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【ガヴァムからの来客】
131.※ガヴァムからの来客⑭
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結局その後、二人でなんだかんだとくっついていたらセドがヴィンセント陛下に呼び出されてしまった。
(は、恥ずかしい…!)
正直言ってちょっとどころではなく甘え過ぎた気がする。
(どうしてあんなに自分から甘えたんだ、俺?!)
ロキ陛下がブルーグレイにくるまで好き好んであれほどセドに甘えたりはしなかったのに。
(……穴があったら入りたい)
取り敢えずシャワーでも浴びて頭を冷やそう。
そう思いながらシャワーへと向かった。
その日の晩餐。
姫達は何故か凄く緊張してたんだけど、何かあったんだろうか?
まあ俺も少し緊張していたからお互い様と言えばお互い様だったかもしれない。
緊張していないのはセドとロキ陛下くらいではないだろうか?
「ロキ。今日は街を楽しめたか?」
「はい。劇も買い物も楽しめました」
「ほぉ?」
「途中ハウルが声を掛けてくれたので、例の店にも姫達をお連れしましたよ」
「そうか。何か言っていたか?」
「ええ。欲しいものがあるので協力してもらえないかとのことだったので、一つ確かなものを手渡しておきました」
「なら良かった」
和気藹々と楽しげに話すセドとロキ陛下。
二人にしかわからない何かがそこには含まれていて、そんな二人にやっぱりモヤッとしてしまう。
どこからどう見ても仲の良い友人なのに、セドが頑なに認めようとしないから余計に引っ掛かるのかもしれない。
俺とは全然違うと言ってはくれたけど、そんな姿に心配になってしまう。
そうこうしているうちにセドが思わせぶりに今日街で買った筆について話を振った。
「こちらもたまたまロキが気に入りそうな物を手に入れておいた。土産に持って帰るといい」
「え?」
一体なんだろうといった様子でロキ陛下がセドに話を振ってきたが、セドは何故か思わせぶりに後で渡すとだけ口にするばかり。
(なんだよ。今言えばいいじゃないか)
たかが筆だろう?
仕事道具なんだし、言えばいいのにどうしてそんな風に思わせぶりにするのかがわからなかった。
結局のところ食後にロキ陛下と仲良く話したいだけなんじゃないか?
そう思ったらちょっと悔しくて、つい口を挟んでしまった。
「勿体ぶるなよ。あれだろ?これなら喜んで使ってもらえそうだって言って買ってた筆だろ?そんなに思わせぶりにしないで言えばいいのに」
これにはセドもちょっと驚いたようだったけど、ロキ陛下が普通にお礼を言ってきたからそのまま話は進んでいく。
「ありがとうございます。きっと仕事が捗りそうな逸品でしょうね。使ってみる日が楽しみです」
「ああ。喜んでもらえたら嬉しい」
何故かそう言いながら二人でカリン陛下の方を意味ありげに見てたけど、それも面白くなかった。
夕食後、ロキ陛下に例の筆を渡しに行って戻ってきたセドに俺は後ろからギュッと抱き着いてみた。
「アルフレッド」
そう呼び掛けられるけど、ちょっとでいいから黙ってこうさせてほしい。
こうしていたら悪戯だってされないし、好きなだけ甘えられるからいいじゃないか。
「セド…。お前に甘えたい」
そう言ったらどこか嬉しそうに『ベッドに行くか?』と訊かれた。
「こんなにお前が嫉妬に身を焦がすとはな」
セドはそうしてクスクス笑うけど、俺にとっては笑い事なんかじゃない。
「セドは俺のなのに…」
「アルフレッド…」
