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53.そんな属性、初耳です!
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その日の夕餉に王太子への手紙を潜ませて、いつもの通りジフリートへとそのトレイを渡す。
昨日の今日だからきっちりと釘をさすのを忘れずに────。
「ああ、ジフリート。昨日みたいに食事を自分で持っていけない時は俺が持っていくからちゃんと言ってくれないか?」
「…昨日はたまたまなので、賢者様に気を遣ってもらわなくても結構です」
「そうか?まあ…お前のお陰で昨日は役得だったから別にいいけどな」
「役得?」
「ああ。お前が怖がらせたからかな…?あの後宰相が消毒をしてほしいと俺にキスしてきたんだ」
「………?!」
「あまり宰相を虐めるなよ?」
「~~~~~っ!」
そこまで言ったところでジフリートに思い切り憤怒の顔で睨まれた。
まあ当然こうなることは想定済みだ。
これだけ怒っていたらまず皿の下の手紙に気づくことなどないだろう。
そして今日の食事にはちゃんといつもの魔法に加えて防御魔法もかけておいた。
これで王太子が八つ当たりで傷つけられる心配もないはず……。
あとはどうやって助け出すかを模索するだけだ。
取り敢えずこの後は宰相に被害が出ないように防御魔法を改めて掛け直そうとは思っている。
もし間違って夜這いでも掛けられたら大変なので、部屋の戸締りはきちんとしておくよう忠告もしておいた方がいいかもしれない。
念には念を入れて部屋にいつもより強めの結界も張っておいた方がいいだろうか?
それなら魔獣に攫われる心配もなくなるかもしれない。
ジフリートが新しい魔物を召喚していない可能性は低いだろうから……。
そんなことをつらつら考えながら今日の夕食の準備を整えた。
そして夕食の席で結界を張りながら軽く作戦会議を始めたのだが、ここで各自が何ができるのかと言う確認作業を行った。
俺は攻撃魔法は使えないが、結界魔法、防御魔法、回復魔法、聖魔法が使える。
ハイジは魔法はほとんど使えないらしいが、体術と剣術はかなりの腕前らしいのでそちらに期待できる。
ヒロは勇者なだけあって本人曰くチートらしい。
闇と聖魔法以外なら大体なんでも使えるとのこと。
後は剣術体術もここ最近頑張っていたおかげで随分レベルが上がったとも言っていた。
そしてミルフィスは高位貴族に多い多属性持ちで、風と水、木属性の魔法がそこそこ使えるらしい。
最初聞いた時に首を傾げた木属性と言うのは、いわゆる植物を操ることが出来るものらしく、拘束などにも使えて便利なのだと教えて貰った。
ここまで聞いて、そう言えば宰相は何ができるんだろうとふと思った。
これまでこういった話の時にはずっと黙っていたから、実は宰相が魔法が使えるのかどうか知らなかったのだ。
ここでヒロが思い切って宰相へと尋ねたのを見るに、どうやらヒロの方も知らなかったらしい。
「そう言えば宰相は魔法は何か使えるのか?」
「…………まあ」
少しの沈黙の後、言い難そうに返ってきたそんな言葉に皆で首を傾げる。
これを鑑みるに、ハイジ同様苦手分野だということなのだろうか?
それならそれで無理に聞き出すのも悪い気がしてそのまま話を切り上げようと思ったのだが、ここでミルフィスが大きく息を吐き出しながらフォローを入れた。
「ヴェルガー殿は祖母君が王妹殿下だったので、王族の血を引いている関係で魔力容量自体は大きいんですよ。ただ…」
「……出来ることは少ないな」
小さな声で宰相がそれを引き取り、どこか憂鬱そうに答えを返してくる。
そしてぽつぽつと話されたことを纏めると、どうも宰相はその魔力容量の大きさの割に使える魔法が少ないらしい。
しかも使える魔法のほとんどがささやかな可愛らしいものばかりなのだそうだ。
氷属性魔法はグラスいっぱいに氷を出す程度。(暑い夏には便利です)
風属性魔法は風呂上りに髪を乾かす程度。(さっぱりしていいですね)
火属性魔法は料理をするのに適した強火程度まで。(あ、これ便利だな。一緒に料理してほしい)
心の中でそうやって色々突っ込みながら聞き終わったのだが……。
「どちらかと言うと生活特化ばっかりなんだ…!」
グッと悔しそうに言う宰相が物凄く可愛いのだが、どうしたらいいだろう?
