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【ガヴァムからの来客】
115.友人 Side.セドリック
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※スピンオフの方がもう少しでブルーグレイ編に突入するのでこちらでもそれに合わせて更新しておきます。
大丈夫な方はどうぞ付き合いください。
****************
ある日、アルフレッドが俺に友人はいるのかと聞いてきた。
友人と聞かれて浮かぶ相手は特にはいない。
ブルーグレイの年の近い貴族の子弟は皆俺を恐れているし、側近であるノヴァだって俺のことはこの国の王太子として見ているから友人とは言い難い。
敢えて言うのならゴッドハルトのトルセンに『これからは友人として』と宣言したくらいではないだろうか?
だから軽い感じで『トルセンくらいだな』と答えを返したのだが…。
「トルセン?嘘だろ?他は?」
「いないが?」
そう答えたら驚愕の眼差しを向けられ、実質ゼロかと驚かれた。失礼な。
「そもそも友人なんていなくても特に困らないだろう?何をもってして必要だと思うんだ?」
「え?それはほら、気持ちの問題っていうかさ。ちょっと私的なことを話したら楽しいし、困ったら悩み相談だってできるし、愚痴だって聞いてもらえるだろう?」
そう聞いて、トルセンとは確かに親しく手紙のやり取りはしているが、そういったものとは少し違うなと思った。
トルセンとは近況報告などのやり取りが主で、後はアルフレッドについてあれこれ聞くくらいのものだ。
私的な話はあまりしない。
どちらかというとそういったことはガヴァムのロキとの方がやっているような気がする。
あれとのやり取りは実に有意義だし、それなりに趣味も近いから色々情報を交換するのも楽しい。
「そう言ったやり取りはロキとしているから必要ない」
「え?ロキ陛下と?」
「ああ」
だから正直にそう言ったら目を丸くして『へぇ…』と驚かれた。
「やっぱりお前、ロキ陛下と気が合うんだな」
「気が合うと言うか色々有意義な情報がもらえるから助かるんだ」
「例えば?」
「この間来た手紙には『ブルーグレイの暗部の技術情報を漏らしたのってわざとですよね?』と書かれてあった」
「……え?」
それを聞いてアルフレッドは驚いたように目を見開いてくる。
「もちろんわざとだったから、それとなく探りを入れたら『もう立派に熟しているから収穫しついでにこういった応用ができないか検討してみてくれないか』と新たな提案をされてな。実に面白かったからすぐに暗部に収穫に向かわせた」
「……?意味はわかんないけど、つまり手紙のやり取り自体が楽しいってことだよな?」
「まあな」
ロキとの手紙のやり取りの中で、裏ルートにブルーグレイの機密が流れてあったがわざとだろうとどこか楽し気に書かれてあった。
たまにすることだが、自国の技術者の中で上手く製品が作れない場合、さり気なさを装ってスパイに情報を流し、裏ルートの技術者の手でモノにしてもらうことがある。
本当に高い技術力を持つ者は表よりも裏の方に多いからだ。
だからモノになったタイミングでそれを逆に手に入れその技術を盗み、表に出して活用させる。
向こうは元々盗んだ技術を応用して仕上げているから表立って文句を言ってくることもない。
言わば持ちつ持たれつの騙し合いの世界だ。
今回は暗部が使っている連絡用機器についての情報をわざと漏洩させた。
ロキによるとそれが既に形となって出回っているらしい。
流石裏ルートに知り合いが多いだけあって情報が早い。
それだけならまだしも、ロキはこんなことを言ってきたのだ。
現在流れている品は対となる魔石で双方のやり取りしかできないようだが、三ヵ国事業の一端で試みて作った光魔石の応用石────魔力タンク魔石を上手く応用したら台数に関係なくやり取りができるようになるのではないかと。
できれば8台ほどで好きにやり取りできるように応用ができたら嬉しいが、技術的に可能かをまた教えて欲しいと言ってこられた。
ちなみにこの魔力タンク魔石自体の試作品も添えられて送ってこられ、『これはロックオンの改良にお使いください。きっと安定した記録媒介となり安定供給が可能となるでしょう』と添えられていた。
最高の贈り物だ。
受け取ってすぐにそれは技術者へと回し、暗部にも漏洩させた技術が収穫時らしいから後は任せたと話を振っておいた。
これでまた一つ、技術が進む。
きっとこの先この石を使った製品は大量に生産されていくだろう。