その後俺はセドと一緒にベッドへと移動し、自分から積極的に迫ってみた。
セドの服も俺が脱がせて、キスマークをつけてもいいかと聞いてみる。
そんな俺にセドは嬉しそうに許可をくれて好きなようにさせてくれた。
ある程度俺が満足したところで今度はセドが愛撫をし始め、いつものように抱いてもらうことができた。
「セド…」
「アル。こんなに全身で俺を求めて…可愛いものだな」
「ん…や、言うな…よぉ…」
「どこもかしこも敏感で、俺にこうして欲しくてたまらないと言わんばかりだ」
その言葉と同時に弱い場所を強く突き上げられ、その後も奥を小刻みに突かれたり掻き回されたりしてたまらなく感じてしまう。
「ひっ!そこ、そんな風にしなぃ、でっ!」
「こんなに締め付けて気持ち良さそうにしているくせに」
言葉で虐めながら俺を可愛がるセド。
その合間合間に所有印を刻んでくれるのが嬉しくて、なんだかいつもより感じてしまった気がする。
「あ…んぅ!か、感じ、るからぁ…!やっ…!」
「俺に愛されて幸せだな、アル」
「あ…んんっ…」
「ここも、こっちも、全部愛してやる」
耳も首筋も胸も、俺が感じる場所はぜんぶ知っているとばかりに舌で責め立て甘噛みし、手でも可愛がってこられた。
けれど肝心の場所はお預けの如く触ってもらえなかったので、ついつい自分からねだってしまう。
「うぅ…前、も触ってほし…っ…」
「任せておけ」
興奮したように俺を見て、セドは俺の男根を握り込み、先をクリクリと可愛がってきた。
「ひっ…!んぁっ!」
その絶妙な責め具合が気持ちよくて、つい後孔がキュウッと勝手に締まってしまう。
すると何を思ったのか、ついでとばかりにへそをその手の親指でクリクリと虐めてこられ思わず叫んでしまった。
「や、そんなこと、されたら中に入ってるお前を変に意識する、だろっ?!」
「すればいいだろう?俺に貫かれて気持ち良くなっているんだから」
そんな言葉に腹の奥が切なげに震えるのを感じてしまう。
その後もセドは突き上げながら「この辺か?」と下腹を撫でて外側から意識させるように嬲ってきて、セドのものが俺を悦ばせているのだと意識すればするほど身体が敏感になっていった。
俺は羞恥に身悶えながらいつも以上に感じまくって淫らに腰を振りまくっていたように思う。
こんな風に浅ましいほどセドを欲しがる自分なんて認めたくなかった。
でも好きで好きでしょうがないんだから、たまにはこんな日があってもいいんだろうか?
「あっ、セドッ…!そこ、気持ちいっ…!」
「もっとか?」
「あ……もっとしてっ……!」
そう言いながら俺はセドに身を任せた。
***
セドに濃厚に愛され過ぎて、翌日はちょっとだけ寝坊した。
でも割と幸せな気分だったし、まあいいかと伸びをする。
セドが言っていたようにどうせロキ陛下は明日の朝一番に帰る予定だし、こんな風にモヤモヤするのも後少しのことだ。
今日はレオナルド皇子が久しぶりに剣を教えて欲しいと言っていたし、鍛錬場に行けるはず。
あっと言う間の一日になるだろうと思った。
そして予定の確認をしたら午前中は姫と色々話して午後から剣がいいと言われたのでそうすることになった。
折角だしカリン陛下も誘ったらどうかとレオナルド皇子は言っていたけど、どうなんだろう?
ロキ陛下次第なのかなと思いながら俺は午前中姫の護衛仕事に従事した。
そして昼食。
なんだか甘やかな雰囲気を漂わせるロキ陛下達を見て、ちょっとだけホッと息を吐く。
どこからどう見てもラブラブな二人に嫉妬しなくても大丈夫だと再認識することができた。
セドは俺が好きで、ロキ陛下はカリン陛下が好き。
そしてセドとロキ陛下はただの友人。よし!