けれどそこでハイジが「でも…」と口を挟んでくる。
「王族の方は皆、何か一つ突出した大きな魔法を使えると聞いたことがあるのですが…?」
それによると亡くなった国王は大きな竜巻を起こす風魔法を、そして王太子は物凄い威力を持つ雷魔法を使うことが出来るらしい。
それに対して宰相は物凄く苦い顔をして、もごもごと何かを言った。
「…………」
「宰相?」
そんなに言い難い属性なのだろうか?
言い難い属性というと────闇属性とか?
そんな考えが頭に浮かんだのだが、どうやらそれとはまた違っているようで……。
「…ぼう……だ」
「?」
よく聞こえなかったので皆で宰相の方に注目をすると、宰相は涙目でやけくそ気味にその言葉を言い放った。
「だから、私の持っている中で一番大きな魔力を使う属性は『食いしん坊属性』なんだ!」
その言葉ははっきり言って衝撃的だった。
((そんな属性、聞いたことない!))
ヒロはブハッと盛大に噴き出していたが、俺はそのあまりの可愛い属性にフルフルと震えることしかできなかった。
もちろん笑わないように必死に耐えていたからだ。俺は悪くない。
それから一頻り落ち着いたところで詳しく話を聞くと、食いしん坊属性と言うのは無属性にあたる【吸収(ドレイン)】という類の魔法らしいことが分かった。
この魔法は昔は人の魔力を奪うということから忌み嫌われる類の魔法だったらしい。
また魔力だけではなく魔法攻撃自体も吸収しようと思えば吸収できるのだとか。
とは言えそちらはタイミングが命で相応のセンスが必要になってくるものなので、完璧に使いこなすのには訓練が必要だという。
そしてどうしてそんな名前の属性になったかだが、宰相の祖母、つまり当時の王妹がこれを持っていたのが由縁らしい。
当時やはりこの属性は忌み嫌われており、彼女はとある夜会でひそひそと陰口を叩かれていたのだとか。
けれどそんな貴族たちにその場で堂々とこう言い放ったらしいのだ。
『どうしてそんなに文句を言われることがあるのかしら?この属性は無属性なんて味気ないものではなくて、私にぴったりの『食いしん坊属性』だというのに。寧ろ私に美味しく頂かれた方は誇ってくださって結構ですのよ?美味しいものは料理だろうと魔力だろうとなんでも全て私が美味しく頂きますわ。おーほっほっほ!』
そうして堂々と言い放ち、その言葉通りまさに文句を言う輩全てを一蹴してしまったそうだ。
彼女はその後魔力が美味しくて且つ自分を溺愛してくれるカテオン公爵へと嬉々として嫁ぎ、それから美食家として人々に知られるようになったことから、彼女が持っていたその魔法だけ何故か『無属性』ではなく『食いしん坊属性』と呼ばれるようになり、現在では忌み嫌われることはなくなったという。
「……絶対に笑われると思って、言えなかったんだ」
言えなかったというよりも、できるだけ言いたくなかったんだろう。
隠せるなら隠したい、そんな気持ちも正直わからないではない。
忌み嫌われるよりはマシだとは思うが、ネーミングがネーミングだけに、いい年をした男性が胸を張って『私は食いしん坊属性です』なんて言えるはずもない。
可愛いけど可哀想すぎる属性だ。
誰か名前変更してあげて…!
