奥を突きあげた時の苦しそうに歪んだ顔は最高に可愛かった。
もっともっと可愛がってやりたい。

「兄上。縛られるのも好きなようですね。ブルーグレイでは鎖に繋がれてたって聞いたんですけど…こっちも気に入ってもらえたようで嬉しいですよ」

ずちゅんずちゅんと前に入れた金属の棒を抜き差ししてやると、兄は腰と胸を突き出し懇願を始める。

「んやっ…!そこばっかりは嫌ぁ…!」
「そうですか。じゃあ乳首も可愛がってあげますね」

胸につけていた飾りを外し、敏感になった乳首をカリッと甘噛みし、腰を抱く。
そしてその手を少し伸ばして前をグリグリと可愛がりながら、もう片方の手で口に含んでいない方の乳首を思い切り抓り上げてやった。

「んあぁあぁっ!」
「ん。上手にイケましたね?」

ピクンピクンと身を震わせ余韻に浸る兄の胸をチロチロと舐めてやると、うっとりとした目で甘い声が上がった。

「あ…溶けちゃうぅ…。気持ちよすぎて、はぁ…ッ、もぅ、んっんっ……」
「ふふっ…後ろもそろそろ気持ち良くなってきたんじゃないですか?」
「あ…あぁ……っ」

熱の籠った目で見つめられるけど、どことなく期待の籠ったようなこれまでと違う目を見て不意に意地悪をしたくなる。

本当はもうとっくに俺を思い出しているのではないか?
俺をわかってて、抱かれているのではないか?
もしそうだったら……俺はどうするだろう?兄はどうする気なのだろう?
不意にそんな考えに侵される。

(まだ…大丈夫だ)

きっとまだ正気を取り戻したりはしていない。
何故なら兄は本気で俺を嫌っていたのだから────。

正気になって頭がすっきりしたなら、兄はこんな風に期待を込めた目ではなく憎悪の眼差しで俺を見つめてくるだろう。
きっと自分はその途端────この愛しい感情を、愛しい存在を永遠に失ってしまうのだと思う。
けれどそれでいいのだ。
今はただひと時の夢のような甘い時間を過ごし、正気に戻られた時にはそれを糧にして正気に返った兄に復讐をしてやればいい。
きっとその時は愛情が深かった分、沢山酷いことをしてしまうのだろう。
戻らない兄を責め、遣る瀬無い思いを全てぶつけるのだ。

「兄上。今日は好きなだけ玩具で可愛がってあげますよ」
「え?あっ…あぁんっ…!」

ディルドとプジーで後ろも前も可愛がり、身悶え快楽に堕ちていく兄を見る。

「ひぁあっ!ひやぁっ!」

可愛い可愛い兄。
こんな姿を見られるのは後どれくらいだろうか?

「兄上…正気に返ったらすぐに教えてくださいね?泣きながら沢山の男達に犯されてよがり狂うさまを見てあげますから」
「あっあっ…嫌っ…、それは嫌ぁ…!」
「大丈夫。捨てる気はありませんよ?傍に居て全部見ててあげます。淫らに男を咥えこむ姿をね」

ふるふると首を振り目に涙を浮かべる兄に優しく声をかけるが、兄は嫌だ嫌だと繰り返す。

「ご主人様ぁ!」

そう呼んでくる可愛い口を深く奪うように塞いで、甘い毒を言の葉に含ませる。

「どうかずっとそのままの兄上でいてください。俺に酷いことをさせないで……」
「あっあっ…もっとぉ…!」
「いいですよ」

一生懸命舌を絡めて強請る姿に絆されそうになるが、この兄は一時的なものなのだ。
叶わない望みなど抱かずに、どこかで割り切らねばならないのだと自分に言い聞かせる。

「お願い…お願いしますぅ…!」
「なんですか?」
「はぁっ…はぁっ……」
「兄上?」
「早く後ろに挿れて、いっぱい可愛がってぇ……!」
「……っ兄上!」

そんな可愛いことを言われたら我慢がきかなくなってしまう。

「兄上…俺を煽るなんて悪い人ですね。そんな悪い人には二輪挿しでも試してみましょうか?」
「え?やっ…!無理っ…!無理ぃいっ!!入口擦らないでぇえっ!!」

潤滑油を垂らし、指で隙間を探るようにしてやると兄が悲鳴を上げるが、本当にそこまでする気はない。
玩具が入っているそこに指を入れるだけにしてあげよう。

「反省したらやめてあげますからね?」
「ひぃあぁあぁあぁっ!!」

グヌヌッと指を入れるとパニックになったように逃げ腰になったので、逃げられないよう腰を引き寄せ躊躇することなくそのまま前立腺を探ってやる。

「ひっ、ひぃいっ!」
「……見つけた」

そう言って舌なめずりをすると、俺は指でグリグリと前立腺を虐めてやりながらもう片方の手でディルドを激しく動かした。

「いひぃっ!こんなの初めてぇっ!」
「嘘つきですね。ブルーグレイで散々嬲ってもらったんでしょう?もう経験済みなんじゃないですか?」
「あ…あひぃ…っ!」

中イキしてびっくんびっくん身を震わせる兄にほくそ笑み、ディルドと指を引き抜いてそっとそこに自身の熱塊を添える。

「さて。お待ちかねのモノですよ?ふふっ…」

グググッと奥まで挿れると兄は大きく目を見開いて悲鳴を上げた。

「あひぁあぁあっ!!」
「挿れただけでこれですか?ははっ!感じ過ぎでしょう?締め付けがたまりませんね」
「感じるぅうっ!イッてる!イッてるぅっ!」
「知ってますよ?だからなんです?気持ち良くて嬉しいでしょう?」

アハハと笑って嬉々として蹂躙してやると、兄は快感が過ぎてたまらないのか、涙と涎をダラダラ流しながらよがり狂った。

「ああ、こっちも忘れてないですよ?ちゃんと可愛がってあげますからね」
「いひやぁあああっ!!」

ぷちゅぷちゅと前に入れた玩具を動かし腰も振ってやるとたまらないとばかりに嬌声を上げ続ける。

「きもひいぃいっ!きもひいいよぉっ!!」
「もっともっと溺れるほど感じて、俺だけだって言ってくださいね?」
「あっあっ、ご主人様っ!ご主人様ぁああぁっ!」

イき狂う兄を見ながら犯し続ける自分はきっとおかしいのだろう。
でも────。

「兄上…愛しています」

────今の貴方を。

正気に返ったら絶対に言えない言葉。
正気に返ったらきっと反転してしまうだろう…そんな感情。

「酷い奴だと嫌ってくれていいですよ?きっと…俺はそれ以上に正気の貴方のことを嫌いだと思うので」

過去も未来も今はどうでもいい。
ただ、今だけは溺れるように貴方を愛したい。

「兄上っ……」

俺はその日激しくイッて気絶してしまった兄を抱きしめながら、初めて兄のベッドで夜を明かした。


****************

※次から暫くRじゃない展開が続くので宜しくお願いします。
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