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【ミラルカ旅行】
144.ミラルカ旅行⑧
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「ミーシャ嬢。大丈夫だった?すぐに部屋に戻って着替えた方がいい。送っていくよ」
「…………ありがとうございます、レオ様。私は大丈夫ですわ」
そう言いながらも落ち込んだ様子を見せ、目に涙を溜めながら身を震わせるミーシャ嬢。
(あれ?さっき睨まれたのって俺の気のせい?)
目の錯覚だったのかなと思いながらもなんとなく関わりたくなくて、セドの袖を引き「俺達も行こう」と促してみる。
さっきレオナルド皇子は謝罪をすると共にすぐに部屋の方にスタッフを向かわせるからその際に衣服の方を預けてほしいと言っていた。
きっと染み抜きをしてくれるのだろう。
なら渡すのは早い方がいいに決まっている。
そう思ってここから去ろうとしたのだけど、それよりも前に彼女の声が耳に飛び込んできた。
「でもレオ様、私よりも騎士様を優先されて、とても悲しかったですわ」
潤む目でレオナルド皇子を見てくるが、言われた方のレオナルド皇子は物凄く焦ってオロオロしている。
まあ当然と言えば当然だろう。
彼女が言っている騎士様とは俺のことなのだから。
でもここでちゃんと俺とセドのことを紹介するなり説明するなりすればいいのに、レオナルド皇子は悪手に出た。
「ゴメン。でも俺はアルフレッドよりミーシャ嬢の方がずっと大事だよ」
それはまあその通りなんだろうけど、この場でそれを言ったらマズくないか?
安全のためにもせめて俺達が場を去ってからにして欲しかった。
そう思ったから俺は一応『怒るなよ』とセドを目で制し、手を出さないようにと念のため前に出たんだけど、何故かそのまま後ろからセドに抱きしめられた。
「レオナルド皇子?」
セドの声が怖い。
これは当然だけど気分を害している証拠だ。
「ひっ?!」
「今すぐガヴァムに行ってロキに調教されてくるか、俺の手で斬り殺されるか…どちらがいい?」
「はいっ!ガヴァムでロキに調教されてきます!」
「……わかればいい。二度はないぞ」
ただならぬ雰囲気に包まれ、周囲が緊迫感に包まれる。
そんな中飛んできたのは姫だった。
「セ、セドリック殿下!申し訳ございません!兄が何か粗相でも?!」
殺さないでと言わんばかりに血相を変えて飛んできたようだけど、状況は全くわかっていない様子だ。
まああれだけ席が離れていたらわかるはずもないけど。
「ア、アルメリア…っ」
「お兄様!何をやらかしたのです?!」
「いや…アルフレッドよりミーシャ嬢の方が大事だって言って慰めてただけなんだけど…」
カタカタ震えながら姫にそう訴えるレオナルド皇子は本気で何が悪かったのかわかっていないらしく、蒼白な顔で姫にそれだけを言っていた。
でもここでミーシャ嬢が何を思ったのかレオナルド皇子の加勢に入る。
「レオ様は何も悪くありませんわ。それなのにあちらの方が言い掛かりをつけてこられて…」
そう言いながら俺達の方を見てきて本気で焦った。
(ちょっ?!死にたいのか?!)
そう思ったのはきっと俺だけじゃないはず。
これには姫も真っ青になってしまった。
「ロキ陛下のお知合いなのかもしれませんが、レオ様に対してあんな無能な王に調教されてこいと仰ってくるなんてあんまりですわ。レオ様がお可哀想です」
(いや、それは…珍しく即殺しにかからなかった分すごく妥協してくれてるんだけど?!)