「宰相…大丈夫ですよ?元気出してください。今日もおかわりいりますか?クリームコロッケ、まだありますよ?」
そうして労わるようにそっと今日のおかずのおかわりを促すと、キラッと目を輝かせて「欲しい!」と言ってくれた。
────うん。確かに俺の料理に関するところで言えば文句なしに食いしん坊だな。納得の属性だ。
そしてちょっと和んだところでコホンと咳払いをしてミルフィスが口を開いた。
「まあ…ヴェルガー殿の属性が食いしん坊属性でよかったですよ」
宰相のこの属性はこれまで周囲に謎とされていて、国王は兎も角、王太子さえ知らなかったのではないかとミルフィスは口にする。
それ故に何か凄い魔法を隠し持っているのではないかと思われていた節もあるのだとか。
「取り敢えず属性から言って戦いには全く向いていないですし、今回の救出作戦はヴェルガー殿抜きで我々でやりましょう」
何はともあれ、宰相が戦力外なのは予想の範囲内ではあったのでそれで話は一先ずまとまり、皆で頷き合ったのだった。
昨日の今日だからきっちりと釘をさすのを忘れずに────。
「ああ、ジフリート。昨日みたいに食事を自分で持っていけない時は俺が持っていくからちゃんと言ってくれないか?」
「…昨日はたまたまなので、賢者様に気を遣ってもらわなくても結構です」
「そうか?まあ…お前のお陰で昨日は役得だったから別にいいけどな」
「役得?」
「ああ。お前が怖がらせたからかな…?あの後宰相が消毒をしてほしいと俺にキスしてきたんだ」
「………?!」
「あまり宰相を虐めるなよ?」
「~~~~~っ!」
そこまで言ったところでジフリートに思い切り憤怒の顔で睨まれた。
まあ当然こうなることは想定済みだ。
これだけ怒っていたらまず皿の下の手紙に気づくことなどないだろう。
そして今日の食事にはちゃんといつもの魔法に加えて防御魔法もかけておいた。
これで王太子が八つ当たりで傷つけられる心配もないはず……。
あとはどうやって助け出すかを模索するだけだ。
取り敢えずこの後は宰相に被害が出ないように防御魔法を改めて掛け直そうとは思っている。
もし間違って夜這いでも掛けられたら大変なので、部屋の戸締りはきちんとしておくよう忠告もしておいた方がいいかもしれない。
念には念を入れて部屋にいつもより強めの結界も張っておいた方がいいだろうか?
それなら魔獣に攫われる心配もなくなるかもしれない。
ジフリートが新しい魔物を召喚していない可能性は低いだろうから……。
そんなことをつらつら考えながら今日の夕食の準備を整えた。
そして夕食の席で結界を張りながら軽く作戦会議を始めたのだが、ここで各自が何ができるのかと言う確認作業を行った。
俺は攻撃魔法は使えないが、結界魔法、防御魔法、回復魔法、聖魔法が使える。
ハイジは魔法はほとんど使えないらしいが、体術と剣術はかなりの腕前らしいのでそちらに期待できる。
ヒロは勇者なだけあって本人曰くチートらしい。
闇と聖魔法以外なら大体なんでも使えるとのこと。
後は剣術体術もここ最近頑張っていたおかげで随分レベルが上がったとも言っていた。
そしてミルフィスは高位貴族に多い多属性持ちで、風と水、木属性の魔法がそこそこ使えるらしい。
最初聞いた時に首を傾げた木属性と言うのは、いわゆる植物を操ることが出来るものらしく、拘束などにも使えて便利なのだと教えて貰った。
ここまで聞いて、そう言えば宰相は何ができるんだろうとふと思った。
これまでこういった話の時にはずっと黙っていたから、実は宰相が魔法が使えるのかどうか知らなかったのだ。
ここでヒロが思い切って宰相へと尋ねたのを見るに、どうやらヒロの方も知らなかったらしい。
「そう言えば宰相は魔法は何か使えるのか?」
「…………まあ」
少しの沈黙の後、言い難そうに返ってきたそんな言葉に皆で首を傾げる。
これを鑑みるに、ハイジ同様苦手分野だということなのだろうか?
それならそれで無理に聞き出すのも悪い気がしてそのまま話を切り上げようと思ったのだが、ここでミルフィスが大きく息を吐き出しながらフォローを入れた。
「ヴェルガー殿は祖母君が王妹殿下だったので、王族の血を引いている関係で魔力容量自体は大きいんですよ。ただ…」
「……出来ることは少ないな」
小さな声で宰相がそれを引き取り、どこか憂鬱そうに答えを返してくる。
そしてぽつぽつと話されたことを纏めると、どうも宰相はその魔力容量の大きさの割に使える魔法が少ないらしい。
しかも使える魔法のほとんどがささやかな可愛らしいものばかりなのだそうだ。
氷属性魔法はグラスいっぱいに氷を出す程度。(暑い夏には便利です)
風属性魔法は風呂上りに髪を乾かす程度。(さっぱりしていいですね)
火属性魔法は料理をするのに適した強火程度まで。(あ、これ便利だな。一緒に料理してほしい)
心の中でそうやって色々突っ込みながら聞き終わったのだが……。
「どちらかと言うと生活特化ばっかりなんだ…!」
グッと悔しそうに言う宰相が物凄く可愛いのだが、どうしたらいいだろう?
