【完結】王子の本命~姫の護衛騎士は逃げ出したい~

オレンジペコ

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【国際会議】

88.※国際会議㉖ Side.セドリック

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その夜、仕事が終わってからロキ王子からの贈り物を手にアルフレッドを部屋へと呼んだ。
以前だったら絶対に素直には来てくれなかっただろうが、しっかり旅の間に覚え込ませたお陰で素直に来てくれるようになった。
だからこちらも気持ちに余裕が出て、酒でもどうだと勧め、興が乗ったところでソレをアルフレッドへと手渡した。

箱を開け、中を確かめるアルフレッド。
怪訝な顔で中身を手に取り、首を傾げていてとても可愛らしい。
でも最後の薄衣を手に取ったところで意味を察したのかカァッと頬に朱が昇った。

「…………セド?」
「なんだ?」
「あの…さ、これ、なんだ?」
「ロキ王子からの贈り物だ」

その言葉にアルフレッドが意を決したように言葉を紡いでくる。

「セド。この年で玩具で遊ばなくていいし、こんな、は、恥ずかしい夜着も必要ないよな?」

余程回避したいのだろう。
その目には頼むから必要ないと言ってくれと言わんばかりの期待が滲んでいた。
けれどそれを聞いてやるつもりは毛頭ない。
今日はこれでアルフレッドを抱きたいのだ。

「ロキ王子の折角の好意だ。マンネリ防止にと書かれてあったことだし、ありがたく活用させてもらおう」
「ええっ?!」

アルフレッドがどれだけ戸惑ってもこれは決定事項なのだ。
だからそれをわからせてやるために俺はさっさと行動に移してやる。
服を全部剥ぎ取って黒髪のアルフレッドによく似合う黒の薄衣を着せ、そのまま猫耳もつけてやった。
ただ問題はしっぽの方だ。
ベルトで腰に巻くタイプと中に入れるディルドタイプ。
正直アルフレッドにはまだ一度も玩具の類を使ったことはない。
試してみたくないと言えば嘘になるが、多分使ったら最後、また逃げられるに決まっているし、そもそも泣いて嫌がるだろう。
それで嫌われたらと思うと今一気分が乗らなかった。
好感度が低かった時ならいざ知らず、今の一番好感度が高まっている時期に嫌われるのは嫌すぎる。
でも折角の機会だし、試しにアルフレッドの意見も聞いてみようと思い立ち、それを手にしてどちらがいいかを聞いてやった。

(どうせベルトタイプだろうがな)

アルフレッドが自分からディルド型を選ぶはずがないと思ったので、ダメ元で尋ねたつもりだった。
それなのに────。

「その二つなら…こっち、かな?」

正直俺は目を疑ってしまった。
何故ならアルフレッドが選んだのがディルド型の方だったからだ。

(本当に…?)

その返答に思わずゴクリと生唾を呑んでしまう。
でも万が一間違ったのなら後で困るのは自分だと思い、念のため再度確認してみる。

「アルフレッド…本当にこっちがいいのか?」
「え?ああ」
「そうか」

あまりにもあっさりとそう言ったので絶対に何か勘違いをしている気がすると察したものの、自分で二回もこちらがいいと言ったのなら後で文句も言ってこないだろうと開き直り、断行することに決めた。

「ああ…たまらないな」

ベッドに押し倒したアルフレッドはいつも以上に恥ずかし気で、猫耳をつけたままちょっと涙目になってしまっている。
黒髪とやけにマッチしていてとてもよく似合っているのだが、そんな可愛さとは対照的に身を包む薄衣はどこまでもエロティックだ。
そのギャップにまたそそられてしまう。

(ロキ王子はよくわかっているな)

