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【亡国からの刺客】
188.救出 Side.セドリック
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城に緊張が走ったのは昼頃だった。
ピクニックへと出掛けていた姫達が襲撃にあったらしく、応援を要請されたのが始まりだ。
ピクニックには大勢の護衛騎士達が同伴していたし、レオナルド皇子達の護衛も多数いた。
だから襲撃自体には対処することができ、襲撃者達を撃退することに成功したのだが────。
「あの脳筋が…!」
アルフレッドが逃げる犯人を馬で追ったと聞き、俺はそう吐き捨てた。
前回の失態を取り戻そうとしたのか、もしくは来客中の襲撃を受け危機感を抱いたのか、いずれにせよアルフレッドは事を急き過ぎた。
自らの腕への過信もあったのだろうとは思うが、それにしても深追いし過ぎだと思った。
「すぐに出る!」
アルフレッドに限ってそう簡単にやられるということはないとは思うが、何だか嫌な予感がする。
(あれは場慣れして強いくせに、時折隙ができるからな)
それは出会った当初からだ。
警戒しているくせに一緒に酒を飲んだり、あっさりと俺に動きを封じられたり…。
こちらからすれば『そこが可愛い』となるが、事ここに居たってはしっかりしろと言ってやりたい。
『俺以外の者に隙を見せるな!』それが本音だ。
もしあっさり掴まっていたりしたらどうしてやろうか?
(もし万が一にでも俺以外の奴に抱かれたりしていたら絶対に許さん!)
そんなことを考えていたら殺気がいつも以上に漏れ出ていたらしく、『セドリック殿下!これ以上は騎士達が委縮して身動きが取れなくなってしまいます!どうぞお気持ちをお静め下さい!!』と騎士団長に叫ばれてしまった。
全く軟弱な。
「ブルーグレイの騎士ならこれくらい受け流せ!たるみ過ぎだ!」
「ははっ!申し訳ございません!!」
そして喝を入れさせた後、発信器を作動させた。
相思相愛になったから自分から逃げることはなくなったし、いらなかったかと思ったこともなくはなかったが、今になって思うとこれを持たせておいて正解だった。
「……移動しているな」
とは言え街からどんどん離れて行っているように思う。
これは自主的に馬で追っているということでいいのだろうか?
「ワイバーンで追った方が早いか?」
「部隊を二つに分けましょう!準備に少々時間がかかりますので、殿下は先にアルフレッド殿を追ってください!」
「そうだな。ではすぐにワイバーンの準備をして北西へと飛ばせ」
「はっ!」
素早く指示を出し、俺は少数精鋭の騎士を引き連れアルフレッドが移動している北西方向へと馬を走らせた。
そして暫くするとすぐにワイバーン部隊から連絡が入り、状況が読めてくる。
ツンナガールはこういう時に非常に便利だ。
「セドリック様!ワイバーン部隊から連絡です。この先護衛を多々引き連れた商人の荷馬車が疾走しているそうです。それ以外該当しそうな馬車や馬はいなさそうだと」
「そうか。ではそれだろうな」
どうやらアルフレッドでの単騎は見つからない様子。
これは十中八九捕まったとみていいだろう。
そう思い『引き続き空から追え』と指示を出し、馬を疾走させた。
そしていよいよその馬車が遠目に視界へと入り出す。
「あれか!」
けれど見つけた馬車に追いつく前にワイバーンへと乗り換えられてしまった。
やはりワイバーン部隊を連れてきたのは正解だったようだ。
「絶対に逃がすなと伝えろ!」
「はっ!」
即返事を返し、騎士が速やかにワイバーン部隊の隊長へとそれを伝える。
すると隊列を組んでワイバーン部隊が犯人達のワイバーンを取り囲みに入った。
これなら逃がすことはないだろう。
そう思ったが、焦った犯人達がアルフレッドを盾にし始めたらしく、攻めあぐねている様子。
「チッ…!」
こうなったら仕方がない。
そう思いワイバーン部隊の一体を呼び寄せ、自ら空へと向かうことに。
「俺から逃げられると思うなよ?」
そして一気に加速を掛けると、アルフレッドがいるワイバーンへと接近した。
それに合わせて他のワイバーン達が距離を取り、犯人を逃がさないよう適度に牽制をし始める。
「俺の側妃を返してもらおうか」
何があったのかは知らないが、拘束され大人しく自分以外の男の腕の中におさまっているアルフレッドに苛立ちが増した。
ふざけるにも程がある。
取り戻したら即部屋に連れ込んでお仕置きだと思いながら、ワイバーンを操る男に狙いを定めて剣を振るった。
「んんっ?!」
「お、お前っ!人質がどうなってもいいのか?!落ちて死ぬぞ?!」
「ふん。死ぬのはお前らだけだ。俺がアルフレッドを落とすはずがなかろう?」
ザシュッ!!
