【完結】王子の本命~姫の護衛騎士は逃げ出したい~

オレンジペコ

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【王妃の帰還】

110.※王妃の帰還⑨

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怒ったセドにあっという間に服を剥かれ、俺は逃げるに逃げられない状態で上にのし掛かられていた。

「セ、セド?」

なんでそんなに怒ってるんだよって思いながら、なんとか落ち着かせられないかと考えるけど、全くいい考えが浮かんでこない。
そうこうしているうちに肌に吸い付かれ、後ろもグチュグチュほぐされてしまう。

「アルフレッド。今日は泣いても絶対に許さないからな?」
「え?」
「お前が悪い」

そう言ってセドがグッと問答無用で俺の中へと入ってきた。

「んあぁああっ!」

慣れたとはいえその質量を性急に受け止めさせられるのは割と辛い。
でもそれ以上に今日のセドは特別酷かった。
なんでか知らないけど、どこからか取り出した紐で俺の前をぐるぐる巻きにしてキツく縛ってきたんだ。
やめてくれって言ってもやめてくれないし、足はこれでもかと大きく開かれて、入ってるところを見て誰に犯されてるのかを自覚しろって言われた。
しかもその後なんてもっと酷くて、寸止めの連続だった。
胸も散々嬲られて、中もいっぱい擦られたけど、後ちょっとでイケるっていうところでズルッと引かれるんだ。
たまったものじゃない。
前は戒められてイくにイけないし、中でもイけないしで、身体の熱は溜まっていく一方だ。
気づけばセドが欲しくて欲しくて、身体がピクピク震えて甘イキするみたいになってた。

「あ…セド、セド、も、焦らさない、でぇ…」

涙目で懇願するけど、セドはいつもみたいに笑うことなく、ただ冷たく見てくるばかり。
そこから俺は全然イかせてもらえず、中出しされた後ズルッと抜かれて、自分で自慰をしながら目の前でイってみろって命令された。
酷すぎる。
これまでこんな抱かれ方をされたことなんて一度もない。
嫌だって言っても全然聞いてくれなくて、そのくせ逃してもくれないし、身体の熱も全然治ってくれず、俺は泣きながら自慰をする羽目になった。


「あ…あぅ…や、そんなに、見ないで…」

ただでさえ自分の尻に指を入れるなんて慣れてないのに、そんなに見られたら恥ずかしくてたまらない。
しかも中からはセドに出された白濁がトロリと出てくるのだから、余計に羞恥を煽られてしまうのだ。

「いや…いや…」

こんなのは嫌だ。
これまではどんなに酷い抱き方をしてきても、セドの目には俺が欲しいって情が溢れていた。
俺が好きだから虐めてるみたいなところがあった。
でも今日は違う。
これは……ある種の拷問だ。

「セド…お前にそんな目で見られたくない」

好きな相手に冷たくされるのってこんなに悲しいんだって初めて知った。

(セドに愛されたい…)

いつもみたいにセドにいっぱい奥まで突いて愛して欲しかった。

「うぅ…セド…おね、お願い…」

でも今日のセドはそんな懇願さえ無情にも無視してきた。

(なんでそんなに怒ってるんだよ?)

愛剣にそこまで嫉妬するなんて絶対おかしいだろ?
剣にキスで怒るならもっと…もっと?

(あれ?何か忘れているような……?)

そう考えたところで、冷たい声が降ってきた。

「考え事とは随分余裕だな?あのバカ女と寝ておけば良かったとでも思ったか?」

(そ、それだ────!!)

忘れてたと思って一気に蒼白になる。
つまりセドはそれを知ってここまで怒ってたのだ。

(なんで忘れてたんだ、俺?!)

そりゃあ怒るに決まってると思いつつ、そっと顔色を窺うと不愉快だとしっかり顔に書いてあった。
気づかなかった自分に馬鹿かって言ってやりたい。

(こ、これは一体どうしたら……)

冷水を浴びせられたような気分になったせいで、燻っていたはずの身体の熱があっという間に霧散する。

「セ…セド…その……」
「ああ、折角の自慰に水を差してしまったな?何度でもやり直してやるから、好きなだけ乱れ狂え」
「…………」

どうやらセドの怒りは相当のようだ。

(ヤバいヤバいヤバい……!)