そんな風に気持ちも新たにしたところで、セドとレオナルド皇子がロキ陛下達に午後からの鍛錬を一緒にどうだと誘いをかけた。
ロキ陛下の方は剣が苦手だからか乗り気じゃなさそうだったけど、カリン陛下の方は割と乗り気ですんなり話に乗ってきたように思う。
きっとこっちに来てからロキ陛下に振り回されていることだし、苦手なセドと接することでストレスも溜まっていてストレス発散したい気分だったんだろう。
そう思ったからその後着替えて鍛錬場に移動してから割と積極的にカリン陛下に剣を教えてあげた。
セドは少し急ぎの仕事を片付けてから合流すると言っていたし、のびのび剣を振れる絶好のチャンスでもあった。
レオナルド皇子にも教えられたし、割と和気藹々と楽しく過ごせたように思う。
因みにロキ陛下は割と早い段階で離脱していったからよくはわからない。
元々俺に教えられるのは苦手っぽかったし、まあそんなもんかと思ってたんだけど────。
「あれ?リヒターはオーガストといるのに、ロキ陛下がいなくないか?」
「え?」
気づけばロキ陛下の姿が見当たらなくて、三人でキョロキョロ姿を探す。
まさかこんな場所でまた攫われるわけないよなと思いながらも、前例があるからちょっと不安になって三人で一応探すことにした。
でもそこで、俺は衝撃的な光景を目にしてしまった。
ロキ陛下を見つけたレオナルド皇子の叫び声でそちらを見ると、セドがロキ陛下を抱き寄せていたのだ。
「な…に……?」
驚き過ぎて動けないなんて俺にしては凄く珍しいことで、一瞬息が止まるかと思った。
俺の隣では同じく驚愕の表情で固まっているカリン陛下もいた。
それくらい俺達にとってはショックな光景だったと言える。
先に二人の方へ走って行ったレオナルド皇子の方を暫く俺達は呆然と見ていたけど、ハッと我に返ってすぐ俺はカリン陛下と共にそちらへと駆けだしていた。
よく見るとロキ陛下は泣いてるっぽいし、きっと何かあったに違いないと思えたからだ。
(あいつ、ロキ陛下を虐めて泣かせたんじゃないだろうな?!)
慰めているように見えた気もするけど、セドが誰かを慰めるなんて信じられないし、あまり信じたくもない。
だって普段からそんなことするような奴じゃないんだから。
もし慰めていたとしたらロキ陛下がセドの特別な相手ということになってしまうではないか。
人として泣いてる相手を慰めるのは普通のことだけど、普段のセドが冷たい奴だからこそ余計にそうされたくないと思ってしまったのだと思う。
そんな事を考えてしまう自分に苦い気持ちが込み上げてくるけど、どうにもロキ陛下に対してだけは割り切れない気持ちが込み上げてきて、気づけば俺はセドの胸に飛び込んでしっかりと抱きついていた。
(は、恥ずかしい…!)
正直言ってちょっとどころではなく甘え過ぎた気がする。
(どうしてあんなに自分から甘えたんだ、俺?!)
ロキ陛下がブルーグレイにくるまで好き好んであれほどセドに甘えたりはしなかったのに。
(……穴があったら入りたい)
取り敢えずシャワーでも浴びて頭を冷やそう。
そう思いながらシャワーへと向かった。
その日の晩餐。
姫達は何故か凄く緊張してたんだけど、何かあったんだろうか?
まあ俺も少し緊張していたからお互い様と言えばお互い様だったかもしれない。
緊張していないのはセドとロキ陛下くらいではないだろうか?
「ロキ。今日は街を楽しめたか?」
「はい。劇も買い物も楽しめました」
「ほぉ?」
「途中ハウルが声を掛けてくれたので、例の店にも姫達をお連れしましたよ」
「そうか。何か言っていたか?」
「ええ。欲しいものがあるので協力してもらえないかとのことだったので、一つ確かなものを手渡しておきました」
「なら良かった」
和気藹々と楽しげに話すセドとロキ陛下。
二人にしかわからない何かがそこには含まれていて、そんな二人にやっぱりモヤッとしてしまう。
どこからどう見ても仲の良い友人なのに、セドが頑なに認めようとしないから余計に引っ掛かるのかもしれない。
俺とは全然違うと言ってはくれたけど、そんな姿に心配になってしまう。
そうこうしているうちにセドが思わせぶりに今日街で買った筆について話を振った。
「こちらもたまたまロキが気に入りそうな物を手に入れておいた。土産に持って帰るといい」
「え?」
一体なんだろうといった様子でロキ陛下がセドに話を振ってきたが、セドは何故か思わせぶりに後で渡すとだけ口にするばかり。
(なんだよ。今言えばいいじゃないか)
たかが筆だろう?
仕事道具なんだし、言えばいいのにどうしてそんな風に思わせぶりにするのかがわからなかった。
結局のところ食後にロキ陛下と仲良く話したいだけなんじゃないか?
