8 / 234
8.※考えてはいけないこと Side.カリン王子
しおりを挟む
「はぁあんっ!あぁんっ!」
今日も部屋に淫靡な香りが満ち、弟が自分を抱く荒い息と、勝手に飛び出す自分の喘ぎ声が響き渡る。
意識がだいぶはっきりしてきて一週間が経った。
今日は昼間はほぼ正常に思考が働いていたように思う。
きっと毎朝ロキが飲ませ、尻穴に入れてくる薬のお陰なのだろう。
いつも薬を与える時のロキの口づけは慈しむように優しくて、まるで心底愛されているかのような錯覚に陥りそうなほど甘美なものだ。
けれど薬の効果かそれで腰が疼くと言うことはなく、ただただ精神的に満たされるような感覚が大きかった。
そのお陰かどうなのか、時折ブルーグレイでの日々がフラッシュバックしても大丈夫だと思えるようになったのは有難かった。
ロキは俺に薬を飲ませた後は毎日俺の代わりに王太子としての執務をしに部屋を出る。
その間は自由時間だ。
ぼんやりしてしまうことやフラッシュバックして身動きが取れなくなることもあるが、徐々に思考スピードも戻ってきたのでできるだけ色々考えるようにしている。
具体的には、ロキが王太子になったのなら自分はこれからどうすべきかなどだ。
可能なら国のために働きたいが、ブルーグレイのスパイがここに入り込んでいないとは思えないし、俺が正気に戻ったと知られればどうなるかはわからない。
何とか上手く誤魔化す方法はないだろうか?
このまま飼い殺しにされるのもつまらないなとどうしてもつい考えてしまう。
けれどそんないつも通りの安穏とした時間を過ごしていたのは昼までの事────。
今日の昼はいつもとは違う想定外の状況に陥ってしまったのだ。
「カリン王子。毎晩ロキ王子のお相手をしてるんでしょう?噂で貴方は他の男に抱かれても悦ぶって聞きましたよ?ここに挿れられたら嬉しいんですよね?ロキ王子よりも絶対に楽しませて差し上げるので、お相手してください」
いつも侍従らしき者がやってきて食べさせてくるのだが、今日来た男はそう言って食後に尻を撫でまわし、あろうことかそのまま俺に口づけてきたのだ。
正直言ってその行為自体が不快でしかなかったし、ロキとの口づけとの違いに悪寒が走った。
そこからは半ばパニックに陥ってしまい、必死にドアへと向かって走り、助けを求めるようにドンドンと思い切りドアを叩いた。
「あぁっ!ご主人様!ご主人様ぁっ!!」
パニックになっているせいで口から飛び出したのは言い慣れた言葉でしかなかったものの、どうやらこれが初めてではなかったのかすぐに誰かがロキを呼びに行ってくれたようで、暫くするとロキが息せき切らせてやってきてくれた。
「兄上!どうしました?」
そう言いながら安心させるように優しく抱き寄せ声をかけてくるロキ。
そんなロキに勝手に胸が弾んでしまう。
「ロキ王子。どうやらカリン王子はお寂しかったのか急に不安に襲われてしまったご様子。きっとロキ王子に会いたくなってしまわれたのでしょう」
「そうか…。下がっていいぞ。兄上。もう寂しくないですよ」
侍従はロキに言われてそのまま何事もなかったかのように去っていこうとしたが、これではまた食事時に嫌な思いをする羽目になる。
「あ…口直し…口直しぃ…」
「お食事が口に合いませんでしたか?」
(違う!)