本当にアルフレッドがいつも以上にたまらなく美味しそうなご馳走にしか見えない。
だからついじっくり愛でようという気にさせられて、可愛い可愛いと言いながら沢山愛撫してしまった。
多分この薄衣の作り自体の効果もあったのだろうとは思う。
衣の上から撫でてもアルフレッドはとてもいい反応を返してくるし、時折スリットから手を入れて撫で上げたらそれもまたビクッとしながら反応を返してくるから、その差がまたこちらを興奮させて来るのだ。

(この薄衣はいいな。後でノヴァに言って問い合わせてもらって、追加で購入できるよう手配してもらうか)

そんな事を考えながらじっくりとアルフレッドを堪能していると、段々焦れてきたのかアルフレッドが熱っぽい眼差しで後ろをほぐしてほしいと強請ってきて、そのあまりの煽情的な姿にゴクリと喉が鳴った。
薄衣もいいが猫耳もやはり凄く良い。
これでしっぽまでつけてやったらどうなるのだろう?
そう思って潤滑油を取るついでにしっぽも手元へと準備し、後ろをしっかりとほぐしていく。
見たところ自分のものよりもかなり小さいし、初めてでもそれほど負担にはならないだろう。
そう思いながら期待に弾む胸を押さえつつ、普段とは違うアルフレッドをじっくりと見つめた。

「はぁ…セド…」

甘く漏れ出る吐息が気持ちいいのだと俺に伝えてくる。
最近ではこうしてどこか期待するような眼差しで見つめてくることが増えた。
求めてもらえるのが嬉しい反面マンネリにならないかと思うこともあったので、今回の件はちょうどいい切欠になったように思う。
アルフレッドが嫌がらなければたまにこういうことをするのもいいかもしれない。

気持ちよさそうに抱き着いてくるアルフレッドに気を良くしながらしっかりと後孔をほぐし終え、そろそろ入れるぞと言いながらしっぽを手に取った。
そっと後孔に宛がいゆっくりと差し入れていくと、アルフレッドは焦ったように悲鳴を上げてくる。
やはりこれの用途を理解していなかったらしい。

「え?や…なにっ?!」

そんな半ばパニックになりかけているアルフレッドを宥めるように何度もキスをして落ち着かせてやりながら、ゆっくりとディルドを奥まで入れてグチュグチュと抜き差ししてやる。

「あ…あぁ、んっ!」

戸惑いながらもその刺激を甘受し腰を揺らすアルフレッドをしっかりと抱きしめながらその反応を思う存分楽しんでやる。
気持ちのいいところを探りながら、前立腺のあたりを刺激してやるのも忘れない。
でもアルフレッド的にはどうしようもなく怖かったようで、縋るように抜いてくれと訴えてきた。

「や…いやだっ!セド、セドのがいいっ!セドじゃないと嫌だっ!セドッ、セドが挿れてっ!お願いだからぁっ!」

ここで俺のものがいいと言ってくるなんて、滾るなという方がおかしいだろう。
以前のアルフレッドだったら絶対に泣きながら『抜いて』と言うだけだっただろうに…。

「うっうぅっ…や、もぅそれ嫌ぁ…。どうしてもセドじゃないと嫌だ……っ」

しかもそんな風に懇願されてしまったら望みに応えてやりたくもなるというものだ。
けれどきっとこの先これでする機会はもう訪れないだろう。
そう思うと少しだけ残念に思えて、見納めになるならとそのまま奥までディルドを押し込み、腰を高く上げろと言ってやった。

猫が伸びをするようなポーズそのままに、涙目で早くこれを抜いてくれと振り返るように訴え、おまけに煽るような言葉まで口にされたら到底我慢なんてできるはずがない。

「セド…早く…セドのを挿れてほし…」
「くっ…!」

物凄く欲情した自分を自覚しながらしっぽをズルッと引き抜いて、求められるがままにそのまま一息に貫いた。

「ア────ッ!!」

いつも以上に過敏になっていたのか挿入と同時にアルフレッドが一気に高みへと達してしまう。
プルプルと身を震わせ、中を蠢めかせながら俺をしっかりと締め付けてくる。
背をのけぞらせ全身で俺を受け入れた悦びを表すアルフレッドの姿に多幸感で満たされていく。

