【完結】王子の本命~ガヴァム王国の王子達~

オレンジペコ

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6.※経過観察

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薬を投与し始めて早二週間。少しずつ兄の様子が落ち着いてきたように思う。
ぼんやりはしているものの、昼間はおとなしくソファに座っていたり、ベッドに横になったりしているようだ。
自慰をしたいと言い出すこともないし、誰かに抱いてほしいと言い出すこともない。
極々たまに俺を呼びに従者が来るが、その時も抱いてほしいからというより寂しいからという理由が大きい様子。
子供返りという訳ではないが、どうやら兄は俺に依存し始めているようだ。
まあ以前と違って兄の相手をするのが俺以外いないからというのが理由の一つだろう。

「あぁっ…ご主人様ッ!」

嬉しそうに抱かれてくれる兄に俺も嬉しくなるが、虐めたくなるのもまた事実。
夜のご褒美は玩具の数も増えてどんどん充実しつつあった。
玩具を前に挿入する時は最初はドキドキしたものだが、既にブルーグレイで開発済みだったこともあって案外すんなりと入って、兄を悦ばせることができた。
特に前に入れられながら後孔の奥をかき混ぜられるのがお気に入りらしく、毎回ガクガク震えながら白目になってすごく嬉しそうに涎を垂らして悦んでいる。
トントン、グリグリしてと叫びながらおねだりしてくるのが可愛くて、3回焦らしてから望み通り虐めるようにしているのだが、泣き顔がまた可愛くて何度でもしたくなるのが難点だった。

すっかり兄との交わりに嵌ってしまっている自覚はあるが、手放す気は更々ないので開き直っていると言うのが現状だ。

ミュゼに頼んでいた男の方も手配はしてもらえたので一度部屋に呼んで兄を抱いてもらおうとしたことはあったが、これには兄が予想外の反応を見せたので驚かされてしまった。

「さあ兄上。今日は他の男に犯されているところを沢山見させてくださいね?」

そう言ってベッドの近くのカウチに移動し腰掛けようとしたら、ベッドの上から兄が涙ながらに手を伸ばしてきて懇願されてしまう。

「嫌っ!嫌っ!ご主人様っ!離れないでぇっ!」

すぐ傍に居れば別に俺以外に抱かれてもいいらしいが、離れたところで視姦するのはダメらしい。
そのせいで結局3人でする羽目になってしまったので、思っていたのとは違う結果に終わって残念でならない。
しかもその後からやけに捨てないでと泣かれるようになったので参ってしまった。
また落ち着いてから試してみようとは思うが、この分だと今は視姦の方は諦めた方がいいだろう。
3Pは3Pで良かったから、そちらをたまに堪能する方向で考えてみようか?

(それにしても……)

もしかしたら兄の中ではブルーグレイの尋問官は兄を捨てたことになっているのかもしれないとふと思ってしまった。

(なんだか腹が立つな……)

対抗意識を燃やすのは的外れだとわかっていても腹が立つのはどうしようもない。
何はともあれ今のところ兄を自分に依存させることは出来つつあるので、このまま暫くは様子見だと気持ちを切り替え、仕事に取り組むことにした。




「ロキ様」
「どうかしたか?」
「はい。陛下からロキ様の仕事ぶりに支障はないか聞かれましたので、ご報告しておきました」
「はははっ!ちゃんと伝えてくれたか?カリン兄上に夢中なようですって」
「…………」
「その分だと伝えずじまいか?言ってくれたら良かったのに」

父が苦虫を噛み潰したような顔をする様を思い浮かべればいっそスッキリしただろうにと笑ってやると、悪趣味ですよと注意されたが知ったことではない。
こちらとしては寧ろどんどん父を絶望へと追い込んでやりたいのだから。

困った顔をするミュゼに笑って俺はさっさと今日の分の仕事を片付け、可愛い兄の元へと向かったのだった。


***


「あ…あうぅ……」
「兄上。後背位も気持ちよさそうですね」

胡坐をかいた上に兄を乗せ、そのまま抱きしめながら耳元で囁きを落としてやるとふるりと身を震わせながら兄が甘い声を上げる。
きっと奥まで突き刺さっていて気持ちがいいのだろう。
それはもちろん後ろだけではなく前も────。

