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【亡国からの刺客】
185.接触
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逃げた者を追いかけ馬を疾走させる。
けれど犯人は街へと向かい、馬車道を駆け抜けていくからたまらない。
必死に追うが危なっかしくて仕方がなかった。
「どこまで逃げる気だ?!」
舌打ちしながらそう悪態を吐いたところで、男が馬を乗り捨て横道へと入るのが見えた。
「逃がすか!!」
そして自分も後を追うように馬を降り、細い裏路地へと走り去っていく男の後を追う。
深追いしすぎかもしれない。
でも全く分からない犯人へと繋がるチャンスであることに違いはない。
だから俺は逃がすものかと必死に追いかけた。
とは言え直感というのも侮れないもので、不意に嫌な予感を覚えた俺はある場所まで来たところでピタリと足が止まる。
そしてそれから僅差で俺が通過するはずだった場所へと瓶が落ちてきた。
上から舌打ちするような音が聞こえてきたからサッと見上げると、男が一人いて、俺が見上げたことに気づきすぐさま身を隠した。
先程逃げた男の仲間だろうか?
俺は瓶の中身が気になり、警戒しながらそっと蓋を開けてみる。
どうやら中身は油のようだ。
(危なかった)
あのまま走り抜けていたら咄嗟に剣で切ってしまっていただろうし、そうなったら確実に油をかぶっていただろう。
火でもつけられたらシャレにならなくなるところだった。
そう考えていたら今度は矢がどこからともなく飛んできた。
きっとこれもあの男の仲間達の仕業なんだろうと思い、俺は剣でそれらをいなし、気配を探りにかかる。
(一人、二人……全部で五人か)
普通に戦えば勝てる相手ではあるが、ここは彼らのテリトリー。
剣を存分に振るうには狭い路地だし、隠れられる彼らの方に分はある。
さてどうしたものかと悩む俺に、意外なことに向こうの方から声を掛けてきた。
「英雄の片腕さんよ。俺らの依頼主がちょっくら話したいって言ってるんだが、抵抗せずついてきちゃあくれないか?」
どうやら依頼主本人が俺と話したいと言っているらしい。
それならここはお言葉に甘えるべきだろう。
そう思ったから俺は二つ返事で諾と返事を返したのだった。
***
「ようこそ。英雄の片腕、アルフレッド殿」
男達に連れられてやってきたのは潰れかけ寸前のような宿屋の一室だった。
狭い部屋の中、背後を男達に塞がれ男へと向き合う。
とても戦えるようなスペースはない。
「茶の一杯でも出せたらいいが、警戒されているだろうし出すだけ無駄だろう?」
そんな風に軽口を叩いてくるのはフードを深くかぶった怪しい男。
声は低く、体格はそれほど俺と変わらない中肉中背といった感じだ。
フードのせいで年はさっぱりわからないが、声から判断するに老成したような感じはないし、恐らく同年代か少し上くらいかもしれない。
今のところではあるが、これだけ見ると情報通りの男と言えた。
(これが依頼主…か)
そう判断し、改めて気を引き締め直す。
「それで?俺に話って言うのは?」
「ああ。今回、折角の機会だし、あんたを引き抜けないかと思ってな」
「引き抜き?」
「そうだ。俺はセドリック王子に辛酸を舐めさせられればそれでいいと思っている。あんたが協力してくれるのなら、あんたの大事な姫さんには手を出す気はない。だから協力を頼めないか?」
「……お前、もしかしてロロイアの者か?」
「好きに受け取ってくれていい。それで?手を貸してくれるか?それとも…」
断言はされなかったが肯定もされていない。
これだけだと犯人は不明なままだ。
「……俺は初対面で顔も見せない奴に協力するほど馬鹿じゃない。せめて目を見て話せ」
だからそう言った。
その答えに男がクスリと笑う。
「これはすまなかった。これでいいか?」
パサリとフードを外し、男の素顔が明らかになる。
痛んだ白髪に近いグレイの髪と新緑の色合いの瞳を持つ男で、同年代には見えるものの苦労しているのか肌に艶はなく、どこか疲れた印象を受けた。
自分の利の為に悪巧みをしてセドを狙ったというよりは、やはり恨みからの犯行の可能性が高そうだなと一目で思えてしまう、そんな男だ。
「……セ、いや王子が憎いのか?」
「ああ、憎いとも」
「何故だ?」
「一族郎党皆殺しにしたのが奴だからだ」
「……そうか」
その辺りから身元を絞り込めるだろうか?