しかも自国の王を無能とかはっきり言ってるし。
愛国心はないのか愛国心は。
もう俺はどうしていいやらわからなくて冷や汗が止まらなくなってしまう。
流石にこれはあんまりだろう。
けれどこれに怒ったのは意外にもレオナルド皇子でもセドでもなく、姫の方だった。
「ふざけないでちょうだい!セドリック王子に無礼を働いただけではなく自国の王を無能と貶めるなど言語道断ですわ!あんなに可愛らしくて撫でまわしたいほど笑顔が素敵なロキ陛下を罵るなんて、私が許しません!謝ってください!」
ビシッ!と怒りの形相でミーシャ嬢に指を突きつけた姫はカッコよかったけど、前半は兎も角後半は思いっきり私情を挟んでてこんな状況なのに俺は脱力してしまった。
一体どれだけ姫の中でのロキ陛下は可愛い人なんだろう?
絶対実物とかけ離れていると思う。
でもそう思ったのはセドも同じだったらしく、さっきまでミーシャ嬢に殺気を向けそうになっていたとは思えないほどふるふる震えながら笑いをこらえている。
きっと姫の言葉があまりにもツボにはまったのだろう。
気持ちはわかる。
でもそのせいでミーシャ嬢にもスイッチが入ってしまったようで、スッと背を伸ばしあからさまにロキ陛下を見下す発言をしてきた。
「ガヴァムは偉大なる王の血を引くカリン陛下が支えてくださっているからこそ成り立っているのです。何もご存じない方は我が国のことに口出し無用に願いますわ」
実質国はカリン陛下が治めているのだと言わんばかりのその態度に、本当にロキ陛下の立ち位置って微妙なんだなと思い知らされた気がした。
「レオ様。参りましょう?」
「え?あ…ああ……」
そう言いながら放心状態で引っ張って行かれるレオナルド皇子。
正直いくらなんでもあれはないだろうという腑抜けっぷりに俺は溜息を吐き、場合によっては滞在中に鍛え直すのも視野に入れてみようかなと思ったのだった。
***
【Side.レオナルド】
(こ、殺されるかと思った……)
何とかあの場から逃げ出せたけど、この後本当にロキのところに行って相談した方がいいような気がして冷汗が止まらなくなってしまう。
それとも先に全力の土下座の方がいいだろうか?
そんな事を考えていると、ミーシャ嬢がそっと袖を引いてきた。
「レオ様?」
不安そうに見てくる彼女に心配はかけたくはない。
だからなんとか笑顔を取り繕って、何も心配はいらないからと言っておいた。
「大丈夫。それよりこれからロキに会いにガヴァムに行こうと思ってるから、ミーシャ嬢を送りがてらご両親にも挨拶させてもらおうかな」
「まあ、嬉しいですわ!でも…もし先程の方の言葉を受けてロキ陛下のところへ行こうとなさっているのなら、お止めになった方が無難ですわ」
「え?」
どうしてと目を丸くする俺に彼女が『兄から聞いた話ですが…』と前置きをして教えてくれたことによると、ロキは今仕事が凄く忙しいらしい。
「なんでも避暑に行くために仕事を詰めているのだそうです。よくカリン陛下に見惚れて手が止まるから困るんだと兄が困ったように笑って言っていましたわ」
「ああ、ロキはカリン陛下大好きだもんね。それはそうなるか」
「全く…元々大して仕事もできないくせにお兄様やカリン陛下の足を引っ張るなんて言語道断ですわ」
彼女はぷんぷんと可愛らしく怒っているけど、ロキはカリン陛下が本当に大好きだからそうなるのも仕方がない。
「でも困ったな」
そう呟いたらそっとミーシャ嬢から優しく手を取られた。
「大丈夫ですわ。ちなみにセドリック王子と言うのはどちらの国の王子なのでしょうか?」