けれどそこでハイジが「でも…」と口を挟んでくる。
「王族の方は皆、何か一つ突出した大きな魔法を使えると聞いたことがあるのですが…?」
それによると亡くなった国王は大きな竜巻を起こす風魔法を、そして王太子は物凄い威力を持つ雷魔法を使うことが出来るらしい。
それに対して宰相は物凄く苦い顔をして、もごもごと何かを言った。
「…………」
「宰相?」
そんなに言い難い属性なのだろうか?
言い難い属性というと────闇属性とか?
そんな考えが頭に浮かんだのだが、どうやらそれとはまた違っているようで……。
「…ぼう……だ」
「?」
よく聞こえなかったので皆で宰相の方に注目をすると、宰相は涙目でやけくそ気味にその言葉を言い放った。
「だから、私の持っている中で一番大きな魔力を使う属性は『食いしん坊属性』なんだ!」
その言葉ははっきり言って衝撃的だった。
((そんな属性、聞いたことない!))
ヒロはブハッと盛大に噴き出していたが、俺はそのあまりの可愛い属性にフルフルと震えることしかできなかった。
もちろん笑わないように必死に耐えていたからだ。俺は悪くない。
それから一頻り落ち着いたところで詳しく話を聞くと、食いしん坊属性と言うのは無属性にあたる【吸収(ドレイン)】という類の魔法らしいことが分かった。
この魔法は昔は人の魔力を奪うということから忌み嫌われる類の魔法だったらしい。
また魔力だけではなく魔法攻撃自体も吸収しようと思えば吸収できるのだとか。
とは言えそちらはタイミングが命で相応のセンスが必要になってくるものなので、完璧に使いこなすのには訓練が必要だという。
そしてどうしてそんな名前の属性になったかだが、宰相の祖母、つまり当時の王妹がこれを持っていたのが由縁らしい。
当時やはりこの属性は忌み嫌われており、彼女はとある夜会でひそひそと陰口を叩かれていたのだとか。
けれどそんな貴族たちにその場で堂々とこう言い放ったらしいのだ。
『どうしてそんなに文句を言われることがあるのかしら?この属性は無属性なんて味気ないものではなくて、私にぴったりの『食いしん坊属性』だというのに。寧ろ私に美味しく頂かれた方は誇ってくださって結構ですのよ?美味しいものは料理だろうと魔力だろうとなんでも全て私が美味しく頂きますわ。おーほっほっほ!』
そうして堂々と言い放ち、その言葉通りまさに文句を言う輩全てを一蹴してしまったそうだ。
彼女はその後魔力が美味しくて且つ自分を溺愛してくれるカテオン公爵へと嬉々として嫁ぎ、それから美食家として人々に知られるようになったことから、彼女が持っていたその魔法だけ何故か『無属性』ではなく『食いしん坊属性』と呼ばれるようになり、現在では忌み嫌われることはなくなったという。
「……絶対に笑われると思って、言えなかったんだ」
言えなかったというよりも、できるだけ言いたくなかったんだろう。
隠せるなら隠したい、そんな気持ちも正直わからないではない。
忌み嫌われるよりはマシだとは思うが、ネーミングがネーミングだけに、いい年をした男性が胸を張って『私は食いしん坊属性です』なんて言えるはずもない。
可愛いけど可哀想すぎる属性だ。
誰か名前変更してあげて…!
「宰相…大丈夫ですよ?元気出してください。今日もおかわりいりますか?クリームコロッケ、まだありますよ?」
そうして労わるようにそっと今日のおかずのおかわりを促すと、キラッと目を輝かせて「欲しい!」と言ってくれた。
────うん。確かに俺の料理に関するところで言えば文句なしに食いしん坊だな。納得の属性だ。
そしてちょっと和んだところでコホンと咳払いをしてミルフィスが口を開いた。
「まあ…ヴェルガー殿の属性が食いしん坊属性でよかったですよ」
宰相のこの属性はこれまで周囲に謎とされていて、国王は兎も角、王太子さえ知らなかったのではないかとミルフィスは口にする。
それ故に何か凄い魔法を隠し持っているのではないかと思われていた節もあるのだとか。
「取り敢えず属性から言って戦いには全く向いていないですし、今回の救出作戦はヴェルガー殿抜きで我々でやりましょう」
何はともあれ、宰相が戦力外なのは予想の範囲内ではあったのでそれで話は一先ずまとまり、皆で頷き合ったのだった。
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