(もう少し探った方がいいな)
ここはなんとかもう少し向こうから話させて情報を得たい。
「俺も、王子には散々嫌なことをされたし、少しは気持ちもわかる」
「例えば?」
「いきなりレイプされたり、脅されたり、それこそ色々だ」
「ああ。あの王子は真面じゃないからな。それくらい平気でやるだろう」
「そうだな。他国の王子にも容赦なく何かやらかしたらしいし」
「ああ。ガヴァムのカリン王子か。あれもお付きの者達は全員首を刎ねられたって話だったな。酷いもんだ」
後ろから別の男がそんなことを告げてくる。
(えっ?!それは知らなかったぞ?!)
てっきりカリン陛下と一緒に無事に帰国してたとばかり思っていたのに。
でもあのカリン陛下のセドへの怯えっぷりを思い出すとそれくらいしててもおかしくはないなと改めて思う。
最近ロキ陛下のせいでちょっと感覚が麻痺してたけど、セドは元々そういう酷いことも平気でするような奴だった。
「直近ではロロイアの王族もほぼ皆殺しだ。知っているか?生き残ったキュリアス王子も局所を切り落とされて再起不能らしいぞ?」
「…………」
(それは多分セドじゃなくロキ陛下がやったんだと思う)
部下にならやらせそうだけど、セドは自分の手では絶対そんなことしないだろう。
逆にロキ陛下ならチョンって感じでナイフ片手にやりそうだ。
本当に笑顔でやりそうだなって簡単に想像できてしまうから恐ろしい。
「王女は毒を煽って死んでたらしいしな」
それを聞いて、ふとユーツヴァルトの顔が頭を過った。
違うと思うが、もしかしてという気がしないでもないのだ。
(あ~!!やめやめ!!もう考えないって決めただろ?!)
トルセンにも手紙であいつの件に関しては話を聞いてもらった。
でも俺とは違ってトルセンは『あいつはそう言うところが当時からあった』と言っていた。
どうやら戦場でトラウマを抱えて、その後辛そうにそれを引きずってる奴に毒を与えているのを見たことがあったらしい。
問い詰めたら『心が壊れるくらい辛いなら、死を与えてやるのも医者の務めだろう?』そう言っていたんだとか。
だからトルセンは俺に『あいつは腕は確かだったし信念も持ってはいたが、変に頑固で医師として歪んだ奴でもあった。悪い奴ではなかったが、どうしてこうなっちまったんだろうな』と残念がっていた。
その上で『罪は罪だ。あいつがたとえそれで死んだとしてもただの自業自得に過ぎない。お前がどうこう気にするようなことはない』そうきっぱり言ってくれた。
だから俺は前を向く。
「ロロイアは少しは落ち着いた頃かな…」
「ふん。王族がそれだけ殺されていればまだまだ時間はかかるはずだ。クーデターが起こるのも時間の問題じゃないか?」
目の前の男がどこかそれを望んででもいるかのようにそんなことを言い出す。
「どうせならこちらに軍を向かわせてくれればよかったものを」
一瞬クーデターを主導する立場なのかとも思ったが、その言葉に違和感を覚えた。
(これは…違うな)
恐らくこの男はロロイアの者ではない。
別件だ。
(じゃあ一体どこの?)
そう考えたところで、昔姫が言っていた言葉を思い出した。
『あの悪魔が滅ぼした国は、銀髪が見事な王族ばかりだったのよ』
銀髪────。
白髪に見えなくもない灰色の髪。
でも手入れをしてきちんとすれば、これは銀髪にならないだろうか?
あの国は何と言っただろう?
取るに足らない小国。滅ぼされた国。
散々そんな噂話を耳にした。
その名は確か────。
「ヒルデガーシュ……」
そう口にした俺に目の前の男はうっそりと嗤った。
男の反応を見て、どうやらビンゴだったらしいと考える。
これはとても放置していいような相手ではない。
ここで情報だけ頂いて俺が逃げたら、捕まえるまでにまたあの手この手で姫やルカ殿下を巻き込み襲ってくるに決まっている。
それならいっそここで制圧してしまうか?