「え?!」
「レトロンではありませんわよね?あそこは確かカール王子だったと記憶しておりますし…」
まさか大国の王太子の名を知らなかったとは思わなかった。
(まあ確かにここから離れた国ではあるし、名前としては珍しくはないけど…)
そうは言っても有名なのにとちょっと驚いてしまう。
でも普通に考えて、そうか。アルメリアと一緒じゃなかったから勘違いしたのかも。
あんなに離れた場所で如何にも他人ですと言わんばかりに食事をとっていたらわからないのも無理はない。
「えっと…ブルーグレイの王太子だよ」
「ブルーグレイ?…っ、ブルーグレイの王太子と言うとあの?」
「そう。極悪残忍と名高い冷酷王子」
それを聞いて流石に真っ青になるミーシャ嬢。
でもすぐに気を取り直して、次に会ったら謝罪をさせてもらわないとと言ってくれたのでホッとした。
ここで恐ろしいことを言い出されでもしたら今度こそ首が飛ぶところだった。
「でしたらレオ様がすぐに謝罪したのも納得ですわ。恐ろしいですもの」
「ああ。本当に命が縮むかと思ったよ」
「でも恐ろしい噂はありますが、美しい王子でしたわね」
「まあ、見た目は?」
「レオ様は彼の方と何度か面識が?」
ミーシャ嬢がそう尋ねてくる。
アルメリアが嫁いでいるのだから面識があるのは当然だろうと考えての問い掛けなんだろう。
「そうだね。国際会議の時とこの間ブルーグレイに行った時に面識はあるかな」
「それなら大丈夫ですわね」
「え?」
「だってアルメリア姫の夫君と言うことはレオナルド皇子の義弟に当たるわけでしょう?いくら恐ろしいと噂される方でも交流のある親しい身内の者を容易に殺そうとするとは思えませんもの」
「そ、そうかなぁ?」
いや、絶対あの王子なら殺る時は殺ると思う。
そこに多分一切の情はない。
「はぁ…ロキくらい親しかったら殺されないんだろうけどな…」
「まあ。そのように気弱なことを仰らなくてもよろしいのに」
「ミーシャ嬢…」
「赤の他人よりも身内ですわ。それにレオ様の方があの王よりもずっと素晴らしいですもの。もっと自信を持ってくださいませ」
「ありがとう」
俺がロキより素晴らしいわけないんだけど、慰めてくれているのはわかるから今はちょっとだけ甘えさせてもらった。
(あ~ホッとする…)
「…………ありがとうございます、レオ様。私は大丈夫ですわ」
そう言いながらも落ち込んだ様子を見せ、目に涙を溜めながら身を震わせるミーシャ嬢。
(あれ?さっき睨まれたのって俺の気のせい?)
目の錯覚だったのかなと思いながらもなんとなく関わりたくなくて、セドの袖を引き「俺達も行こう」と促してみる。
さっきレオナルド皇子は謝罪をすると共にすぐに部屋の方にスタッフを向かわせるからその際に衣服の方を預けてほしいと言っていた。
きっと染み抜きをしてくれるのだろう。
なら渡すのは早い方がいいに決まっている。
そう思ってここから去ろうとしたのだけど、それよりも前に彼女の声が耳に飛び込んできた。
「でもレオ様、私よりも騎士様を優先されて、とても悲しかったですわ」
潤む目でレオナルド皇子を見てくるが、言われた方のレオナルド皇子は物凄く焦ってオロオロしている。
まあ当然と言えば当然だろう。
彼女が言っている騎士様とは俺のことなのだから。
でもここでちゃんと俺とセドのことを紹介するなり説明するなりすればいいのに、レオナルド皇子は悪手に出た。
「ゴメン。でも俺はアルフレッドよりミーシャ嬢の方がずっと大事だよ」
それはまあその通りなんだろうけど、この場でそれを言ったらマズくないか?