「ぎゃあぁああっ!」
風を読みワイバーンを自在に操るなど最早手慣れたもの。
これほど簡単なことをできないワイバーン部隊も弛んでいるとしか言いようがない。
帰ったら鍛え直すように言っておかねば。
ドサッと狙い通り俺の腕の中へと降ってきたアルフレッドを受け止め、落下していく男の身柄を部下達へと丸投げし、大きくワイバーンを旋回させながらバランスを取ってアルフレッドの拘束を解いてやる。
「セ、セドっ!」
「アルフレッド。何を勝手に攫われている?」
「うっ…」
物凄く気まずそうな顔を見るに、本人も深追いし過ぎたと反省はしている様子。
「わ、悪かった!でも犯人のことがどうしても知りたくて…」
「ふん。それで何か掴めたのか?」
どうせ無駄だっただろうがなと冷たく聞いてやると、意外にもヒルデガーシュの名が飛び出てきたから驚いた。
「犯人はお前が滅ぼしたヒルデガーシュの生き残り、多分王族だと思う」
「…………そうか」
まさか断定できるほどアルフレッドが犯人に迫っていたとは思わなかった。
「ああ。でも何か吹き付けられて気を失ってから攫われたから、その後の足取りが追えないのが気がかりだ。すぐ対策を取らないと」
アルフレッドはそう言いながら焦ったように城の方へと目を向けたが、俺はそれが気に入らなかった。
「アル?どうやら全く反省の色が見られないようだな?」
「え?」
だからそのまま唇を塞いでやり、その場で言い聞かせるように言ってやった。
「後のことは俺が全てやる。お前はこの件にもう関わらなくていい。そんなことよりも重要なことがあるからな」
「重要なこと?」
アルフレッドは恐る恐る尋ねてくるが、俺は怒っているのだ。
それをしっかりとわからせてやらねばならない。
「勝手に攫われるような愚かなお前に、しっかりと身の程を弁えさせてやらないとな?」
「ひっ?!」
「昨日の今日でやらかすような奴だからな。特別に道具でも使ってやろうか?それくらいしないと、馬鹿なお前は反省しないだろう?」
「やっ、そ、それはやめろ!ちゃんと反省はしてる!反省はしてるから!」
「嘘だな」
「嘘じゃないからっ!」
蒼白になりながらブンブン首を横に振るアルフレッドに言葉少なに脅しをかけ、俺はそのまま城へと戻ったのだった。
ピクニックへと出掛けていた姫達が襲撃にあったらしく、応援を要請されたのが始まりだ。
ピクニックには大勢の護衛騎士達が同伴していたし、レオナルド皇子達の護衛も多数いた。
だから襲撃自体には対処することができ、襲撃者達を撃退することに成功したのだが────。
「あの脳筋が…!」
アルフレッドが逃げる犯人を馬で追ったと聞き、俺はそう吐き捨てた。
前回の失態を取り戻そうとしたのか、もしくは来客中の襲撃を受け危機感を抱いたのか、いずれにせよアルフレッドは事を急き過ぎた。
自らの腕への過信もあったのだろうとは思うが、それにしても深追いし過ぎだと思った。
「すぐに出る!」
アルフレッドに限ってそう簡単にやられるということはないとは思うが、何だか嫌な予感がする。
(あれは場慣れして強いくせに、時折隙ができるからな)
それは出会った当初からだ。
警戒しているくせに一緒に酒を飲んだり、あっさりと俺に動きを封じられたり…。
こちらからすれば『そこが可愛い』となるが、事ここに居たってはしっかりしろと言ってやりたい。
『俺以外の者に隙を見せるな!』それが本音だ。
もしあっさり掴まっていたりしたらどうしてやろうか?
(もし万が一にでも俺以外の奴に抱かれたりしていたら絶対に許さん!)
そんなことを考えていたら殺気がいつも以上に漏れ出ていたらしく、『セドリック殿下!これ以上は騎士達が委縮して身動きが取れなくなってしまいます!どうぞお気持ちをお静め下さい!!』と騎士団長に叫ばれてしまった。
全く軟弱な。
「ブルーグレイの騎士ならこれくらい受け流せ!たるみ過ぎだ!」
「ははっ!申し訳ございません!!」
そして喝を入れさせた後、発信器を作動させた。
相思相愛になったから自分から逃げることはなくなったし、いらなかったかと思ったこともなくはなかったが、今になって思うとこれを持たせておいて正解だった。
「……移動しているな」
とは言え街からどんどん離れて行っているように思う。
これは自主的に馬で追っているということでいいのだろうか?