現状魔道具の類はフォルティエンヌが大陸一の技術を誇ると言われているが、これからはブルーグレイも負けず劣らず凄いと言われるようになるはずだ。
それだけの価値がこれにはある。
だからこそロキの要望を叶えるため、新たな改良も命じておいた。
恩を売ればそれ以上に返してくれるし、ロキはそれだけ付き合うには美味しい相手なのだ。
「そう言えばロキ陛下、あれから元気にしてるのか?」
「ああ。アンシャンテのシャイナーと親しくしているらしいな。何を狙っているのやら」
「え?!攫った相手と仲良くなるって…酔狂だな」
「お前だって自分を連れ去ろうとしていたカリンにわざわざ話しかけたりしていただろう?人のことは言えんな」
「へ?」
「ああ…そう言えば言っていなかったか?気にするな。忘れろ」
「待て!なんか不穏なことを聞いた気がするぞ?!」
「気のせいだ。それより、今日は姫の傍ではなくずっと俺の傍に居てくれるのか?」
「え?違う違う!姫は今陛下とお茶してるから、俺もお前とゆっくりして来いって追い出されたんだよ」
「なるほど?それなら存分にお前との時間を堪能しないといけないな」
どうやら姫はお互いの寛ぎ時間を手配してくれたらしい。
以前のアルフレッドならここで鍛錬に行ってくるとか言っていそうなものだが、それよりも俺を優先してくれたことが素直に嬉しかった。
「アルフレッド。少しのんびりした後手合わせでもしないか?」
「いいのか?」
「ああ。今日は仕事が少ないようだしな」
「え?」
この間まで対策を取っていた案件がいくつか実際の作業の方に移り始めたので、俺の手を離れ、回ってくる書類の方もだいぶ減ったのだ。
だからそれくらいの時間くらいとることはできる。
アルフレッドはそれが嬉しかったらしく、嬉々としてその話に乗ってきた。
やはり剣を振りたくて仕方がなかったのだろう。
「行く行く!やった!」
キラキラした目で俺を見つめてくるアルフレッドは可愛い。
もっと俺に惚れこんで、このままずっと逃げずに傍に居て欲しいものだ。
こうしてアルフレッドと戯れ、仕事をこなし、有用な機器を開発させるいつもと変わらぬ日々を送っている間に、ロキから頼まれていた通信機器────ツンナガールが完成した。
「セドリック様。ロキ陛下にお送りするのは如何ほど?」
「8台ほど欲しいと言っていたから送ってやれ」
「8台もですか?」
「ああ」
「無料で?」
「ああ」
別にこれからのことを考えればそれくらい安いものだ。
だから送らせたのだが、案の定特に駆け引きをしてくることなく向こうから『いくらですか』と言ってきた。
無欲もここまでいくと笑えてくる。
本当に相変わらずだなと思い、情報提供と技術向上に感謝しているから無料でいいと伝え、ついでにアイデア料は取っておけとも言っておいた。
揶揄いがてら相変わらず王らしくないなと手紙に書いてやったら、そろそろ退位してもいいですかと帰ってきたからダメだと返してやった。
不貞腐れたような顔が容易に思い浮かんで思わず笑ってしまったのだが、それを見たアルフレッドが驚愕の眼差しを向けてきて、天変地異の前触れかと言っていた。
腹が立ったからそのまま口を塞いで押し倒してやったが、どうやらそんな俺を見ていたのはアルフレッドだけではなかったらしく、気づけばロキと俺が友達という話が城内に広く流布されていた。
父からもそれとなく尋ねられたが非常に不本意だ。
どこをどうしたらそうなるのかさっぱりわからないから、ロキに手紙を書く際に少しその件について触れてみたら、あちらからも『ミラルカのレオナルド皇子と比較して考えると、自分達は友達じゃないと思う』と書いてきたのでそうだよなと思わず頷いてしまった。
やはり俺の認識は間違ってはいない。
馴れ合いの関係ではなく、持ちつ持たれつ上手くやっているのが俺達だ。
それ以上でもそれ以下でもない。
そんな事を思ったのはつい最近の話なのに、まさか思わぬ騒動のせいで俺達が友人であると本格的に認められることになるなんて、この時はまだ思ってもみなかった。
大丈夫な方はどうぞ付き合いください。
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ある日、アルフレッドが俺に友人はいるのかと聞いてきた。
友人と聞かれて浮かぶ相手は特にはいない。
ブルーグレイの年の近い貴族の子弟は皆俺を恐れているし、側近であるノヴァだって俺のことはこの国の王太子として見ているから友人とは言い難い。
敢えて言うのならゴッドハルトのトルセンに『これからは友人として』と宣言したくらいではないだろうか?