ちゅぷちゅぷと上下に玩具を動かしてやると、腰を動かしたまらないとばかりに喘ぎ声を上げるが、自分の腕は後ろ手に縛られ拘束されているからか酷くもどかし気だ。

「あ…ゆるゆるしちゃ、嫌ぁ……」
「激しくするのはもう少し後ですよ?わかっているでしょう?」
「早くっ、早くぅ!」
「ダメですよ。ちゃんと上書きするんで、我慢してください」

ブルーグレイでどんな目に合ったかは想像しかできないが、今日は自分色に染め直してやりたくて好きなことを好きなようにやると決めたのだ。

「ほら、今兄上を犯してるのは誰か、言って下さい」
「んっんっ、ご、ご主人様、ですぅ…っ」
「そうですよ。貴方の弟のロキです。ちゃんと覚えてくださいね?」
「あぁんっ…!覚えます…覚えますから…っ!」
「いい子ですね」

そう言いながら奥をズンッと突きあげてやると、やっと欲しいものがもらえたとばかりに嬉しそうに打ち震える。

「は…はぁんっ!あぁんっ!もっと、奥っ、もっとぉ…!」
「ダメですよ?まだまだ焦らして焦らして、俺のことしか考えられないくらい虐めてあげますからね?」

それから乳首だけでイカせてやったり、前でだけイカせてやったりとした後でやっと後ろを責め立ててやったら、互いに興奮しまくって大変なことになってしまった。

「ひぅっ、ひぅうっ!も、熱いよぉ……っ!感じすぎて死んじゃうぅうっ……っ!」
「死にませんよ。そんなにトロトロに蕩けた顔で何を言ってるんです?ほらっほらっ、突けば突くほど淫乱な穴が緩んできてますよ?そんなに緩んだら奥まで犯し放題ですね」
「あ、ダメっダメぇっ!!しょこは、しょんなにしちゃダメぇええっ!!ご主人様っ、許してぇえっ!」

パンッパンッと激しく腰を叩きつけながら片足を持ち上げてやると、奥に入り込んで気持ちいいのか必死に逃げようとするが、そのたびに腰を押し付けグリグリと奥をかき混ぜてやる。

「いやぁっ!しょこ、いやぁあっ!」
「はぁっはぁっ…兄上、そろそろ奥に出してほしいですか?」
「あ…出して…っ、出してぇ…っ!」
「じゃあ『ご主人様の印を身体の奥に刻んでください』って言ってください」
「あ…っ、あぁんっ!なに、いぃッ……ひぁあっ!!」
「言い難いなら『奥にマーキングして』でもいいですよ?」

ふふっと笑ってそう言ってやると、兄はもう限界だったのか、必死に腰を振りながら涙目でそれを聞き入れ口にしてきた。

「あぁっ!奥ぅ…!奥にご主人様のせーえき注いでっ!好きなだけ、マーキングして下さいぃ……っ!」

(…………っ!!たまらないっ!)

その言葉と同時に一際強く奥へと突き入れ、ドプドプッと思い切り奥へと白濁を注ぎ込む。

「あぁあああ────ッ!!」

それとほぼ同時に兄も感極まったかのように背をのけぞらせて絶頂に達した。
口の端からは涎が垂れて物凄く気持ちよさそうだ。

「あ…あはっ…はぅんっ……」

小刻みに身を震わせながら白目で余韻に浸る兄に覆いかぶさる形で俺も脱力し息を整えるが、兄が可愛すぎてそのまま何度も唇を重ねてしまった。

「兄上…兄上……」

歪んだ愛でもいい。
今はただこの兄を愛でたくて仕方がなかった。

(貴方は俺の慰み者なんですよ……)

これからもずっと────ね。


************

※次話はカリン王子視点になります。
宜しくお願いします。
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