絶対に過去と比べても一番と言えるほど激怒している。
もうここまできたらそう簡単には許してくれないだろう。

(俺…今日こそ腹上死させられるかも)

チラリとそんな言葉が頭をよぎった。

それからまた挿れられて焦らしに焦らされ、何度謝っても許してもらえず泣きながら自慰を強要され、なんとかイこうと頑張ったものの全くイけなくて、限界を訴えたところで『イかせて欲しかったらしっかり何が悪かったのか言ってみろ』と脅された。

「うぅ…セ、セドに、王、妃から、キス…された、って言わなくて、悪かっ、たぁ…」

本気で泣きが入った俺は息も絶え絶えに白状させられ、しかもそんな状況なのに『そのまま穴を広げながら強請れ』と言われ本気で泣いた。

「ウッウッ…」
「泣いても無駄だ。女なんていらないから、ここでイキたい、イかせてくれとその口で言ってみろ」
「セ、セド…に、挿れられて、いっぱいイかせてほしっ…」
「…………」
「も、キスなんてしない…から、許してっ…」
「…………」
「セド…頼む、から、今日もいっぱい奥まで虐めて…」

一生懸命できる範囲で穴を広げて言葉を紡ぐ。
俺に言える卑猥な言葉なんてこれくらいしかない。
こんなことになるならもうちょっとガヴァムでカリン王子を観察しておけばよかった。

「も…奥が、お前が欲しくて我慢できない。お前しか俺を満足させられないから、早くっ…愛して…」

動かないセドにまた泣きたくなって、気づけば俺はセドに抱きついて、そこをセドのものに擦り付けるようにして全力で誘っていた。

「……わかった」

そしてセドは再度俺に挿れてくれて、今度は一気に奥まで嵌めてくれる。
焦らしに焦らされ過ぎたせいで、俺はそれだけで頭が真っ白になって激しくイってしまったけど、セドは動きを止めることなく俺を責め立ててきた。
さっきまでのイキたくてもイかせてもらえない地獄からの強烈な快感に思考が全く追いつかない。

「ひぁあああっ!イクッ、イクッ!」
「好きなだけイけばいい。淫乱に腰を振って欲しいだけ受け取れ」
「くふぅッ!アッアッ!やっ、感じすぎ、るぅうっ!」

嫌だ、助けて、死ぬと言いながら絶頂を味合わされて気絶しては起こされて、何度も何度もその快楽の果てを教え込まれる。

これまでだって相当色々経験させられてきたし、これでもかと抱かれてきたけど、比にならない程の快感があるって事を思い知らされた。
快感が過ぎて涙は止まらないし、口はだらしなく開きっぱなしで唾液を飲み込みきれない。
口からは嬌声しか出てこないし、頭の中は余計なことなんて一切考えられない。
縋れるのは自分を抱くセドだけだ。

「あっあぁんっ!ぁんっ!」
「このまま快楽に堕としきってやろうか?」

そんな怖いセリフを口にしながらセドはずっと俺を責め苛み、しかも最後には見たこともない金属の棒を取り出して未だ拘束し続けていた俺のものにゆっくりと沈めていった。

「いあぁああっ!」

痛みと初めての感覚に悲鳴が迸る。

正直そこからは記憶が全くない。
目が覚めたらベッドで一人、横たわってた。
なんかとんでもない目にあった気がするんだけど…思い出したらヤバイ気がするんだ。
俺の本能が思い出すなって言ってるから素直に従おう。

(戦場でも何回かあったなぁ)

こんな風にエロい事をされたことなんて戦場ではなかったけど、この記憶が飛ぶ感じには覚えがある。
耐えきれないほど酷いものを見たり辛い目にあったりしたら俺、生存本能から記憶が飛ぶみたいなんだよな。
自分の精神を守りつつ、平和的に生き残るためには必須なスキルだよな。
脳筋万歳!
さあ今日も元気に剣を振ろうとベッドから降りようとして、腰が全く立たないことに気がついた。

「……どんだけ酷い目にあったんだ、俺?」

まあ俺が悪かったんだけどさ?
流石にキスの件を忘れてたのはマズかったと反省している。

「ま、いいか」

後でもう一度ちゃんと謝ろう。
多分今ならちょっとは冷静に聞いてくれるだろうし。

「セドッて本当、嫉妬深いよな~」

それだけ俺を好きってことなのかもしれないけどちょっと重いぞって思う今日この頃。
もっと余裕を持てる男になってほしいものだ。

取り敢えず、剣が振れないなら抱っこして寝よって思って、枕元に置かれていた剣を引き寄せてそのまま寝た。
ああ、幸せ────。

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※皆様いつもありがとうございます♪この度スピンオフ作品をアップしましたので、ご興味のある方はそちらも宜しくお願いしますm(_ _)m『王子の本命~ガヴァム王国の王子達~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/91408108/52430498
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