だから軽い感じで『トルセンくらいだな』と答えを返したのだが…。
「トルセン?嘘だろ?他は?」
「いないが?」
そう答えたら驚愕の眼差しを向けられ、実質ゼロかと驚かれた。失礼な。
「そもそも友人なんていなくても特に困らないだろう?何をもってして必要だと思うんだ?」
「え?それはほら、気持ちの問題っていうかさ。ちょっと私的なことを話したら楽しいし、困ったら悩み相談だってできるし、愚痴だって聞いてもらえるだろう?」
そう聞いて、トルセンとは確かに親しく手紙のやり取りはしているが、そういったものとは少し違うなと思った。
トルセンとは近況報告などのやり取りが主で、後はアルフレッドについてあれこれ聞くくらいのものだ。
私的な話はあまりしない。
どちらかというとそういったことはガヴァムのロキとの方がやっているような気がする。
あれとのやり取りは実に有意義だし、それなりに趣味も近いから色々情報を交換するのも楽しい。
「そう言ったやり取りはロキとしているから必要ない」
「え?ロキ陛下と?」
「ああ」
だから正直にそう言ったら目を丸くして『へぇ…』と驚かれた。
「やっぱりお前、ロキ陛下と気が合うんだな」
「気が合うと言うか色々有意義な情報がもらえるから助かるんだ」
「例えば?」
「この間来た手紙には『ブルーグレイの暗部の技術情報を漏らしたのってわざとですよね?』と書かれてあった」
「……え?」
それを聞いてアルフレッドは驚いたように目を見開いてくる。
「もちろんわざとだったから、それとなく探りを入れたら『もう立派に熟しているから収穫しついでにこういった応用ができないか検討してみてくれないか』と新たな提案をされてな。実に面白かったからすぐに暗部に収穫に向かわせた」
「……?意味はわかんないけど、つまり手紙のやり取り自体が楽しいってことだよな?」
「まあな」
ロキとの手紙のやり取りの中で、裏ルートにブルーグレイの機密が流れてあったがわざとだろうとどこか楽し気に書かれてあった。
たまにすることだが、自国の技術者の中で上手く製品が作れない場合、さり気なさを装ってスパイに情報を流し、裏ルートの技術者の手でモノにしてもらうことがある。
本当に高い技術力を持つ者は表よりも裏の方に多いからだ。
だからモノになったタイミングでそれを逆に手に入れその技術を盗み、表に出して活用させる。
向こうは元々盗んだ技術を応用して仕上げているから表立って文句を言ってくることもない。
言わば持ちつ持たれつの騙し合いの世界だ。
今回は暗部が使っている連絡用機器についての情報をわざと漏洩させた。
ロキによるとそれが既に形となって出回っているらしい。
流石裏ルートに知り合いが多いだけあって情報が早い。
それだけならまだしも、ロキはこんなことを言ってきたのだ。
現在流れている品は対となる魔石で双方のやり取りしかできないようだが、三ヵ国事業の一端で試みて作った光魔石の応用石────魔力タンク魔石を上手く応用したら台数に関係なくやり取りができるようになるのではないかと。
できれば8台ほどで好きにやり取りできるように応用ができたら嬉しいが、技術的に可能かをまた教えて欲しいと言ってこられた。
ちなみにこの魔力タンク魔石自体の試作品も添えられて送ってこられ、『これはロックオンの改良にお使いください。きっと安定した記録媒介となり安定供給が可能となるでしょう』と添えられていた。
最高の贈り物だ。
受け取ってすぐにそれは技術者へと回し、暗部にも漏洩させた技術が収穫時らしいから後は任せたと話を振っておいた。
これでまた一つ、技術が進む。
きっとこの先この石を使った製品は大量に生産されていくだろう。
現状魔道具の類はフォルティエンヌが大陸一の技術を誇ると言われているが、これからはブルーグレイも負けず劣らず凄いと言われるようになるはずだ。
それだけの価値がこれにはある。
だからこそロキの要望を叶えるため、新たな改良も命じておいた。