多少部屋は狭いが、やってやれないことはない。
そう判断し、俺はすぐさま男の方へと近づこうとしたが、それを背後にいた男達数名に阻止されてしまう。
いわゆる羽交い絞め状態だ。
「どうやら協力はしてもらえないようだな」
そんな俺を前に男はそう言い、俺が男達を倒しにかかるより早く、何かスプレーのようなものをシュッと吹き付けてきた。
咄嗟に目を瞑りはしたが、刺激臭と共にクラリと頭が揺れて『しまった』と思うがもう遅い。
「一人で深追いすると痛い目に合う。それくらい知っていただろうに」
『英雄の片腕も勘が鈍ったものだな』と嗤う声がどんどん遠ざかっていく。
「連れていけ」
そして俺はその言葉をどこか遠くに聞きながら意識を失った。
けれど犯人は街へと向かい、馬車道を駆け抜けていくからたまらない。
必死に追うが危なっかしくて仕方がなかった。
「どこまで逃げる気だ?!」
舌打ちしながらそう悪態を吐いたところで、男が馬を乗り捨て横道へと入るのが見えた。
「逃がすか!!」
そして自分も後を追うように馬を降り、細い裏路地へと走り去っていく男の後を追う。
深追いしすぎかもしれない。
でも全く分からない犯人へと繋がるチャンスであることに違いはない。
だから俺は逃がすものかと必死に追いかけた。
とは言え直感というのも侮れないもので、不意に嫌な予感を覚えた俺はある場所まで来たところでピタリと足が止まる。
そしてそれから僅差で俺が通過するはずだった場所へと瓶が落ちてきた。
上から舌打ちするような音が聞こえてきたからサッと見上げると、男が一人いて、俺が見上げたことに気づきすぐさま身を隠した。
先程逃げた男の仲間だろうか?
俺は瓶の中身が気になり、警戒しながらそっと蓋を開けてみる。
どうやら中身は油のようだ。
(危なかった)
あのまま走り抜けていたら咄嗟に剣で切ってしまっていただろうし、そうなったら確実に油をかぶっていただろう。
火でもつけられたらシャレにならなくなるところだった。
そう考えていたら今度は矢がどこからともなく飛んできた。
きっとこれもあの男の仲間達の仕業なんだろうと思い、俺は剣でそれらをいなし、気配を探りにかかる。
(一人、二人……全部で五人か)
普通に戦えば勝てる相手ではあるが、ここは彼らのテリトリー。
剣を存分に振るうには狭い路地だし、隠れられる彼らの方に分はある。
さてどうしたものかと悩む俺に、意外なことに向こうの方から声を掛けてきた。
「英雄の片腕さんよ。俺らの依頼主がちょっくら話したいって言ってるんだが、抵抗せずついてきちゃあくれないか?」
どうやら依頼主本人が俺と話したいと言っているらしい。
それならここはお言葉に甘えるべきだろう。
そう思ったから俺は二つ返事で諾と返事を返したのだった。
***
「ようこそ。英雄の片腕、アルフレッド殿」
男達に連れられてやってきたのは潰れかけ寸前のような宿屋の一室だった。
狭い部屋の中、背後を男達に塞がれ男へと向き合う。
とても戦えるようなスペースはない。
「茶の一杯でも出せたらいいが、警戒されているだろうし出すだけ無駄だろう?」
そんな風に軽口を叩いてくるのはフードを深くかぶった怪しい男。
声は低く、体格はそれほど俺と変わらない中肉中背といった感じだ。
フードのせいで年はさっぱりわからないが、声から判断するに老成したような感じはないし、恐らく同年代か少し上くらいかもしれない。
今のところではあるが、これだけ見ると情報通りの男と言えた。
(これが依頼主…か)
そう判断し、改めて気を引き締め直す。
「それで?俺に話って言うのは?」
「ああ。今回、折角の機会だし、あんたを引き抜けないかと思ってな」
「引き抜き?」
「そうだ。俺はセドリック王子に辛酸を舐めさせられればそれでいいと思っている。あんたが協力してくれるのなら、あんたの大事な姫さんには手を出す気はない。だから協力を頼めないか?」
「……お前、もしかしてロロイアの者か?」
「好きに受け取ってくれていい。それで?手を貸してくれるか?それとも…」
断言はされなかったが肯定もされていない。
これだけだと犯人は不明なままだ。
「……俺は初対面で顔も見せない奴に協力するほど馬鹿じゃない。せめて目を見て話せ」
だからそう言った。
その答えに男がクスリと笑う。
「これはすまなかった。これでいいか?」
パサリとフードを外し、男の素顔が明らかになる。
痛んだ白髪に近いグレイの髪と新緑の色合いの瞳を持つ男で、同年代には見えるものの苦労しているのか肌に艶はなく、どこか疲れた印象を受けた。
自分の利の為に悪巧みをしてセドを狙ったというよりは、やはり恨みからの犯行の可能性が高そうだなと一目で思えてしまう、そんな男だ。
「……セ、いや王子が憎いのか?」
「ああ、憎いとも」
「何故だ?」
「一族郎党皆殺しにしたのが奴だからだ」
「……そうか」
その辺りから身元を絞り込めるだろうか?
(もう少し探った方がいいな)
ここはなんとかもう少し向こうから話させて情報を得たい。
「俺も、王子には散々嫌なことをされたし、少しは気持ちもわかる」
「例えば?」
「いきなりレイプされたり、脅されたり、それこそ色々だ」
「ああ。あの王子は真面じゃないからな。それくらい平気でやるだろう」
「そうだな。他国の王子にも容赦なく何かやらかしたらしいし」
「ああ。ガヴァムのカリン王子か。あれもお付きの者達は全員首を刎ねられたって話だったな。酷いもんだ」
後ろから別の男がそんなことを告げてくる。
(えっ?!それは知らなかったぞ?!)
てっきりカリン陛下と一緒に無事に帰国してたとばかり思っていたのに。
でもあのカリン陛下のセドへの怯えっぷりを思い出すとそれくらいしててもおかしくはないなと改めて思う。
最近ロキ陛下のせいでちょっと感覚が麻痺してたけど、セドは元々そういう酷いことも平気でするような奴だった。
「直近ではロロイアの王族もほぼ皆殺しだ。知っているか?生き残ったキュリアス王子も局所を切り落とされて再起不能らしいぞ?」
「…………」
(それは多分セドじゃなくロキ陛下がやったんだと思う)
部下にならやらせそうだけど、セドは自分の手では絶対そんなことしないだろう。
逆にロキ陛下ならチョンって感じでナイフ片手にやりそうだ。
本当に笑顔でやりそうだなって簡単に想像できてしまうから恐ろしい。
「王女は毒を煽って死んでたらしいしな」
それを聞いて、ふとユーツヴァルトの顔が頭を過った。
違うと思うが、もしかしてという気がしないでもないのだ。
(あ~!!やめやめ!!もう考えないって決めただろ?!)
トルセンにも手紙であいつの件に関しては話を聞いてもらった。
でも俺とは違ってトルセンは『あいつはそう言うところが当時からあった』と言っていた。
どうやら戦場でトラウマを抱えて、その後辛そうにそれを引きずってる奴に毒を与えているのを見たことがあったらしい。
問い詰めたら『心が壊れるくらい辛いなら、死を与えてやるのも医者の務めだろう?』そう言っていたんだとか。
だからトルセンは俺に『あいつは腕は確かだったし信念も持ってはいたが、変に頑固で医師として歪んだ奴でもあった。悪い奴ではなかったが、どうしてこうなっちまったんだろうな』と残念がっていた。
その上で『罪は罪だ。あいつがたとえそれで死んだとしてもただの自業自得に過ぎない。お前がどうこう気にするようなことはない』そうきっぱり言ってくれた。
だから俺は前を向く。
「ロロイアは少しは落ち着いた頃かな…」
「ふん。王族がそれだけ殺されていればまだまだ時間はかかるはずだ。クーデターが起こるのも時間の問題じゃないか?」
目の前の男がどこかそれを望んででもいるかのようにそんなことを言い出す。
「どうせならこちらに軍を向かわせてくれればよかったものを」
一瞬クーデターを主導する立場なのかとも思ったが、その言葉に違和感を覚えた。
(これは…違うな)
恐らくこの男はロロイアの者ではない。
別件だ。
(じゃあ一体どこの?)
そう考えたところで、昔姫が言っていた言葉を思い出した。
『あの悪魔が滅ぼした国は、銀髪が見事な王族ばかりだったのよ』
銀髪────。
白髪に見えなくもない灰色の髪。
でも手入れをしてきちんとすれば、これは銀髪にならないだろうか?
あの国は何と言っただろう?
取るに足らない小国。滅ぼされた国。
散々そんな噂話を耳にした。
その名は確か────。
「ヒルデガーシュ……」
そう口にした俺に目の前の男はうっそりと嗤った。
男の反応を見て、どうやらビンゴだったらしいと考える。
これはとても放置していいような相手ではない。
ここで情報だけ頂いて俺が逃げたら、捕まえるまでにまたあの手この手で姫やルカ殿下を巻き込み襲ってくるに決まっている。
それならいっそここで制圧してしまうか?
多少部屋は狭いが、やってやれないことはない。
そう判断し、俺はすぐさま男の方へと近づこうとしたが、それを背後にいた男達数名に阻止されてしまう。
いわゆる羽交い絞め状態だ。
「どうやら協力はしてもらえないようだな」
そんな俺を前に男はそう言い、俺が男達を倒しにかかるより早く、何かスプレーのようなものをシュッと吹き付けてきた。
咄嗟に目を瞑りはしたが、刺激臭と共にクラリと頭が揺れて『しまった』と思うがもう遅い。
「一人で深追いすると痛い目に合う。それくらい知っていただろうに」
『英雄の片腕も勘が鈍ったものだな』と嗤う声がどんどん遠ざかっていく。
「連れていけ」
そして俺はその言葉をどこか遠くに聞きながら意識を失った。
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※皆様いつもありがとうございます♪この度スピンオフ作品をアップしましたので、ご興味のある方はそちらも宜しくお願いしますm(_ _)m『王子の本命~ガヴァム王国の王子達~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/91408108/52430498
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