パニック症状は落ち着いたものの思考が乱れて言葉が上手く出てこない。
「無理矢理キス…されて、気持ち悪かったから、口直し、してほしいぃ…」
混乱した纏まらない思考のせいで伝えたい言葉が的確に紡げなくてもどかしいが、その言葉で察したのかすぐさまロキは動いた。
「その侍従を縛り上げて今すぐ牢に放り込め!」
不機嫌にそう言い放ち、素早く拘束を命じる。
「ひっ…!え、冤罪です、ロキ王子っ!カ、カリン王子の方から誘ってきたんです!私は何も…」
何が冤罪なものかと腹立たしく思うが、外から見ると男の言い分が正しいように見えるのか、衛兵達は戸惑う様子を見せた。
けれどロキは俺の言葉の方を信じ、譲らない。
「兄上は医師に適切な薬を処方されて快方に向かっている。そんな兄上がお前を誘うはずがない。お前達!王族に対する不敬罪で揃って牢に入りたくなければすぐさま指示に従え!」
冷たく言い放たれたその言葉にロキの本気を感じ取ったのか、遅ればせながら兵達が動きだす。
「兄上。もう大丈夫ですよ。俺以外は嫌だとちゃんと言えて偉いですね」
そう言いながら廊下にもかかわらずそのまま何度もキスをしてくれる。
どうやら兵達に俺は自分のものだとわからせたかったようで、まるで見せつけるかのように何度も愛おし気に口づけられた。
「兄上は正式に父上から頂いた俺のものだ。許可なく手出しした者は牢に入ることになると周知しておけ!」
「ははっ!!」
ビシッと居住まいを正ししっかりと答えた彼らに胡乱気な顔を向けはしたが、ロキはそのまま俺へと向き直りまた優しく声をかけてくる。
「兄上。寂しいかもしれませんが、夜は沢山可愛がってあげるので、待っていてくださいね」
その言葉にコクリと頷くとそのまま抱き上げられて部屋の中へと運ばれ、そっとソファに下ろされる。
先程、俺を父から貰ったとロキは言った。
つまりはこの状況は父も知っているということになる。
そしてもの扱いされているということは、父は完全に俺を切り捨てたのだろうと思った。
(まあ実際はロキは全くもの扱いはしてこないがな)
口で何と言おうとその行動はどこからどう見ても『もの扱い』ではない。
どちらかというと『恋人扱い』だ。
「そろそろ散歩に出てもわかるくらいにはなりましたか?それとも何か本でも用意させましょうか?」
したいことが浮かんだら何でも言って欲しいと言いながら俺を抱き寄せ愛おし気に頭を撫でてくるロキ。
けれど多分これは言っているだけなんだろうということも何となくわかってしまう。
何故なら正気に返られるのはロキとしては困るのだと、自分はもう知ってしまっているから……。
そして部屋を出て行ったロキを見送り、ゆっくりと考えを巡らせる。
結局どういった経緯で自分がロキのものになったのかはわからないが、あの様子ならまず間違いなくロキは俺を好きなはずだし危害を加えてくることもないと思われる。
けれどそれは恐らく自分が自我を失っていると思っているからこそなのだ。
そう認識すると何故か胸が痛いような気がしたが、それがどうしてなのかは考えてはいけない気がして慌てて頭を振ってそっと目を閉じた。
「兄上。今日は兄上の好きなハーブ鶏の丸焼きですよ?」
そう言いながら夕飯時に帰ってきたロキは俺の隣に腰掛けて一口一口丁寧に食べさせてくれる。
そして食後はサッと口を拭いてくれて、風呂にも入れてくれた。
それからベッドに移って恥ずかしい格好で縛られたが、ブルーグレイで散々拷問官に抱かれ開発されてしまった自分はもう普通に抱かれるだけでは満足できなくなってしまっているので特にそれを不快に思うこともない。
そんな俺をロキは引くことなく笑みをもって慈しみ抱いてくれる────それがどうしようもなく嬉しかった。
ロキは全裸で上にあげさせた両手首を縛り、同じく膝立ちさせた状態で足首同士を括って、後ろでそれらを繋ぎ俺に恥ずかしい格好にさせると、うっとりしながら視姦して満足げに笑う。
そして問答無用で強制的に尻穴をほぐしてディルドを突っ込み、前の穴にもプジーを差し込んできた。
しかも胸には飾りのついたクリップのようなものを取り付けられて、可愛いですよと言葉で嬲られる。
挟まれたところがジンジン痺れるのがたまらなくて、つい甘い声が漏れ出てしまった。
「あ…あぁあっ……」
「さあ、兄上。今日はフェラで俺をイかせたら好きなプレイで犯してあげますからね」
「はぁっはぁっ……」
興奮したような顔で頬を染めこちらを見てくるロキにこちらまで欲情させられ、たまらない気持ちにさせられる。
今日はどんなプレイでロキは俺を抱く気なんだろう?
じわりじわりと責め立て、最後にご褒美をくれるのだろうか?