そう思ったらちょっと悔しくて、つい口を挟んでしまった。
「勿体ぶるなよ。あれだろ?これなら喜んで使ってもらえそうだって言って買ってた筆だろ?そんなに思わせぶりにしないで言えばいいのに」
これにはセドもちょっと驚いたようだったけど、ロキ陛下が普通にお礼を言ってきたからそのまま話は進んでいく。
「ありがとうございます。きっと仕事が捗りそうな逸品でしょうね。使ってみる日が楽しみです」
「ああ。喜んでもらえたら嬉しい」
何故かそう言いながら二人でカリン陛下の方を意味ありげに見てたけど、それも面白くなかった。
夕食後、ロキ陛下に例の筆を渡しに行って戻ってきたセドに俺は後ろからギュッと抱き着いてみた。
「アルフレッド」
そう呼び掛けられるけど、ちょっとでいいから黙ってこうさせてほしい。
こうしていたら悪戯だってされないし、好きなだけ甘えられるからいいじゃないか。
「セド…。お前に甘えたい」
そう言ったらどこか嬉しそうに『ベッドに行くか?』と訊かれた。
「こんなにお前が嫉妬に身を焦がすとはな」
セドはそうしてクスクス笑うけど、俺にとっては笑い事なんかじゃない。
「セドは俺のなのに…」
「アルフレッド…」
その後俺はセドと一緒にベッドへと移動し、自分から積極的に迫ってみた。
セドの服も俺が脱がせて、キスマークをつけてもいいかと聞いてみる。
そんな俺にセドは嬉しそうに許可をくれて好きなようにさせてくれた。
ある程度俺が満足したところで今度はセドが愛撫をし始め、いつものように抱いてもらうことができた。
「セド…」
「アル。こんなに全身で俺を求めて…可愛いものだな」
「ん…や、言うな…よぉ…」
「どこもかしこも敏感で、俺にこうして欲しくてたまらないと言わんばかりだ」
その言葉と同時に弱い場所を強く突き上げられ、その後も奥を小刻みに突かれたり掻き回されたりしてたまらなく感じてしまう。
「ひっ!そこ、そんな風にしなぃ、でっ!」
「こんなに締め付けて気持ち良さそうにしているくせに」
言葉で虐めながら俺を可愛がるセド。
その合間合間に所有印を刻んでくれるのが嬉しくて、なんだかいつもより感じてしまった気がする。
「あ…んぅ!か、感じ、るからぁ…!やっ…!」
「俺に愛されて幸せだな、アル」
「あ…んんっ…」
「ここも、こっちも、全部愛してやる」
耳も首筋も胸も、俺が感じる場所はぜんぶ知っているとばかりに舌で責め立て甘噛みし、手でも可愛がってこられた。
けれど肝心の場所はお預けの如く触ってもらえなかったので、ついつい自分からねだってしまう。
「うぅ…前、も触ってほし…っ…」
「任せておけ」
興奮したように俺を見て、セドは俺の男根を握り込み、先をクリクリと可愛がってきた。
「ひっ…!んぁっ!」
その絶妙な責め具合が気持ちよくて、つい後孔がキュウッと勝手に締まってしまう。
すると何を思ったのか、ついでとばかりにへそをその手の親指でクリクリと虐めてこられ思わず叫んでしまった。
「や、そんなこと、されたら中に入ってるお前を変に意識する、だろっ?!」
「すればいいだろう?俺に貫かれて気持ち良くなっているんだから」
そんな言葉に腹の奥が切なげに震えるのを感じてしまう。
その後もセドは突き上げながら「この辺か?」と下腹を撫でて外側から意識させるように嬲ってきて、セドのものが俺を悦ばせているのだと意識すればするほど身体が敏感になっていった。
俺は羞恥に身悶えながらいつも以上に感じまくって淫らに腰を振りまくっていたように思う。
こんな風に浅ましいほどセドを欲しがる自分なんて認めたくなかった。
でも好きで好きでしょうがないんだから、たまにはこんな日があってもいいんだろうか?