「あ…あはぁ…」

ともすれば感じすぎて頽れてしまいそうなアルフレッドをしっかりと支えて腰を奥へと押し込んだ。
そこからはなりふり構わず強請られまくった。

「あっ、あぁんっ!セドッ!セドッ!いいっ!もっとぉ!」

いつも以上に淫乱に乱れ狂うアルフレッドはストイックさの欠片も感じられないほど淫靡に腰をくねらせ、俺を求め溺れ続ける。

「アルフレッド…っ、最高だ…!」

理性が飛ぶと強請ってくることは多いが、今日はそれよりも更に積極的に求められている気がする。
貪欲なまでに俺を求め、まさに溶け合うかのように熱く肌を重ねてくるアルフレッドは新鮮でたまらなかった。
奥まで突き上げながら胸も一緒に可愛がってやったら嬌声を上げながら潮まで吹いていた。
それほど感じてくれたのがどうしようもなく嬉しくて、もっと何度でもイカせてやろうと思った。

「ああ…っ!セドッ、セドッ!」
「アルッ…」

ギュッと抱き着いてきたアルフレッドに深く唇を重ね、腰を抱きながら激しく交わっていると本当にぽろりと…アルフレッドの口からその言葉が転がり落ちてきた。

「はぁ…っ、セド、愛してる…っ」
「…………っ?!」

驚き過ぎて思わず動きを止めてしまったけど、アルフレッドはそのままぎゅうぎゅうと抱き着いて来ながら、その甘美な言葉をもう一度繰り返した。

「セド…愛してる…」

その言葉にそっとアルフレッドの顔を窺うと、どこか焦がれるように切なげに俺を見つめる眼差しと目が合った。

(これは…反則だろう…………)

初めての『愛してる』がこのタイミング?!
でもきっとアルフレッド的に何かが琴線に触れたのだろうと、素直に喜びに打ち震えてしまう。
想いをこうして吐露してもらえたのなら後はもう愛し合うだけだ。

「アルフレッド…」

溶け合うように何度も深く口づけし合って、互いにドロドロになるまで溶け合おう。
それこそ、アルフレッドが望むだけ愛してやる。
一方的に抱くわけでも、無理矢理行為に持ち込んだわけでもなく、あの手この手で罠を仕掛けて陥れたわけでもない。
素直に抱いてと強請ってくる愛しい相手をどうして愛さずにいられるだろう?
思えばアルフレッドとこんな風に抱き合うのは初めてのような気がする。
いつだって恥ずかしがって逃げようとするアルフレッドは、何か理由でも用意しないと素直になってはくれなかったのだから────。

「アルフレッド…今日はこれでもかと愛し合おう」

お前の好きな体位を俺に教えてくれと囁いて、拒まれないのをいいことに好きなように可愛がる。
中を穿ちながら前をせき止めグニグニと玉を揉みしだくと、苦しいと身悶えながら俺を締めつけてきた。
だからうつ伏せでベッドに押し付けつつ、そのまま容赦なく腰を打ちつけ、種付けしながら中イキさせ続け、限界だというギリギリでイかせてやったのだが、声なき悲鳴をあげながら痙攣して気絶してしまった。

鬼畜?
溶け合う程愛し合って互いに満足するならそれくらいがちょうどいいだろう?

後で『お前の愛し方はおかしいから!』って泣きながら責められたけど、それが俺だって言ってやったらまた逃げられそうになった。

「絶対、絶対、二度と言ってやらないからな!!」

結局腰砕けで逃げられずそんな捨て台詞と共に掛け布の中に籠城されたけど、その言葉自体が愛してると同義語だとわかっていないところがアルフレッドの可愛い所だと思う。

「アルフレッド…愛してる」

お前が言わなくても俺が何度だって言葉にしよう。
それが俺の愛情の形なんだから────。

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