それとも最初から奥を責め、絶頂を迎えた後で甘く何度もこの身を味わってくるのだろうか?
ロキが自分を満足させてくれるのだともう嫌と言うほど知っているからこそ、こんな風に期待する気持ちが止められないのかもしれない。
「あぁ…ご奉仕、ご奉仕させてくださいぃ…っ!」
あまり思い出したくはないが、ブルーグレイで仕込まれた時のように強請るとロキは嬉々として乗ってきてくれる。
「そんなに発情して…。兄上は本当に淫乱極まりないですね。まるで雌犬のようですよ?」
暗にドMだと言われてしまうが、それでもよかった。
きっともうどうあっても昔のようには戻れないし、今更女を抱ける気はしない。
気持ちいいことをしてくれるのはロキだし、ロキ以外は嫌だと昼間に実感してしまったから、何一つ躊躇いはなかった。
「はむっ…んんっ…」
自分を毎日可愛がってくれるこの熱い楔が愛おしい。
夜になるとこんなにもロキに抱かれたくなるのは薬が切れかけているからなのだろうか?
それとも……別の要因があるのだろうか?
わからない…わからないけど、毎夜ロキに抱かれたくて仕方がなかった。
「ご主人様…。今日も沢山可愛がってください…」
そう言ってうっとりと笑った俺にロキが優しい笑みを向けてくる。
「可愛い兄上。しっかり喉の奥まで咥えこんでご奉仕してくださいね?」
言葉の優しさに反し容赦なく奥まで押し込まれる熱杭。
こちらが苦しそうに顔を歪めるほどにロキの顔が恍惚としたものに変わっていく。
(こいつは天然のドSだな)
だからこそ、俺にとって何よりも都合が良かった。
ロキとの淫靡な行為の数々が俺の心をどこまでも甘美に染めあげていく。
拷問官よりも優しくて、けれど同じくらい俺を満足させ悦ばせてくれるロキ。
そんなロキにどこまでも愛される心地よさに酔わされて、俺は結局その日もそのまま悦楽に堕とされた────。
今日も部屋に淫靡な香りが満ち、弟が自分を抱く荒い息と、勝手に飛び出す自分の喘ぎ声が響き渡る。
意識がだいぶはっきりしてきて一週間が経った。
今日は昼間はほぼ正常に思考が働いていたように思う。
きっと毎朝ロキが飲ませ、尻穴に入れてくる薬のお陰なのだろう。
いつも薬を与える時のロキの口づけは慈しむように優しくて、まるで心底愛されているかのような錯覚に陥りそうなほど甘美なものだ。
けれど薬の効果かそれで腰が疼くと言うことはなく、ただただ精神的に満たされるような感覚が大きかった。
そのお陰かどうなのか、時折ブルーグレイでの日々がフラッシュバックしても大丈夫だと思えるようになったのは有難かった。
ロキは俺に薬を飲ませた後は毎日俺の代わりに王太子としての執務をしに部屋を出る。
その間は自由時間だ。
ぼんやりしてしまうことやフラッシュバックして身動きが取れなくなることもあるが、徐々に思考スピードも戻ってきたのでできるだけ色々考えるようにしている。
具体的には、ロキが王太子になったのなら自分はこれからどうすべきかなどだ。
可能なら国のために働きたいが、ブルーグレイのスパイがここに入り込んでいないとは思えないし、俺が正気に戻ったと知られればどうなるかはわからない。
何とか上手く誤魔化す方法はないだろうか?