安全のためにもせめて俺達が場を去ってからにして欲しかった。
そう思ったから俺は一応『怒るなよ』とセドを目で制し、手を出さないようにと念のため前に出たんだけど、何故かそのまま後ろからセドに抱きしめられた。
「レオナルド皇子?」
セドの声が怖い。
これは当然だけど気分を害している証拠だ。
「ひっ?!」
「今すぐガヴァムに行ってロキに調教されてくるか、俺の手で斬り殺されるか…どちらがいい?」
「はいっ!ガヴァムでロキに調教されてきます!」
「……わかればいい。二度はないぞ」
ただならぬ雰囲気に包まれ、周囲が緊迫感に包まれる。
そんな中飛んできたのは姫だった。
「セ、セドリック殿下!申し訳ございません!兄が何か粗相でも?!」
殺さないでと言わんばかりに血相を変えて飛んできたようだけど、状況は全くわかっていない様子だ。
まああれだけ席が離れていたらわかるはずもないけど。
「ア、アルメリア…っ」
「お兄様!何をやらかしたのです?!」
「いや…アルフレッドよりミーシャ嬢の方が大事だって言って慰めてただけなんだけど…」
カタカタ震えながら姫にそう訴えるレオナルド皇子は本気で何が悪かったのかわかっていないらしく、蒼白な顔で姫にそれだけを言っていた。
でもここでミーシャ嬢が何を思ったのかレオナルド皇子の加勢に入る。
「レオ様は何も悪くありませんわ。それなのにあちらの方が言い掛かりをつけてこられて…」
そう言いながら俺達の方を見てきて本気で焦った。
(ちょっ?!死にたいのか?!)
そう思ったのはきっと俺だけじゃないはず。
これには姫も真っ青になってしまった。
「ロキ陛下のお知合いなのかもしれませんが、レオ様に対してあんな無能な王に調教されてこいと仰ってくるなんてあんまりですわ。レオ様がお可哀想です」
(いや、それは…珍しく即殺しにかからなかった分すごく妥協してくれてるんだけど?!)
しかも自国の王を無能とかはっきり言ってるし。
愛国心はないのか愛国心は。
もう俺はどうしていいやらわからなくて冷や汗が止まらなくなってしまう。
流石にこれはあんまりだろう。
けれどこれに怒ったのは意外にもレオナルド皇子でもセドでもなく、姫の方だった。
「ふざけないでちょうだい!セドリック王子に無礼を働いただけではなく自国の王を無能と貶めるなど言語道断ですわ!あんなに可愛らしくて撫でまわしたいほど笑顔が素敵なロキ陛下を罵るなんて、私が許しません!謝ってください!」
ビシッ!と怒りの形相でミーシャ嬢に指を突きつけた姫はカッコよかったけど、前半は兎も角後半は思いっきり私情を挟んでてこんな状況なのに俺は脱力してしまった。
一体どれだけ姫の中でのロキ陛下は可愛い人なんだろう?
絶対実物とかけ離れていると思う。
でもそう思ったのはセドも同じだったらしく、さっきまでミーシャ嬢に殺気を向けそうになっていたとは思えないほどふるふる震えながら笑いをこらえている。
きっと姫の言葉があまりにもツボにはまったのだろう。
気持ちはわかる。
でもそのせいでミーシャ嬢にもスイッチが入ってしまったようで、スッと背を伸ばしあからさまにロキ陛下を見下す発言をしてきた。
「ガヴァムは偉大なる王の血を引くカリン陛下が支えてくださっているからこそ成り立っているのです。何もご存じない方は我が国のことに口出し無用に願いますわ」
実質国はカリン陛下が治めているのだと言わんばかりのその態度に、本当にロキ陛下の立ち位置って微妙なんだなと思い知らされた気がした。
「レオ様。参りましょう?」
「え?あ…ああ……」
そう言いながら放心状態で引っ張って行かれるレオナルド皇子。
正直いくらなんでもあれはないだろうという腑抜けっぷりに俺は溜息を吐き、場合によっては滞在中に鍛え直すのも視野に入れてみようかなと思ったのだった。
***
【Side.レオナルド】
(こ、殺されるかと思った……)
何とかあの場から逃げ出せたけど、この後本当にロキのところに行って相談した方がいいような気がして冷汗が止まらなくなってしまう。
それとも先に全力の土下座の方がいいだろうか?