恩を売ればそれ以上に返してくれるし、ロキはそれだけ付き合うには美味しい相手なのだ。
「そう言えばロキ陛下、あれから元気にしてるのか?」
「ああ。アンシャンテのシャイナーと親しくしているらしいな。何を狙っているのやら」
「え?!攫った相手と仲良くなるって…酔狂だな」
「お前だって自分を連れ去ろうとしていたカリンにわざわざ話しかけたりしていただろう?人のことは言えんな」
「へ?」
「ああ…そう言えば言っていなかったか?気にするな。忘れろ」
「待て!なんか不穏なことを聞いた気がするぞ?!」
「気のせいだ。それより、今日は姫の傍ではなくずっと俺の傍に居てくれるのか?」
「え?違う違う!姫は今陛下とお茶してるから、俺もお前とゆっくりして来いって追い出されたんだよ」
「なるほど?それなら存分にお前との時間を堪能しないといけないな」
どうやら姫はお互いの寛ぎ時間を手配してくれたらしい。
以前のアルフレッドならここで鍛錬に行ってくるとか言っていそうなものだが、それよりも俺を優先してくれたことが素直に嬉しかった。
「アルフレッド。少しのんびりした後手合わせでもしないか?」
「いいのか?」
「ああ。今日は仕事が少ないようだしな」
「え?」
この間まで対策を取っていた案件がいくつか実際の作業の方に移り始めたので、俺の手を離れ、回ってくる書類の方もだいぶ減ったのだ。
だからそれくらいの時間くらいとることはできる。
アルフレッドはそれが嬉しかったらしく、嬉々としてその話に乗ってきた。
やはり剣を振りたくて仕方がなかったのだろう。
「行く行く!やった!」
キラキラした目で俺を見つめてくるアルフレッドは可愛い。
もっと俺に惚れこんで、このままずっと逃げずに傍に居て欲しいものだ。
こうしてアルフレッドと戯れ、仕事をこなし、有用な機器を開発させるいつもと変わらぬ日々を送っている間に、ロキから頼まれていた通信機器────ツンナガールが完成した。
「セドリック様。ロキ陛下にお送りするのは如何ほど?」
「8台ほど欲しいと言っていたから送ってやれ」
「8台もですか?」
「ああ」
「無料で?」
「ああ」
別にこれからのことを考えればそれくらい安いものだ。
だから送らせたのだが、案の定特に駆け引きをしてくることなく向こうから『いくらですか』と言ってきた。
無欲もここまでいくと笑えてくる。
本当に相変わらずだなと思い、情報提供と技術向上に感謝しているから無料でいいと伝え、ついでにアイデア料は取っておけとも言っておいた。
揶揄いがてら相変わらず王らしくないなと手紙に書いてやったら、そろそろ退位してもいいですかと帰ってきたからダメだと返してやった。
不貞腐れたような顔が容易に思い浮かんで思わず笑ってしまったのだが、それを見たアルフレッドが驚愕の眼差しを向けてきて、天変地異の前触れかと言っていた。
腹が立ったからそのまま口を塞いで押し倒してやったが、どうやらそんな俺を見ていたのはアルフレッドだけではなかったらしく、気づけばロキと俺が友達という話が城内に広く流布されていた。
父からもそれとなく尋ねられたが非常に不本意だ。
どこをどうしたらそうなるのかさっぱりわからないから、ロキに手紙を書く際に少しその件について触れてみたら、あちらからも『ミラルカのレオナルド皇子と比較して考えると、自分達は友達じゃないと思う』と書いてきたのでそうだよなと思わず頷いてしまった。
やはり俺の認識は間違ってはいない。
馴れ合いの関係ではなく、持ちつ持たれつ上手くやっているのが俺達だ。
それ以上でもそれ以下でもない。
そんな事を思ったのはつい最近の話なのに、まさか思わぬ騒動のせいで俺達が友人であると本格的に認められることになるなんて、この時はまだ思ってもみなかった。
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