このまま飼い殺しにされるのもつまらないなとどうしてもつい考えてしまう。
けれどそんないつも通りの安穏とした時間を過ごしていたのは昼までの事────。
今日の昼はいつもとは違う想定外の状況に陥ってしまったのだ。
「カリン王子。毎晩ロキ王子のお相手をしてるんでしょう?噂で貴方は他の男に抱かれても悦ぶって聞きましたよ?ここに挿れられたら嬉しいんですよね?ロキ王子よりも絶対に楽しませて差し上げるので、お相手してください」
いつも侍従らしき者がやってきて食べさせてくるのだが、今日来た男はそう言って食後に尻を撫でまわし、あろうことかそのまま俺に口づけてきたのだ。
正直言ってその行為自体が不快でしかなかったし、ロキとの口づけとの違いに悪寒が走った。
そこからは半ばパニックに陥ってしまい、必死にドアへと向かって走り、助けを求めるようにドンドンと思い切りドアを叩いた。
「あぁっ!ご主人様!ご主人様ぁっ!!」
パニックになっているせいで口から飛び出したのは言い慣れた言葉でしかなかったものの、どうやらこれが初めてではなかったのかすぐに誰かがロキを呼びに行ってくれたようで、暫くするとロキが息せき切らせてやってきてくれた。
「兄上!どうしました?」
そう言いながら安心させるように優しく抱き寄せ声をかけてくるロキ。
そんなロキに勝手に胸が弾んでしまう。
「ロキ王子。どうやらカリン王子はお寂しかったのか急に不安に襲われてしまったご様子。きっとロキ王子に会いたくなってしまわれたのでしょう」
「そうか…。下がっていいぞ。兄上。もう寂しくないですよ」
侍従はロキに言われてそのまま何事もなかったかのように去っていこうとしたが、これではまた食事時に嫌な思いをする羽目になる。
「あ…口直し…口直しぃ…」
「お食事が口に合いませんでしたか?」
(違う!)
パニック症状は落ち着いたものの思考が乱れて言葉が上手く出てこない。
「無理矢理キス…されて、気持ち悪かったから、口直し、してほしいぃ…」
混乱した纏まらない思考のせいで伝えたい言葉が的確に紡げなくてもどかしいが、その言葉で察したのかすぐさまロキは動いた。
「その侍従を縛り上げて今すぐ牢に放り込め!」
不機嫌にそう言い放ち、素早く拘束を命じる。
「ひっ…!え、冤罪です、ロキ王子っ!カ、カリン王子の方から誘ってきたんです!私は何も…」
何が冤罪なものかと腹立たしく思うが、外から見ると男の言い分が正しいように見えるのか、衛兵達は戸惑う様子を見せた。
けれどロキは俺の言葉の方を信じ、譲らない。
「兄上は医師に適切な薬を処方されて快方に向かっている。そんな兄上がお前を誘うはずがない。お前達!王族に対する不敬罪で揃って牢に入りたくなければすぐさま指示に従え!」
冷たく言い放たれたその言葉にロキの本気を感じ取ったのか、遅ればせながら兵達が動きだす。
「兄上。もう大丈夫ですよ。俺以外は嫌だとちゃんと言えて偉いですね」
そう言いながら廊下にもかかわらずそのまま何度もキスをしてくれる。
どうやら兵達に俺は自分のものだとわからせたかったようで、まるで見せつけるかのように何度も愛おし気に口づけられた。
「兄上は正式に父上から頂いた俺のものだ。許可なく手出しした者は牢に入ることになると周知しておけ!」
「ははっ!!」
ビシッと居住まいを正ししっかりと答えた彼らに胡乱気な顔を向けはしたが、ロキはそのまま俺へと向き直りまた優しく声をかけてくる。
「兄上。寂しいかもしれませんが、夜は沢山可愛がってあげるので、待っていてくださいね」
その言葉にコクリと頷くとそのまま抱き上げられて部屋の中へと運ばれ、そっとソファに下ろされる。
先程、俺を父から貰ったとロキは言った。
つまりはこの状況は父も知っているということになる。
そしてもの扱いされているということは、父は完全に俺を切り捨てたのだろうと思った。
(まあ実際はロキは全くもの扱いはしてこないがな)
口で何と言おうとその行動はどこからどう見ても『もの扱い』ではない。
どちらかというと『恋人扱い』だ。
「そろそろ散歩に出てもわかるくらいにはなりましたか?それとも何か本でも用意させましょうか?」
したいことが浮かんだら何でも言って欲しいと言いながら俺を抱き寄せ愛おし気に頭を撫でてくるロキ。
けれど多分これは言っているだけなんだろうということも何となくわかってしまう。
何故なら正気に返られるのはロキとしては困るのだと、自分はもう知ってしまっているから……。
そして部屋を出て行ったロキを見送り、ゆっくりと考えを巡らせる。
結局どういった経緯で自分がロキのものになったのかはわからないが、あの様子ならまず間違いなくロキは俺を好きなはずだし危害を加えてくることもないと思われる。
けれどそれは恐らく自分が自我を失っていると思っているからこそなのだ。
そう認識すると何故か胸が痛いような気がしたが、それがどうしてなのかは考えてはいけない気がして慌てて頭を振ってそっと目を閉じた。
「兄上。今日は兄上の好きなハーブ鶏の丸焼きですよ?」