「ワイバーンで追った方が早いか?」
「部隊を二つに分けましょう!準備に少々時間がかかりますので、殿下は先にアルフレッド殿を追ってください!」
「そうだな。ではすぐにワイバーンの準備をして北西へと飛ばせ」
「はっ!」
素早く指示を出し、俺は少数精鋭の騎士を引き連れアルフレッドが移動している北西方向へと馬を走らせた。
そして暫くするとすぐにワイバーン部隊から連絡が入り、状況が読めてくる。
ツンナガールはこういう時に非常に便利だ。
「セドリック様!ワイバーン部隊から連絡です。この先護衛を多々引き連れた商人の荷馬車が疾走しているそうです。それ以外該当しそうな馬車や馬はいなさそうだと」
「そうか。ではそれだろうな」
どうやらアルフレッドでの単騎は見つからない様子。
これは十中八九捕まったとみていいだろう。
そう思い『引き続き空から追え』と指示を出し、馬を疾走させた。
そしていよいよその馬車が遠目に視界へと入り出す。
「あれか!」
けれど見つけた馬車に追いつく前にワイバーンへと乗り換えられてしまった。
やはりワイバーン部隊を連れてきたのは正解だったようだ。
「絶対に逃がすなと伝えろ!」
「はっ!」
即返事を返し、騎士が速やかにワイバーン部隊の隊長へとそれを伝える。
すると隊列を組んでワイバーン部隊が犯人達のワイバーンを取り囲みに入った。
これなら逃がすことはないだろう。
そう思ったが、焦った犯人達がアルフレッドを盾にし始めたらしく、攻めあぐねている様子。
「チッ…!」
こうなったら仕方がない。
そう思いワイバーン部隊の一体を呼び寄せ、自ら空へと向かうことに。
「俺から逃げられると思うなよ?」
そして一気に加速を掛けると、アルフレッドがいるワイバーンへと接近した。
それに合わせて他のワイバーン達が距離を取り、犯人を逃がさないよう適度に牽制をし始める。
「俺の側妃を返してもらおうか」
何があったのかは知らないが、拘束され大人しく自分以外の男の腕の中におさまっているアルフレッドに苛立ちが増した。
ふざけるにも程がある。
取り戻したら即部屋に連れ込んでお仕置きだと思いながら、ワイバーンを操る男に狙いを定めて剣を振るった。
「んんっ?!」
「お、お前っ!人質がどうなってもいいのか?!落ちて死ぬぞ?!」
「ふん。死ぬのはお前らだけだ。俺がアルフレッドを落とすはずがなかろう?」
ザシュッ!!
「ぎゃあぁああっ!」
風を読みワイバーンを自在に操るなど最早手慣れたもの。
これほど簡単なことをできないワイバーン部隊も弛んでいるとしか言いようがない。
帰ったら鍛え直すように言っておかねば。
ドサッと狙い通り俺の腕の中へと降ってきたアルフレッドを受け止め、落下していく男の身柄を部下達へと丸投げし、大きくワイバーンを旋回させながらバランスを取ってアルフレッドの拘束を解いてやる。
「セ、セドっ!」
「アルフレッド。何を勝手に攫われている?」
「うっ…」
物凄く気まずそうな顔を見るに、本人も深追いし過ぎたと反省はしている様子。
「わ、悪かった!でも犯人のことがどうしても知りたくて…」
「ふん。それで何か掴めたのか?」
どうせ無駄だっただろうがなと冷たく聞いてやると、意外にもヒルデガーシュの名が飛び出てきたから驚いた。
「犯人はお前が滅ぼしたヒルデガーシュの生き残り、多分王族だと思う」
「…………そうか」
まさか断定できるほどアルフレッドが犯人に迫っていたとは思わなかった。
「ああ。でも何か吹き付けられて気を失ってから攫われたから、その後の足取りが追えないのが気がかりだ。すぐ対策を取らないと」
アルフレッドはそう言いながら焦ったように城の方へと目を向けたが、俺はそれが気に入らなかった。
「アル?どうやら全く反省の色が見られないようだな?」
「え?」
だからそのまま唇を塞いでやり、その場で言い聞かせるように言ってやった。
「後のことは俺が全てやる。お前はこの件にもう関わらなくていい。そんなことよりも重要なことがあるからな」
「重要なこと?」
アルフレッドは恐る恐る尋ねてくるが、俺は怒っているのだ。
それをしっかりとわからせてやらねばならない。
「勝手に攫われるような愚かなお前に、しっかりと身の程を弁えさせてやらないとな?」
「ひっ?!」
「昨日の今日でやらかすような奴だからな。特別に道具でも使ってやろうか?それくらいしないと、馬鹿なお前は反省しないだろう?」
「やっ、そ、それはやめろ!ちゃんと反省はしてる!反省はしてるから!」
「嘘だな」
「嘘じゃないからっ!」
蒼白になりながらブンブン首を横に振るアルフレッドに言葉少なに脅しをかけ、俺はそのまま城へと戻ったのだった。
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※皆様いつもありがとうございます♪この度スピンオフ作品をアップしましたので、ご興味のある方はそちらも宜しくお願いしますm(_ _)m『王子の本命~ガヴァム王国の王子達~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/91408108/52430498
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