「あっ、セドッ…!そこ、気持ちいっ…!」
「もっとか?」
「あ……もっとしてっ……!」
そう言いながら俺はセドに身を任せた。
***
セドに濃厚に愛され過ぎて、翌日はちょっとだけ寝坊した。
でも割と幸せな気分だったし、まあいいかと伸びをする。
セドが言っていたようにどうせロキ陛下は明日の朝一番に帰る予定だし、こんな風にモヤモヤするのも後少しのことだ。
今日はレオナルド皇子が久しぶりに剣を教えて欲しいと言っていたし、鍛錬場に行けるはず。
あっと言う間の一日になるだろうと思った。
そして予定の確認をしたら午前中は姫と色々話して午後から剣がいいと言われたのでそうすることになった。
折角だしカリン陛下も誘ったらどうかとレオナルド皇子は言っていたけど、どうなんだろう?
ロキ陛下次第なのかなと思いながら俺は午前中姫の護衛仕事に従事した。
そして昼食。
なんだか甘やかな雰囲気を漂わせるロキ陛下達を見て、ちょっとだけホッと息を吐く。
どこからどう見てもラブラブな二人に嫉妬しなくても大丈夫だと再認識することができた。
セドは俺が好きで、ロキ陛下はカリン陛下が好き。
そしてセドとロキ陛下はただの友人。よし!
そんな風に気持ちも新たにしたところで、セドとレオナルド皇子がロキ陛下達に午後からの鍛錬を一緒にどうだと誘いをかけた。
ロキ陛下の方は剣が苦手だからか乗り気じゃなさそうだったけど、カリン陛下の方は割と乗り気ですんなり話に乗ってきたように思う。
きっとこっちに来てからロキ陛下に振り回されていることだし、苦手なセドと接することでストレスも溜まっていてストレス発散したい気分だったんだろう。
そう思ったからその後着替えて鍛錬場に移動してから割と積極的にカリン陛下に剣を教えてあげた。
セドは少し急ぎの仕事を片付けてから合流すると言っていたし、のびのび剣を振れる絶好のチャンスでもあった。
レオナルド皇子にも教えられたし、割と和気藹々と楽しく過ごせたように思う。
因みにロキ陛下は割と早い段階で離脱していったからよくはわからない。
元々俺に教えられるのは苦手っぽかったし、まあそんなもんかと思ってたんだけど────。
「あれ?リヒターはオーガストといるのに、ロキ陛下がいなくないか?」
「え?」
気づけばロキ陛下の姿が見当たらなくて、三人でキョロキョロ姿を探す。
まさかこんな場所でまた攫われるわけないよなと思いながらも、前例があるからちょっと不安になって三人で一応探すことにした。
でもそこで、俺は衝撃的な光景を目にしてしまった。
ロキ陛下を見つけたレオナルド皇子の叫び声でそちらを見ると、セドがロキ陛下を抱き寄せていたのだ。
「な…に……?」
驚き過ぎて動けないなんて俺にしては凄く珍しいことで、一瞬息が止まるかと思った。
俺の隣では同じく驚愕の表情で固まっているカリン陛下もいた。
それくらい俺達にとってはショックな光景だったと言える。
先に二人の方へ走って行ったレオナルド皇子の方を暫く俺達は呆然と見ていたけど、ハッと我に返ってすぐ俺はカリン陛下と共にそちらへと駆けだしていた。
よく見るとロキ陛下は泣いてるっぽいし、きっと何かあったに違いないと思えたからだ。
(あいつ、ロキ陛下を虐めて泣かせたんじゃないだろうな?!)
慰めているように見えた気もするけど、セドが誰かを慰めるなんて信じられないし、あまり信じたくもない。
だって普段からそんなことするような奴じゃないんだから。
もし慰めていたとしたらロキ陛下がセドの特別な相手ということになってしまうではないか。
人として泣いてる相手を慰めるのは普通のことだけど、普段のセドが冷たい奴だからこそ余計にそうされたくないと思ってしまったのだと思う。
そんな事を考えてしまう自分に苦い気持ちが込み上げてくるけど、どうにもロキ陛下に対してだけは割り切れない気持ちが込み上げてきて、気づけば俺はセドの胸に飛び込んでしっかりと抱きついていた。
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※皆様いつもありがとうございます♪この度スピンオフ作品をアップしましたので、ご興味のある方はそちらも宜しくお願いしますm(_ _)m『王子の本命~ガヴァム王国の王子達~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/91408108/52430498
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