そう言いながら夕飯時に帰ってきたロキは俺の隣に腰掛けて一口一口丁寧に食べさせてくれる。
そして食後はサッと口を拭いてくれて、風呂にも入れてくれた。
それからベッドに移って恥ずかしい格好で縛られたが、ブルーグレイで散々拷問官に抱かれ開発されてしまった自分はもう普通に抱かれるだけでは満足できなくなってしまっているので特にそれを不快に思うこともない。
そんな俺をロキは引くことなく笑みをもって慈しみ抱いてくれる────それがどうしようもなく嬉しかった。
ロキは全裸で上にあげさせた両手首を縛り、同じく膝立ちさせた状態で足首同士を括って、後ろでそれらを繋ぎ俺に恥ずかしい格好にさせると、うっとりしながら視姦して満足げに笑う。
そして問答無用で強制的に尻穴をほぐしてディルドを突っ込み、前の穴にもプジーを差し込んできた。
しかも胸には飾りのついたクリップのようなものを取り付けられて、可愛いですよと言葉で嬲られる。
挟まれたところがジンジン痺れるのがたまらなくて、つい甘い声が漏れ出てしまった。
「あ…あぁあっ……」
「さあ、兄上。今日はフェラで俺をイかせたら好きなプレイで犯してあげますからね」
「はぁっはぁっ……」
興奮したような顔で頬を染めこちらを見てくるロキにこちらまで欲情させられ、たまらない気持ちにさせられる。
今日はどんなプレイでロキは俺を抱く気なんだろう?
じわりじわりと責め立て、最後にご褒美をくれるのだろうか?
それとも最初から奥を責め、絶頂を迎えた後で甘く何度もこの身を味わってくるのだろうか?
ロキが自分を満足させてくれるのだともう嫌と言うほど知っているからこそ、こんな風に期待する気持ちが止められないのかもしれない。
「あぁ…ご奉仕、ご奉仕させてくださいぃ…っ!」
あまり思い出したくはないが、ブルーグレイで仕込まれた時のように強請るとロキは嬉々として乗ってきてくれる。
「そんなに発情して…。兄上は本当に淫乱極まりないですね。まるで雌犬のようですよ?」
暗にドMだと言われてしまうが、それでもよかった。
きっともうどうあっても昔のようには戻れないし、今更女を抱ける気はしない。
気持ちいいことをしてくれるのはロキだし、ロキ以外は嫌だと昼間に実感してしまったから、何一つ躊躇いはなかった。
「はむっ…んんっ…」
自分を毎日可愛がってくれるこの熱い楔が愛おしい。
夜になるとこんなにもロキに抱かれたくなるのは薬が切れかけているからなのだろうか?
それとも……別の要因があるのだろうか?
わからない…わからないけど、毎夜ロキに抱かれたくて仕方がなかった。
「ご主人様…。今日も沢山可愛がってください…」
そう言ってうっとりと笑った俺にロキが優しい笑みを向けてくる。
「可愛い兄上。しっかり喉の奥まで咥えこんでご奉仕してくださいね?」
言葉の優しさに反し容赦なく奥まで押し込まれる熱杭。
こちらが苦しそうに顔を歪めるほどにロキの顔が恍惚としたものに変わっていく。
(こいつは天然のドSだな)
だからこそ、俺にとって何よりも都合が良かった。
ロキとの淫靡な行為の数々が俺の心をどこまでも甘美に染めあげていく。
拷問官よりも優しくて、けれど同じくらい俺を満足させ悦ばせてくれるロキ。
そんなロキにどこまでも愛される心地よさに酔わされて、俺は結局その日もそのまま悦楽に堕とされた────。
28
お気に入りに追加
1,086
あなたにおすすめの小説



王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。

愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)
ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。
僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。
隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。
僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。
でも、実はこれには訳がある。
知らないのは、アイルだけ………。
さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪
婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する
135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。
現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。
最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。

侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる