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【ミラルカ旅行】
153.※ミラルカ旅行⑰
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ベッドに沈んで目が覚めたらセドがいた。
血の匂いはしない。良かった。
「セド…」
「なんだ?」
「その…ミーシャ嬢は?」
「…不本意だが逃げられたからロキに任せることにした」
「うぇっ?!」
「なんだ。ダメだったか?」
「え…いや。う~ん…すっごい怖い目に合ってそうだなと思って」
「確かにな」
「どうしよう?縛って鞭で打たれて踏まれてたら…」
「ククッ…。お前の中のロキはある程度正しいな」
そりゃそうだ。
この目で見たことがあるんだから。
「そもそも姫のロキ陛下のイメージがおかしいんだって」
「ああ、あれは傑作だな。おかしすぎてつい笑ってしまう」
(あ…楽しそう)
いつもならこういった怒りのままに誰かに手を下しに行った後はピリピリしてるのに。
いつもと違うそんな姿にホッとする。
「良かった…」
「何がだ?」
「お前がピリピリしてなくて」
「…………」
「その…さ、別に今回のことってちょっとしたことだし、わざわざ殺さないといけない様なことじゃないだろ?命狙われたわけでもないんだから、あそこまで怒らなくても良かったんじゃないかなと…」
だから止めてもらいたくて姫に連絡したんだとちゃんと伝えておく。
「だから、姫には怒らないでやってほしい」
「……そうか」
「ああ。それで、具体的に俺ってどこか気持ち悪かったりするか?」
「いや?」
「そっか」
セドの言葉にホッとして良かったと胸をなでおろした。
「お前とか姫に気持ち悪いとか思われても嫌だし、すごい気になったんだよな」
でもそう言った途端何故か抱き寄せられてチュッとキスを落とされてしまう。
「そんなことを気にしていたのか?」
「当たり前だろ?いつも傍に居るから言えない事とかもあるかもしれないし」
「そうか」
そう言ってセドが珍しく温かみのある笑みを浮かべたから、なんだかそわそわしてちょっと迷ってからギュッと抱き着いてみた。
「…………アルフレッド?」
「いや。ちょっとだけ、その…甘えたいなと思って」
だからそう言ったのに、何故かそこからはまたいつも通りのセドに戻って、放してくれなくなった。
「ちょっ…!尻を揉むな!んんっ…!」
「俺を煽るお前が悪い」
「なっ?!煽ってないだろ?!ちょっとさっきの顔が…っ」
「さっきの顔?どんな顔だ?」
「言わない!」
「……ほぉ?」
(だからどうしてそんなに嬉々として襲い掛かってくるんだよ?!)
「お前なんて大嫌いだ!!」
「嘘をつけ。大好きなくせに」
そんなこんなでまたしても襲われて、それから部屋を移動するぞと抱き上げられ、温泉のある離れの部屋へと連れて行かれた。
「うわ……」
そこに用意されていたのは美味しそうな夕餉。
「ちょっと遅くなったが腹が減っただろう?ゆっくり食べろ」
「セド……」
セドの優しさが嬉しい。
昼も食いっぱぐれてたから凄く有難い。
「美味い!」
「そうか。しっかり食べて後で一緒に温泉に行こう」
「ああ!凄く楽しみ!」
なんかやっと旅行にきたって感じがして凄く嬉しくなった。
おかしな部屋よりも、こうした普通っぽい部屋の方が良かったから、本気で嬉しくて仕方がない。
「俺、ここに来れてよかった」
大満足でそう言ったら、気に入ったなら残りの日程は全部この部屋にしようかって言ってくれたから、一も二もなく即頷いた。
その後、俺達は温泉の方へと移動する。
部屋付きの露天風呂は広々として気持ちいい。
今日は天気もいいから星空が凄く綺麗に空一面に広がっていて、なんだか降ってきそうだなと思ってしまったくらいだった。
そんな中温泉を満喫してたんだけど、当然セドがおとなしくしているはずがなく、最初は悪戯程度に、段々本格的に俺の身体を愛し始めてしまう。
湯に浸かりながらそんな風にされて、流石にこのままだとのぼせると訴えたら、籐製の寝椅子のようなものの方へと連れて行かれて、そのまま口づけられて上に乗られてしまった。
「アルフレッド…」
いつもなら多分こんな風に外で抱かれるのは凄く抵抗感があったと思うんだけど、ここは部屋付きの露天風呂だし、周囲は凄く静かで誰にも見られる心配はなさそうな上、星が綺麗だしで雰囲気に流されたんだと思う。
思えばこいつが雰囲気を重視したことなんてほぼないから、凄く新鮮だったんだ。
「ん…セド……」
そこからは妙な解放感とセドの熱に翻弄されながらいつも以上に感じてしまった気がする。
散々抱かれた後だったのもあるけど、ズチュズチュとかき回されるのが気持ち良くて、セドに抱きつきながら気持ちいいって何度も口にしてしまう。
「あっ…!も、こんなに抱かれたらセドの形になりそ…っ」
「とっくになっているだろう?お前のここはすっかり俺を覚え込んでいるんだから」
「ひぅ…っ!あ…ダメッ…!」
「好きなだけ乱れろ。お前を穿てるのは俺だけだ」
「んっんっ…!」
「はぁ…声が響くのも好きだが、外でするのも最高だな」
「んぁっ…!」
「アルフレッド。俺のことだけ考えて頭をいっぱいにしろ」
「んんっ…!そ…んなこと……っ」
いつだって俺の心を占めるくせに、頭の中までセドに染まったら大変なことになるじゃないか。
「うぅ…セドの馬鹿……」
だからそう言ったのに、素直じゃないなと言いながらまたいっぱい突かれて沢山奥へと注がれてしまった。
「あ…あぅ……」
「アルフレッド。俺の子種は美味いか?」
クスリと嬉しそうにそう言われるけど、もう俺は色々限界で最後は疲れ切って気を失うように目を閉じた。
***
【Side.セドリック】
気を失ったアルフレッドの身体を綺麗にして部屋へと運び、ベッドへと横たわらせる。
そして気持ちよさそうに眠るアルフレッドの髪をサラリと撫で、冷静になった頭でツンナガールへと手を伸ばした。
『……はい?』
「ロキか」
『そうですけど、何か?』
「もうあの女への罰は決めたのか?」
『ああ、そのことですか。公爵家の領地を没収した上で鞭打ちして平民に落とす予定ですが?』
「お前にしては随分甘いな」
『まあ一応他の候補も色々考えてはいたんですけど、兄上が一つくらい普通のを入れろと言ってきたのでそこは諦めて欲しいです。候補を五つに絞ってくじを引いたら兄上への愛が深かったのかうっかりそのくじを引いてしまったので、もうそれに決めてしまいました』
「チッ…」
(カリンめ。余計な事を…)
絶対に他の物は酷いものばかりだっただろうに。
『本人達には明日一応くじを引かせる予定ですが、罰自体もう決めてしまってるので言ってみればただのパフォーマンスですね』
ふふっとロキは笑うが、まあ決めつけて言うよりは公爵家からの反感が少ないと言ったところなのだろう。
考えたものだ。
『大体俺は関係ないのに何度も兄上との時間を奪われて、これでも腹が立っているんです。朝から何度邪魔をされたことか』
「それは悪かったな」
『セドリック王子に怒ってるんじゃなくレオに怒ってるんです。こんなことで一々こっちを巻き込まず自力で解決してほしいですよ、本当に』
どうやらロキはかなり立腹しているらしく、レオナルド皇子の方を甚振りたいと言うのが嫌と言う程伝わってきた。
その上で『これで納得いかないなら退位で贖いますけど』と楽し気に俺へと提案してくるのだからいい性格をしている。
『兄上の提案にお怒りでしょう?俺が責任を取りますよ?』
さあどうぞとばかりに嬉々として言ってくるロキには溜息しか出ない。
普通に考えれば王の退位は相当な厳罰だが、こいつにとってはご褒美にしかならないから俺がそれを言い渡すわけがない。
「仕方がないな。今回は妥協してやろう」
俺を折れさせる奴などこいつくらいのものだ。
『残念。ではそれはまたの機会に。そうだ。妃殿下へのお詫びの品ですが、アダマンタイト製の懐剣とオリハルコンの剣専用の手入れセットで構いませんか?今なら抱き枕付きで送りますよ?』
「なんだその抱き枕と言うのは」
『ポケットがついていて中に物を入れられるようにしているので、潤滑油や楽しい道具がこっそりしまえて便利なんです。それに抱きつかせながらヤるのも楽しいでしょう?』
「俺は基本的に道具は使わんぞ?」
『そうですか…。それならセドリック王子のお使いの香水と同じ香りの匂い袋を仕込んでおいたら妃殿下が勝手にセドリック王子の香りを纏うようになるので、そうやって使ってみては?仕事で遅くなる時に先に寝てもらっておく時とかにいいと思いますけど』
「……それはいいな」
『では送らせて頂きます。直接ブルーグレイの方に送っておきますので、どうぞ旅行は引き続きお楽しみください』
「わかった」
『あと、機会があれば是非レオを踏んでおいてください。ふざけるのも大概にしろと思い切り踏み躙っていただけたら俺としても少しは溜飲が下がりますので』
「それはいいな」
そう言ってツンナガールを切る。
本当に食えない奴だ。
先程のようにさり気なくこちらを喜ばせる提案を入れつつ話を逸らし、文句を言う隙を与えないところが実にロキらしい。
このあたりは裏の世渡りスキルなんだろう。
「ふん…。そう簡単に退位は許さないし、許したとしてもブルーグレイに取り込んでやる」
これくらい使えて張り合いのある相手はそうはいない。
あの女が何を勘違いしているのかは知らないが、ロキはレオナルド皇子などよりもずっと使える奴だと声を大にして言ってやりたい。
「取り敢えずレオナルド皇子には明日再度釘を刺しておくとしようか」
その際に踏んでやれれば確かにスッキリしそうだ。
そうして俺はアルフレッドを抱きしめながら眠りについた。
血の匂いはしない。良かった。
「セド…」
「なんだ?」
「その…ミーシャ嬢は?」
「…不本意だが逃げられたからロキに任せることにした」
「うぇっ?!」
「なんだ。ダメだったか?」
「え…いや。う~ん…すっごい怖い目に合ってそうだなと思って」
「確かにな」
「どうしよう?縛って鞭で打たれて踏まれてたら…」
「ククッ…。お前の中のロキはある程度正しいな」
そりゃそうだ。
この目で見たことがあるんだから。
「そもそも姫のロキ陛下のイメージがおかしいんだって」
「ああ、あれは傑作だな。おかしすぎてつい笑ってしまう」
(あ…楽しそう)
いつもならこういった怒りのままに誰かに手を下しに行った後はピリピリしてるのに。
いつもと違うそんな姿にホッとする。
「良かった…」
「何がだ?」
「お前がピリピリしてなくて」
「…………」
「その…さ、別に今回のことってちょっとしたことだし、わざわざ殺さないといけない様なことじゃないだろ?命狙われたわけでもないんだから、あそこまで怒らなくても良かったんじゃないかなと…」
だから止めてもらいたくて姫に連絡したんだとちゃんと伝えておく。
「だから、姫には怒らないでやってほしい」
「……そうか」
「ああ。それで、具体的に俺ってどこか気持ち悪かったりするか?」
「いや?」
「そっか」
セドの言葉にホッとして良かったと胸をなでおろした。
「お前とか姫に気持ち悪いとか思われても嫌だし、すごい気になったんだよな」
でもそう言った途端何故か抱き寄せられてチュッとキスを落とされてしまう。
「そんなことを気にしていたのか?」
「当たり前だろ?いつも傍に居るから言えない事とかもあるかもしれないし」
「そうか」
そう言ってセドが珍しく温かみのある笑みを浮かべたから、なんだかそわそわしてちょっと迷ってからギュッと抱き着いてみた。
「…………アルフレッド?」
「いや。ちょっとだけ、その…甘えたいなと思って」
だからそう言ったのに、何故かそこからはまたいつも通りのセドに戻って、放してくれなくなった。
「ちょっ…!尻を揉むな!んんっ…!」
「俺を煽るお前が悪い」
「なっ?!煽ってないだろ?!ちょっとさっきの顔が…っ」
「さっきの顔?どんな顔だ?」
「言わない!」
「……ほぉ?」
(だからどうしてそんなに嬉々として襲い掛かってくるんだよ?!)
「お前なんて大嫌いだ!!」
「嘘をつけ。大好きなくせに」
そんなこんなでまたしても襲われて、それから部屋を移動するぞと抱き上げられ、温泉のある離れの部屋へと連れて行かれた。
「うわ……」
そこに用意されていたのは美味しそうな夕餉。
「ちょっと遅くなったが腹が減っただろう?ゆっくり食べろ」
「セド……」
セドの優しさが嬉しい。
昼も食いっぱぐれてたから凄く有難い。
「美味い!」
「そうか。しっかり食べて後で一緒に温泉に行こう」
「ああ!凄く楽しみ!」
なんかやっと旅行にきたって感じがして凄く嬉しくなった。
おかしな部屋よりも、こうした普通っぽい部屋の方が良かったから、本気で嬉しくて仕方がない。
「俺、ここに来れてよかった」
大満足でそう言ったら、気に入ったなら残りの日程は全部この部屋にしようかって言ってくれたから、一も二もなく即頷いた。
その後、俺達は温泉の方へと移動する。
部屋付きの露天風呂は広々として気持ちいい。
今日は天気もいいから星空が凄く綺麗に空一面に広がっていて、なんだか降ってきそうだなと思ってしまったくらいだった。
そんな中温泉を満喫してたんだけど、当然セドがおとなしくしているはずがなく、最初は悪戯程度に、段々本格的に俺の身体を愛し始めてしまう。
湯に浸かりながらそんな風にされて、流石にこのままだとのぼせると訴えたら、籐製の寝椅子のようなものの方へと連れて行かれて、そのまま口づけられて上に乗られてしまった。
「アルフレッド…」
いつもなら多分こんな風に外で抱かれるのは凄く抵抗感があったと思うんだけど、ここは部屋付きの露天風呂だし、周囲は凄く静かで誰にも見られる心配はなさそうな上、星が綺麗だしで雰囲気に流されたんだと思う。
思えばこいつが雰囲気を重視したことなんてほぼないから、凄く新鮮だったんだ。
「ん…セド……」
そこからは妙な解放感とセドの熱に翻弄されながらいつも以上に感じてしまった気がする。
散々抱かれた後だったのもあるけど、ズチュズチュとかき回されるのが気持ち良くて、セドに抱きつきながら気持ちいいって何度も口にしてしまう。
「あっ…!も、こんなに抱かれたらセドの形になりそ…っ」
「とっくになっているだろう?お前のここはすっかり俺を覚え込んでいるんだから」
「ひぅ…っ!あ…ダメッ…!」
「好きなだけ乱れろ。お前を穿てるのは俺だけだ」
「んっんっ…!」
「はぁ…声が響くのも好きだが、外でするのも最高だな」
「んぁっ…!」
「アルフレッド。俺のことだけ考えて頭をいっぱいにしろ」
「んんっ…!そ…んなこと……っ」
いつだって俺の心を占めるくせに、頭の中までセドに染まったら大変なことになるじゃないか。
「うぅ…セドの馬鹿……」
だからそう言ったのに、素直じゃないなと言いながらまたいっぱい突かれて沢山奥へと注がれてしまった。
「あ…あぅ……」
「アルフレッド。俺の子種は美味いか?」
クスリと嬉しそうにそう言われるけど、もう俺は色々限界で最後は疲れ切って気を失うように目を閉じた。
***
【Side.セドリック】
気を失ったアルフレッドの身体を綺麗にして部屋へと運び、ベッドへと横たわらせる。
そして気持ちよさそうに眠るアルフレッドの髪をサラリと撫で、冷静になった頭でツンナガールへと手を伸ばした。
『……はい?』
「ロキか」
『そうですけど、何か?』
「もうあの女への罰は決めたのか?」
『ああ、そのことですか。公爵家の領地を没収した上で鞭打ちして平民に落とす予定ですが?』
「お前にしては随分甘いな」
『まあ一応他の候補も色々考えてはいたんですけど、兄上が一つくらい普通のを入れろと言ってきたのでそこは諦めて欲しいです。候補を五つに絞ってくじを引いたら兄上への愛が深かったのかうっかりそのくじを引いてしまったので、もうそれに決めてしまいました』
「チッ…」
(カリンめ。余計な事を…)
絶対に他の物は酷いものばかりだっただろうに。
『本人達には明日一応くじを引かせる予定ですが、罰自体もう決めてしまってるので言ってみればただのパフォーマンスですね』
ふふっとロキは笑うが、まあ決めつけて言うよりは公爵家からの反感が少ないと言ったところなのだろう。
考えたものだ。
『大体俺は関係ないのに何度も兄上との時間を奪われて、これでも腹が立っているんです。朝から何度邪魔をされたことか』
「それは悪かったな」
『セドリック王子に怒ってるんじゃなくレオに怒ってるんです。こんなことで一々こっちを巻き込まず自力で解決してほしいですよ、本当に』
どうやらロキはかなり立腹しているらしく、レオナルド皇子の方を甚振りたいと言うのが嫌と言う程伝わってきた。
その上で『これで納得いかないなら退位で贖いますけど』と楽し気に俺へと提案してくるのだからいい性格をしている。
『兄上の提案にお怒りでしょう?俺が責任を取りますよ?』
さあどうぞとばかりに嬉々として言ってくるロキには溜息しか出ない。
普通に考えれば王の退位は相当な厳罰だが、こいつにとってはご褒美にしかならないから俺がそれを言い渡すわけがない。
「仕方がないな。今回は妥協してやろう」
俺を折れさせる奴などこいつくらいのものだ。
『残念。ではそれはまたの機会に。そうだ。妃殿下へのお詫びの品ですが、アダマンタイト製の懐剣とオリハルコンの剣専用の手入れセットで構いませんか?今なら抱き枕付きで送りますよ?』
「なんだその抱き枕と言うのは」
『ポケットがついていて中に物を入れられるようにしているので、潤滑油や楽しい道具がこっそりしまえて便利なんです。それに抱きつかせながらヤるのも楽しいでしょう?』
「俺は基本的に道具は使わんぞ?」
『そうですか…。それならセドリック王子のお使いの香水と同じ香りの匂い袋を仕込んでおいたら妃殿下が勝手にセドリック王子の香りを纏うようになるので、そうやって使ってみては?仕事で遅くなる時に先に寝てもらっておく時とかにいいと思いますけど』
「……それはいいな」
『では送らせて頂きます。直接ブルーグレイの方に送っておきますので、どうぞ旅行は引き続きお楽しみください』
「わかった」
『あと、機会があれば是非レオを踏んでおいてください。ふざけるのも大概にしろと思い切り踏み躙っていただけたら俺としても少しは溜飲が下がりますので』
「それはいいな」
そう言ってツンナガールを切る。
本当に食えない奴だ。
先程のようにさり気なくこちらを喜ばせる提案を入れつつ話を逸らし、文句を言う隙を与えないところが実にロキらしい。
このあたりは裏の世渡りスキルなんだろう。
「ふん…。そう簡単に退位は許さないし、許したとしてもブルーグレイに取り込んでやる」
これくらい使えて張り合いのある相手はそうはいない。
あの女が何を勘違いしているのかは知らないが、ロキはレオナルド皇子などよりもずっと使える奴だと声を大にして言ってやりたい。
「取り敢えずレオナルド皇子には明日再度釘を刺しておくとしようか」
その際に踏んでやれれば確かにスッキリしそうだ。
そうして俺はアルフレッドを抱きしめながら眠りについた。
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※皆様いつもありがとうございます♪この度スピンオフ作品をアップしましたので、ご興味のある方はそちらも宜しくお願いしますm(_ _)m『王子の本命~ガヴァム王国の王子達~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/91408108/52430498
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