そんな事を考えていると、ミーシャ嬢がそっと袖を引いてきた。
「レオ様?」
不安そうに見てくる彼女に心配はかけたくはない。
だからなんとか笑顔を取り繕って、何も心配はいらないからと言っておいた。
「大丈夫。それよりこれからロキに会いにガヴァムに行こうと思ってるから、ミーシャ嬢を送りがてらご両親にも挨拶させてもらおうかな」
「まあ、嬉しいですわ!でも…もし先程の方の言葉を受けてロキ陛下のところへ行こうとなさっているのなら、お止めになった方が無難ですわ」
「え?」
どうしてと目を丸くする俺に彼女が『兄から聞いた話ですが…』と前置きをして教えてくれたことによると、ロキは今仕事が凄く忙しいらしい。
「なんでも避暑に行くために仕事を詰めているのだそうです。よくカリン陛下に見惚れて手が止まるから困るんだと兄が困ったように笑って言っていましたわ」
「ああ、ロキはカリン陛下大好きだもんね。それはそうなるか」
「全く…元々大して仕事もできないくせにお兄様やカリン陛下の足を引っ張るなんて言語道断ですわ」
彼女はぷんぷんと可愛らしく怒っているけど、ロキはカリン陛下が本当に大好きだからそうなるのも仕方がない。
「でも困ったな」
そう呟いたらそっとミーシャ嬢から優しく手を取られた。
「大丈夫ですわ。ちなみにセドリック王子と言うのはどちらの国の王子なのでしょうか?」
「え?!」
「レトロンではありませんわよね?あそこは確かカール王子だったと記憶しておりますし…」
まさか大国の王太子の名を知らなかったとは思わなかった。
(まあ確かにここから離れた国ではあるし、名前としては珍しくはないけど…)
そうは言っても有名なのにとちょっと驚いてしまう。
でも普通に考えて、そうか。アルメリアと一緒じゃなかったから勘違いしたのかも。
あんなに離れた場所で如何にも他人ですと言わんばかりに食事をとっていたらわからないのも無理はない。
「えっと…ブルーグレイの王太子だよ」
「ブルーグレイ?…っ、ブルーグレイの王太子と言うとあの?」
「そう。極悪残忍と名高い冷酷王子」
それを聞いて流石に真っ青になるミーシャ嬢。
でもすぐに気を取り直して、次に会ったら謝罪をさせてもらわないとと言ってくれたのでホッとした。
ここで恐ろしいことを言い出されでもしたら今度こそ首が飛ぶところだった。
「でしたらレオ様がすぐに謝罪したのも納得ですわ。恐ろしいですもの」
「ああ。本当に命が縮むかと思ったよ」
「でも恐ろしい噂はありますが、美しい王子でしたわね」
「まあ、見た目は?」
「レオ様は彼の方と何度か面識が?」
ミーシャ嬢がそう尋ねてくる。
アルメリアが嫁いでいるのだから面識があるのは当然だろうと考えての問い掛けなんだろう。
「そうだね。国際会議の時とこの間ブルーグレイに行った時に面識はあるかな」
「それなら大丈夫ですわね」
「え?」
「だってアルメリア姫の夫君と言うことはレオナルド皇子の義弟に当たるわけでしょう?いくら恐ろしいと噂される方でも交流のある親しい身内の者を容易に殺そうとするとは思えませんもの」
「そ、そうかなぁ?」
いや、絶対あの王子なら殺る時は殺ると思う。
そこに多分一切の情はない。
「はぁ…ロキくらい親しかったら殺されないんだろうけどな…」
「まあ。そのように気弱なことを仰らなくてもよろしいのに」
「ミーシャ嬢…」
「赤の他人よりも身内ですわ。それにレオ様の方があの王よりもずっと素晴らしいですもの。もっと自信を持ってくださいませ」
「ありがとう」
俺がロキより素晴らしいわけないんだけど、慰めてくれているのはわかるから今はちょっとだけ甘えさせてもらった。
(あ~ホッとする…)
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※皆様いつもありがとうございます♪この度スピンオフ作品をアップしましたので、ご興味のある方はそちらも宜しくお願いしますm(_ _)m『王子の本命~ガヴァム王国の王子達~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/91408108/52430498
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